また来て三角   作:参号館

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今回は諄い。
※ありとあらゆる嘔吐表現が使われます。


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海溝を『海溝』と呼べる区切りは海底6000m地点からである。

ちなみに、富士山が標高3776m、エベレストが標高8848m、日本海溝の最も深い部分が水面下8020mである。(ウィキより)

 

しかし私(影分身体)は、海溝の深さを正確には測れていなかった。

『なんかめっちゃ深い所を発見したので、これは海溝ではないのか?』と思って影分身を解いたのである。

よって、海溝か否かを知るためにも

取りあえず深さを測る方法を模索しなければならず…

 

その為に管狐の分裂体を入れた竹筒に、重しを付けて沈め、『沈む時間』と、『距離』を測り、『速さ』を算出し

先程算出した『速さ』と、底に到達するまでの『時間』を使って、『距離』を測ろうとしたのだが…

 

相手は海溝

簡単には事が運ばなかった

海溝…彼には…

『水圧』と言う物が存在する…

 

竹筒なんかすぐつぶれる…

更に中身は管狐…

管狐の耐久度はほぼ紙…

 

アンカーの意味ぃっ…!!

 

 

でも…最初は海溝なんかにアジトを作ろうとはしていなかったんです…。

ただ、ちょっと海溝がどんなものなのか知りたかったと言うか…アンカーとしてドンの竹筒を1つ沈めれれば何でもよかったんです。

ほんとに、深さを知りたかっただけなんです…

生命の神秘を解明したかったんです…!!

邪な考え何てこれっぽっちしか無かったんです!!

『水遁、水陣壁』をせずとも、口寄せした海水で出来そうとか、ちょろっと思っただけなんですぅううう!!

 

 

一応『飛雷神』でも試したのだが

マーキング(術式)が書かれた物体自体が崩壊する結果となり泣く泣く断念。

当然結界とか、封印も色々試した。

 

しかしゆうて、私のチャクラで可能な範囲…

圧倒的圧力(文字通り)の前では塵に等しかった…

 

さらにダメ押しで、ピンポンと、ついてきた白狐も使って、あの3代目を閉じ込めた四紫炎陣を組んで落ちてもみた

が、それも途中で崩壊。

崩壊寸前に、海面に浮かせていたマーキングに瞬身しなければ我々は、死んでいた…

 

死因:圧死

原因:海の深さを測るため

 

なんて末代まで笑われること間違いなしなので、まじ…ホント…焦った…

真の目には結構、末代まで笑われるエピソードが多いのだが、これは…シャレにならん…

黒歴史ノート並みにシャレにならん…うっ頭痛が痛い…

 

序に言うと、四紫炎陣という術は、結界面に当たる物全て燃やす術なので

結界に接触する海水が沸騰、蒸発し

海面に上がっていく大量の泡を見たら…もう、普通にアウトだった。

 

思わず「忍べよ…」と突っ込んでしまった。

流石海溝パイセン……自然の力ぱねぇ…

海水中の水分が蒸発して、結界にこびりつく塩が溶けていく姿は溶岩を彷彿させた。

もしかしたら、死因に焼死もありえたかもしれないと考えると、二重の意味で、あの時我々は死ぬところであったと言う事だ…

 

 

その後、海面に蔵を口寄せして、禁書棚ひっくり返して、ああでもないこうでもないと3匹と1人で議論した結果

『四赤陽陣』が、現存している術で、一番耐久度が高い。

という結論が出た。

 

一体どこから出て来たって思うだろ?

普通に置いてあるんだなーこれが、蔵に…

 

ほんとに…

なんであるんだよ…

私の方が聞きたいわ…

 

 

説明書?である巻物には『影クラスのチャクラが4人分必要』とか書いてあったので、里設立以降の巻物になる…

多分2代目の所有物か、二代目が保管していた禁書を父、作間が写したか…

何で、そんな里の規律に接触メッチャしているやばいもんが、置いてあるのかというのは、取りあえず置いておいて

四赤陽陣に話を戻す。

 

 

 

四赤陽陣に必要な、『影クラスのチャクラ4人分』がどれだけの物かというと

約、『私のチャクラ2人分』である。

 

え?お前のチャクラは、普通の忍びよりちょっと多い位だから計算が合わない?

まあ、そう思うだろうが、二大仙蝦蟇のフサカクさんの言葉を良く思い出してみてくれ。

 

『実はサクヤちゃんのチャクラは殆どが今現在そこの二匹に吸われているんじゃ。』

 

『サクヤちゃんはそこの二匹に吸われてなお、一般の忍びチャクラをわずかじゃが上回る。

その上回るチャクラを使って、サクヤちゃんは今まで忍術をやっとったんじゃ。』

 

…私の生成するチャクラをほぼ吸っている『ピン』と『ポン』が、どれだけのチャクラを内包しているかは、私は感知タイプでは無いので、正確には分からないが

仙術扱う二大仙蝦蟇、フサカクさんに聞いた所によると

 

『そうじゃの…丁度自来也ちゃん1人ずつ……ぐらいかの?』

 

らしいので

エロ仙人は火影候補に名前が上がるほどだから、ピンポンの2匹で『私(火影二人分)が、二人分』である。

 

 

そうして、この不思議なパーティーメンバーで迎えた吉日、

我々は四赤陽陣を

私の膨大なチャクラをほぼ吸っているらしい管狐の『ピン』と『ポン』

膨大のチャクラを持つうずまき一族と、うちはの血を引く、真の目の御先祖。

の、チャクラ全部食べちゃった『白狐』

そして第一発見者『私』、で試行運転する事にした。

 

 

 

しかし、ご存じのとおり()()今使えるチャクラは、平均を少し上まる位の、ほぼ平均値…

よって

 

 

「ちゃっちゃくらが…私にチャクラを…飯を…睡眠を……」

 

「だから!!言うたやろっ!!

