「で?どういうことなんだ?」
竹の燃えた匂いが漂う道程
サクヤは走りながらピンとポン、2匹の管狐の尾っぽを渾身の力で握り締めていた
「いややわ~わてらかて分からんゆうとるやろ~」
「ワシらでさえ分っとらんのにどう説明しろってんダ。」
しかし2匹は変わらず呑気で
サクヤ的には、『後は二匹に聞け』とあの豆狐が言っていたので、何か知っているのかと思っていたが
2匹の言葉を信じると、そうでは無いらしい。
ポン曰く一応大きな気配がある方に向かっているらしい
走りつつピンポンを握り締めているので、そろそろ
「うえっあんさん、ええかげん放してくれんと、わて、出ちゃならんもんでるえ…」
「うぷっわしもう限界…」
酔ってくるころである。
極め付けにぶんぶん振り回してやったが白状はしなかった…(色んな意味でゲロったが)
嘘にしたってこれ以上やっても信頼関係的にも体力的にも無駄な気がするので辞めることにする。
取りあえず今日中に帰る予定だったが、大幅に時間が伸びそうなのでサクヤは5代目に鷹を飛ばす
「もっといてよかった…鷹の口寄せ…」
サクヤはピンポンがいるのであまり口寄せ契約を結んではいなかったが
鷹だけは重宝していた
報告内容が芳しくない時とか、戦況がやばい時とか、遅刻するときとか…
一旦時間を置いてほとぼりが収まる時を待つときとか…
…まあ、取りあえずめちゃくちゃ重宝していた。
一応サザミの形見なのだが、ゆうてこのサクヤの叔父さんである、碌な事に使ってない事は確かだ。
ビジネスライクに付き合っているが鷹の方がどう思っているのかは、神の味噌汁である。
鷹が一直線に進む姿を見て、サクヤは木の葉の大体の位置を把握。
これから向かうとされる位置から言って真反対なのは致し方ない。
ピンが燃やして開けた道はしかして、また濃厚な霧に包まれていた
元々霧が濃かった故、一時もたてば元の霧の濃さに戻るのは分かっていたが
一刻で戻るとは思っていなかったサクヤ一行
「これ、切りが無いんちゃいます?」
「霧だけにカ!!ガハハハ!!」
「…何もおもしろくない。」
3者三様な疲れた顔をして一人と2匹はその霧の中をまた、さまよっていた
先程確認した木の葉と思われる方向も今では怪しいほどだ
というか、霧が濃すぎて足元さえ見えない
一面真白である
「おい、ポン。」
「いや、分ってル。分っとるんだガ……」
「迷うたな。」
「…」
返事が返ってこない所を見ると一瞬見えた光明は消えてしまったようだった。
さっきまでの頼もしさは何だったのか
お前ら私のチャクラ半分以上吸い取ってんだろ。摩訶不思議パワーでどうにかしてくれよ。
等サクヤは言いたかったが
ココでこの二匹から聞き出せることはゼロである
散々今まで問い詰めてきて、そのすべてが分かって無かったポンコツどもである。
今現在進行形で現状を全く把握してない1人と2匹は冷や汗をかいていた
「いやいやいやいやいや!!
お前!!ホント!!バカか?!
なんで迷子ってんだよ!!ピンの火炎放射と鷹のピーさんのおかげで大体の位置分かったんじゃないのかよ?!」
「この濃い霧舐めるな馬鹿者!!ピンの火炎放射は放射線上に広がるかラ竹藪に当たってない所から言って一応わしらは、なんとなくその方向に向かっているのは確かなんダ!!
それに末広がりの術なんぞこうゆう時にするから良くないんダ!!わしゃ悪くねぇ!!」
「っな!?あんさんわての所為にするんか?!
そんなん一直線上の火遁の方が少ないわ!!火遁は末広がりがセオリーや!!
末広がりの術の何があきませんの?!一番的に当たりやすいやんか!!
それに、直線状の術にしとったら視界が晴れんで、今頃鷹のピーさん見失うて木の葉の大体の位置さえ危うかったんちゃいます?
わてかて色々考えた末にあの術にしたんやで!!それをそんな言い方されたらたまらんわ!!
第一サクヤはんが最初にわてに指示出したんや!!責任はサクヤはんにあるんちゃいますか?!」
「ああ?!確かにお前らの責任は酸いも甘いも私になるけどな!!
これは任務じゃないんだよ!!今は確実なる生存戦略を立てないとならないんだよ!!
このままだと参加者全員プレゼント、餓死一直線なんだよ!!
漏れなくその場で土に還る特典付きなんだよ!!
それをなんとなくその方向に向かってる?!
おまっ、ポンふざけんなよ!!
