大蛇丸がサスケ君に無事吸収されたらしい
付けていたポンがパワーアップしたサスケ君に塵の様に消されたので、こりゃひそかにつけるのはもう無理だなと思い
イタチが殺されるまで放置することにした
流石に兄弟げんか?を止める気はしないので(止めたら確実にイタチに殺される。)
大蛇丸が持っていた写輪眼を回収消滅させることに専念しようと思う。
ボッチ任務と並行していくつかの大蛇丸のアジトを襲撃、奪取、破壊、をしたが思ったより写輪眼の収穫が振るわないとこから見ると、どうやらダンゾウもこの浮いた駒(写輪眼や研究内容)を狙っているようだ
あの二人はそこそこ利害が合えば仲良しこよしだったところを思うと、そういう取引をしていたとしても不思議ではない。
めんどくさい事に成ったな…
サスケ君の事で報告があると言うと、思いの外早くイタチに会う事が出来た
あいつブラコンが過ぎるだろ…
通り雨の降る山の中、久しぶりに会ったイタチ君はやつれていた
「ええ…これ大丈夫なの…?
ちゃんと戦える?大蛇丸滅せる?」
「戦えるとか戦えないとかじゃない。滅す。」
「どんな理屈だよ…」
うん、まあ…君が思うように動けばいい…
私はもう知らん
イタチ君の我儘には、ほとほと呆れていたが、ここまで来るとあきれ通り越して尊敬の念さえ湧いてくる…
仙術を教えられた時、フサカクさんがど根性がどうの言っていたが確かに、これは根性としか言いようがない
イタチ君、君の方が仙術会得に向いてるよ…
うちは一族がクール系だと思ってる奴は考え直せ
こいつらはプライドが高いだけで中味すげぇ暑苦しいぞ。
特にそこの桜色の髪の子と、赤い髪にメガネしてるやつ
あと金髪でうんうん言ってる、そこのお前もだ。
過去、うちは一族を『血液をグツグツ煮詰めた位ドロドロしている』と表現したが訂正しよう
血液で内臓を煮詰めたぐらいドロドロしてる
この不定期すぎるイタチとの情報のやり取りはこれで終わるだろう。
雨を凌ぐために、何時かの様に駆け込んだ洞窟はよく冷えていた
未だ止みそうにはない雲間にため息を吐いて、ぽつぽつと近状を二人で話すのはいつ振りだろうか
一応タオルを出して渡したが、こいつ絶対風邪こじらせて肺炎になるだろうなと思い、先にくぎを刺しておいた。
「お前が風邪をひいた場合、私はまた容赦なく闇医者にぶっこむから、やられたくなくば、くれぐれも体調には注意をするように。」
これ以上会う事も無いのにかける脅しは、全く怖く無いだろう。
しかし化けて出そうだと書いてある顔は、傑作だった。
思えば、この兄弟には振り回された。
本当はサスケが里を抜けた時点で私の手を離れていた問題だったが
イタチの難癖によってここまで引き延ばされたし、伸ばしてしまった。
こいつとも長い付き合いになったなと感慨に耽っていたら
「以前言っていた、お前の万華鏡写輪眼の件だが」
と話が切り出された
お、ついに名前が決まったかと思いイタチの声に耳を傾けたが
「やっぱ自分で考えるべきだと思う。」
「なんだい」
がっくりした
当てにしてたのに
「…サクヤはあまり術の名を言わないな」
「陽動に言ったりするけど、基本何の術かバレたくないし。
私、チャクラ温存するために大した術使ってないから、技名言ったって慄かれる事ないし
リスクとリターンが釣り合わん。」
「…サクヤのそういうとこ、俺は好きだった。」
「そうか。
私はそういうこと言う、お前が嫌いだ。」
過去形で言うな
過去形で
まるで最後みたいじゃないか。
まあ最後になるだろうけど…
どうせ最後なら技の名前ぐらい付けてくれたっていいだろう。
伸びてきた手を弾く
何かついていたかとタオルで顔を拭くが白いタオルは白いままだ
やはり体が冷えるのか、咳き込んだイタチに、新しいタオルを出して渡してやる。
