今回は大赦の徹底した秘密主義について解説していく回です
なおこの話の設定はオリジナルです。あまりにも大赦が説明しないため勝手に考えました
オルガ「最近俺の扱いがどうもおかしい。
俺の胃痛が悪化する出来事が多いうえに話の主導権も握れねぇし他の世界みたいに彼女もできねぇ」
「これも全て大赦の万丈士って奴の仕業なんだ」
オルガ「この落とし前、アンタどうつけるつもりだ?」
作者「正直すまなかった。彼の命は精々あと2話といった所で、彼にはさっさと消えてもらいたいと本心から思ってるよ。
それと彼がバーテックスという情報は誤りだ、まだな。
それと今回の話樹ちゃんは765プロ行ってていないから」
村田「厄祭戦なんてなければ勇者部のみんなは歌って踊れて農業もする農家系アイドルになれたかもしれないっすね」
「ああ、それってTO※このコメントは削除されました
前回のあらすじ
忘れた
今回のあらすじ
昔話をしてあげよう
世界が破滅を迎えそうになっておよそ100年後の話だ
神様は人間を救いたいと思っていた。だから、手を差し伸べた
でもその度に、人間の中から邪魔者が現れた
神様の作る秩序を、壊してしまうもの
神様は困惑した
人間は救われることを望んでいないのかって
でも、神様は人間を救ってあげたかった。
だから
先に邪魔者を見つけ出して、始末することにした
そいつは「黒い鳥」って呼ばれいるらしい
何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥
その正体とは・・・
「今がチャンスっすね」
オルガ達が大赦の人達から話を聞いている最中、村田は大赦の深層部へと足を運んでいた。
マクギリスを病院まで運んだ後に彼はすぐ動いた。
今大赦本部の警備は手薄。
偶然だが千載一遇のチャンスをモノにしようと彼はここにいる。彼の本当の目的を果たすために。
「この先にあるのが厄祭戦時代の資料なら勇者システムの開発元もきっとここに・・・」
「よっ!やっぱりここに来たか村ちゃん」
村田がいよいよと意気込んでいる中声をかけてきたのはここにいるはずのない万丈だった。
「っ!?・・・何でここに?」
「あれ、忘れてた?俺さ七人まで分身できちゃったりするんだ
力も七当分だけど」
そう言うと彼は六人に増えた。
今オルガの会話相手と足すと七人である。
彼の表情は余裕に満ちたものだった。
「・・・思い出したっす。二年前もその手でやられたっすね」
「そういうことだ。思い出すなぁ〜二年前に異世界から来た忍者とか馬鹿げた話を聞く耳持たず俺に排除しろと命令した大赦のお偉いさん達の顔が。
その命令を実行に移して俺たち殺りあったよな〜?
なかなか有意義な時間だったなぁ〜
俺も仕事だって事を忘れて久々に楽しい時間を過ごしてたよ」
「・・・自分はちっとも楽しくなかったすけどね」
「あっはっはっは・・・でこの先に用があるんだろ?行きなよ」
「止めないっすか?」
「止める理由がねぇな。だって村ちゃんは悪いことする為こんな所に来た訳じゃないだろ?
奥にあるデータちゃんと扱えよ?」
翌日、オルガ達は春信からの呼び出しでお昼頃モンタークへと足を運んだ。だが・・・
「ちゃろ〜、じゃなかった。
いらっしゃいませ鉄華団の皆様方、今日から肉うどんフェア開催しまーす!
やはり秋は肉うどんっしょ!
