妙木山の蛙から緊急で用があると呼ばれた
呼ばれた=妙技山に召喚された。
「っおおおおおおい!!
だから呼ぶときはあらかじめ使者をよこしてから呼んでくださいと!!
あれほど言ったじゃないですか?!
私今任務中ですよ?!任 務 中 !!
私一人だったからよかったものを!!マンセルだったら仲間が絶対心配してますよ?!急に消えたら絶対敵襲だとパニクりますよ!?任務失敗したらどうしてくれるんですか?!
部隊全滅は無いでしょうけど負傷者出たらどう責任取ってくれるんですか!!
ちょっと!!ねえ!!」
目の前にいたフサカクさんをぐわんぐわんとゆする私はさぞ狂ったように見えるだろう。
だが、このカエルたちは人間の常識を知らないのだ
自分達がいつも急に呼び出される側だからかこちらの都合など構いやしない
フサカクさん達と契約してからというもの、どこでもそこでも呼び出され、最近ではついに風呂中に呼び出され、私はキレて目の前にいたガマブン太をぶん殴った。
そこでやっと何事でも緊急でも使いをよこしてから呼ぶよう約束をしたのだ…
現在マッハで破られたが。
「サクヤちゃん、その、悪かった。だがこっちも至急の用事での…」
「だから緊急でもなんでも!!せめて使いをよこしてからにしてください!!これが私だったらよかったもののナルト君だったら、すわ誘拐?!とかいって九尾捜索隊組まれかねませんよ?!人柱力舐めるなよ?!ダンゾウもこれ幸いとナルト確保に向かいますよ!!妙木山焼き払われますよ?!」
取りあえずナルト君が被害をこうむるのだけは止めてあげたいのが自称姉貴分の言い分だ。
ナルト君は絶対苦労する…
「んで、何の用事ですか?これでおやつがなくなったとか下らない事だったら私、意地でも帰りますからね。」
いや、流石にそれはない。と言われたので一応安心して話を聞く姿勢になった
呼び出された場所はどうやら妙技山の屋外らしく蛙の視線がとても刺さっていることに気付いた。鬱陶しいのでシャー!!と威嚇をしたらフサカクさんにぽかりと一発頂いて
取りあえず屋内にと大ガマ仙人の間へ案内された。
「あれまぁ!!サクヤちゃんやないの!!」
「あ、どうもお久しぶりです。」
「ホント久しぶりやわー!今まで何しとったん!
あれ、?!血がぎょうさん付いとるやないの!!ほらさっさと脱いで!!洗っちゃるさかいご飯でも食べてゆっくり待ってなさいな!!」
「あーその、任務中でして。急に呼び出されたので身綺麗にする時間が無く。すみません。話が終ったらすぐ帰るんで。お構いなく」
「そーおぅ?あ、お隣さんからいただいた、果物、ここに置いとくけんな!よかったら食べてな!!」
「あーはい。ありがとうございます。」
「あ、そやった、そうそう。サクヤちゃんに聞かなあかんことあったん。この間送ってくれたゼリーやったんやけど…」
「かぁちゃん!!いい加減にせんと話進まんやろ。ちーとくばだまっとりー…」
話しが一向に進まないのでフサカクさんからストップが入る
が、流石シマさん黙らない…
コミュ力の塊であるエロ仙人ならこの二人の間に入って停められそうだが、コミュ力5の私にはこの夫婦喧嘩の間に入るという事は死と同義である故、静かに黙って終わるのを待っていた。
つかこの二人に挟まれる仙人モード辛くね?
よくエロ仙人やろうと思ったな…
世は諸行無常なり。
とか思ってたら流石に大ガマ仙人が止めた。
「すまんかったのぅ、さくやちゃん。」
フサカクさんが申し訳なさそうに謝って来る
一応いつもの事なので許しておく
てか、この夫婦は毎度やってるやり取りな気がしない事も無い
「で、今日呼んだわけじゃがな…大ガマ仙人様の夢の話じゃ。」
「はぁ…」
え?夢?今夢とか糞どうでもいいんすけど。
という言葉を何とか押し込めて返事を返したら、事の重大さを分かって無いと思ったのかフサカクさんが補足の説明を付けてくれた
曰く
蝦蟇は夢を見ないそうで
大ガマ仙人が見る夢は未来確実に起こるべきことなんだそうな
胡散臭ぇ…
いや、まあ…カンペに書いてあったり、白狐が言っていたので分かってはいたが
やっぱり未来視や予知夢という物は古今東西胡散臭い
一応わかったふりをしてへぇこらしてたら頭に一発もらった。
やはり聞いてない事はばれていた
「サクヤちゃん!!これはサクヤちゃんにも関わる重要な事なんじゃ!!
