突如モンタークに襲来したそばキングの前に左右田正義、バエル同好会仲良し四人組、石動、ライザ(女の名前なのになんだ男か)はあっけなく敗れた
更に玉藻の椅子代わりに使っていたトドも倒れ、何とあのタカキ君も過労で倒れ頑張れなくなってしまった!
もう後がないと思われたその時、あの男達が姿を現した!
「聞けぇ!そして祝え!皆の衆!
今!五日間の眠りからマクギリス・ファリド公と共にバエルは蘇った!」
「バエルだ!」
「アグニカ・カイエルの魂!」
「そうだ、ギャラルホルンの正義は我々にあるーー!!!」
「准将ぉぉぉぉ!!!」
「マッキー!!」
「マクギリスゥゥゥ!!」
玉藻の号令で先ほどまであった焦燥感は消え革命の時が始まろうとしていた。
そしてうどんを愛して愛して止まらない万丈はまたそばはうどんの足元にも及ばないという事を示すため地下より姿を現した
「おばあちゃんが言っていた。
うどんは麺類界で最高の一品だと。
うどんがそば如きに負けるわけにはいかねぇんだよ!」
「我が主人の言葉に付け加えよう、このモンターク店はバエルを持つファリド公の店。この店を襲うということバエルに逆らうということじゃ」
「そうだ、バエルを持つ私に背くということは私だけではなくアグニカの魂をも侮辱する行為、君はそれがどれほどの大罪か分かっているのか?」
三人の睨み顔にそばキングは睨む返すように顔を下げた。仮面を被っているせいで表情は見えず、そばのようにしなやかな髪は風で揺れるばかりだ。
やがて風は止みそばキングはその場で首が折れる程の勢いで顔を上げ独特の高笑いを上げた
「そばそばそばそばそば!」
「何がおかしい?」
「そばそば!?そばそばそば!?そばそば、そばそばそばそば!(うどんだと?バエルの威光だと!?そんなものがバーテックスに通用するものか!)」
「・・・貴様、バエルの事をそこまで侮辱するとは愚かにもほどがある・・・」
「何て事だ、君の罪は止まらない!加速する!」
「なんと言うことを・・・そんな非道は許されるはずが無いんだ!」
堪忍袋の尾が切れたのかアインとガエリオはそれぞれ自分の機体を呼び出そうとしたが、その前に万丈はそばキング相手に殴りかかった
「バーテックスの事を知りバエルを蔑むその行為、絶対許さねぇ!」
「許さないだと?それは我々バー・・・
「黙ってろよ屑!お前は俺が倒す!それだけだぁぁぁ!」
続いて飛んで左足右足と回し蹴りを繰り出し追撃をかける。そばキングはそばのようにしなやかな両腕でいなしたが、それも想定内である。
いなすと同時に後方に控えていた玉藻がお得意の妖術でエネルギー弾をそばキングの足を狙った。同時攻撃に防ぐ事はできない・・・と思いきやそばキングは足元にバリアを展開して防いだ。
更に反撃として万丈の腹に掌底を決め玉藻諸共モンターク店内へと吹っ飛ばした。
そのバリアに万丈は見覚えがあった。
「うぉぉぉ!?・・・今の力・・・知ってる奴だ。何でまた現れた?俺の仕事は完璧だった筈・・・
「主人よ!はよ退かぬか!重いのじゃ」
「重いなら俺の中に入ればいいだろ?力を貸せよタマちゃん、この手で奴を倒すぞ」
「・・・うむ」
玉藻は少々不機嫌な顔をしながらも阿頼耶識を通して万丈の精神空間の中へと入っていった。
先程の力は約270年前に万丈が対峙した人間とほぼ同じものであり、因縁の強い力だ。
「主人よ、何をそんなに怒っているのじゃ?」
「怒るに決まってるだろ。
アイツのせいで、あんな力のせいで・・・俺も弥勒家も蓮ちゃんもおかしくなっちまった。
アイツさえいなければ・・・っ!?」
万丈は自分の中の怒りを露わにし立ち上がろうとしつつ首を横に振る。その時視界の片隅に有り得ないものが見えた。
「タカキ・・・君?どうして、どうしてタカキ君が休んだりしてるんだ!」