ささ、席へご案内しますよ」
「・・・いらねぇ。アンタどの面下げて俺に顔見せに来たんだ?」
モンタークへ足を運ぶと迎えに来たのは万丈だった。彼は昨日の事など気にも止めないようなハイテンションっぷりを見せつけてきた。
店の中にいたのは彼と村田の二人だけだった。
「まーまー、昨日は言いすぎて悪かったって思ってるよ。
それとも許す気なんてさらさらないから土下座でもさせるか?いーよ?俺は土下座くらい平気でやるよ。仲直りする為ならさ」
「いらねぇ。だがこの落とし前は後でちゃんとつけさせてもらう」
「オーケーオーケー。俺ができる落とし前は腹一杯食わせてやるくらいだ。今日の俺は機嫌が良い。お代は結構結構。
ひ、ふ、み・・・んん?一人足りないな〜一番ちっこいのが」
「風?樹の奴はどうした?」
「樹?樹は別の用事があるって来てないわ」
「そうかそうか〜。・・・村ちゃんは先に皆様を奥の部屋にお連れして。俺はちょっと野暮用を済ませてくる」
「了解っす」
何か腑に落ちないものをオルガは感じながらもモンタークの奥の方へと足を運んだ。
「よう、そこで見てる大赦の人出てきなよ」
万丈は店を出た後少し歩き、隠れていた大赦の人へと声をかけた。
「狙いは俺・・・じゃなくて春ちゃんか?大方機能の件がキッカケで大赦を辞めるんじゃないか心配になって来たんでしょ?」
万丈の問いかけに対し大赦の人は姿を見せるわけでもなく答えることもなかった。
「だんまりか?なら質問を変えよう。勇者の子達の様子を見に来たのか?」
「・・・・・・」
「目的を話す気もなしか?まあ大赦が秘密至上主義になったの原因は俺にもあるから仕方ないか。
・・・俺たちが大赦に内緒でしようとしていることは彼女達の心のカウンセリングだ。俺達大赦は無意識に傲慢な印象を彼女達に与えてしまった。
その影響で彼女達が大赦に対し牙を剥くか心配してるんだろ?
その責任は俺や春ちゃんが取るよ。俺達なりのやり方でな」
「一体何を?」
「おばあちゃんか言っていた
辛い時こそ飯を食えって。
よく食べ、よく寝て、よく動く。
そうすれば自然と人ってのは辛い思いや気持ちが忘れられる。
今の俺に出来るのは精々美味しいうどんをたらふく食わせてやる事くらいだ。
人は忘れるからこそ生きていける。 苦しいことや悲しいことを全部鮮明に覚えていたんじゃ辛くて仕方ないだろ?
でも貴方は二年前その辛さを仮面と共に心の奥にしまった。
そういう思いを背負ったままの生き方って辛くはないのか?」
「・・・私は大赦の人間です。個人の感情など・・・ありません」
彼女の声は冷淡なものだがどこか悲しみや葛藤がある様にも聞こえた。
「感情はない・・・か。それならそれでもいいや。
彼女達の事は春ちゃんに任せておけばいい。貴方もその気があるなら仮面を外して来てくださいね。
ちゃろ〜」
万丈がモンタークへと戻ると彼女は仮面を外し、自分に言い聞かせる様に独り言を放った。
「私はもう決めた。この時代を生きる為にはこの道だと・・・決めたんです」
彼女は決意を新たにし仮面を再び被ってその場を立ち去った。
一方その頃オルガ達はモンタークの冷蔵庫型隠し扉の先へ足を運び、地下へと下っていった。
その内装は鉄華団本部の地下空間の様な小汚さがあった。
机や椅子が不規則に並びその上には見たこともない実験道具や機械があった。
「ここは一体・・・」
「自分が作った秘密研究施設っすよ。新たな勇者システムの開発の為の」
「新しい・・・勇者システム?」
「そうっすよ東郷殿。尤も自分が作ろうとしているのは対バーテックス用では無いっすがね」
「どう言う事だ?バーテックスの他にまだ敵がいるってのか?」
「あ〜・・・いるといえばいるっけど少なくともまだいないっすね、まぁちょっとしたお遊びっすよ」