この術チャクラの消費が激しそうやから、お前やと無理やて!!」

 

 

開始三分で干からびる結果となる。

 

 

一応、兵糧丸とか、大蛇丸パークにて発見し「何かに役立つだろう…」とくすねた、チャクラのブーストの薬剤をいくつか打っているのだが…

それでも、足りない…!!

チャクラ生成が消費に追いついてない…!!

 

大蛇丸の薬剤が不能だったのか、私のチャクラ生成に問題があるのか、いささか疑問が尽きない程チャクラを吸収されていて、まじ干からびる。

誰だよ!!こんなチャクラ効率の悪い術開発したのはっ!!

チャクラに物言わせてんじゃないよ!!

 

 

「でっでも…せめて何処まで行けるかだけでも知りたいっ…耐久度を…」

 

「術の耐久度何ちゅう物は『術』に対して測る物であって!!『自然』相手に測るもんちゃうやろ!!」

 

「でもでもでもっ…対術に関してはチャクラの消費が大まかで…あんまり正確性がっ…」

 

白い小山がぎゃんぎゃんと私に説教をかましてくるが、私は今ちょっとうぷっ…

二日酔い並みにしんどい……おえっふぅ…

この世に転生してから24年、薬剤、毒耐性を付け過ぎたせいでアルコールが効かないので

初めて二日酔い並みに調子悪い…

それも小山が全力で突っ込みをしてくれるおかげで、三半規管にダイレクトに攻撃が当たる…おぼろろrrr――

 

 

~一部映像が乱れております~

 

 

 

―――

――

 

四赤陽陣という術は

内側、外側どちらからでもかけられる便利な術で

3匹と一人を内側に入れ、海面から下に術を展開する事が出来る。

よって、内側にいる術者の六方は海面に覆われ

もし、下に降りていく際に、この壁が崩壊した場合

四紫炎陣の時の様に生き埋めになってしまうので、往復分のチャクラが必要になるのだが、開始3分で私が死んでいるので……

 

端的に言うならば、白狐が己の命惜しさに、日和った。

 

まあ、己の命惜しさに日和る事は、真の目には日常茶飯事なので構わないのだが

まだ六方を囲っただけで、下に降りてもいないのにそんな事を言われると、日和ったとも言いたくもなる。

暇していた白狐誘ったのは間違いだったか…こんなに肝が小さい奴だったとは…(薄々気づいてはいたけど

しかし、何もひよったのは白狐だけでは無かったらしく、私の思わぬところから抗議の声が上がる。

 

「サクヤはん…

流石にわても白狐さんに賛成するわ…

このまま下に展開しても、底に付くまでチャクラは絶対持たへんやろ…

耐久も何もないんとちゃいます?

四紫炎陣もあわや圧死の憂き目に会ったんやし…今回は辞めときまひょ?な?」

 

「ゆうて、ワシらのチャクラも結構ヤバイから、そろそろ解きたい所でもあるがナ…」

 

 

うぶぶぶぶぶ…

まさかのピンポンに正論を突き付けられるとは…

仕方ない…

大蛇丸ブーストも結構体に負担掛かるし…

 

「仕切りなおすか…」

 

 

 

 

―――

――

 

画して、術を解いた私達だったが、飛雷神で陸地に飛ぶにしろ何にしろ、術者である私のチャクラが尽きているので、戻る前にチャクラを回復せねばならず

太陽が燦々と照る海上で、少し休憩する事にしたのだった。

 

 

「まじ…兵糧丸じゃ賄えないこの空腹感…」

 

「ガハハハハ!!チャクラ尽きて死んでないだけましダロ!!」

 

「なんか食べもんでも、口寄せで呼びはったら?」

 

「今は…口寄せのチャクラさえ惜しい…何か…炭水化物…コメが食いたい…米…こ…め……」

 

 

 

チャクラ節約の為に小山程になった白狐の背中で私は、空腹と三半規管の揺れに耐える。

吐き気が収まるまで何もできないので、丁度手元にある『蔵』を仕舞ってある口寄せの巻物を、手に取り眺めた。

 

 

「今まで気にしてなかったけど、こいつの結界封印って結構強いよな…」

 

「確かに…

九尾の襲撃で、家は崩壊しよったけど、これだけ傷一つ無く残ってたぐらいやしな…」

 

「ほぉワシはそんなに術というもんに詳しくは無いが、九尾は流石にすごいな…」

 

 

ドンには私自身のチャクラ節約の為、竹筒に戻ってもらっているのだが

ドンが居ないという事は『まともな神経をした奴がおらず、ツッコミ不在で話しが進んでいく』と言う事である。

 

 

「ガハハハハ!!蔵の方が四赤封陣より耐えたりしてナ!!」

 

ポンの言葉に一瞬静寂が通り、

 

 

 

 

「んな馬鹿なww」

 

「流石にそこまでや、あらしまへんやろww」

 

「四赤封陣以上て、どんだけチャクラ使うんやww」

 

何て笑っていたら、落とした。

 

何を?

 

 

『作間の蔵』が入った口寄せの巻物を

 

 

 

 

「あ」

 

という声と共に、とっとっとっ、と白い白狐の体をはねて滑り落ちる巻物は

そのまま海面に、ぼちゃんと若干鈍い音を立て、見る間に深淵に飲み込まれた。

 

 

 

「「「「ああああああああああああああああああああ!?」」」」

 


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