オルガイツカは勇者である   作:村田殿(ハーメルン版)

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次から新章へと移るために構成を考え、あらすじを書き溜めていたので(2019年は)初投稿です
ここまで遅くなってしまったのは仮面ライダー1号が殺されてその復讐にガエリオとマクギリスが争うゲームをやっていた際もあります
これからは月二回くらいの更新を頑張ります



夢は夢だからこそ美しい

 

「・・・遅かったですか」

 

マクギリスの策略に気づき茶を飲まなかった三好春信は眠っているオルガの部屋へと足を運んだ。

熟睡してるオルガを起こすため春信は両肩を掴み激しく揺らす

 

「団長さん!起きてください!団長さん!」

 

しかしその程度ではオルガは起きてくれなかった。春信は困った顔をして深呼吸をした後決意を決めた様な表情をする

 

「こうなれば私だけでもマクギリスさんを止めに・・・

 

「おっと、自分を忘れちゃあ困るっすね」

 

「村田さん?今までどこに・・・」

と、疑問を投げ打ったと同時に村田はオルガの額に手裏剣を投げつけ希望の花を咲かせた。

しかしそんなことは気にせず村田は春信の疑問に答える

 

「ずぅっと春信殿の近くにいたっすよ。気づかれなかったのは自分の影の薄さ故っすね」

 

「影?・・・あ」

 

春信は直感的に見抜いた。村田は自分の影に潜み続けていたことを。

 

「まぁそんなことはどうでもいいっす。さっさと三人で止めに行くっすよ、ねぇ団長殿」

 

「・・・ぅう、いきなり何しやがる」

 

「長々と説明する時間はありません。進みながら説明しますよ」

 

こうしてオルガ、村田、春信の三人はマクギリスの野望を阻止するため動き出すのであった。

 

 

 

その同時刻・・・

 

「石動、今から私は山の頂上で神樹への祈祷儀式を執り行う。誰一人ここを通すな」

 

「はっ!」

 

マクギリスの計画は石動を含む部下全員には偽物の計画を伝えられていた。

この旅館近くの山の頂上から望遠鏡を使い、バレないように覗く事が目的だ。

マクギリスの本当の計画を知っているのはガエリオを含む四人だけ。

ガエリオは先程マクギリスの手により倒された為、実質三人で石動達の警備を突破しマクギリスを止めなければならなくなった。

 

その頃旅館にある露天風呂にて

 

「ふぅ〜いい湯だね東郷さん」

 

「えぇ景色もいいしゆっくりできそうね」

 

「はぁ〜生き返るわ〜」

 

友奈、東郷、風が風呂の感想を言いつつ極楽極楽と露天風呂を楽しんでいた。

 

「ミカー?そっちはどう?」

 

「うん、いいんじゃない。お風呂ってのは気持ちのいいもんだね。オルガも来ればよかったのに」

 

ミカは一人風呂に少々飽き飽きしつつも楽しんでいた。

 

「本当よね〜、しかもここ作ったばかりですごく綺麗だしね〜」

 

この露天風呂は元々あったものではなく大赦が勇者達の為に作った風呂だった。

労いのために作ったといえば聞こえはいいが、実態はマクギリスがバエルの威光を使って権力で作られたものである

マクギリスが覗きの為に作られたとも知らず彼女達の至福の時間は続く。

 

 

 

「っ、まさかマクギリスがそんな計画を立てていたとはな」

 

春信からマクギリスの計画を知ったオルガは強い怒りを覚えながら旅館を出た。

マクギリスが鉄華団の団員である友奈達を狙うのはオルガにとって許せないことである。

共に戦っていた仲とはいえ、今回の一件には通す筋なんてものは最初からない。

団長としての役目を果たす為オルガはマクギリスの元へと進もうとしていた。

 

「戦力差は10倍以上ですね。どうします団長さん?」

 

「決まってんだろ、正面から殴り込みだ」

 

「マジっすか?いやいやいやここは作戦を練って・・・

 

「いいから行くぞぉ!」

 

村田の制止を聞かずオルガは警備の前に足を踏み入れる

 

「オルガ団長?申し訳ありませんが准将の命によりここは立ち入り禁止です」

 

「あぁ?アンタら自分が何してるか分かってんのか?オラァ!」

 

オルガは有無を言わさず警備員に殴り込みをかける。

反撃として警棒を持った何人かがオルガへと襲いかかる。

 

「ああ、もう仕方ないっすね!」

 

「抵抗しないで下さいよ!」

 