村田との会話をしていき地下の部屋の奥へと進むと、待っていたのは春信と四十代くらいの女性だった。
セミロングの黒髪に白ふちメガネと白衣を身につけ何かの科学者といった印象だ。
彼女はふわふわとした雰囲気を醸し出しオルガ達へと声をかけた。
「やあ、会いたかったよ〜今の勇者の子達」
「花凛の兄貴に、誰だ?そっちのおばさんは?」
「・・・ガハァ!!」
「桐生さん!?大丈夫ですか」
オルガにおばさんと呼ばれた女性は何かが壊れたかのようにその場で倒れブツブツと独り言を言い始めた。
「いいんだよ、分かってるよ。
もうおばさんなんて呼ばれる歳だって事ぐらい分かってるよ
でもこう面と向かって直接言われると想像以上に傷つくなぁ・・・あは、アハハはハはは・・・はぁ」
「す、すみませんでした!お嬢さん」
オルガは自分なりに最大限の謝罪をするが彼女は壊れた機械のようになんの反応も示さなかった。ただ遠い目をして空を見上げるだけだった。
「桐生さん?桐生さん?・・・ダメみたいですね。村田さんここは頼みます」
「了解、了解っす。・・・団長殿〜?アレはダメっすよ。ダメダメ。
桐生殿はメンタル弱いっすから」
「誰なんだよ?あのおば・・・
カチャ(銃を構える音)
「ダメだよオルガ」
「そうっすよ団長殿、彼女はあんなんでも大赦じゃかなり高い地位っすから。
彼女の名前は桐生静|きりゅう静|、勇者システム開発部門所長にして、三十年前の勇者っす」
「三十年前の勇者?そんな昔からバーテックスと戦っていた人がいたの?」
「いいや違うな。桐生ちゃんは勇者ではなく、凄くてて最高でてぇんさい科学者だ」
村田の代わりにオルガの質問に答えたのは階段を何段か飛ばしつつ降りてきた万丈だった。
「おばあちゃんが言っていた、勇者とは力がある者ではなく戦う心を持った者だって。
でも桐生ちゃんはご覧の通り豆腐メンタルだ。
だからバーテックスからは逃げの一手で戦う道は選ばなかった」
「選ばなかった?」
「そう、三十年前バーテックスは厄祭戦以降再び姿を現した。
その目的は人類が勇者システムを再び使用し、反逆の意思がないかを監視するためだ。
もし奴らに勇者システムの存在がバレていたら人類は天の神の怒りを買い三十年前にも被害が出ていただろう、今以上のな。
桐生ちゃんは奴らの侵攻を阻止しようとまだ君達と同じくらいの歳の時に科学者として戦い、勝利した。
あん時は俺も色々とお仕事大変だったな〜」
「?、アンタはオルガと同じくらいの歳じゃないの?」
「俺の歳なんて今はどうだっていいだろ?
桐生ちゃんは大事な話をする為にここに来たんだが・・・ありゃダメだな。
俺が代わりに話してやるよ。
あ、一応聞くけどこれからする話は対して面白い話じゃない。それでも聞きたいか?」
「なになに?そんな言い方余計気になるじゃない。聞かせてよ」
「威勢がいいな、勇者部部長。ならハッキリ言うよ。
君の目もう治らないから」
「・・・え?」
万丈の言葉は唐突に放たれた弾丸の様に風の心に突き刺さる。
それは花凛やミカも同様だった。
「ど、どういうこと?もう治らないって?」
「言葉の通りだよ煮干し子。部長の妹さんの声、車椅子のお嬢さんの聴覚、友奈、いや結城ちゃんの味覚も治ることはないって言ったの」
「あんた何言ってるの?大赦からは治るって言って・・・
「ああそれ嘘。大赦の優しくも残酷な嘘だよ。改めて話をしよう」
「な・・・何よ、それ・・・返してよ!私の目を返してよ!」
昨日とオルガ達が効いた話と同じ話を聞き、風は怒りを万丈へと向ける。
「まあまあ落ち着けよ。俺を攻めたところで治るもの治らないから。
落ち着いて話を・・・
「話なんて聞く必要あるの?」
「なんだ少年?そんな怖い顔すんなよ。コレには訳が・・・
「アンタは大赦の人間で、大赦は俺達を騙して戦わせていた。そうでしょ?」
「そうだよ・・・っ!
