うちはシスイが亡くなったらしい
イタチ本人から聞いた訳ではないがその情報は忍びの間ではすぐ出回った
『瞬神のシスイ』なんてカッコイイ二つ名がついていたし見なくなればすぐわかる
まして、イタチ君がこんなにやつれていれば。
「ねえ、それ、どうにかなんないの?」
「無理ですね。俺の親友が亡くなったんです。もうちょっとかける声が違うでしょう。」
どよーんした暗雲と、イタチ君の目の下のクマは日に日に増している
皮肉には皮肉で返すイタチ君は口だけは達者だ。
ため息をついて言い渡す。
「今日の任務無し。これから私暇なんだけど。あんた暇?」
このツーマンセル、実はイタチが隊長だ。
いくら私が暗部で先輩だとしても強さで言ったらイタチの方が強いからだ。(あと家柄ってのもある)
だが、任務を受け取るのは私だ。
ダンゾウが駄々をこねたのだ。
木の葉の内情どろどろのせいで部下が苦労する典型的例である。
暇?と聞いているがその答えは聞いてなかった
今日は私らの任務以外入れていないはずだ
ちゃんと監視はしているんだよ。スケジュールの管理は任せろ。←
手を引いて行きついた先は私の家だ。
テン君と解かってから何度かお互いの家を行き来しているからかイタチ君は行き先に疑問を持たない
サザミは友達が出来てよかったなと言うがこれは友達なのだろうか…?
古代文明発掘の同志であるのは確かか…
真の目の区画には緩いが結界が張ってある
ちょっとばかし特殊なもので、なければ無いで問題ないけど、無いよりましだろうというものだ
しかし、うちの蔵は違う
父やサザミが集めた色々が詰め込んであり、ある手順で入らないと爆発炎上するというカラクリ蔵だ
父がいじりにいじったらしく、序にとばかりに結界も相当強いのが張ってある
サザミ曰く「まーアレ以上はないけど相当なもん置いてあるしね…何度か3代目に蔵の中のもん譲ってくれとも言われたけど、作間さんからサクヤに任せるとしか聞いて無かったからね。そのままにしてある。」
と内情を語られた
一応私も暇があれば蔵の中を掃除したり整理したりと触って物を確かめているが
まあ、まともなものは無かったよね。
多分これは2代目の遺産も入ってるなとは思ってたけど、あの多重影分身の入っている巻物を発見したときはさすがに木の葉に寄贈した。
写しはうちにあるが
そんな物騒な蔵だが、内緒話をするにはうってつけだ
2回の家族会議の通り結界と封印を内側からして私は床に腰を落ち着けた
「さあ、腹を掻っ捌いて話そうじゃないか!」
私はコマ
君はテン
時々現るはポン
何ら昔と変わらない会話から私たちは腹の内をぶちまけた
「成る程、そういうことね。」
イタチの現状にすべてを投げ捨てたくなる自分を如何にか押さえ、心なしか痛む頭に、眉間に親指を当てる。
「取りあえずお疲れとでも言っておくよ。」
「いえ、コマさんの方も、まさかそんなことになっていようとは…」
二人して先祖親戚の所業に悩まされるとはこれ如何に
「一応の目標はうちはを止める。又はダンゾウを止めるところからだな…」
もう手遅れな気がしなくもない
「ああ、そのためにはうちはと木の葉のこじれを如何にかしないとならない…コマさんは何か手、思い付いたか?」
「んや、全然。ダンゾウ暗殺計画を練ってるけど。全然無理だ。」
「おいまて、何故そっちに行く。」
「私、ダンゾウ怖い。テン、ダンゾウ邪魔。合理的な答えだと思うけど?」
あれやこれやと計画を練っては崩しを繰り返していると丁度昼なのか二人のお腹がなった
「取りあえず飯だな。」
「ああ」
午前中いっぱい使ってこれとは…
うちは一族滅亡は近いなと思考をめぐらした