なんとなくでいいなら私だって、『なんとなくあっち』とかやるわちくしょう!!」
散々わめいたせいか、ぜーはーと肩で息をする1人と2匹は取りあえず言いたいことも言い切ったし落ち着く事にした
「あかん、らちがあきません。」
「そうだナ…もうここは諦めてサクヤの力で戻るしかないんじゃないのカ?木の葉に戻れば、取りあえず火影には怒られずに済むゾ。」
「確かに今のままだと、鈍詰まり感パナイ…
つかサザミの暗号の時点でなんか鈍詰まり感はあった。」
「「それな。」」
二匹の同意を得たサクヤは万華鏡写輪眼を発動させた。
ふつふつと湧きあがるチャクラが白い炎に変わって行くと同時に高温の風が周りに立ち込める
未だ、サクヤはこの術の発動時間を狭められてはいなかった。
高温の風にピンとポンはさっさと竹筒の中に戻り避難をする。
さて空間移動だとばかりにサクヤの体に白い炎がまとわりつき、温度のせいで視界がゆがむ
と同時にその声は聞こえた。
「なんや~熱いやないか~
誰かおるんか~?」
地面の隆起、同時にサクヤはバランスを崩し、空中に投げ出される
「のうわっ!?」
ゴゴゴ…と響く地鳴りと共に白い何かが地面の底から隆起する
何とも微妙な声を上げてサクヤは一面の白い草原に降り立った
「え?なに?え????」
そこは白い山の上であった。
皆、落ち着いて聞いてくれ
今、驚く事に超でかい狐に会ったんだ…
「やべぇ、声メッチャ響く。」
ガッハッハッハ!!
と笑うはその大きな小山?いや、ホント何言ってんだよって話なんだけどマジでかい。白い山だ。
原作ではナメクジのカツユ様がめちゃくちゃでかいと考察されてたけれど
その比ではない
マジでかい。
何故に地中に埋まっていたかはわからんが、ハッキリ言って全体が見えなさすぎて辛い
何処から聞こえているのかどこに話しかければいいのかさっぱりである
その白い山が笑う度に、その上にいる私はゆらされ、…若干酔ってきた。
先程から足元が濃い霧で見えないと思っていたのはどうやらこの狐の体毛が白いせいで毛に隠れて足元が見えないだけで
この濃い霧はこの狐の吐く息で、
方向感覚が分からなくなるのはこの狐の寝相の所為だった。
そう、それだけ…ただそれだけだったのだ。
一応私がいるのが手の上らしいのだが
その時点で小山って事は、胴体の大きさがどれだけなのかは解かるよ…な?
こんなでかいものが住み着いてる雷の国ヤバイ
亀の島もヤバイが雷の国はでかくないと生きて行けない生態系なのだろうか…?
生態系からひも解く雷の歴史とか楽しそうだな…
と色々考えていたら白い小山は急に動きだし、私はその狐の鼻先に下された。
「これでちょっとは見えるなぁ。」
「いや、鼻先とか逆に近すぎません?
マジで見えてます?」
「ガッハッハッハ!!実はなんも見えとらん!!」
何が可笑しいのか狐が笑う度に揺れる大地(いや、大地は揺れてないんだけれども…)
いい加減安定したところに落ち着きたい
「ん~懐かしい匂いや。」
と言って、大きな白い狐は、鼻先にいる私の匂いを、息を大きく吸うことで嗅ぐ
ゴオオオと風が吹き、吹き飛ばされ鼻に入らないようチャクラの吸引力を使ってその場にとどまる
狐の両目は良く見ると白く濁っており、焦点が合ってない。
緑内障か、白内障か
私は医療に詳しくないのでその区別はつかないが、私の顔、ましてや姿は完全に見えていないだろう。
なのにあの大きな手から良く私を認識したな…と感心していると狐はのんびり話し出す
「この匂いは…作間のとこにやった子たちの匂いやな?
2匹の匂いは別格やったから、よぉ覚えとる。
懐かしいな~
せやけどお前さんは作間やない。
そっくりのチャクラに、匂いやけど作間やない。
お主名前は何ちゅう?」
「あーまあ、十数年前に亡くなっているんで…
私はその倅、サクヤです。」
私が答えると一寸の間を持って狐はまた大きく息を吸って吐く。
いい加減風がうっとおしいがここは我慢だ私!!
早く安定した地面に降り立ちたいが我慢だ私!!
「なるほどな~マメがうるさいと思うたらそうゆう事かいな…
なら自己紹介から始めた方がええな~
どうもサクヤチャン。ワシは白狐(しろきつね)呼ばれている妖怪や。
初代真の目の管狐とはワシの事。
どうぞよろしく。」
そう言って白狐は恭しく鼻先を地面に近付け私を降ろしてくれた。
ふー久しぶりの揺れない地面に感激するぜ…
足が笑って上手く立てないので膝をつく
「ゆうて、サクヤチャンがサキチャンのお腹にいる時会うとるんやけどな~
知るはずもないか~!ガッハッハッハ!!」
…そら知らねぇわ
だが、これでサザミの怪文章(ラブレター)の意味が分かった。
狐の祠で何かしらピンとくるだろとか思ってあれしかけたんだろうけど
何一つピンとこなかったしなんなら全然関係ない蝦蟇の里でもうそのヒント貰ってたってオチである。
最初から普通に真の目本家の管狐に会えと言えやごらぁと思わなくもないが、あの写輪眼の封印に関する事であることである。
念には念を入れたのだろう。
それにしては入れすぎな気がしなくもないが…
ガマ仙人に会った時点でここに来るのは確定な気がしなくもないが…
今更文句を言ったって仕方がないので
当初の目的、仙術を教えてもらおうと思う
腰の刀を外しそろえて右に置き
素早く3歩ほど後ずさり正座、
三つ指立てて目の前に添え、目線を下げる
「出会って早々、誠にぶしつけではありますが!!
管狐の仙術と言う物をこいつらに叩き込んではくれないでしょうか!!」
キマッた…
何がって土下座が。
土下座の向く方向にはピンポンの竹筒
そして、どでかい老狐だ。
いざ!!やっと!!修行編が始ま――…