パンパンパン!
ミカは懐から銃を取り出し有無を言わせず万丈の頭に三発撃ち込んだ。
「ちょ!?ミカ何して・・・
「ダメだよ風。これはケジメだ。ここでコイツを撃たなきゃケジメがつかない。
ねぇオルガ次は俺どうすればいい?どうすれば大赦って奴を潰せるの?」
「ミカお前・・・
ミカの瞳には真っ直ぐだが狂気に満ちたものだった。だがオルガには今のミカにどう答えていいものか分からなかった。
「・・・痛ててて
「アレ、おかしいな?ちゃんと当たった筈なのに」
確実に絶命していた筈の万丈は何事もなかったかのように喋り、立ち上がった。
「ん、何をそんなに驚いてるんだ少年?君のすぐそばにもいるだろ俺と同じような奴」
「アンタは一体何者なんだ?」
オルガは万丈が自分と同じ不死の力を持っていると確信し警戒しつつ彼に聞く。
「そいつは・・・
「人の手で作られた人口精霊だよ」
その問いに答えたのは先程退散したてぇんさい科学者こと桐生静だ。先程の精神的ダメージはもう見られずにいた。
「作った言うな、俺はまだ人間のつもりだ。
「なーに言ってるの?人間は250年も生きられないから」
「「250!?」
「ちょ!?俺の歳なんて言うなよ!桐生ちゃん!」
「言うよ?や〜い年寄り〜」
「年寄り扱いすんな!ヒドォチョグテルトヴッドバスゾ!(ひとをおちょくってるとぶっとばすぞ)」
万丈の動揺ぶりはこれまで積み上げてきた重苦しい空気さえぶっ飛ばすものだった。彼の一件陽気に見えて話す内容は恐ろしいというレッテルが崩れ去った瞬間である。
「大体年齢なんて概念は人間が勝手に定めたものであって 本来成長ってのは人それぞれなんだよ 。
それを一様に年齢で判断するのは愚かとしか言えない。
俺はまだ子供の頃の夢を叶えようと頑張る大人なんだよ。
250歳とか関係ないね。
・・・大事なのはこれからだ」
一息置き彼のテンションはまたシリアスなものへと急激に戻った。
「確かに大赦は君達に隠し事をしていた。だが散華のことを言えば満開を使うのを躊躇った筈だ」
「・・・・・・」
一同は万丈の言葉に反論する事は出来なかった。
「だが満開システムを採用したのは悪意があってやったわけじゃない。だよな、桐生ちゃん?」
「うん、ここから先は私が話すよ。君達勇者にはその権利があるから。
大赦が満開システムを採用したキッカケはこれ以上勇者がいなくなる事を防ぐためなんだ」
「勇者が、いなくなる?」
「そうだよわ・・・東郷さん。二年前にもバーテックスが攻めてきた事は話したよね。
その時バーテックスと果敢に戦ったのは三人の少女達。
乃木園子をリーダーとする西暦298年頃の勇者は幾多に攻めよせるバーテックスと戦った。
でもある日三体ものバーテックスが攻め寄せてきた。その頃は満開システムは実装していなかったんだ。
本来一体ずつ戦うことを想定していた私達大赦の予感はいとも簡単に崩れ去った。
そんな予想外の状況で三人のうち二人が戦闘不能になった。そんな状況下の中一人の勇者が命をかけて世界を守ってみせた。
まるで三百年前の勇者、アグニカカイエルの様にね」
「命をかけて?と言う事はその人は・・・
「うん、東郷さんの予想通りだよ。彼女はその戦いで命を落とした。
だから私たち大赦はこれ以上の犠牲を出さない為に勇者を守るための精霊とその力を振るう為の満開システムを実装した。
冷たい言い方だと思うけど私は貴方達の命を守る為に体の一部を犠牲にしてしまったんだ。
