また来て三角   作:参号館

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かくして、3日目の夜ギリギリに分裂して戻ってきていたドンと、万華鏡写輪眼のおかげで

無事、真の目本家の池に落とされた私は、あの豆狐に文句を言うでもなく帰路に就いた。

 

 

「また来たってやー」

 

「その豆狐が滅んだら考えんでもないです。」

 

豆狐の高笑いをバックに私たちは、当初の目的(仙術会得)も成せず、新たに増えた問題(仮称弟の可能性)を持ち帰る。

途中で息も絶え絶えなピーさんが5代目からの返事を持って合流…

 

「『急ぎ、帰ってくるように。』だってさ…」

 

「あかんな…この感じ…

嫌味が一つも書いてないとこからいって、九尾のチャクラん時と同じぐらいの怒りを感じるで…」

 

「共に死のうぞ…」

 

「ぽっポンさん…!ししししっかりして下さい!!峠はこれからですよ?!」

 

 

里に帰ったら当分は任務を詰め込まれるだろう。

想像に容易くて泣けてくる。

さて、家に帰れるだろうか…?

 

 

 

 

あの白い山のせいで、父作間と、六道仙人にちょっくら用事ができた。

一応方法としては穢土転生を考えてはいるが

 

めっちゃムズイ。

 

穢土転生の巻物は流石に蔵に無い。

しかし、以前蔵をひっくり返した際、2代目直筆の穢土転方面のメモ書きは発見したので

父に会うため穢土転でもするかーと軽い気持ちで解読を始めてはいたが

めっちゃムズイ。

 

2代目も何て術を開発してくれんだ

もっとほかに何か、こう簡単に、ローコスに転生させる方法あったろう。

なんだよ、呼び出すものの体の一部と、生きた人間が必要って。

普通に手に入んないわ、ちくしょう。

 

もうあきらめて大蛇丸に頼むしかないのか…

その場合サスケ君が大蛇丸殺す前に何とかしてコンタクトを取らねば判断が遅れてしまいそうだ

一応研究と父の遺体捜索は続けているが私は大蛇丸の様に天才ではないし…

大蛇丸簡単とか言ってたけど全然簡単じゃない…

大蛇丸の優秀さが垣間見えてつらい…

既存の戦闘忍術を、目的に対して尖った仕様に組み替えて、チャクラを節約して使うのは得意なんだが、今回はそれをやる隙もねェ

 

 

六道仙人は流石に穢土転不可能だろう

そして会える条件がめっさ難しい。

前世、弟に何度も説明されても理解できなかったあのよく分からん設定は、未だ転生してこっちの『理』に慣れてきても尚、分かって無い。

だがこれだけは覚えてる

 

インドラと、アシュラと、十尾がいないと、この世で六道仙人には会えんらしい

 

しかし私はインドラでもアシュラでも、ましてや十尾でもない

カンペの通りに、十尾の人柱力になったマダラに、柱間(輪廻転生体)が触れなければ六道仙人は多分現世に現れないし、会えない。

父には確認したいことがあるだけで、別段会えても、会えなくてもいいのだが

六道仙人には、会って5、6発殴る位の用事があるので原作の修正力?っていうのに頼るしかねェ。

 

そして六道仙人に会うに当たって一番の障壁が無限月詠?だっけか?なんかたくさんの生き物を無限の幻術に掛けるなんていう術だ

それにかかるとストーリーの順番上、六道仙人に会えない

 

一応隅から隅までカンペを確認したが六道仙人がこっちに来るのは後にも先にもその数時間っぽい。

だから最悪マダラの幻術を如何にかして避けなければならない

一応うちはの集会所もチェックしたが輪廻眼持ってないのでつらたんなだけだった。

だが、カンペチェック入れたところで一つ分かったことがある

 

ぶっちゃけ無限月詠って万能ではない。

 

あの術、多分なんだが、月が見えるかどうかが肝なんですよ

サスケ君のスサノオで月光を遮断できるところから見ると

多分これ、

ホント多分なんだが

 

地球の裏側、もしくは月の光が届かない所まで行けばいいんじゃない…?

 

物質を透過する力とすると、この仮説はすぐ消えてしまうのだが

されど、地球の裏側まで届くとしても、チャクラも時間も大量にいるだろうし、多少の時間はかせげそうだ。

 

本当はサスケ君のスサノオに入るのが一番手っ取り早いんだが、ピンポン付けたのバレテおおよそ嫌われているので無理

自分でスサノオ出来るかと思えば、ピンポンにチャクラ半分以上もってかれてるのでやった瞬間死ぬ。

さらに失明のリスクが常に付きまとうのでおいそれと練習できん。

目を移植しようにも父さんのプロテクト強すぎてまず移植できないので無理

父強し。

そのためにも穢土転させないとマジで六道仙人殴るどころじゃなくなる。

 

話しを戻すが

地球の裏、日本で言うブラジル辺りに逃げるためには、まず裏側が存在するのかが肝である。

そう、お忘れだろうがこの世界、世界地図が無い。

一応木の葉の周りを覆う国々の地図は普及しているが、忍びの足で3日から4日の範囲しか記されていない。

なので『地球の裏側』という概念があるのかどうかさえ危うい。

もしかして存在しない場合

コロンブス以前の、地図の様に世界を囲う滝が存在するかもしれない…

こわっ

 

だが昔、3代目とおしゃべりした時、一応宇宙と言う概念は有った。

文明的視点から行くと地球は丸くないとその答えには行き付かないので

地球は丸い…事にする。

 

もし裏側に陸があるなら永住したいが、些か無理があるので(言語とか文明とか)仕方なし。

たとえそこが海であろうが、山であろうが、なんであろうが、術が終わるまでの数時間を稼げばこっちのものである。

つか、もし私の知っている地球と同じならば地軸がゆがんでいるはず(まあ四季があるので多分同じだと思うが)

なので白夜を狙って南か北に逃げれば移動距離が少なくなり、チャクラは多く稼げる。

カンペではナルトの誕生日がどうの書いていたので

月詠当日は10月9日又は10日と確定している。

そして、白夜チャンスの冬至が12月、夏至が6月。

裏側は間に合わなくても地軸のゆがみ的に、白夜は無理でも、精一杯南に逃げれば、横に移動するより距離的にワンチャンある

 

しかし、自分の半分のチャクラを使って影分身したとしても、これから10月10日までの1年位で、影分身1体のチャクラでたどり着けるとは思わない。

だが、ここはあれよほら、便利な忍の術、あるじゃない?