ちゃんと話を聞きんしゃい!!」
「はぁ…」
確実にやる気をなくしている私を見て大ガマ仙人は前説から丁寧に説明するわけでもなく結論を話す事を選択する
「単刀直入にいうとだな。
わしは昔夢を見た。
サクヤ、お前はこれから何らかの方法で仙術をマスターする。
そして大きな戦のあと誰かにそれを教授するであろう。
その教授された者は、世界を真に見る者となろう」
「…その誰かっていうのは具体的に?」
「詳細は分からん。ただ、赤い真の目の紋と、白い意匠に写輪眼が見えたので、現存する真の目で、仙術の存在を認知しており、写輪眼を所有しておるは、お主であることはまず間違いなかろう。」
どうやら仮称弟の受けた予言とは別物のようだが…
六道仙人か、何かしら別の大きなる力が関係してくる可能性が出てきた
いよいよ仮称弟の介入を疑わなければならんくなってきたなとうんざりしているとフサカクさんが事の詳細を語ってくれる
「実を言うと、この予言を最初ワシ達はサクヤちゃんの父、作間ちゃんの物であると考えておった。
予言の内容は端的に言えば『真の目が誰かに仙術を教える』というだけじゃったからな。
じゃからワシらは自来也ちゃんを口寄せした時、共に来てしまった『真の目』で『写輪眼を持ち』、『白い法被を着た』作間ちゃんに仙術を教えたんじゃ。
しかし、作間ちゃんは誰かに教えるまでもなく死んでしまった。
じゃからサクヤ、お主がここに来て…
予言が作間では無く、お主の事なんじゃないかと考えたのじゃ。」
赤い真の目の紋に、白い髪に白い服ね…
真の目は正装が白ってだけで普段着から着ている奴は少ない。(そんな事をしたら洗濯物が大変だ)
少ないが居ない事は無い。
常時白い服着ている真の目が何処に居るかと言われたら、大体が大工のあんちゃんたちの法被…
でも大工が仙術を習って何になるわけでもないしな…
力持ちになれるのはチャクラコントロールで十分の範囲だし仙術錬れても大工に利になることはなさそうだし
更に写輪眼…
だから、もしかして私なのかもしれないが
何てつーか…こう…解せない
一応、大蝦蟇仙人の予言なのでこれから先絶対起こる出来事だから起こるっちゃ起こるんだろうけど
それホントに私とは限らんよね…?
仙術をマスターする事を半分あきらめている身としては随分ぞんざいな預言だ
これで、私では無く他の誰かだった場合、微妙な雰囲気が流れること間違いなしだろう。
それより、一つ確認せねばならない事を思い出した。
「あのー予言で思い出したんすけど。真の目の初代当主の予言内容詳しく聞いてもいいですか?」
「はて?真の目当主…?」
「はい。先日私は初代当主の管狐に会いました。
私は真の目がいつから続いているのかは知りませんが、真の目当主の管狐は結構な長生きでして、今でも生きているんですよ。
先日フサカクさんのアドバイスもあって真の目本家に行ったら、その狐に会う事が出来たのですが、妙な話を聞いたのです。
真の目当主は蝦蟇の仙人から予言を頂いたと。」
大ガマ仙人は中途半端に耳が悪いので大きな声で真の目当主の話をしたが、何故か目を瞑り、唸ったと思ったら止まってしまった
え、なんかやばめな事だった??
と困惑していると、大ガマ仙人はその大きな目をゆっくりと開く
「悪いがワシは真の目の当主を知らん。」
おい、マジかよ。