また来て三角   作:参号館

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「蝦蟇はめったに夢を見ない。

ということは見た回数がとても少ないという事。

じゃからワシが見た夢は全て記憶している。

ワシがボケでもせんかぎりこの記憶は薄れん。

 

再三言うが蝦蟇の予言はめったにない。

じゃから予言を話す相手も、時代も、限られる、お前さんに予言の話をした狐がどれだけ長い時間それを記憶していたのかは知らんが、

ワシは真の目の当主と名乗る者に与えた予言はない。」

 

成る程、推測するに真の目だと名乗る者に会って与えた予言は無いとゆう事か…?

一応上げ足とって確認しておくことにする

 

「…真の目と名乗る者に話した事が無いと言う事は、真の目ではない者に何か話したことはあるってことですか?」

 

「…」

 

「でしたら、真の目当主では無く

うちは一族とうずまき一族の間に出来た子供に、託した予言を教えて下さい。」

 

観念したようにガマ仙人は口から息を吐くとフサカクさんとシマさんに視線を滑らせ部屋の中から生き物の気配が消えた。

冷たいと感じるほどの気配の無さにわたしは冷や汗を垂らす

 

なんかやばいこと聞いた気がする

 

 

「昔、わしが―…」

 

やっぱいいですとか撤回をしようとしている私の心情をお構いなしに、シリアスな雰囲気を醸すガマ仙人

 

 

 

「しこたま酒を飲んで酔った時の話だ。」

 

「あ?」

 

え?

まさかのそういう話…?!

真面目な話かと思ったらまさかの失敗談?!

お酒で失敗した感じの話?!

 

「いや、まあまず話を聞いてくれんか。

酔っぱらうのはよくある事なんじゃ。

というかわしだけが酒をたしなむわけではない。

昔馴染みの蛇とナメクジに会うと大体誰が誰が一番かと話していたら喧嘩になってだな…」

 

解かった、わかったから

おまいら三竦みがお酒が好きなのはよく分かったからっ

蛇は酔うと笑い上戸になるとか、ナメクジは管を巻くとかその余計な情報はマジいらないから

三竦みに幻滅する前に本題を…

 

 

 

一応止めたのだが、その後も近くに見栄を張る必要のある部下がいないからか話は続き

私は「(そうだ、爺さん婆さんって話が長い生き物だった…)」と3代目とご意見番の説教を思い出していた。

 

 

 

閑話休題

その日ガマ仙人は久しぶりの人間の世界に浮かれ、お酒をしこたま飲んで森の中で寝てしまったらしい。

そこでガマ仙人は夢を見たそうだ

 

 

「あれは真っこと恐ろしい夢じゃった…」

 

 

夢の内容は『白い狐が蝦蟇の里で悪の限りを尽くす』らしく

今でもあの白色が忘れられないそう。(白い狐…ね)

そしてその狐を止めるのが人間だったらしい。

 

 

「いや、なんか…私の聞いてた予言と全然違うんだけど…」

 

「まあまて、話は長いんじゃ。」

 

 

その夢を見て飛び起きたガマ仙人は赤毛の子供が一人、目の前で鼻を垂らしていることに気付いたそうな。

久しく人間の世界に関わって来なかったからか、その時ガマ仙人には人間の知り合いがいなかった。

という事はこれから人間と誰かしら仲を深めるという事。

目の前には人間の少年…

 

助けてくれるような知り合いがいなければ作ればいいじゃない。

 

ということでガマ仙人はその少年と知り合いになった。

 

 

 

少年の鼻かぜが治った頃

何度か会話を重ねていく内にその少年が妙な記憶を持っていることをガマ仙人は知っていった

 

『お主、もしや前世を知っているな?』

 

『おっと、輪廻を知ってる蛙だなんて驚きだ

お前、もしや妙技山の蛙だな?』

 

少年は言葉の割に大して驚きもせず、ニヤリと笑うと蛙の予言の言葉に耳を傾け

ただの喋る蛙を大いに励まし、慰めてくれ、友人になったそうな。

 

『分かった。じゃあもしその狐を見つけたら、程々にするように言っておくわ。』

 

そう言って別れた少年は、それ以降ガマ仙人に会う事は無かった。

その後幾何かの年月が流れ、いつか来る白い悪鬼に備え色々対策を練り平和な時間が流れていた。

そんな蝦蟇の里に、ある日人間が訪ねて来たそうな

曰くガマ仙人に会わせてくれと

最初は追い払おうとしていたが

その人間は『白い悪鬼だと言ってくれれば通じる』と言って引かなかった

蝦蟇達からの報告にガマ仙人は戦慄して、部屋に閉じこもった

絶対入れるなと言ったが、しかし

外から聞こえる声に思わず耳を傾けてしまった

 

『久しぶりだな。

元気だったか?

お前が言っていた狐に会ったよ。

ちゃんと悪さをしないように言っておいたから安心しろ。

友達になって一緒に旅をしてるんだ。

ちゃんと今はいないからさ

なぁ、少し出て来てくれよ。』

 

これは…もしやあの時の少年ではないか?

