コールタールの解析結果が出たらしい
5代目にお呼び出しされた。
え、なんか大ごとになってるんですけど…
「お前の管狐が吐きだしたものだが…」
火影室は相変わらず書類だらけで鼻がむずむずする
書類の林の向こうには5代目が机に肘をつきゲンドウポーズでうつむいている
なんかすっごい言いにくそうなんですけど
え?何が始まるの?
結構やばめな事?
さっきっからめっちゃ真剣な顔の5代目をしり目に入り口のカカシパイセンにSOSのサインを送っているのだがめっちゃ無視されている
あれ?おこ?おこなの?
大蛇丸ん時援護入んなかったのオコなの?!
ねえ!!せめて返事をくれ!!
私がその沈黙に内心恐慌に走ってるなど知らず目の前の5代目はやっとその口を開いた
「…――九尾のチャクラであった。」
「うそーん」
あ、やべ
思わず心の声が出てしまった
いや、しかし待て
私これ結構やばめのピンチじゃね今…
ご意見番「九尾のチャクラじゃと?!真の目がそういうことをするはずがないが、いやしかし変人の集まりじゃしな…」
ダメだ!!
ダンゾウ「九尾のチャクラを持っている…?お主さては九尾事件の…」
だっ、ダメだ、だめだ!!
やばやばのヤバトンじゃねえか!
カカシパイセンがさっきから私の視線を全力で避けてるのはこういう事かよ!
だが思わず出てしまった言葉に嘘はない…
おちつけ、もちつくんだ…
まず、なぜそういう結論に至ったかだ
「…お前が信じがたいのも分かるが、私も未だ信じられん。だが15年前確かに感知したチャクラと全く同じ配列、種類のチャクラだったそうだ。」
うわー言い逃れできねー
え?まじで?
もうこれダンゾウ延いては木の葉に殺されるフラグ立ってんじゃん…
私は絶対抹殺。
ピンポンは良くて監禁、悪くて実験体だ
えー?せっかく写輪眼取り返したのにー?
ここでー?THE END?
初っ端にケンカ売ったせいで5代目のお力添えとかも期待できねえし…
帰ってきて!!3代目!!
今なら四鬼封陣でさえやぶって助けに行くから!!
頼むから!!私に弁解の余地を!!!
「…」
沈黙が痛い…まじ痛い…
私さっきからマジしか言って無い気がする…マジで…
今すぐピンポンを引き出して事情を説明してほしいが、この刺す様な沈黙が痛すぎて、今出したらやばいのは流石の私でも分かる…
くそっピンポンが心配だったから急いで出てきて碌な装備もねぇ…これじゃ里抜けもできねえよ…
私が全力で逃げる方向に頭を回転させているとやっとカカシパイセンが口を開いてくれた
「五代目、」
「ああ、解かっている。
…お前の働きは3代目の時から良く聞いている。それにそこのカカシからも…。」
っとお?お?弁解の余地がワンチャンある…だと?
「よってこの事は私とカカシ、そして解析班だけに留めた。」
おおおおお!!
って、え?!どうしたん?!
5代目優しい!!
何食べたの?!
急に優しい!!
「カカシの話によれば、件の管狐達は作間の時からの付き合いらしいな。」
(…そうなの?)
(そうだヨ)
そうらしい。
「私も作間の活躍は知っている。そしてお前の叔父の話もだ。」
うん、で?
結論は?
結論を先にくれ?
我、緊張で心臓が飛び出そうぞ?
「よって私はその管狐をこの場に出すことを許可しようと思う。」
「あざっっっっっっす!!」
ふおおおおおおお!!おまっ5代目!!あんた最高だよ!!
今日から5代目の狛犬になってもいいかもしれん!!
マジファインプレーだよ!!
「いやーわてらも分からんのやわ~」
「わるい、分からん。とりあえず出そうだから出しタ。」
「…ピンポン、ホントニ、分カラナイノカナ?」
「せやから分からんゆうとるやろ。第一出たのが何か分からんゆうて、解析に出したんちゃうんか?」
「ま、諦めて共に死ぬ時を待とうゾ!!ガハハハハ!!」
ガハハハ…じゃねぇーよ!!
お前らの命だけじゃなく私の命もかかってんだぞ?!
返答次第では即打ち首ぞ?!
我死ぬぞ?!
父さんと母さんの墓にぶち込まれんぞ?!
真の目の立場スゲーやばいぞ?!
だが、珍しくピンの言い分も確かなのだ。
ポンと私なんかジエンド方向に思考放棄しているが、なんで九尾のチャクラがそこに入っていたのか原因が分からないから解析に出したのは確かな事実としてあるのだ。
よし、これで行ける。これで行こう。
「あの5代目。
私にもわからない所でして…」
取りあえず事の始まりから今までを説明して
私の推測を嘘交じりで話し
何とか丸め込もう。
序にコールタールを私の管轄下に置く事ができたらさらに良い…
考えながら話すんだ!!
頑張れ!!私!!
ココが押さえ所だ!!私!!