ゴメンね」
「・・・アンタの言い分は分かった。確かに命よりも大事なものはねぇ。
死んじまったら自分の足で進む事はできねぇからな。
けどな、なんでアンタも春信もはそう思ってるのにもっと早く言わなかったんだ!?」
「そりゃ簡単だ。黒い鳥に殺されるのを怖がったからだ。そうだろ、桐生ちゃん?」
「士君!?それは・・・うん」
「黒い・・・鳥?なんだそりゃ?」
「大赦の秘密主義を守る番人の通称だ、本当に鳥って訳じゃない。
聞いた事はないか?大赦の秘密を知ったものは消されるって言う噂を。
その正体こそ黒い鳥っていう奴で少年、君が倒すべき本当の敵だ」
「その黒い鳥って奴のせいでみんながこんな目にあったの?」
「そうだ。今の大赦の秘密主義を支えているのは黒い鳥って奴の仕業なんだ。
今の大赦は奴のせいで腐敗している。アイツは、狡猾で残忍で自分の命さえ良ければ平気で人殺しも辞さない非道な奴だ。人の形をした悪魔だよアレは。
俺はな、虫けらの様に人を殺すバーテックスも黒い鳥も許せないんだ。
正直危険で関わらない方がいいかもしれない。だが黒い鳥は大赦に誰よりも深く精通している。
もしかすれば奴は散華で失われた物を元に戻す方法を知っているか知れない」
「っ!それ本当なの!?」
「嘘ではないよ勇者部部長、あくまでも希望的観測だ。だが望みは捨てない方がいいだろ?勇者なんだからさ」
その言葉を受け風の顔つきが少しだけ緩んだ様に見えた。
それはほかの子達もだ。
団長、少年、そして勇者の子達。俺の事は信用できないかもしれない。
けど今は、今だけは腐敗した大赦を潰しあるべき姿の大赦を取り戻す為に、黒い鳥を倒すのに協力してくれないか?」
万丈が嘘を言っている様には見えなかった。彼の今までの行動を考えれば大赦同様信用できるだけのものはない。しかし彼が持っている情報がなければこれからの行動を決められなかったのも事実だ。
オルガは半信半疑ながらも了承した。
「・・・分かった」
「いーよー」
「ちょ、ちょっと待ってよ二人とも!大赦を潰す?本気なの!?」
「何?花凛は何か文句があるの?」
「大有りよ!だって私は大赦の勇者だから・・・
「じゃあ花凛は俺達と大赦、どっちの方が大切なの?」
「っ、そ、それは・・・
「ねぇ?」
「わ、私は・・・私は・・・
花凛は自分の立場と自分の気持ちが心の中でぶつかり合った。
大赦の人間として止めるべきか友達として共に進むか複雑な感情が入り混じり今にも逃げ出しそうになっていた。
そんな花凛に春信は一人の兄として声をかけた。
「いいんだ。花凛、もう俺の影を追わなくてもいいんだ」
「あ、兄貴・・・」
「花凛が大赦に入ったのは俺と両親を見返す為、そうだろ?
でも俺はもう大赦失格だよ。自分の想いを抑えきれず大赦としての立場を忘れた。
俺は石動さんを見て少し分かったんだ。本当に迷った時は自分の心に従えって。
だから花凛もそうしてほしい。後悔だけはしてほしくないんだ」
「心に従う・・」
「大丈夫だよ花凛ちゃん!
なせば大抵なんとかなる!だよ」
「友奈・・・」
「なんて情けない声出してやがる、花凛。お前が本当にやりたい事はもう決まってるじゃねぇのか?」
「・・・いたい」
「ん、聞こえねぇぞ?」
「うっさいバカ!ああそうよ!アンタ達と一緒にいたいわよ!でも私だけ満開してなくて、仲間はずれみたいで居づらいんじゃないかと思ったけどやっぱりここが私が一番居たい場所よ!
