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最近ダンゾウがまた煩くなってきた
うちはイタチの監視をどうしても私にやらせたいようだ
ダンゾウは私が作間の目を持っていると思っているので
共倒れを狙っているのだろう
だが断る!
と言っているのだがあまりに煩く、終には3代目も唸るしかなくなり
監視と名ばかりにイタチとペアを組んで任務にあたることが決まった
イタチとの対面時、面で見えなかったろうが私の顔面は蒼白だったろう
イタチ君は優秀だ
1を言ったら10了解してくれる
「お前最高の頭してんな」
と言ったら
「コマさんの方が最高にイッてる頭ですよ」
と皮肉られた
以前私の火遁に巻き込まれたのを根に持ってるのだろう。
火力というか温度にびびったイタチ君は写輪眼発動させて私の事をにらんでいたので
相当驚いていたのは確かだ
右腕火傷したんですけど
と、ねちねち、ねちねち、言ってくるので
京女ですかこの野郎と言いたくなるが、イタチ君は多分、京女を知らないので「へーへーすみませんねー」と謝っといた
脛を蹴られた
基本私とイタチ君のツーマンセルで事に当たっているが時々人員が補充される
それは根の奴らだったり、暗部の先輩だったり、カカシさん達だったりと様々だ
そこそこイタチ君とは気が合うので団子屋で次の任務までの暇をつぶしたり、暗部待機所のソファーを占領して二人でグータラしてたりすると先輩に春が来たな…とつぶやかれ、カカシさんには生ぬるい視線を頂く
何故かテンゾウさんにはイルカさんはどうなったんだ!!と詰め寄られる
だから例え話だっつーの
任務の帰り雨にやられ橋が崩れたので、日が落ちてるし野宿する事となった
丁度いい木の葉のセーフハウスという名の洞窟を発見したので、そこで休憩を取って服を乾かしていたらイタチ君に髪を触られた。
なんだ急に気持ち悪いな、と思いつつ放置していると
「髪、伸びましたね」と言われる。
「え?ああ、そう。じゃあ、そろそろ切るか」
そういや、最近目に髪の毛掛かるなと思い、適当に返事を返したら
「…伸ばさないんですか?」
と聞かれる
「伸ばしても邪魔だし、特に髪形に拘ってないからなぁ…」
私の髪を見てよく人は綺麗だとか月夜に生えるだとかおべっかを使ってくるが私は別に特に思うところはない
全てそれは父と2代目に掛かるからだ
私の顔は父似で2代目の現身
髪色もそうだった
クリーム色から大人になるにつれ銀になる。
「そんなんだから甥っ子なんて呼ばれるんですよ。」
うるせぇ
口が達者な元同期、暗部後輩の手を弾いて私は荷物の確認をする
「俺も、初めて会ったときは男だと思ってました」
苦無がひぃふぅみぃ…と数えているとまた頭に手を伸ばすのでまた弾く
「今度、簪あげるので、伸ばしてください」
起爆符また買い足さなきゃなーと、またまた伸びてきた手を弾き、忍具確認を終えると
写輪眼全開のイタチ君と目があった
え、なんか怒ってないこの人?
「ええっと…どうした?敵襲か?幻術か?」
ええい!!ままよ!!取りあえずコミュニケーションだ!!
コミュ力5の私にはこれぐらいしかできないがコミュニケーションを取らないとこいつの怒りは絶対収まらない感じだ
博士もそうおっしゃられている
夜は長いしさっさと見張り番を決めて寝たいがこの様子だと長くなりそうだ
「コマさんは分かって無い」
「へえ、さようですか。すみません。」
目を閉じて写輪眼を解除するイタチ君が、私の返事にイラッときたのか、次いでとばかりに幻術を掛けられる。
ので、目線で菓子折りつけて返す。
つい減らす口で喧嘩腰になってしまうのは御愛嬌だ
「テンって知ってます?」
何の脈略も無く言われても私にはちんぷんかんぷんだ。
「動物のテンなら多少は、知ってます…」
ひぃ!!殺気が!!殺気が漏れてますうちはくん!!
「あなたはどうせ忘れてるでしょうがね、俺貴方に…
いえ、やっぱり…何でもありません。」
えええええええ…
そんな顔で何でもないだなんて言われても困るよ?!
何かある顔だよ!?
「あの、何に悩んでるのか全然わからないけど、」
「でしょうね。」
うっ
後輩の言葉が痛い
察しが悪くてわるーござんしたね!!
「…あの、取りあえず、話してみたら?結界と封印掛けてやるし。秘密にしといてやるからさ、ね?」
こいつはその日の機嫌で任務の良し悪しがあるわけではないが
チームワークに問題が出そうなので、今日はもう使う予定の無かったチャクラを練って結界を張る事にした。
序にお外で話したらヤバイ事を話す時の封印術も内側から掛ける
するとあら不思議
外からは何の変哲もない洞窟
内からはお外が丸見えの特殊結界がかんせ~い
「で、なんだねイタチ君。」
腹をくくって私はイタチ君に視線を向けた
イタチ君、私は君がどんな性癖でも受け止めよう。
先輩として出来る限り(そういう経験あんまないけど)アドバイスはしよう!!