「まず初めのこいつらが吐いた所は、獣医の犬塚ハナさんが見たとおりでして、
私にもわからないから獣医のところへ駆け込んだんです。
そこで、この九尾のチャクラを吐いたのですが、曰く、管狐の習性として宿主のチャクラを吸うようなので、私のチャクラではないという所で不審に思い解析に出しました。
こいつらは、九尾チャクラを持っているから特別強い個体、という訳でもなく、管狐の習性の通り、只普通に火を吐き、化け、増えるだけなんです。
その証拠に木の葉にいる真の目棟梁の管狐も同じことが出来ます。
よってこいつらがただ生きるためだけに九尾の近くにいたとき吸い込んだ可能性もあるわけです。
例えば九尾事件の時、私はシェルターにいたので詳しくは知りませんが、叔父のサザミは暗部で九尾相手に戦った過去があります。そこで吸い込んだ可能性もない事はないのです。
そして何より、管狐は宿主のチャクラを吸いきることはないのです。
宿主には生きてもらわなければ自分が死ぬだけだから。私達真の目は特殊でも何でもない一族ですが多くがこの管狐達と共に増え、栄えてきた者たちです。その中で管狐にチャクラを吸い取られ死んだ者たちはいません。
目算ですが、あの日犬塚ハナさんの前で出した九尾チャクラも、九尾にとってはどうって事の無い数だと思われます。
確かにこの管狐の体に対して体積比が可笑しい量ですが、管狐は妖怪です。動物ではないのではっきり言ってその原理は利きません。」
「…その分は納得しよう」
「ありがとうございます。
そして次にこいつらが言った『分からない』という言葉ですが、
こいつらが分からないという事が全て答えになっているかと、私は思うのです。
管狐の習性は先程言った通り宿主のチャクラを微弱に吸い、こうして火を噴き、化け、増えることが出来るのです。そこに意思は存在しません。私達人間と同じように息を吸い、真の臓を動かすと同じようチャクラを吸うのです。本人たちはそれが何処から来たものかまでは分からないでしょう。
しかし、私はひと時ナルト君という九尾の人柱力のお世話係をしていた時がありました。その任は3代目の死亡を持って破棄されましたが。ひと時同じ時をこの管狐達は過ごしています。私の推測ではそれが全ての答えかと思います。」
「…カカシ」
「…筋は通っているかと。」
「ところで5代目様。話は変わるのですが、3代目は私に一つ大きな恩があるのです。九尾事件後すぐの中忍試験でのことです。」
「ああ、聞き及んでいる。」
「それならば話は早いですね。
火影の恩は3代目亡き今、火影に返してもらうのが筋かと思うのです。
この九尾チャクラ、これを私の管轄下においてください。」
「ならん!!それは流石にならん!!」
「しかし、5代目。これを吸い取ったのは私の管狐ですよ?どなたかから聞いたか分かりませんが、中忍試験の事を知っているのなら、ダンゾウと私の摩擦も多少なりともお耳に入れてるはずです。研究にはこの管狐を必要とするでしょう。私に裸になれとおっしゃるのですか?」
「…だが、お前がこれをどう扱えるというのだ。これはナルトに返す。それが一番だろう?」
「ナルト君に返すにしても一回封印を緩め、こじ開ける必要があります。その時にまたも九尾が暴れ出したり、うちはサスケやイタチなどに操られるやもしれません。
私の家には父が残した封印術がいくつかあります。そして、2代目の遺産も。封印するならこのチャクラだけでナルト君を、人柱力など必要ない方法で封印すべきです。幸いこのチャクラには意思は有りません。暴れることも有りません。」
「うーん…」
「5代目、オレもそれがいいかと思います。それに滅多にやる気を出さないこいつが珍しくやる気を出しているので、悪い方にはならないでしょう。」
「しかしだな…」
「封印出来たら返します。本当はナルト君にそのまま返すのが一番なのでしょうが、私はそこまで安全を保証はできません。幸い5代目様の手腕によってダンゾウ様には話が行って無いようなので表向きこれを奪われ、揮われることはないでしょう。」
「…わかった。お前にこれは預ける。だが、あの量すべては無理だ。」
「ですがどこに隠すおつもりで?」
「…カカシ。なんか無いのか。」
「いや、俺らも扱いに困ってるからこうして頭突き合わせてるんでしょう…サクヤに任せましょうヨ、俺もうサクヤがこんな口開いてる姿見たことないですよ?ね?」
「さくや、…お前には何か策があるのか?」
「ええ、家には父の残した蔵があるので。そこで良ければすべて収容できます。」
「作間の蔵か…」
「彼のお方たちからあの目を守っている蔵でもあります。」
「…はぁ…わかった。任せる。だが定期報告はしろよ?」
「もちろんです。」
なんとか誤魔化せたが、……もう絶対考えながら喋るとかしない
もう最後の方なし崩し的にカカシパイセンのお力添えで決まったし…
マジこの人に足むけらんねぇ事が出来て後が怖い。絶対碌でもないお願いされる。
一生分の頭使った…
もう私は口を開かない。
その後ピンポンが吐きだした量をどうやって犬塚家の庭から動かすかでまた揉めたが、『出したんだから入ってたんだよな…?』とピンポンに入れて事なきを経た。
「ホントに知らないの?」
「そうゆうとるやろ~」
「ケケケ知らないネ。」
マジでどこで拾ってきたんだ…
一応写輪眼の封印に関係あるかと見てみたが相変わらずその巻物は沈黙するだけだった。