って全部言わへんなこのバカーーー!!」
「「・・・あっはっはっは!!」」
「笑うなぁぁあーー!」
「いいじゃないか、君は大赦の秩序より友達との友愛を選んだ、正直感動した
おばあちゃんが言っていた
感情で行動することに異論はない、私はそう学んだってな。
実に、実に人間らしく素晴らしい!その勇気ある行動に対し500アグニカポイント贈呈しよう」
「いらないから」
「ならば代わりにうどん大盛り無料券を贈呈しよう。
そして結城ちゃん。君の彼女へと向けた言葉と笑顔はまるで太陽の如き輝きだった。
500、いいや700アグニカポイントと半額券を贈呈しよう」
贈呈と同時に誰かの腹の虫がなった。音は二箇所から鳴り響いた。
「・・・すみません私です。実は昨日から何も食べてなくて・・・」
一つ目の音を出していたのは春信だった。彼は情けない所を見せてしまい軽く溜息をついた。
そして二人目はミカだ。
「腹減った。ねぇ250歳の人、飯作ってよ」
「歳言うな。俺の心はまだ19だ。永遠の19歳、大人になりきれない子供って年齢なんだよ」
「アンタ何言ってるの?」
「少年、覚えておけ。いくら歳を取ろうとも子供の頃の純粋な夢を叶えられるまで本当の大人にはなれないんだ。
だから夢というものものを持ち、それを守りぬいていけ。それが子供の特権だ」
「へぇ、大赦の人にしては随分変わってるね」
「変わってるか、確かに。
実を言うと俺は大赦をやめたいんだ。けど人口精霊という特殊な立場や仕事柄から何千回退職届を出しても上層部の奴らは何度だって破り捨てる。
人を道具みたいに扱うアイツらはアグニカの意思を継ぐに相応しくない
・・・相応しくないんだ!」
突如万丈は突沸した水のように激昂しだした。その変化に場にいる全員が引いた。
「アイツらは何なんだ!何も知らないくせに!バカの一つ覚えみたいに命令下して!秘密を守る為とか言い出して!
やりたくもない仕事ばっか押し付けて!そのくせ残業代もまともに出しやがらねぇ!
俺がまともな人間じゃないから何やってもいいってのか!そんなブラックな組織は俺がぁあ!
ぐぁぁぁぁぁぁァァァァ!!」
大赦への不満や文句を言い放った途中、万丈の体から電撃が放たれ体を蝕んだ。絶叫が鳴り響きその後彼は壊れた機械のように倒れた。
その光景に鉄華団と勇者達はただ呆然とするしかなかった。
「士君?士君ってば」
桐生は彼に寄り添い様子を伺ったが、万丈がそれに応えることはなかった。
オルガ達には彼の容体は溜まりに溜まったストレスが爆発したと説明されその場はおさまった。
その後オルガ達は春信、村田と共に地下を出て表へと出た。
「先程は見苦しい所を見せてしまい申し訳ありませんでした、勇者の皆さん」
「あの、大丈夫何ですか?あの人の容体は・・・
「大丈夫っすよ東郷殿。あれは感情の昂りが精霊の力で少々暴走しただけっすから。ちょっと休めば治るっすよ。
でも黒い鳥に会い、倒すには万丈殿の協力と戦力としてバエルの力が不可欠っす。
やるにしてもマクギリス殿の怪我が完治する一週間後っすね」
「分かった。鉄華団はアイツの策に乗ってやる。お前達もそれでいいか?」
散華でなくなったものが戻るかもしれない、真実を知りたいという希望を胸に勇者部一同はオルガの声に頷いた。
絶望した中に見つけた一筋の光を求め、彼女達は足を進めようとしていた。
・・・黒い鳥、それは大赦が秘密にしようとしているものを守る者。
その秘密とはバーテックス関連が殆どだ。
バーテックスなき今、黒い鳥は必要ない存在。
だから俺は消えなくてはならない。万丈士という首輪に毒を仕込まれている番犬(黒い鳥)は、次の黒い鳥が現れないよう表舞台で惨たらしく死ぬこと。
それが今できる精一杯の俺の夢だ。
散華したものは治らないという絶望を与えられた。
しかし治る術があるかもしれない。
一筋の光を見つけた時、彼女とてもいい笑顔をした
しかし黒い鳥が知っている術は勇者達を更に苦しめる方法だった。
少女よ、涙を流して強くなれ
今回何か足りないと思ったらバエル成分がまるで足りてないじゃないか!