しかし春信と村田も加わりここにいた警備員6名のうち3名を気絶させて戦闘不能にした

 

「手加減はしねぇ、死にてぇ奴だけかかってこい!」

 

「ひ、ひぃぃ ・・・」

 

オルガの怒声にビビった警備達は腰を抜かしながら逃げていった。

 

「逃がすわけねぇだろ」

 

「なら自分が行くっすよ。団長殿達はマクギリス殿を追うっす」

 

「分かった、ここはアンタに任せるぞ」

 

「了解っす!」

 

 

 

村田が逃げていった警備員を追う展開になったが村田はただ追うことだけに専念した。

見つかってしまった以上その場に増援を呼ばれる可能性があるが、増援を呼ばれればこちらとしては作戦勝ちである。

一箇所に留まり引き付ければ他の守りが薄くなるのは必然であり彼は追っ手と言う名の囮役を引き受けたのだった。

 

「さてさて今宵は大サービス。忍者としてあるまじき目立ちっぷりを見せてやるっすよ!」

 

その大声と共に取り囲まれた村田の顔はどこか自信に満ち溢れた顔だった。

印を結び八人に分身した村田は五人が五方向から迫る警備員達を足止めし残りの三人が包囲の中心に集まる。

そして一人が掌を広げ残り二人が手をかざす。

掌の上には螺旋を纏った球体が作られていく。

 

「知ってっるすか?厄祭戦が起きる少し前に世界的大人気になった忍者漫画を。

今から見せるのはその代表的な技の更に応用。

目ん玉開いてとくと見るっすよ!」

 

『風遁・螺旋丸』

 

「螺旋を描き続けて圧縮されていく風は進化の過程で重力波を生んでいくっす」

 

言葉通り螺旋丸を中心に重力波が発生しまるで極小のブラックホールを生み出すかのようだった。

竜巻に巻き込まれるような形で警備達は空を舞い上がり村田の分身も同様だった。

台風の目と化した螺旋丸は少しづつ広がっていくように見えた。

 

「さあ、これでフィナーレ・・・ここまでっすか?」

 

刹那、螺旋丸が消失し村田はその場で倒れた。コンセントが抜かれた電化製品のように突如の事だった。

 

「やっぱ慣れないことはするもんじゃないっすね。・・・後は頼んだっすよ、団長殿」

 

そこで彼の意識はとぎれた

 

 

 

「見つけたぜマクギリス!」

 

「ほう、下の騒動は君達か?だが君達の相手をしている時間はない」

 

七分目辺りでオルガ達はマクギリスと鉢合わせた。今にも殴りかかりにいく勢いでオルガはマクギリスに怒りをぶつける。

 

「そっちになくてもこっちにはあるんだよ。団員に手出そうとしているアンタを見逃すわけねぇだろ。落とし前はキッチリつけさせてもらうぜ!」

 

オルガはマクギリスに対して真っ直ぐと走りだす。しかしマクギリスしか目になく、上から迫ってくるヘルムヴィーケリンカーに気づかなかった。

 

「ヴェアアアアアア!!!」

 

「団長さん!?」

 

リンカーの足に潰されながらも希望の花を咲かせたオルガだったが、ずっと踏み潰された状態では復活しても動きようがない。ならばと春信はデスティニーを呼び出しリンカーと対峙する。

 

「石動さん!貴方は騙されてるんだ。話を聞いて・・・

 

「准将、ここは私が」

 

「すまない」

 

石動は春信の言葉に聞く耳もたずマクギリスを先へと向かわせた。

デスティニーの大剣アロンダイトとリンカーのバスターソードが鍔迫り合いを交わし、接触回線で春信は石動を説得しようとする。

 

「石動さん、貴方ほどの人なら分かるでしょ!?マクギリスさんの理想は貴方が求めているものとは違うものだ!」

 

機体のパワーはデスティニーの方が優っておりリンカーは自然と後ずさる。

その影響で足元にいたオルガは復活し少しくたびれながらも山を登り、マクギリスを追っていった。

 

「例えそうだとしてもここで私が准将を見限ればこれまで我々が進んできた道はどうなる!?」

 

「それは・・・」

 

石動の言う事も納得はできないが理解はできる。今ここでマクギリスがオルガに止められれば、石動が今までマクギリスの為にしてきた事が全て無駄になってしまう。

例え間違った理想だとしても彼にはもう戻るという選択肢はなかった。

 

「いや、それでも!」

 

