また来て三角   作:参号館

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部屋から持ってきた暗号めいたカンペを持ってしても

うちはの天才と、火影の狛犬がどう頭をひねろうとも

滅亡は避けられない答えを導き出したとき、私達はその先に思考を向けた。

 

 

 

「サスケ、残せよ。」

 

「いや、両親でさえだめなんだ。サスケも、無理だろう。」

 

そんなことはない

なんならうちは繁栄を願ってもう一人ぐらいは私のコネと借りで子供を残せるだろう。

だがそれを言うのは無理だ。

命の取捨選択は私達には出来ない

その場合サスケが選ばれるかどうかを神に祈るしかできなくなるのだ

 

「サスケは残せ。私が如何にかする。

そしてお前は生きろ。生きて、最悪を防げ。」

 

前世の記憶も薄まった私が、イタチに送れる言葉はこれぐらいだ。

頭悪くて済みませんねー

馬鹿なんですよー

 

イタチはまだ方法はあるはずだと言う口でサスケを、里を残す方法に頭を回転させている。

私はサスケを残すという口で、サスケをどう動かすか考えている。

ポンは出てこない。

私の思考を先回りしてサザミでも呼びに行ったのだろう。

 

「シナリオはこうだ。」

そう口を開いたのは私だった。

 

「お前はこれから推定うちはマダラに取引を持ちかけろ。

なんでもいい、里の安全とうちはを天秤に掛けろ。」

 

「コマはどうする?」

 

「私はこれからサザミを使って火影と取引をする

最後の光明に見える様、口八丁手八丁は任せろ。」

 

テンが少し笑った。

 

「一族滅亡はお前一人でやったことにしよう。もちろん私も手伝うよ。理由は、そうだな…」

 

「己の力を試すため。それでいいだろ。」

 

「いや、それではサスケはきっと信じられずお前を追う。もっと確実な何かが欲しい…」

 

「昔…うちはマダラは弟のイズナの写輪眼を移植して視力を復活させたらしい…」

 

「…曲げよう。マダラは永遠の写輪眼が欲しいから弟を殺した。

サスケを生かした理由を作れ

とりあえずサスケに…お前を……恨ませろ…。」

 

「まだ言わない方が真実味を持つ…嘘は、少し混ぜるのが味噌なんだろ?」

 

眉を寄せて笑うテンに私は微妙な顔をするしかない。

 

「任せるよ。」

 

あーどっこいせと立ち上がった私はジジ臭いとテンに言われる

煩い

それに自分だって『よっと』なんて声を上げるもんだから笑ってしまう

 

一回笑うとそれは伝染するようで

私が笑い、テンも笑い初め

最後には大笑いで、二人でおでこを付きあわせた

 

「コマさん、俺は何時だって、あんたに助けられてばっかりだ。」

 

「そんなことはないさ。大丈夫、テンにはテンの道がある。ゆっくり歩け。」

 

 

 

イタチは私を裏切るだろう。

 

そしてすべて自分で事を成すだろう。

こいつはそういうやつだ。

だから少しでも心労が少なくなるよう前世のカンペを出した

私の前世は話していない。

ただ、選択の一つとして話に織り交ぜただけだ。

 

きっとその道を、進めるように。

私は応援している。君が死ぬまで。

 

 

 

真の目の入り口で別れたイタチのクマは薄れもしなかった

私はそれを取り除く役割ではない。

 

 




どうでもいいけど『うちはの天才』と『伝書鳩のサクヤ』って並べるとサクヤの間抜けさが顕著に表れるよね。

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