また来て三角   作:参号館

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おかしいな…こんなに話を積む予定は無かったはずなんだけどな…
あっと言う間に120話過ぎたよ…。
忙しすぎて特に何も考えてなかったので連投で許してくれ。


122

「だーかーらー!!

もう少し待ってって言ってるでしょ!!」

 

白い人間と思しき者に足止めを食らい、更にはその口調にイライラしている鷹の御一行に

その指示は余りにもあやふやだった。

イラつくサスケが飛び出そうとしたその時、サスケの知る低い声が鷹一行を止めた。

「今木の葉に行っても無意味だ。」

 

 

急に、場に現れたオレンジに、香燐は驚きを隠せなかった。

白い奴らでも、まだ少しは予兆なり何なりを少しはつかめるのに、このオレンジは気配も、チャクラも無かった。

まるで本当に急に表れたかのようで、うちはマダラの底知れない強さを感じる。

 

 

「今更何の用だ。

俺たち鷹は暁を抜けたはずだ。

お前らには用は無い。」

 

人が増えるのはもう飽きたとばかりに、サスケがマダラに喧嘩を売る姿に

終にやったか…と水月は口笛を吹く。

 

しかし、暁には暁の掟があった。

 

「暁を裏切れば死んでもらう。そう言ったはずだ。

だがお前ら俺との約束を裏切った。」

 

「何の話だ。尾獣は渡したはずだ。」

 

確かにサスケ達は尾獣を渡した。

倒したはずだ。

しかし

 

「あれは変わり身だ。」

 

 

八尾の身代わりをつかまされていた

1つ訂正するなら、彼ら『鷹』は無能では無い。

香燐のチャクラ探知は切り株から現れるゼツの予兆を感知するぐらいには優秀だし

サスケの写輪眼も偽物と本物を見分けること位容易い。

 

しかし、八尾達の方が、強く、賢かった。

 

ただ、それだけだ。

サスケ達の方が弱く、経験も無く、疲弊していた。

 

「正直、お前らにはがっかりだ。」

 

マダラの言葉に水月がキレる。

強者の矜持、プライドがそれを認めないのは分かるが、それが青さを、未熟さを決定づけている。

ならばどうしろと言うのだ、という難癖にマダラはチャンスを見せつける。

 

「いや、暁として、キッチリと仕事はしてもらう。別の用事でな。」

 

「断る、と言ったら…?」

 

「裏切りには死を。」

 

 

その一言に一息を置いて、サスケは鳥の音と共に放電した。

 

「押し通る」

 

 

 

しかしマダラは不思議な事に、当たっているはずの攻撃をすり抜けた。

鷹一行が驚き、思考が止まったのを皮切りにマダラは浪々と語る。

 

 

「だから()()木の葉に向かっても、無意味だと言っている。

 

……木の葉隠の里はもうない。」

 

 

 

「どういう意味だっ!!」

 

サスケはその真意を測れなかった。

それはそうだ。

サスケの目的である、兄を、()()()()()()()()()()木の葉が、()()と言うのだ。

 

 

 

サスケの目的がつぶれてしまった危機感か、どういうことだよ!!と香燐が声を上げる。

しかし、そこに新たなカードが現れる。

 

「ソレハ オレガ 説明シテヤル」

 

 

 

新たな刺客に殺気立つサスケたちに、マダラは安心しろと声をかける。

あの白い奴とチャクラは似ているが、あれらより断然気配が濃い…

香燐はとっかかりを掴もうと、この話し合いの間に、慎重に、じっくり気配を覚える。

 

「火影は誰がなった。」

 

「“ダンゾウ”ダ」

 

「あいつの所在は。」

 

「無理ダ

時空間忍術ハ 追イニクイ

アト、“ダンゾウ”ガ“真の目サクヤ”ヲ抜ケ忍トシ 追イ忍ガ 放タレタ」

 

「大方予想通りだな…。」

 

 

サスケは『新しい火影』、聞き覚えのない『ダンゾウ』の言う名前、そして急に飛び込んできた『真の目サクヤ』『追い忍』の言葉に困惑する。

困惑を見切ったマダラは、さらに捕捉を加える。

 

「ああ、言って無かったな。

“ダンゾウ”はお前の兄を追いつめた木の葉の上層部の一人で

“真の目サクヤ”は友をその茨の道に引きずり込んだ、張本人だ。」

 

「どういうことだ?!

木の葉で何があった…?!

