その少年は、この中忍試験で少し目立っていた。
白い装束、背中には雷の国でも珍しくはない真の目赤い紋。
そして周りの下忍達より一回り、いやそれより低い身長。
資料を見るに、まだ9歳という…
試験会場に引きずられてきた少年は常に不貞腐れていた
仲間も人数合わせなのだろう、不貞腐れている真の目の少年を腫れ物でも触るかのように扱っていたが、少年はその二人に合わせて、良くサポート出来ていた。
第一の試験では仲間からの伝達があったのかスムーズに答えを導き出していた
第二の試験は煙玉を使って撹乱、奪取、遁走、余りにも上手いタイミングで、忍術さえ使わず切り抜けていくので俺たち試験官は目を見張った
あの真の目はどこのだ
何処から来た
重役の声に必死に資料を集めた俺たちはあることに気付く
「雷影様、あの少年、木の葉の里2代目火影の孫にあたるそうです!!」
震撼とともにどこか納得のある事実だった。
みじかく方方へ跳ねた髪に灰み掛かった白、そして、あの目。
忘れることはない。
千手の忘れ形見だ
ひと時千手の忘れ形見は各国に恐れられていた。
雷撃のうちは『狭間』、写輪眼の千手『隙間』、2代目の忘れ形見『作間』
時代を移ろいそのたびに名をはせた。
あの2代目の子孫が残っていたとは思わなかった。
「あの顔を見るに『落ちこぼれの作間』の子だろう…フンッほおっておけ。下忍だ。」
雷影様に言われ、ハタと気付く
そうだ、あの少年はまだ少年なのだ…
未だ齢8歳、そして下忍になって1年に満たない。
まるで、そこで死ねばそこまでというような―
木の葉はそこまで切迫しているのだろうか…?
作間の落ちこぼれは知らなかったが、あの少年はそこまで恐るに足るものだっただろうか?
先程の緊迫具合が急に覚めるように落ち着いた
「シード枠はあいつにくれてやれ。」
里の余裕を見せてやれとばかりに白い少年を見つめる4代目雷影
しかし、それは的を外していたようだ
楕円の闘技場に足を降ろしたその堂々とした姿たるや、まさに2代目火影。
対戦相手をラリアット一発ですっ飛ばした姿は獅子のようだった
壇上の雷影を煽り哂う姿は圧巻としか言いようがない。
サポート?、仲間の手を借りた?
ちがう
あれは、サポートに徹していただけだ。仲間の手を使わず答えに行きついていた。
憎しげに真の目の紋をにらみつける雷影を背に少年は段上に帰って行く
周りの視線などもろともせず。
九尾事件で木の葉が弱っていると情報が上がっていたが、これはもう一度評価を見直す必要があるようだ。