あれから特にイタチ君との関係が変わることなく(まあ、すこし心理的距離が近くはなったが)、ある意味平和に任務をこなす日々が続いた
途中ナルト君と買い物に行った際、丁度お使いのイタチサスケ兄弟に鉢合わせしたり
サザミの痴情のもつれに巻き込まれたり(10股とかホント死んでほしい。)
棟梁が風邪こじらせて入院したりとあったが
概ね平和に過ごしていた。
過ごしていたんだ。
「影真似の術!!」
ぴんっと張った影は私につながり目の前の少年と強制的に同じかっこになる
「簡潔に言う。おらぁ奈良シカマルってもんだ。俺と勝負しろ!!」
シカクさんあんたの息子、あんたそっくりだよ。
曰く
最初はシカクさんと将棋を打っていたらしいが、あまりにも勝てなくて悔しいので、友達に将棋を教えてそれで勝負をしようとしたのだが、その友達各位がまあ、頭がその、シカマル君よりかは確実に残念なので全然勝負にならず「つまらない、将棋辞める。」と不貞腐れていたら親父さんから「あー…真の目の、白い頭にあったら影真似の術で拘束して名乗れ。多分相手してくれっから。」と言われ私を発見したそうだ。
まだまだ未熟な影真似の術は3秒と持たず解除されてしまったが。こんな表通りで勝負挑まれちゃ他の人の目も有り断れないので。
シカマル君に醤油団子をかけて勝負する事を提案した。
最初は奈良家に移動するのか…めんどいなとか思ってたけどそこはさすが奈良家のこども
ばっちり携帯将棋盤を持ってきていた。
んなとこにその無駄に高いIQ使うなよ…
此れにて四面楚歌。
その勝負は火ぶたを切られた
勝った。
団子は頂いた。
まあ、年季が違うよね、年季が
あのシカクのクソジジイに絞られまくった日々が懐かしい。
まあまあいいとこまで行っているのは確かだ
この年で始めてここまで出来るとなると将来は安泰だ。
私の老後は君に掛かっているんだよシカマル君。
悔しそうに、もう一回!!というシカマル君をまた今度なとかわし
家まで送ったらシカクさんに捕まった
「よぉ、俺の倅はどうだった?」
しっっっっぶい声で話しかけられた私はドキドキだ
ぜってーこいつシカマルを私に取られたと思ってる…
その証拠に、良く見える額には青筋が立っている
「いい子でしたよ。奈良家も安泰ですね。」
始めて3か月とは思えない腕前だった。
「だろぅ。」
シニカルに笑うシカクさんに、正直に喜んだ顔をしたらどうだと、呆れた視線を向けると晩飯に誘われた
「いえ、シカクさんと一局やる羽目になるので遠慮しておきます。明日は任務なんで。」
この人とやると長いのだ。
最低3日はかかる
その間任務が入れば行かなければならないし、かといってシカクさん相手に手は抜けないので毎回最後の方がグロイことになるのだ。なるべく対戦は避けたい。
クックックと笑う姿はダンディーだ
フフーフ!!とテンションをあげたいところだがこの人は既婚者だし、私の旦那さん候補はイルカ先生みたいないい人である。こんな勝負に意地汚いオヤジではない。
じゃあまたね、と廊下から晩御飯に誘ってくれるシカマル君を躱し家に帰る。
多分これからまた奈良家に引きずられるのだろうと思うと少し胃が重くなった気がした。