また来て三角   作:参号館

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アカデミーが里の復興の為休校になり、暇が増えたので水行の修行を再開する事にした。

生きてたし、儲けもんだちくしょう

とがむしゃらに突っ走っていたのだが

私はあることに気付いた

 

なんか体力めっちゃついてる!!

 

今迄の修行の成果なのか写輪眼ぱうわーのおかげなのか知らないが

以前だったら、川上にある滝に着く前に体力が尽き、沈んでいたのが、滝壺まで一気に到達する事が出来るようになったのである!!

 

「ふぉおおおお!!これ成長したんじゃね!?もしかして川の上で静止できるんじゃね?!」

 

とテンション上げ上げで川に挑んだのだが、失敗した。

やはりノリと勢いだけでは出来ないものらしい。

前回は前のめりで滑り顔から突っ込んだので、今回はチャクラの回転を反対方向にしたのだが、普通に突っかかって無理だった。

私のチャクラでは川の流れには逆らえんのか…

うむ、難しい…

 

 

 

 

そんなこんなで修行していたらアカデミーが再開され、テンが春には入学と言う事で

テンのお守りから解放され、更なる自由を手に入れた。

 

「これからは他人だな」

 

と、かっこつけて別れたが

あのうちは一族だしアカデミーで会うと思う。

心根の優しいあいつだ、きっと友達がいっぱい増えて、未だアカデミーロンリー街道を突っ切る私なんかすぐ忘れてしまうだろうが…

少し寂しい…

 

しかし、

テンの用事がなくなったと知ったのか何なのか、シカクさんに捕まる、捕まる。

つか、時間があると図書館に入り浸ってるから、そこそこ図書館に通う性質であるシカクさんの目に止まりやすいのかなんなのか…

 

 

後ろ襟首を引っ張られ、ずるずると引きずられドナドナされて行く

この人上忍のはずなんだが、暇なのだろうか…

我が世の春を謳歌すんぜ!!とか思ってた先にこうであるからして…

文句の一つも二つも言いたくなるものである。

 

「暇なんすか?」

 

「馬鹿垂れ!」

 

拳骨を頂いた。

俺は引っ張りだこなうえに超エリート上忍であり、そんなオレの暇つぶしに付き合えることを光栄に思え…みたいなことを言われた。

 

え?それって要は暇なんだよね?

 

何て言ったら2発目を頂くことになりそうなので大人しく引きずられる事にした

周りの奇異の目が突き刺さるが、私が真の目の白いのだと分かると皆眼をそらす。

おい、ごらぁケンカ売ってんのかわれぇい

 

何てやってると奈良家に着く

奥さんのヨシノさんに出迎えられ、シカクさんはでれでれである。

一言挨拶して私はリビングのシカマル君に会いに行く事にした。

 

「おいごらぁ、てめぇうちのシカマルに用があんなら、手洗ってけよああん?!」

 

訂正、洗面所によってから行く事にした。

勝手知ったる他人の家。

あの通わされた日々が今は懐かしく思える…

 

洗面所で綺麗に手首まで洗ってシカマル君のいるリビングに顔を出すとシカクさんがまたもデレデレしていた。

ちょっとその顔がイラついたので

 

「へぇー、手洗わなくていいんですかー?」

 

と煽るが

 

「ッハ、何も手を洗うところが洗面所だけな訳がねえだろ。」

 

「こっこいつ…

私が洗面所に行っている間にリビングに近い台所で手を洗いやがった…!!

ちくしょう!!あれはブラフか!!」

 

「ハッハッハ!!俺に勝とうなんざ1000年早いわ!!」

 

しょうもない事を大人と子供で言い合っていたらヨシノさんが呆れた顔でお茶を持ってきてくれた。

相変わらず美味しいお茶である。

 

 

「そうだ、シカクさん。動いてる水面の上を静止するのってどうやるんですか?」

 

「ああん?!んなもん水面の動きに合わせてチャクラを添わせるに決まってんだろ。それぐらいお前ならわかるだろ。どうしたんだ急に。」

 

「いやーそう思って川で水面の動きに合わせてそのまま足の裏のチャクラを回転させたんすけど見事に滑りました。」

 

「…は?回転?」

 

「……ん?

…回転、しないの……?」

 

 

しないらしい。

私は足の下でいわばキャタピラの様に回転させていたのだがどうやらそうでは無いらしい。

 

「おまっ…ほんっ……もうバカ…無駄に馬鹿……」

 

言葉も出ないシカクさんが項垂れ頭を抱えるので、取りあえずお茶の御代わりを注いでやった。

急須の最後の一滴まで絞ったので苦さ倍増であろう。

 

「いいか、サクヤ。

体の中をチャクラが巡っている、これは解かるな?」

 

「はい。経絡系とか点穴とか全く覚えてないけど。」

 

「いや、今はそれはいい。

チャクラが巡っていると言う事は、もうチャクラの動きが存在するって事だ。」

 

「あ、なる。

足の下に新たに回転を作るんじゃなくて、もうあるチャクラの流れを使って流れに沿うわけか…。」

 

「…お前って馬鹿なのか何なのか…いや馬鹿ではないのか…でも発想は馬鹿なんだよな…」

 

何か失礼な事を連発している気がするが今はこの新情報を試したいので放置しておく

 

「ヨシノさん!!お茶御馳走様!!シカマル!!またな!!

あばよとっつぁん!!構い過ぎてシカマルに嫌われない事祈っとくぜ!」

 

「うるせぇバカ!!余計なおせっかいだ!!」

 

シカクさんの罵声をバックに、バタバタと奈良家の玄関を飛び出て、私は川に急ぐ。

途中サザミにあったが今は無視だ。

 

「今日のご飯は一楽にするからああああぁあぁぁ!!」

 

「りょうかあああああぁぁぃ」

 

晩飯の心配はいらなくなった。

 

 

 

サテハテ、

さっそく川に入って体の中のチャクラの流れを意識する。

今迄、足の裏に留め置いていたのをゆっくりと流して、水面にチャクラを流す。

 

「うっ浮いた!!止まってる!!止まってるぅぅううう!!」

 

成功である。

今迄の苦労は何だったのか…

この様子から行くと、今までのチャクラを留めていた使い方は余り燃費が良くなさそうだ。

 

サクヤは体の中に流れるチャクラに逆らわず、循環させるよう意識することを覚えた。

レベルが20上がった。

 

丁度通りがかったアカデミー生に目撃された

ボッチ度が50上がった。

 


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