石動の覚悟を理解した上で春信は改めて彼と対峙する。

一旦大剣同士の距離を離し仕切り直す。その後デスティニーの肩に付いているビームブーメランを二本投げる。

その方向は一本はリンカーに向けられたものだったが、もう一本は見当違いのものだった。

 

「どこを狙っている?」

 

リンカーが重武装MSとはいえ真正面の攻撃を避けるのは容易かった。やや右側に来たブーメランを左に避けその勢いで胴切りをしようとした。

が、その動きも春信の読み通りだった。見当違いに放って戻ってくるブーメランを春信は手動で遠隔操作して本物のドラグーンのように的確に動かしていった。

その行き先はリンカーの肩部分にできた僅かな装甲と装甲の隙間だった。

想定外の事態に石動は一瞬だが怯む。その僅かな隙をつき春信はデスティニーの大剣でフレームごとリンカーの左腕を切り裂く。

 

追撃にリンカーの右肩関節をデスティニーは左手に付けられたパルマフィオキーナで狙う。

しかしリンカーもただではやられまいと頭に付けられた二本の電撃角でデスティニーの左腕を狙い付けた。

その間はほぼ同時でありパルマと電撃角の攻撃はほぼ同時に起きた。

その結果の光景は至近距離から繰り出されるエネルギーが生み出す大爆発だった。

お互いの機体はその衝撃で吹き飛び木をなぎ倒しつつ進んでは止まった。

 

爆発による影響は機体に大したダメージを与えるものではなかったがパイロットは無事ではすまなかった。

互いにショックで頭を強く打ち流血を流す。その中でも石動は信念をかけてまだ進み続ける。

 

「准・・・将・・・」

 

もはや体は限界の筈である。

それでも石動は止まろうとしなかった。

意識も朦朧とするなかスラスターも時間差爆発で壊れ、歩いていく。

そして彼は10歩ほど進んだ後意識を失った

 

「石動さん。今の腐敗した大赦を正せるのは貴方達のような新しき風なのかもしれませんね。

・・・ここで貴方を死なせるわけにはいきません」

 

春信はリンカーから石動を引きずり出しデスティニーの手に乗せ空へと飛んで行った。

 

 

 

「オルガ団長、私と共に来ないか?」

 

「は?」

 

マクギリスの奴が俺の事を誘ってきやがった。

そういや前にもミカが誘われたことあったっけな。けど今回はと言うか、今回は全然考えが分からねぇ。

コイツは一体なんでこんな事言ってんだ?

 

「君も男ならば彼女達が作り出すエデンを一目見ようと思わないかね?」

 

・・・成る程な。奴の言ってることは男としちゃこれ以上ないくらいのアガリじゃねぇか。

その為に手を組むってのは分からなくもねぇ。

けどここでコイツと手を組むのは筋が通らねぇ。

さっきまで俺がやってきたことを全てを無駄にして協力してくれた二人や団員達を裏切ることは俺にはできねぇ。

 

「アンタ状況分かってんのか?俺は落とし前をつけに来た、最初にそう言ったよな?

手を組む気なんてねぇんだよ」

 

俺はドス効いた声拳を鳴らしつつマクギリスに言い放つ。するとマクギリスはわざとらしく高笑いし

 

「いいだろう、拳で受けて立つ」

 

と構える。どうやら覚悟はできたみてぇじゃねぇか。

 

「いくぞぉぉ!マクギリス!」

 

ここに彼らの決戦の火蓋が切られる。

しかしオルガ達の妨害で既に時間も経過し、彼女達は既に風呂は上がり布団にこもって恋バナで盛り上がっていた事を二人は知る由もなかった。

 

二人の殴り合いによる戦いは互角とも呼べるものだった。しかしその互角の状況にお互いは驚いていた。

 

「まさかアンタがここまでやるとはな!」

 

二人の殴り蹴り、殴られ蹴られの攻防が続くもお互いなかなか倒れる様子はない。

今のオルガは団長としての意地で立っている。簡単に倒れて希望の花を咲かせるつもりはない。

 

「まだ倒れないか!?俺の行く手を阻むのならば今度こそ殺してやろう!」

 

「イかれてんな!アンタは!」

 

「正気ゆえだ!」

 

自分を殺そうなどとおかしな言動をするマクギリスを見て、オルガは全てを粉砕するかのようにマクギリスの顔に強烈な一撃を浴びせる。

その一撃は弾丸のように強くそして儚い。

が、それでもマクギリスは倒れない。

それどころかタカが外れ懐に入れていた拳銃を取り出しオルガへと放つ。

 