マクギリスは散華のこと知らされてないのでもし知ったら「バエルを持つ私を騙すとは・・・」とか言ってクーデター企みそうですね。
てかしようとしてますね
正直書いていて万丈君にはルプスレクスの超巨大メイス
叩きつけた後グシオンのニッパーで挟み潰して、流星号のスーパーギャラクシーキャノンで貫いた後、ルプスのツインメイスでくたばるまで太鼓の達人したいくらいの感情が湧きました。
まぁ次か次の次回辺りでそれくらいの目に合うでしょう。
新キャラ紹介
桐生静
神世紀270年ごろ勇者として一人の天才科学者として勇者システムの存在をバーテックスから守ってきた影の勇者。
現在は勇者システム開発部門所長でありおばさんである。
なお所長でも勇者システムに関する全ての情報を知っているわけではなく、新しい勇者システム開発の為に村田に潜入任務を依頼したのは彼女である。
今回の没ネタ
「まだ分かってないようだな
大赦の考えってやつをさ
いいか?大赦のお偉いさんの頭でっかちのお年寄りの爺さん婆さんはなとことん考えが固い」
「阿頼耶識でガンダムフレームを操る鉄華団、そして神樹の力を授かり勇者として戦う勇者部。
君達を戦うことを決めた時点で人ではなく人を守る半神的存在としか見ていない。
だから満開をした後散華した君達を神様に貢物を捧げた神聖な存在と思い人として見ちゃいない。と言うか、見たくないんだよ」
「自分達が大赦の思想でありアグニカの理想としている「人が人らしく平等に生き、競いあえる世界作り」には反していないと思いたいからだ。
大赦の理想は三百年という長い歴史の中で湾曲し、腐敗した体勢と成り果てた。
・・・おばあちゃんはこんな大赦を作る為に働いていた訳じゃないのに・・・」
「それに、散華の事を知っていたとしても満開は使わざるおえなかっただろ?バーテックスが神樹様に触れれば世界は終わる。
満開なしでバーテックスの猛攻から神樹様を守ることが出来たと本気で思っているなら、能天気にもほどがあるよ」
「もっと言えばな満開せず戦えばいいって考えも無駄だ。
満開が発動するのは戦って満開ゲージが満タンになれば勇者本人の意思だと思っている様だが少し違う。
神樹様が勇者に発動させてるんだ。だから自分の意思では発動自体止めることはできない。
戦うなら勇者は戦いの果てに体の機能を失っていくという生き地獄を味わう宿命にある。
その実態が乃木園子という先代勇者だ。
まぁ進軍してくるバーテックス全て倒したんだ。こんな言い方は悪いと思うけどまだマシだったんじゃないか?」
「もし君達が勇者として戦わなかったとしよう。そして前の大戦が起きたとしよう。
戦わなければ世界は滅びてた
もしそうなった場合、誰が代わり君達の分まで戦ってたと思う?」
「少年(三日月)だ
少年は仲間の為なら自分の命も惜しまず戦いに臨むだろう
でも少年を含む鉄華団とマッキー殿だけじゃあ手数が足りない。
バーテックスが神樹様に辿り着き世界は終わっていた筈だ」
「そうなれば大赦の連中はよってたかってクローズを責める
戦うしか道はなかったんだよ」
「何をためらってる!お前には守る物があるんじゃないのか?」
「失いたくないから戦うんじゃないのか?」
「それともその想いは全部嘘だったて言うのか!?」
「いや誰だよクローズって」
「俺にもわからん」
次の投稿は村田殿が新しい勇者システムを完成させたらです