暗部に子供が入った。
珍しく根のものでは無いそうで、たいそう珍しがられた
子供でも強い奴は強い
そういう認識が根付いている暗部では珍しく、見た目通りの実力で、期待していた暗部の者は肩透かしを食らった。
しかし、大して尖った実力はないものの暗部で飯を食うほどには実力は足りていて
それでいて様々な術に精通してるのか、思いもよらない援護や、攻撃に未来の期待は大きかった。
そして何より『必ず帰ってくる』
表では『伝書鳩のサクヤ』なんて呼ばれているらしいがこの実力は暗部に欠かせない
巻物を奪えても、情報を得ても、帰ってこなければ何の意味もないからだ。
このまま順調に成長すればやがて木の葉の柱の一つになりえよう
聞いてみればあの、うちはイタチと同期で、作間さんの倅、サザミさんの甥、そして極めつけに2代目火影の孫、というので納得の仕上がりだ。
本人は「感知が無いんですよね~」
何てのんびり言っていたが、それ以上幅を広げると俺らの出番がなくなるからやめてほしい。
この子は出来ない事はやらない、自分の実力をよく分かっている。
今ある材料で足りない部分を自分の技量、知識、経験で埋められ、確実に任務達成をこなせる貴重な人材だ
何処の班に入れようとも馴染むので未だ特定の班所属には至ってない所がまた『火影の狛犬』を彷彿させて苦笑しか出ない。
初代の『火影の狛犬』との任務はやったことはない
だが昔から話は幾度も聞いていて
1年ほど暗部時期が重なった先輩のサザミさんに「お前その髪色で狛犬面は絶対被るなよ」と忠告されるほど威光が大きい人材だったらしい。
その倅がこうして同じ名で、暗部で活躍しているのだから3代目も心労が耐えないだろう。
コマと呼んでは我儘を言う姿を見るとそうでもない気がするが
最近、根から移動してきた後輩のテンゾウが、コマを良く食事に誘っている姿を見る。
あれあれ?と思い、からかい交じりにつついてみると、自分と年が近いしとか、なんだか目が離せなくてだとか、何時もの無表情から似合わない返答が帰ってきてちょっと面白い事になった
まあ年も近いしいいんじゃナイ?とか思っていたらどうやらその行く先は暗雲を垂れこませているらしい
「ねむい」「だるい」「めんどくさい」と断られているそうだ。
いや、さすがに何回かはもう行ったあとなんだよな?と冷や汗をかきつつ聞くが
無言が帰って来るだけだった。
頑張れ若人。まだまだ未来はある。女も男も星の数ほどいる。
肩をたたいてテンゾウの横を通り過ぎたら、好きな人は一人しかいないんです!!と泣き付かれたので変わり身の術をしてさっさと家に帰った。
君子危うきに近寄らず。
初恋をこじらせると、ただのめんどくさい奴になるだけだぞ。
(オビト然り)
カカシ先生の話し方わかんない