イタチは素直に受け取ったがそのタオルは赤く、よく染まる
「俺が名づけると、サクヤはその眼を封印し辛くなるだろう。」
もう一度咳こんだ後イタチは苦しそうに笑うが
「いや、全く持って無い。必要なくなり次第、すぐに封印滅却する手筈は整ってる。」
イタチは先程の苦しそうな顔は何だったのか、スッと背を伸ばし前を向くと、額に手を当て、ため息を吐いた。
無駄に絵になるのがまたイラつく。
「友達甲斐のない奴だな…」
「なにを今更」
本当に今さらだ。
私は君を友人と思っているが、君は私を一回も友人と扱ったことなかったろう。
私は、常に誰かを当てはめてこいつに扱われていた
初めて会ったときは両親
暗部に入ってからはシスイ
里を抜けてからはサスケ
友達甲斐が無いのはどっちだ。
ほんと生意気な奴だ。
「お前はかっこいい名前を1つ考えるだけでいい。私はかっこいい技名を叫びたい時に叫べばいい。ほら、簡単な事だろ?」
「かっこいいって言われると照れるな…」
一瞬握った拳が出かけたが、病人だったことを思いだし引っ込めた
流石に私も病人に無体はしない
「言っとくが、死ににいくような奴を真の目ではカッコ悪いと言うんだ。」
「…忍びの生き方としてはちょっと異質だな」
「忍じゃないからな。
忍界大戦が起こる前、里が出来る前
孤児の集まりから始まって、人が増え、物が増え、家族が増え、真の目になった。
捨てられた奴らが、平和を望んで、拾って集めたんだ。一つ一つ大事に。
『泥をすすってでも生きろ。そしたら真の目が拾ってやる。』真の目の子供はそう言われて育つ。
だから人目をはばからず命を、欲を、知識を、経験を優先する。活きることを優先する、
血族でもないのに皆変人臭いのは絶対これのせいだと思う。」
おどけて笑っておくがホントマジ絶対これのせいであると私は確信している。
泥をすするというか、泥にまみれるというか、泥と遊ぶというか…
活きている(欲)方向に全力で突っ走るので『耐え忍ぶ』忍者には変人に映る。
泥をかぶるのは良いが、血(死)にまみれるのを極端に嫌うおかげで、真の目は脅威になりえないとして、かろうじで里に睨まれながらも受け入れられている。
「元々名前に『サ』を入れるのは逸れた真の目子供が、孤児ではなく真の目に拾われやすいようにと考えた方法だった。
今は殆ど意味をなしてないがな。」
真の目が世に浸透したころ、孤児の集まりだからか姓を謀り悪事を働く輩がよく出た
始まりが孤児の出と言うことで血のつながりもない真の目に、その問題をかたずけられるほどの信頼は無かった。
なので初代当主の頭文字から『サ』をとり、子供に付けることにしたのだ
それがいつしか親が死んでも真の目に拾ってもらうために変わった。
「サクヤが真の目の話をするのは珍しいな」
雨が止んできた
このままいくとあと10数分で雲間も晴れるだろう。
咳き込むイタチに自分のタオルをかけた。
初め、イタチに渡したタオルはもう真っ赤だ
悪いと謝ってくるイタチに、まだあるから安心して咳き込めと返す。
「私はある意味真の目とは縁遠い血筋にいたからな…あまり真の目の中心に居なかったせいでそういう話は聞く暇もなかった。私も最近、蔵の掃除途中に書物を発見したんだ。」
「あの蔵か…相変わらず何でもあるな。」
「何でもはない。ただあるだけだ。」
そうだなと頷いたイタチは症状が落ち着いたのか空を見上げる
雨は降っているが雲間から光がさしているので辺りは明るい
イタチの黒が濡れて生える
「俺もサスケも、真の目に生まれるべきだったか…」
「なんだ、珍しいな。」
ある意味血を尊ぶうちはにしちゃ珍しい
一族のプライドの為皆殺しにしたイタチはどこに行ったんだ