 

 

てってててって、てーててー!

ひらいしんのじゅつ~(ダミ声)

 

 

 

もう必死に覚えました。

 

カカシパイセンと10班にはもうご存知の通りバレテいる

特にバレて困る術でもないしなと思い、髭クマ弔い合戦の時、どうでもいい場面でネムミMAXで使ってしまったが、忍びたるもの使える術はなるべく秘匿すべしと思っているので実は結構痛手だったりする。

まあ、カカシパイセンにはコールタールの恩もあるので容赦をしてやる…

 

 

4代目の飛雷針に対して、私の万華鏡の能力では、一回の移動で目にかかる負荷に対して、対価が少なすぎる

しかし飛雷針の術は、質量が多ければ多いほど、距離が遠ければ遠い程チャクラ使うが、体感だが万華鏡よりチャクラ量が少なくて済む

そして目が見えなくなって行くなんて言うリスクも無い。

 

そんな便利な飛雷針の術を、態々2代目の資料を掘り起こして覚え、4代目を参考に移動用に術を組み替え、チャクラ温存に頑張ったのだ。

万華鏡写輪眼のおかげで一応、い ち お う 時空間忍術には覚えがあるので使えることにゃ使えるが

私も父に似たらしく、黄色い閃光のように上手く戦闘に使えるかと聞かれたらNOと言える忍びになるだろう。

4代目は自分の戦闘用に組み替えて使っていたので、移動用に組み替えんのほんと頑張った…

お疲れ私…

本編ピーク前に燃えつきそうだぜ…

後は蔵から毎日分身の術と飛雷針の術を使ってバケツリレーの様に、地道に南極より向こうを目指すだけだ。

 

やったね!!

これで1日に使えるチャクラ量が大幅に減り、任務に使えるチャクラが減ったぜ!!(涙)

 

 

 

もし、ダンゾウ率いる暗部に監視されていた場合

毎日影分身を飛雷針でどこかに送り前日から走っていた影分身と交代して、無駄に走った経験値が自分に還元され、朝からげっそりと寝床から起きる姿は異様だろう。

休み欲しーなー…無理かなー…

寝起きしょっぱが一番チャクラがあるので起きたらすぐ影分身する事に決めたのだが少し後悔している。

 

今は、ちょっと人より多いチャクラ量が、影分身1日走らすおかげで半分まで減っているので、任務時マジ体術に頼るしかないのつらたん

一瞬ガイさんに弟子入りしようかと思ったけど

半分に減ったチャクラ量に毎朝還元される丸1日走った経験値、

ここにさらにガイさんの修行が組み込まれることとなると…ちょっと…体力的にも精神的にも無理かなぁ…

後思いつくのはチャクラ節約のコントロールの方だが、九尾チャクラ発覚の件から一応信用は戻ったものの、相変わらず5代目に使われるだけ使われてぽいされてる現状なので、まず5代目系列に弟子入りは無理ぽ

つかその前に怒涛の如き任務が終らねえ…

 

 

 

「あんた、…最近チャクラが少ないが何かあったのか?」

 

お見送りのはずが三日三晩になってしまった雷での出来事は、やはり5代目に大目玉を食らい、私は家どころか里にさえ帰れていなかった。

任務に次ぐ任務で、引き継ぎのガイ班に会うと、ネジ君が訝しげに心配してくれる。

ガイさんに弟子入りなんて一瞬でも考えてしまったのはこれが理由だ。

 

意外と任務報告や引き渡しの時はおとなしいガイさんは、何時もそういう場面では頭脳担当の誰かを引き連れてる。今回はネジ君だった。

やはり白眼を持つだけあって、

私が異様に疲労している事にネジ君は気付き、変な術にでもかかったのかと訝しんで目が白眼だ。

若干意識が朦朧としている私はにっこり笑い、親指をグッと立て答える

 

「ここ数週間里にさえ帰れてない☆」

 

流石にガイさんや他の班員たちも、私が色々崖っぷちなことに気付いたのかドン引きしている。

ネジ君は優秀だし物わかりがいい

ガイさんの様に表にしかいないなんて事は無いだろうからきっと里の裏側も見ることになるだろう

そういう時ガイさんのような人に相談するとか絶対無理なので、先輩から一言アドバイスを添える事にした。

 

「大丈夫。君は優秀だから、遺体は木の葉に持って帰ってくれるよ。きっと。」

 

上忍になった行く末がこれ()だと気付いたネジ君は、引いた顔から絶望に変わって行く。

 

 

 

一応体術の師匠である雷の国の真の目棟梁になんか摩訶不思議パワーとか無いっすっかね―?と書状送付の任務がてら聞いたが

俺にできんのはねえなとほっぽり出された

 

久々に顔を出した道場で、長い髭を生やした爺さんに

 

「真の目の体術を極める、それ、一生の課題なり。

日々精進せよ。」

 

と言われた。

うーんわからん。


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