何であの馬鹿がっ?!」

 

 

いともなさげに、仮面は騙る

 

「俺の部下のペインが木の葉を潰した。

そして、真の目サクヤが数か月前から世界から気配を消した。

先程あの小娘に会ったが、『五影会談』で何か大きい花火を上げるらしい。

暁の計画をどこから手に入れたのか釘を刺されてしまった。」

 

 

次いでとばかりに五影会談の話を付け加えてマダラはサスケに判断を迫る。

 

「里から抜けた“真の目サクヤ”のターゲットは、十中八九ダンゾウだろう。

でなければ、あのタイミングで抜ける意味が解らん。

あいつら狛犬は火影贔屓で有名だからな、気に入らないダンゾウが火影になってもらっては困るだろう。」

 

サスケは

暗に『お前が殺さずともサクヤが殺せる』と急かし、『今しかない』と発破を掛けるマダラの術中にハマってしまう。

 

 

「行先を変更する。」

 

 

矛を収めたサスケの視線の先は

 

「五影会談で“真の目サクヤ”より先に“ダンゾウ”を殺す。

あの馬鹿はそれからだ。」

 

 

五影会談だ。

 

 

 

 

―――

――

 

突然現れた、いけ好かない小娘の使いは、とんでもない言葉を発した。

 

サクヤが林の国を旅立ってから、何度か本拠地を変えている筈で

もし、このような間者が居ようとも、般若衆にいる感知タイプや、本拠地を変える度に行う般若衆特有の感知結界はごまかせないはずだ。

 

そのはずだった。

 

 

『たしか今の本拠地、――でしたよね?

襲われていますよ?』

 

 

続いて、独自の伝達方法で飛んできた情報に、般若衆は更に目を剥く事になる。

 

「首を握られました!!

本拠地占領済みでっ

要求はっ……けっ『計画通り動け方向音痴ども。』だそうです!!」

 

伝令の者の言葉に、隊長の額には怒筋が浮かぶが、伝令に怒鳴っても仕方がない。

其れよりも先程の白々しく嘯いた口寄せに怒りを向ける方が早いと、視線が白色を探すが、その姿は、影も形も無かった。

 

『計画』と発したからには、あの小娘で間違いないだろう。

そして『方向音痴』だと()()()()()()()()()()、これだけだろう。

次は無い。

 

「チッ…」

 

突然現れて、こつ然と消える手際の良さに、大きな舌打ちを打った隊長は苦渋の決断をする。

ここで『ダンゾウ』を討てれば手柄は全て自分のはずだったが、頭たる『首領』を人質に取られてしまっては、自分を評価する者も、価値も何もない。

報告する先がないのは、ダンゾウで飽きた。

 

「B計画を諦める…。

各位、元のA計画に戻れ。」

 

 

 

物陰から様子をうかがっていた棟梁のチャクラを持つピンと、サクヤのチャクラを持つピンはそれぞれ分裂し、

それぞれ、報告すべき相手へと消えた

 

 

―――

――

 

妙に連携のある、小国の忍び達の攻撃に、ダンゾウは訝しむ。

お供である。フーとトルネでさえも違和感を感じている。

 

「…ダンゾウ様が表に出たからと言って、こんなにも早く情報が回る物なんでしょうか?」

 

フーが違和感を言葉にすると、トルネは更に考える。

 

「ダンゾウ様、もしかして…」

 

 

トルネの出した答えにダンゾウは肯定を返す。

 

「あ奴が来る。

心しておけ。」

 

 

久しく見ていない白を懐かしむ間もなく“これ”であれば、会うのも近いであろうとダンゾウは予測を立てる。

姿を見せてはいないので、五影会談前にけりをつける気はなさそうだが…

 

「会談が始まってからが肝だ。ワシはチャクラの温存をする。

フーとトルネはこのゴミを片しておけ。」

 

しかし

意図も容易く片づけられていく忍び達のように見えたが

何故かこちらの情報を詳しく知っているようで、無駄に時間がかかり

最終的にはダンゾウの『目』が使われるが、使った途端に襲撃が止んだ。

 

 

丁度あの馬鹿の計画が止まったらしい。

そう納得しで先に進む。

フーは去り際に周囲の気配を探ったが、自分達以外に生きている者は人っ子一人いない。

 

「進むぞ。」

 

トルネが遅れているフーに声をかける。

 

 

少しの違和感と共に3人はまた歩き始めた。

 




3連休がほしいな…(›´ω`‹ )

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