また来て三角   作:参号館

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糞みたいに忙しいが、ギリギリ生きてます。
会社よ……頼む…新しく人を雇ってくれ…
このままだとブラックまっしぐらだぞ…


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「ナルト

出発する前に、話さなきゃならん事がある。」

 

 

 

雷影に会うために、すべての準備が整った時、カカシが神妙な顔をしてナルトに話しかける。

しかしナルトは、何故かカカシの言葉の続きを拒否した。

 

ナルトとカカシとテンゾウの3人は、木立に隠れるように顔をあわせていた。

里を出る許可を取っていないので、完全なるお忍びだからだ。

 

「サクヤ姉ちゃんの事なんだろ。

俺ってば、馬鹿だから……サクヤ姉ちゃんが何を考えて、どうしてこんなことをやってるのか分からないけど

でも、俺は…」

 

ナルトの言葉は弱弱しい。

ヤマトは、下がった視線を痛々しく感じ、つい口を出しそうになったが、しかし

その『目』に、何も言えなくなった。

 

 

「サクヤ姉ちゃんの口から、全部を聞きたいんだってばよ。」

 

 

ナルトなりに、考えた結果だった。

 

キバから知らされた事、カカシから聞かされた事、サイから聞いたこと、そして

ナルト自身が幼い頃から『サクヤ』と関わって感じたこと。

 

 

きっとナルトが見てきたサクヤは、『サクヤ』の一つの側面でしかないのだろう。

それでも、ナルトが今まで見聞きした中でそれが、一番信憑性がある情報だった。

 

笑い合って、喧嘩して、泣いて

カカシ達と比べれば、相まみえた時間は遙かに少ないのかもしれないけれど、色々な事をサクヤと話し、経験し、共に生きた。

ナルトにとっての今までが、全て、嘘だとは思えなかった。

 

だから、本人に問いただす事にしたのだ。

絶対に会えると信じて。

 

何故か分からないが、ナルトはこのまま進めば、サクヤに会えると思った。

あの神出鬼没のサクヤに、何れ会えると思えた。

それが根拠のない自信でも、このまま『ナルト』と言う道を進めば会える気がするのだ。

 

 

 

カカシはナルトの瞳に静かに萌ゆる『火の意思』を見て、小さく息を吐く。

成長を感じた。

確かに自来也と旅に出た3年を経て、成長したと思う。

だが今は一番、『心』が成長したように感じた。

 

『心技体』すべてが揃って一人前の忍びになる。

自来也の旅で『体』が成長し

カカシとの修行や、妙技山で『技』が成長し

今やっと、ナルトの『心』が追い付いた。

 

 

 

テンゾウが、雷の一行の移動を確認し、声を出す。

 

「尾行を開始します!」

 

オッス!!という元気な声と共にナルト達は、木の葉を出発した。

 

 

―――

――

 

 

全滅かと、戦況を眺めるサクヤは

各国から集めた忍びの5割を失って尚、冷静だった。

 

 

自分の部隊でもなければ、有り合わせの何か特別な作戦があったわけでは無い部隊をごまんと用意しただけだったので、そのほとんどに期待して無かったからだ。

 

いわば、『己の手で復讐したい奴ら』を誰彼かまわず集めたに過ぎない。

そこら辺のチンピラよりはましだが、忍びの中のチンピラの様なものである。

なので、

 

あの穴蔵に閉じこもって何か薄暗い事をしている警戒心の強い狸が、穴蔵から出てくるタイミングを用意してやる。

他の奴らと手を組む必要はない。

このポイントから君たちは攻撃をすることが出来る。

 

と、言えば乗ってくるし、

乗ってきた奴らを、宛ら流れてくる寿司を待つ客の様に、配置をしただけである。

 

一見簡単そうに思えるが、『木の葉のダンゾウ』という人物の所在地や、通るルートを正確に()()できる人間は、現状『真の目サクヤ』しか居ない。

 

3代目直属の暗部で培った、技術…?と言うべきか怪しい何かを、サクヤは十全に使う。

 

(ホント…これって、復讐以外どこで応用できるんだよ……。)

 

3代目の采配がすごいのか、サクヤの無駄なスキルがすごいのか何とも言えない所だが

そんなしょっぱい何かを味わいつつも、サクヤは冷静に

半分撃破されのこのこと帰って行く忍び達に、手土産として情報を流していく。

 

 

『木の葉の綱手姫は、未だ生きているらしい。』

 

 

チンピラでもヤーさんでも、なんちゃってでも、一応彼らとて『忍』。

戦闘でダメなら、『マジで火影になってしまう前に、不祥事暴露して、その座から引きずり降ろして、木の葉内々で処理してもらう』作戦位思いつく。

 

成功率は置いておいて。

 

 

その中に良い情報でもあれば

針孔を、クレーターまで広げてやる位の甲斐性はサクヤにはある。

 

針の先程の期待だが。

 

 

 

さて、とサクヤは立ち上がる。

サクヤは、今日集まる役者の最後の一人である、雷影が堂々と建物に入って行く姿を見つめた。

 

 

「びえっくしゅぉおおい!!

…あ゛ぁぁ……さむ……。」

 

 

締まらないくしゃみをして、サクヤは鼻をすする。

ダンゾウはもう、三狼の籠の中だ。

 

―――

――

 

深々と降り注ぐ雪、凛とした室内に恐ろしく響く声

色も音もすべて吸い取られたのではないのか、と思うぐらい白い外に対して

室内は色鮮やかであった。

 

鉄の国 大将

ミフネ

 

火の国 木の葉隠の里 火影

志村 ダンゾウ

 

水の国 霧隠れの里 水影

照美 メイ

 

雷の国 雲隠れの里 雷影

エー

 

土の国 岩隠れの里 土影

オオノキ

 

風の国 砂隠れの里 風影

我愛羅

 

「五影の笠を前へ…

雷影殿の呼び掛けにより、今ここに、五影が集った。」

 

ミフネの声を皮切りに、各国の影達は各々傘を前に出す。

この、歴戦の強者しか居ない空間で始まるは

 

 

「これより、五影会談を始める。」

 

 

五影会談である。

 

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