「俺だって弱音を吐くさ。」
まるで弱音を吐いた事が無いとでもいう口調だが
私は知っている、イタチの少年期を…
まあ、死ぬ前位かっこは付けさせてやるか…
と温情で聞かなかったことにする。
妙なテンションのイタチが面倒臭くなったとも言う。
「真の目だって何もしがらみが無いわけじゃない。たとえ『真の目』であれ『うちは』であれ、イタチは一族と里の間で苦しんだだろう。誰だって、どこでだって人は苦しいもんなんだ。
ただ、幸せを数えるか、不幸を数えるか、それだけの違いだ。」
「…確かに、そうだな。」
イタチは血に濡れたタオルを握る
「俺にはサスケがいて、父さんと母さんがいて、シスイと、一族と、里があって、そこに幸せがあったから、生きてこれたんだな…」
そうだ、こいつは綺麗に笑う奴だった。
でも、私はくしゃっと、笑ったあんたが好きだった。
だから不安で押しつぶされそうに笑うおでこを突いたし
笑って欲しくて額を突き合わせた
「私、今のイタチなら好きだな」
「…じゃあ、両思いだな。」
「ナメンナ、100年早いわ」
私がマジもんの生娘だったらとっくに惚れていたろうが、悪いがこちとら前世合わせると結構な年寄りなんだ。
今更惚れた張れたも無いわ。
「名前、本当は考えて来てたんだ。」
お?お?ついに言う気になったか?
頬をかき、あらぬ方向に目線を向けるイタチに
期待をかける私は、全く持って年寄りには見えないだろう。
精神年齢が低いって?
オタクは大体低いんだよ。2次元に萌え上がってる時点で低いんだよ。
それを楽しむか楽しまないかの差だ。
「でも俺は、いずれ呼ばれなくなる名前は付けない主義でな。」
膝から崩れ落ちた。
結局教えてくれないのかよ
「だから目の封印はしないでくれ。」
そう、のたもうイタチの目は黒い。
これは幻術ではない、現実だ。
「は?」
舐めんじゃねえ、この目がどれだけ私の人生設計を崩してきたと思ってんだ
こちとら少なくとも目のせいで肉親3人亡くしてんだろおらぁ
すごんでから気付いたが、イタチは肉親1人残して一族皆殺しだった
いや、命は数じゃない質だ。誰を生き残らせるなんて選択は私には出来ないが、もう少し血縁者が生きててくれてもよかったのではないかと思う。特に父関係
まあ今さらだし、良いけど
「分かった。
この目の封印はしない。それでいいだろう。」
この目“は”封印しないが、この目に“戻す”とは約束はできない。
言外の言葉を理解したのかイタチは苦笑する
もう、以前の様に恥ずかしまぎれに幻術を掛けるような事はしないんだなと、黒い瞳と目を合わせた。
「…宇迦之御魂(ウカノミタマ)」
「長い。」
余りにも出し渋るからアスマの様にセンスゼロを疑ったが、
あれよりは全然いい。全然まとも?だが
長い。
なぜにそこチョイスかわからん
確かお稲荷さんの神様だったけ…?
あ、ピンポン関係か。
「頼んでおいて…まあ好きにしろ。
ただ、俺はこれからずっと宇迦之御魂って呼び続けるからな。」
そう言って鼻をフンと鳴らす姿は兄弟そっくりだ。
いや、お前もうそろそろ死ぬんだろ?
この名前が活躍するところ絶対見れないと思うぞ?お?お?
と、3分ほどにらみ合ったが私がおれた。
頼んでおいてという部分がなかった事も無い…
「あとお前の白い火遁おかしいから『白狐』とか『狐火』とかも考えたんだが」
「おい、おかしいってどういう意味じゃごらぁ」
「って言われそうだったからやめた。」
先を読まれていた
ほんと何かとやらしいやつだなこいつ…
雨が止んだので出立の準備をする。
イタチの吐血に塗れたタオルは目の前で燃やしてやった。
やはり数分口から火は絶えなかった。
本当にこの火遁は使い勝手が悪い…。
「やっぱ狐火が妥当だな…」
「言ってろ。」