タカキは妹のフウカに見守られながら深い眠りについていた。
万丈の大きな声にフウカは口元に人差し指を置き「しー」と注意した
過労によりこんな事になったタカキは数時間は目を覚まさないだろう。
「すまない・・・タカキ君、仇は俺が討つ」
万丈はその言葉を言った後桐生が作った新しい勇者システムの機能を持つスマホを店から持ち出した。
再び外へ出た光景は酷い有様だった。アインとガリガリはモビルスーツに乗り込む間も無く倒されていた。
「ガエリオ・・・だ」
更にバエルのコックピットブロックが念入りに攻撃されなんとか脱出したマクギリスが絶対絶命の危機に陥っていた
「マッキー!?」
アルミリアは今にも駆け出しそうにマクギリスに声をかける。だが彼女の足は動かない、恐怖で足がすくんでしまっているからだ。しかしその恐怖は強烈な睡魔と共に消えた
「主人よ、お嬢は店の中に退避させておくぞ?」
玉藻の妖術によりアルミリアは眠りに入り尻尾を器用に使って店の中へと彼女を入れた
そばキング、その正体は人間がかつてバーテックスの力を得ようと人体実験をした果ての姿。
人としての自我をほぼ失いバーテックスの目的である人類殲滅を目的とした存在でありかつて万丈自身もあのような存在になっていた。
その存在を決して認めるわけにはいかず、生かしてもおけない。
「こっちを見ろ!バーテックスもどき!」
万丈が右手で差し出したのは先程持ち出したスマホである。画面には黒百合の花が描かれていた。
「そ、そば!?(それは!?)」
『ブラックサレナ!』
万丈は黒百合で描かれたボタンを押すと変身・・・せずベルトが腰に巻きつけられた。
そのベルトにはちょうどスマホが入るような隙間があり、そこにいれると同時に万丈の周りに黒羽が竜巻のように現れる
「蒸着」
発言と同時に羽が服を覆う様に集まりやがて顔を含む全身を覆い尽くす。
その状態で両腕を鳥が羽ばたく様に広げると装甲が全身に取り付き、まるで人間大のMSの様な姿を見せる
背中に付いた羽は黒い鳥と呼ぶに相応しい姿でまるで暗黒面に落ちたバエルの様にも見えた。
「その禁忌の力、神に返せ・・・返せよなぁ!」
黒い鳥となった万丈は先程とは比べ物にならない速度で近づき、蹴りの連打を浴びせる。四方八方からくる攻撃に一発一発精霊の力を乗せていく。
やがてその攻撃は勇者のパンチ一発分に相当する威力になった。
「9.8秒、それが俺の勝利までの時間だ」
「そばーーー!!!(グワァァァァァ)」
最後の一蹴りでそばキングを爆発させそれと同時に蒸着を解いた。
「これが、これこそが黒い鳥としての本当の力・・・あは、あははは
あっはっはっハッハハハ!!
あ・・・
彼が喜び叫んだ、しかしその後崩れる様にその場に倒れこんだ。体に激痛が走りそのままうつ伏せに倒れた。
モンターク地下にて傷の手当てを済ませマクギリス、ガエリオ、アイン、静、そしてベットで横になって眠っている万丈の五人は今にも一触触発な雰囲気の中にいた。
理由は新開発の勇者システムの為に大赦本部から盗んできたデータだ。
ガエリオとアインがここに来たのはそのデータ奪還とデータの使い道を探る為だ。
「貴様らの発明のお陰で訳の分からん敵を撃退できた事には礼を言う。だがマクギリス、お前はあの力を何に使うつもりだ!?あの力を量産して世界を戦乱にでもしようとしてるのか!?」
「フッ、勘違いするなよガエリオ。俺はそんな事に興味は無い。
あの力は大赦を本来あるべき姿へと戻す為に撃破すべき存在、いわば革命の礎の為の犠牲だ」
「か、革命?犠牲?意味が分からない?マクギリスお前は何を・・・」
「簡単な事だよ、彼は彼自身の追い求める理想を具現化する為に自らを犠牲にしてその理想を叶えようとしている。
かつてアグニカは誰もが平等に競いあい、成長していつかはバーテックスから世界を取り戻そうという願いの元大赦という組織を作り上げた。
