また来て三角   作:参号館

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「シカマル。まずお前の作戦を聞こう」

 

カカシパイセンの言葉を皮切りに、シカマルが頭をフル回転させた作戦を話してくれる

「全員しっかり頭に叩き込んでくれよ」とシカマルに言われたので、ふんふんと私は頷き、それをほとんど聞いてなかった。

 

 

いや、だって私、ほら、作戦はその場で練る派だから…

大方のあらすじ(こいつを殺してあいつを残すとか、状況に応じて巻物を燃やせとか)は決めといてもいいが、そんな細かいのは10班と縁深いわけではないので、はっきり言って無理なのだ。(アスマさんがいれば別だが、あいつはもういない。)

私の出来る事と言ったら精々、邪魔しない程度にイノちゃんの護衛だ

サザミのせいで『医療忍者貴重、大事。』が刷り込まれている私は(サザミのホンキのデコピンは頭蓋骨にヒビが入る位痛い。)今回イノちゃん第一で行こうと思う。

 

 

大方の作戦を把握したので細かいのは聞き流していたら、ばれていたのかカカシパイセンに拳骨を食らった。

 

「何するんですか、痛いじゃないですか。」

 

「あのねぇ…お前が本気出してくれたら、こんなのすぐ終わるはずなんだから、頼むから頑張ってヨネ。」

 

多大なる期待を私に掛けているらしいが

これは弔い合戦であり、シカマルが立てた作戦にて、成功が約束されるんだ。

私がでしゃばったって何くれとはならん。

それにこの後7班も合流するだろうし

遅かれ早かれイノちゃんの身は守ることにかわりはない。

 

「言っときますけど、飛雷神の術は最近覚えたばっかなんで、今の私が戦闘中当てになるのは結界と封印術ぐらいですよ」

 

「十分、十分。」

 

 

 

 

 

 

 

―――

――

 

カカシ先生のほかにサクヤが来てくれたのは良い拾いものだった。

流石カカシ先生、よく分かっている

 

主力はカカシ先生とチョウジが張ってくれる

仕掛けは俺とイノ

だがイノの護衛に俺が付いているとどうしても俺が自由に動く事は出来ない

後から人員が補充されるとはいえ、イノを危険にさらすには少しリスクがありすぎる。

だからオールランウダーのサクヤがイノについてくれれば…

あの人の事だ、期を窺って援護ぐらい護衛の片手間やってくれるだろう。

 

こんな事本人に言ったら「上忍使いが荒い」とか何とか言われそうだが。

何と言われようともサクヤがいるってだけで、命の安心感が全然違う

流石『伝書鳩のサクヤ』と言われるだけはある。

必ず、誰一人も欠けず俺たちは帰れるだろう。

サクヤの力を過信してはいないが、サクヤの能力への信頼だけは無駄にあるんだ。

会議に行かねぇのは、どうかと思うがな

 

 

 

 

 

 

―――

――

 

 

やべぇ…

アスマの仇ってあれじゃん…

暁じゃん…

 

 

 

今更糞どうでもいい事であろうが、敵が不死身コンビだったことを思い出した。

ちゃんとこまめにカンペチェックすべきだった…

ハッキリ言ってナルトって話が長いだけあって、チェック事項が多く、広範囲なんだよな…

これ第4次忍界大戦のりきれっかな~と周りを警戒、護衛に徹していたらイノちゃんが2人を発見したらしい

ちょいまち、早い、早いよイノちゃん。

こっから10分て、私まだ心の準備できてないよイノちゃん。

 

イノちゃんの心転身の術が解けすぐさま向かうらしいので一応、とひそかにピンを5つに分体させ皆の衣服の隙間に滑り込ませた。

これで一回命が助かる位はどうにかなるだろう。

 

2回目はムズイのでイノちゃん以外自分でどうにかしてくれ

野郎の命に構っている暇はねェ

私は自分の命とイノちゃんで精一杯だ

 

 

 

 

 

 

イノちゃんの情報からルートを絞り込み、先回りし待ち伏せする

のんびりと歩いてる半分?服が破けているやつが不死身の変な奴なんだろう。

3日前の情報と変わりない姿って事は3日服が変わってないってことで、いいんだよな…?

暁って金が無いのか…?

 

 

シカマルがまず影で陽動、それに合わせて位置を悟られないよう、起爆符付きクナイを、湾曲した軌道で私が投げる

 

何度も同じ手をうんぬん言っているが、こいつらがこれで死ぬことがない事位シカマルだって解かってるんですー

つか馬鹿(わたし)だって分かりますー

 

いい方向に二手に分かれてくれたので影の方向もばっちりだ

あとは二人が最小限の動きで避けてくれるかどうかだが

 

それもオールOK

シカマルの投げた影真似のチャクラ性質を吸ったチャクラ刀は見事相手の影に刺さっている

 

鎌野郎が馬鹿丸出しの発言をしてたが私は何も聞いてない

ふいてなんかない。無いったらない。

なのでマスクの人…私のいると思われる方を睨みつけないで。

そこに私はいません

 

いい感じになってきたので私はシカマルの援護からイノちゃんの護衛に動く。あとはカカシパイセンがいかようにもフォローしてくれるだろう。

してくれるよね?

ね???

 

―――

――

 

シカマルが影真似の術でじりじりと下がって行く姿を見るとなんだか感慨深い…

あの初めて会った時の3秒と持たなかった影真似の術がここまで進化を…大きくなったな…と感心していると状況が傾いた

 

手が地面から出てきた

 

うへぇ

手がもげて動いてる…

なにこの筋繊維…

多分筋繊維ではないんだろうがもぞもぞ動いてて気持ち悪いので筋繊維と呼ぶことにする。

筋繊維は元の場所に収まるが気持ち悪さは変わらない。

私の目はごまかせない。

地面から生えた手によって半裸?じゃない方は自由になってしまった…

これは…もしかしてやばい感じ…?

あやふやすぎるシカマルの作戦を思い出しつつ状況を探っていると

 

「終わりだと言ってはいても、俺の能力はお前にとっては未知数。

ならば、きちんと距離を取って次の手を仕掛ける。

俺の連れと違って賢い。」

 

あの、ちょっと一ついい?

1つだけ、これ聞いたらちゃんと真面目戦闘パートに移るから

お願い1つだけ。

 

 

黒マスクさんの声ってスネイプ先生の吹き替えじゃね?

 

 

イヤ、ホントこの声すっごい聞いたことあるんだけど

まあ?アニナルと全部同じ声だったら?それはそれで耳が幸せなんだけど?

現実はちょっとばかし違ったりする訳なんだけれど?

 

駄菓子菓子、スネイプ先生の声は別だ

 

このベルベットボイス!!

本家本元のアラン・リックマンに負けない程のつややかな声!!

ささやかれた日には全国の老若男女腰が砕けるあの厭らしい声!!

ヤバイ。

生で聞いてるよ私ヤバイ

もっと喋ってヤバイ

 

若干昇天しかけていると肉弾針戦車がキマってた


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