「オルガァァァァ!!!」

 

「ぐぅ・・・うぇああああ!!!」

 

拳で受けて立つと口約束を破ったマクギリスに対し、オルガも負けじと拳銃から三発放ち一発が当たる。

ほぼ相打ち気味に見えた光景だったが先に倒れたのはオルガの方だった。

双方が受けたダメージはお互いが思っているよりも大きく、マクギリスはふらつきながら山の頂上にある展望台へと足を進ませる。

 

 

「ハァ、ハァ、あと少し、あと少しで俺の望んだ新世界。

エデンの扉がもうすぐ・・・もうすぐ開かれるのだ・・・」

 

息をチラつかせながら展望台が見えてくる。しかしここでもまたあの男が先回りしていた。

 

「ガエリオォォォォ!」

 

ヴィダールの仮面を被ったガエリオとマクギリスが頂上で弾丸が行き交う。

その光景はお互いデジャブあるものだ。

 

「ぐっ・・」

 

「まだ死ぬな。お前を勇者と信じ共に戦い、慕ってくれた彼女達の為に」

 

ガエリオは今にも意識を途切れさせそうなマクギリスを支えながら言い放つ。

 

「お前がやろうとしていた事は今までの彼女達の思いを踏みにじり、裏切る事なんだ。

お前ならそれくらいのことは分かるだろ!?」

 

「・・・言われずとも分かっていた。いや・・・分かっていながら裏切ろうとした。

だが、彼女達の好意を無視しなければ俺は前へ進めなかった。

アグニカ・カイエルを越えようと俺は・・・

 

「ふざけるな!そんな事で超えられるとお前は本当に思っていたのか!?お前の信じるバエルとアグニカとはそんなものじゃないだろ!

お前が欲しかったその理想は間違った理想だ!」

 

「理想に、正解や間違いがあるのか?」

 

「そんな事も分かっていなかったのか!お前は!」

 

かつてギャラルホルンを変えようとしたマクギリスの理想はやり方こそ間違っていたが思想こそ間違いではなかった。

そしてマクギリスは理想と呼ばれるものを他に知らなかったが故にガエリオの言う事を理解できなかった。

 

「ガエリオ、俺は本当は・・・」

 

「それ以上言うな!お前が言おうとしている事が俺の想像通りなら言えば俺は…許してしまうかもしれない!」

 

「俺は・・・友でいたかっ・・・

 

 

その言葉は途中で途切れたが、マクギリスが言おうとしていた言葉はガエリオに届いてしまった。

 

 

後にマクギリスファリド事件と呼ばれなかったこの一連の騒動はオルガイツカを含む4名の手によって幕を閉じた。

 

一時は大赦の信用を失いかけたマクギリスだったが石動の意思を受け継いだ三好春信の必死の弁護により地位を奪われる事なく三日間の謹慎処分で済んだ。

これには真実を知ってなお彼を許したアルミリアや夕海子の後押しもあったと言われる。

 

男が誰もが夢見るエデンの光景は夢幻として描かれ続ける。

夢は夢だからこそ美しい。

それはとても現実から遠く、光の速さでも追いつけそうにもない。

それでも男達はいつかは、またいつかはとその夢を見続けていた。

 

 

その頃マクギリスを慕っていた元革命軍達はモンターク店を放り出しマクギリスを擁護すべく大赦へと向かっていた。

そして肝心のモンターク店には革命軍ではない一人の青年が独り言を呟いていた。

 

「さてさて、金髪オーナーさんがなんか大赦に捕まり、店長の石動さんは大怪我か。私としてどうなんだ?俺は正直どっちでもいいけど。

バーテックスは全て倒された。だからもう勇者は必要ない。

そう俺は思ってたんだが、私は違うか。

バーテックスは所詮兵でしかない。将を倒さねば戦は終わらぬ・・・か

 

ああ分かってるよ。私も俺もこの件とはもう関わる気は無いんだろう?

我々が私のように理解力があるなら既に私もいないだろうか。

そしたら俺も消えるのかな?

 

けどどうせ消えるなら最後にでっかい花火上げて俺は消えたいもんだね。そん時は俺は俺として動かせてもらうよ、私よ

 

・・・んん美味え!なんで我々はチョコレートっていう美味いもんまで消そうとするのか俺にも私にも分からねぇな」

 

 

 

 

 

 

 

 




ラストに出てきたモンターク店の青年の台詞はほぼおかしいですが、彼の言ってる「私」と「我々」を別の言葉に置き換えると多分意味が分かるでしょう

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