また来て三角   作:参号館

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中忍(暗部)編
18


 

「えー第2回家族会議をはじめまーす!」

 

「はい、議長。」

 

「どうぞ隊員ナンバー2」

 

「これ会議じゃなくね?」

 

「それ言っちゃおしまいだよー」

 

サザミが退院したと知らせを受け

結局見舞いには行けなかったし、お迎え位はするかと任務続きで全然帰って無かった家を掃除し、待っていたら

 

帰って来たサザミは私を蔵に引っ張り

蔵を囲う程の結界と、蔵を封印する手筈を始めた。

どうやら、相当な事話すらしい。

察した私はサザミの指示通り動き蔵は見事内側から封印された。

これで良し!と声を上げたサザミは先程の家族会議云々をのたまった

 

「で、今度はどんなやばい事があったの?」

 

「やばい事確定で話すなよ。希望を持とうぜ?」

 

「やばくないの?」

 

「悪い話と、もっと悪い話がある。どっちから聞く?」

 

「いい話から。」

「んなもんねえよ」

 

そう言ってサザミは、笑った。

 

「まず悪い話な。

サザミ班の班員2人の死亡を確認した。お前が証言した通りの場所にあった。遺体は木の葉に帰って来た。」

 

「はい。」

 

「で、もっと悪い話。

あいつらはダンゾウっつう俺らの持ってる写輪眼を狙う根の構成員だった。」

 

はいしんだー

もー

やだー

だからやなんだよダンゾウはー

だからモテないんだよだんぞうはー!!

 

「まあお前の顔を見る限り事の重大さは分かってるだろ。序に言うと俺の推測ではこの話に大蛇丸が関わっている。敢えて断言しよう。絶対そうだ。」

 

断言するなよー

希望を、夢を持たしてくれよー

 

「なんたって元根の忍の俺が保証する。」

 

「え?!まじで?!」

 

絶望した

何だって、この叔父は根なんていう危ない組織にいたんだ!!

まてよ、根にいたって事はサイとかが言ってた呪印が発動するんじゃないのか?

どういうことだ?今、普通にダンゾウの事話せてるぞこいつ…え?どゆこと?

 

 

急に私が考え込んだせいでサザミも黙る

その沈黙のなかどう聞くか考えあぐねる私

 

「サザミぴーんち…て事?」

 

「そう、サザミピンチ。崖っぷち。」

 

崖っぷちのくせしてピンチのくせして

この叔父は何故かニヤニヤと笑っている。

んんん?

 

「…………腕は治る?」

 

「ああ、治る」

 

「………サザミはまだ死なない?」

 

「ああ、死なねえ。」

 

「……そこに置いてあるピンポンは関係ある?」

 

「まあ多少はな。」

 

「…腕の後遺症は?」

 

「残る。」

 

それかああああああああああ!!

こいつ後遺症を理由に忍び引退しようとしてる!!

大工でやってこうとしてる!!

 

「狡い!!ずるい狡い狡い狡い狡い!!自分だけ戦線離脱とか狡い!!私も戦線離脱する!!」

 

「ハッハッハー!!残念だったな!!戦線離脱したきゃ足の一本でも折るんだな!!伝書鳩のサクヤちゃんよぉ!!」

 

「うっせ無駄に語呂悪い通り名で呼ぶなバカ!!どうせ私は伝書鳩に劣りますよぉ!!バカサザミ!!」

 

あの事件以来何があっても絶対に帰ってくる忍びとして二つ名がついてしまった『伝書鳩のサクヤ』

だっっっさい!!めっちゃダサい!!今すぐ辞めてほしい!!

もう愚痴る相手さえいない今の私はボッチまっしぐらだちくしょう

 

その後ブチ切れたサザミと数十分罵り合ったが、息が切れるだけと気付いた私は潔く本題に入ることにした(それは潔くはない、とかいうツッコミはいらない)

 

「サザミがダンゾウの根にいたのは分かった。けど…あそこは機密情報を漏らさないために舌に呪印を施すと聞いてる。

サザミにはないよね?どういうこと?」

 

急に真面目な話に戻ったが、こういうことがままあるので、サザミはなれたように近くに積まれていた本の上に肘をつきゲンドウポーズをする

 

「バックれた。」

 

「は?」

 

「呪印とか聞いて無くって、んなことやってられっかって思ってバックれた。」

 

「…根って結構最初の頃に、呪印施すらしいけど?」

 

「結構最初の頃は口八丁で誤魔化してそこそこレベル上がったからバックれた。」

 

「…お前、良く今まで生きてたな」

 

「俺でもそう思う。」

 

叔父の口の旨さはナンパの時だけだと思っていたが思ったより役に立つようだ。

私はサザミの悪運の強さに重いため息を吐くしかなかった。

 

「んで、あとなんか話しとく事あんの?」

どうせこの際だ全部聞いとこ、と思い私はサザミに目を向ける

 

「んーそーだなー…あ、」

 

「あ?」

 

「お前、あの件から中忍に昇格したから。」

 

「ああ?」

 

「そんでもって本日をもって繰り上がりで火影直轄暗部にしょうかーく。おめでとー。」

 

「あん?!」

 

あと10分で火影様との謁見あるから準備しとけよー

といいつつぱちぱちとやる気のない拍手で祝うサザミ

何っつーことを一番最後に持ってきてんだボケ!!とキレたところで時間は巻き戻らない

私は早急に封印術と結界を解き、急いで火影邸にかけこんだ

 

「なんじゃサクヤ、寝坊でもしたかっハッハッハ」

冷や汗だくだくで火影室に転がり込んできた私をみた3代目は笑って許してくれたが

恥ずかしい思いをしたので今日のサザミの晩御飯は鳥ささみのみだ

覚悟しとけ(怒)

 

「本人も来た事だ。さっさと終わらせるぞ。」

 

いけしゃあしゃあとこの場にいるダンゾウに視線を送るが、どこ吹く風だ

まあ、いい

何処から狙われるか私もよく考えてなかった

敵は本能寺だけではない

次はない

 

「先日の任務、そして中忍試験大義であった。よって、本日より真の目サクヤを中忍とし、火影直属暗部に昇格とする。異論はあるか」

 

誰も何もしゃべらない

だって、きっとこいつらはここまでシナリオ通りだからだ

だから私も手は出さない

こんな狸とキツネとムジナの化け物が揃った化かし合いに手を出したくない

 

「うむ、真の目サクヤ、これより暗部として裏から木の葉を支えてくれ。」

 

「はぁ」

 

「犬の面、そして名を授ける。」

 

「お主は今日からコマと名乗るが良い。」

 

「…ありがたく、頂戴いたします。」

 

全然ありがたくないけど

 

適当に言って火影室を出る。大きなため息を吐くのは仕方のない事だろう

あんなとこ一瞬でも居たくねー

取りあえず根に配属されなかった事だけはサザミに感謝しとこ

 

 

絶対サザミ(前例)のせいで警戒されてる 

 


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