最近イタチ君に彼女が出来たという噂を思いだし即席イタチ君お悩み相談コーナーを作った。
「あの、そこまでしていただかなくても…いや、その方がいいのか…?」
イタチ君はぶつぶつと何か言っていたが私はイタチ君の性癖が何処まで歪んでいるかで頭がいっぱいだ
テンにしか発情しないとかだったらどうしよう…とか考えていた。
幻術で相手をテンに見せるか…いや、さすがにそれは相手が可哀相だよな…
「あの、取りあえず動物のテンから離れて下さい。」
その言葉に潔く私はさっきの対処法を宇宙のかなたに投げ捨てた
良かった―!!イタチ君は人間相手に発情する人だった―!!
「で、その、昔の話になるのですが。木の葉の西にある遺跡、覚えていますか?」
「え?ああ、知ってるよ。よく行ったよ。まあ遺跡巡り好きだから、西と言わず東西南北里外まで行ってたけど」
「それは…気になりますが置いておいて。…そこでうちはの少年に会いませんでした?」
私は、その言葉に凍りつく
あの少年の事がばれたか?
いや、私も少年もあれから一度も会っていない。
あの少年が口を滑らしたとして?
あの少年はあれから時間は経っているが会えていない所を見るともう消された後か…
私は頭を急激に冷やし
四股に血液が向かいいつでも動けるようにする
真顔のままイタチ君に目を向けるとイタチ君は口を開いた
「それ、俺です。」
「…は?」
「ですから、それ、俺なんです。」
「はああああああああああああ?!」
超ド級の衝撃発言が出た
え?は?なん?
わたしイタチ(幼少)に会ってたってこと?
古代言語、暗号、あまつさえ
あの、幻術のプロと言われるイタチ君に幻術のイロハ教えてたってこと?!
はあああああ?!
それ、すげえ影で鼻で笑われてるやつじゃん!!
幻術苦手とか言ってたあれは嘘かよ!!
私の純情返せよ!
唖然として『あ』の口から言葉が出ない私にイタチ君は畳み掛ける
「その、やはり、気付いてなかったようですね…一応何度か接点はあったんですけど…
これからは他人だと言われていたので俺も言い出しにくくて…すみません。」
あやまられてしまってはこちらも形無しではないか
イタチ君の小さなサインをこれ見よがしに見逃していたとは…
あんまり関わらんとこって思っていたのがあだになった…
「こちらこそ、あのテン君だとは気付かず数々の無礼すみませんでした。おかげで元気にやっております。あの情報は一生よそには喋りませんし、出しません。変な取引を持ちかけて ま こ と に、申し訳ありませんでした。」
土下座ポーズで冷や汗をかいている私はさぞ間抜けだろう。
「いえ、あの、そういうことがしたかったんじゃっ
頭をあげて下さい!!謝るのは俺の方なんです!!寧ろ感謝してるんです!!」
はて…感謝…とな?
私は下からイタチ君を見上げるが意味が解らない
そのまま肩を押され、土下座体勢から戻ったものの疑問は晴れない
「私なんかした?」
ので素直に聞く事にした
「しました。」
え、何したんだ私。
とりまファーストは奪ってないはずだ、序に純情も。(最初の話からすると私の事を男と思っていたはずだ。)
変な事をしてないかと3年以上前の記憶を掘り起こしていると、両肩を掴まれる
そのまま顔が近づいて―…
「俺に、知識という盾と、幻術という剣と、…何にも代えがたい愛情をくれました。」
おでことおでこが、こつんと当たった。
顔が近すぎてイタチ君のまつ毛が数えられそうだ。つかまつ毛なげぇ
2㎝以上あるんじゃねえのこいつ
「えっと、その、それはどうも…?」
答えといてなんだが、なんて言や良いのか全く分からん私の言葉は弱弱しい
てか、さっきから気になってんだけど…
メッチャ幻術かけてくんのやめてくれない?!
こいつ、動く度、瞬きの度、幻術かけてきやがって、返すのめっちゃ大変なんだけど?!
この雰囲気でこいつ何いってんだなんてツッコミは受け付けない!!
だって写輪眼全開のイタチ君を躱すので精一杯だからだ
ちなみに、以前私が三つ巴の写輪眼を開眼したと言ったな。ありゃ嘘だ!!
嘘じゃないけど!!
気持ちが高ぶって写輪眼が発動してその姿を誰かに見られ、ダンゾウとかに話が行ったらやばいと思った私は、サザミと相談して封印した。
封印は簡易だが。これで早々、写輪眼をお目にかかることはないだろう
と思っていたが今目の前の写輪眼がグルグル展開され私はその幻術を返すので手いっぱいだ
綺麗に光る赤い目を見ている私の目は死んでいる
「あの、辞めてくださりません?めっちゃ怒ってるのは心底理解したので。」
そういうとイタチ君、いやテン君は諦めたようだ。
薄く笑って私から手を引いた
「やっぱ上手いですね。」
「まあ、生きるために必要だったんで…」
君の幻術を返す日が、また来るとは思わなかったよ
と幻術返しにげっそりMP持ってかれた私は答える。
なんたって、こんなことを…と思ったが
どうやらイタチ君なりの今までの意趣返しらしい
悪戯小僧の顔で小憎たらしく笑っていた。