あれからテンとの交流もそこそこうまくいき、
時には喧嘩をし、時には笑いあい、時には泣いて私たちは教え学び合った。
うちはの虐殺にて殺されるとはいえ、彼はとても賢く、優しく、良い子であった。
少し、惜しく思う。
まあ、そんなしんみり考える暇が今の私にはないんだが
「お前…作間のせがれだな?」
めっちゃ怖いおっさんが煙草を咥え
私を上から睨みつけてきているなう(^ω^)
私は只、普通に、アカデミー終ったから帰って昼飯でも食って非番らしい師匠のとこ行こうとしただけなんだ。
何も悪いことしてないし、しようともしてない、変化のテストも失敗しなかった。
何も悪くない。
私は 何も 悪くない !!
冷や汗をだらだらかいて押し黙っているとその叔父さんは唐突に名乗り出た
「おらぁ、奈良シカクってもんだ」
真の目一家条
名乗られたら名乗る!!
「…」
「俺は奈良シカク」
名乗る…
「…」
「おい、聞いてんのか真の目だろ?」
名乗れるわきゃねえだろ!!畜生!!
影真似まで使いやがって!!
こちとら雁字搦めのドッキリドッキリドンドンサバイバルだぞ!!
なんで奈良家なんつうメジャーな一族がマイナー一家の真の目の一家条知ってんだよ!!
そうですね!!父親があれですもんね!!
名前ぐらいは知ってますよね!
「…真の目…サクヤ、です…。」
私は負けた。
どうやら、父作間と奈良シカクさんはそこそこ仲が良かったらしく、将棋教えたり囲碁したりの仲で、ライバル?だったらしい
んで、街中でルンルンと歩く私の顔に親近感を覚え背中の真の目家紋でああ、あいつの倅か、と声かけ、術かけ、名乗ったらしい
…やめてくれ、心臓に悪いからマジで辞めてくれ
「お前、作間の倅なら打てんだろ、ちょっと来い」
と言って私は奈良家に拉致され
将棋が全然打てないと知ったシカクさんに1から将棋をたたき込まれ
序に囲碁も叩き込まれ私は生死をさまよった
あのね……わたし、ルールとか得意じゃないんですよ…
おおよその世の中のバカと同じで、覚えられないし、イラッと来る性質なんですよ
半分魂抜けた状態でシカクさんに「初めてって聞いたときゃあきれたが、思ったよりやるじゃねえか!」と御世辞を頂きその日私は家に帰された
「ねえピン、」
「…」
「奈良家怖い…」
私と同類の、あまり頭の良くないピンは何も答えず私の頬を尻尾?で撫でてくれた
それからという物、暇があればシカクさんに忍鳥を飛ばされ、捕まり将棋の相手をさせられ、ぼろ負けして、ぐずぐず帰る日々が続いた
私の癒しはピンだけだ…