しかし、その世界作りを邪魔する人物が過去の歴史に現れた。彼はその人物を排除し大赦へと貢献する行為を200年は続けてきた、いわばアグニカとは真逆の影の英雄だ。
彼の追い求める理想はアグニカと同じ・・・筈だった。
300年という長い歴史の中で大赦の理想は腐敗し自分達のとって不必要なものは次々と排除していった。
その手段として使われたのが彼自身だ」
「・・・士君の役目は本来ならば赤嶺という家の者達が受け持つ予定だったんだよ。
彼は昔赤嶺家の人に助けられて恩義を感じているみたいだからね。
自らを犠牲にしてまで腐敗を進めていると知りつつも次々と彼は仕事を果たしてきた
正直その心意気は子供の頃から当たり前の様に一緒にいた私にも分かんない」
「彼は組織の腐敗した内情を示す生きた証拠だ、先程の力を使い大赦の腐敗を世間に知らしめつつ彼はこの世界を破壊しようとする。
その行為は多くの人の目に忌むべき存在と映るだろう。
その唾棄すべき存在と戦い、勝利するのが彼女達勇者だ。
特に結城友奈、彼女の存在は民衆にとって英雄とみられるだろう。
そこから先は私の出番だ、彼の言伝を使い大赦が世界を守る為の組織という評価を崩す
彼女達を支援しバエルを持つ俺が大赦のトップに成り代わりアグニカの理想とする世界の扉を開く。
劇的な舞台に似つかわしい劇的な演出だろ?」
「マクギリス・・・お前は、お前は人の命を何だと思っているんだ!」
「人じゃないですよガリガリさん」
「ガエリオだ!っ貴様起きたのか?」
「寝てましたよ、でも話の内容は大体分かってます。組織を腐敗させちまったのは俺だ。だからそのケジメキッチリつけないといけない。俺はもう死を恐れてない、俺が本当に恐れるのは何もなせずに死ぬ事だけだ」
「何もなせずに死ぬ事、かつてのクランク二尉と同じようにですか」
「クランクのじいさんか、確か君や春ちゃんの上司だった人か?」
「はい、クランク二尉は立派な志しを持っていました。
なのにバーテックスの奴らはあの人が救助活動の最中に再び攻撃をしかけクランク二尉諸共殺めた。
奴ら|きゃつら|は全て倒したと言われていたのにまだ残っている可能性があると貴方言っていた。俺にも奴らと戦う術をください」
「・・・話聞かれてたか、その危険性も分かっていて頼んでだよな?」
アインは静かに頷く。ガエリオは意外にも反対する意見はなかった。
「分かった、タカキ君・・・は駄目か。仕方ないあの連中を頼るか」
万丈はどこかに連絡をつけフランクそうに会話した後春信とアイン用のMSにバーテックスに対抗しうる戦力に改造する約束を取り付けた
「これで良し、ガエリオさん。計画の邪魔はしないで下さいよ?これは俺自身が望んでる事なんですから」
ガエリオは納得いかない顔を見せた。望んでいるとはいえこれから死のうとする者を見過ごせと言われれば無理もない。
しかしここまで来てしまった以上彼の死はもう止められない。
黒い鳥を撃破する事が散華で失われた物を手に入れる方法だからだ
大赦!
テメェを詐欺罪と傷害罪で訴える!理由はもちろん分かってんだろうな?
アンタが俺達をこんなウラ技(満開と散華)で騙して、アイツらの体を破壊したからだ!覚悟の準備はできてんだろうな?
近い内にマクギリスと共にテメエらに報復しに行く。裁判なんて起こさせねえ、全て根こそぎ叩き潰す。
慰謝料の準備なんていらねぇ、アンタらは犯罪者だ
あの世にぶち込まれるのを待ってろよ、いいな!
もうさ全部大赦の奴らのせいにしてもいいんじゃないかな。
実は自分達の知らない所で起こした行動がバーテックスの怒りを買って厄祭戦引き起こしたとか
ネタバレ
自由を奪った状態で嫌がる女の子と無理矢理結婚しようとした挙句、命を奪おうだなんてやめろよ卑怯者!