そう思ったガマ仙人は部屋の戸を自ら開けてしまった。

扉を開けた先には

あの日の少年が、大きな白い狐を従えて佇んでいた。

 

『やあ。』

 

『あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああ!!』

 

その日蝦蟇仙人は、初めて泡を吹き白目をむいて気絶した

 

 

 

「あの時は、流石のワシも死ぬかと思った…じゃが起きてみれば先程の狐は幻、幻術であり

その少年は、うちはの血を継いでるらしく写輪眼をよく使いこなしておった。」

 

 

 

 

『まさか気絶すると思わなかったマジすまん。』

 

と謝りつつ、蝦蟇の里の者に取り押さえられた少年は近状を話してくれた

久しぶりの人間社会での出来事に蝦蟇の里の者は皆耳を傾ける

最初の剣呑な雰囲気は消えていた。

話しを聞いてみるとガマ仙人と別れた数年後、両親が一族の者に殺され、逃げた先で白い狐に会い、ガマ仙人の言葉を思いだし

見張るためにも、その狐と行動を共にして旅をしていたらしい。

そして旅を経ていく内に、いつの間にか無二の親友になっていたそうな。

少年はこれでもう悪さもできないだろうと思い、ガマ仙人に報告に行こうと蝦蟇の里まで来たらしかった。

 

『遥々、遠い所からようきてくれた…

じゃが残念な知らせじゃ…

蝦蟇の夢は覆せん。

お主が出会った白い狐とは別の者じゃろう。』

 

『いや、大丈夫だ。前言っただろう俺には前世の記憶がある。それもとびっきりのだ。』

 

蝦蟇たちに話してくれたのは、とある少年が生きたおとぎ話だった。

チャクラの存在しない世界で、凄い速さで空を飛ぶ鉄の塊に、宇宙という途轍もない哲学、科学や数学という名の説明難きを説明する方法

蝦蟇たちはその世界に魅入られ、憧れた。

 

「その話の中であ奴はバタフライエフェクトと言う物を話してくれた、簡単に言うと―

 

「風が吹くと桶屋がもうかる。

だろ?」

 

「…やはり知っておったか。」

 

「風が吹くと目に土埃が入る、そうすると盲目の者が増える。盲人は三味線で生計を立てようとすから三味線の胴を張る猫の皮の需要が増える。猫が減るとネズミが増えて、ネズミが桶の底を齧るから桶屋がもうかる。

バタフライ効果これも似たようなもんだ、蝶の羽ばたきが遠い地で竜巻を起こすかどうかって話だ。」

 

「わしは、その話を聞いてもやはりあ奴の事を信じられなかった。

蝦蟇の夢は未来確実起こる事、じゃから予言と言う。覆されればそれは予言ではない。」

 

ガマ仙人は少年に予言の意味を話した。すると少年はある輪廻の話をする

『水はどこからくると思う?』

 

『上からだ。雨となって降り注ぐ。』

 

『そうだな。その雨は大地に吸収され、植物を育てたり、生きる者に水を分け与える。

さらにたくさん集まった水は川となり海へ続き流れる。

海へ渡った水は太陽に暖められ気発、水蒸気になって空に昇り冷やされ雲となる。

雲となった水は大陸へ流れ冷やされまた雨となり大地へ帰り俺たちを生かす。

水はこの循環から逃れることは出来ない。

それを魂の輪廻とするならば

俺は多分、そこに紛れ込んでしまった塩の様なものなんだ。

 

自分を水と思っている塩化カルシウム。

俺はいずれその輪廻から弾き飛ばされる。

土に還った時か、気発する時、はたまた氷になった時かもしれん。

 

だが時として違う輪廻に存在するものは水の輪廻をちょっとばかし狂わせることができる。

純度100%の水がないように、俺は100%の予言を少しずらせる。そしてそのズラした線は時間が経つごとに大きなズレとなって目に見える形で現れるだろう。』

 

 

 

 

「最初のズレはあ奴自身だった。違う輪廻に存在していたからワシに会い、両親が殺される中生き残り、ワシに会った事で白い狐と友人になり、白い狐と友人になったおかげでワシらの未来がズレた。そしてそのズレは大きくなり、あ奴の予言につながる。」

 

あくる日ガマ仙人は夢を見る

少年とよく似たチャクラの気配を持った人が生まれる

その子供はいずれ大きな波紋になり世界を揺らすだろう。

 

ガマ仙人はすぐさま少年に使いをよこす

使わされたのはフサカクさんだった

フサカクさんは人の世界で生きる少年を探して数年彷徨った

そして白い獣に追われ行き倒れたフサカクさんは、小さな少年に拾われた。

その少年は家に蛙を持ち帰り手厚く看病した

曰く『蛙がなにか困っていたら助けてやりなさい』と教えられたそうだ

しかしその看病の甲斐なくフサカクさんは日に日に弱って行った

蛙も死ぬときは死ぬ。

両親にそう説得された少年だったが、

それでもあきらめきれなかった少年は一族の長に蛙を見せて如何にか方法は無いかと相談した。

 

そこでフサカクさんは息も絶え絶えの中あることに気付く

この人間のチャクラは、あの日蝦蟇の里に来た少年と同じだと。

意を決してフサカクさんは普通の蛙のふりをしていたのをやめ口を開いた。

 

『お主、白き悪鬼を追い払った者じゃろう。』

 

『お前は…そうか、妙技山の者か。少し待て、今楽にしてやる。』

 

『いや、ワシとてさすがに解かる。もう時間が無いと。

先に話をさせてくれ。』

 

しかしその長は話を聞かず蛙に手をかざした。

すると碧く光る光に包まれてフサカクさんの傷がみるみる回復していった

 

『チャクラで傷口の細胞を刺激、活性化させて細胞分裂を強制的に行い傷口をふさいだ。って言っても分かんないか…まあガンになる可能性が高くなるからあまりやりたくなかったが緊急だし仕方ない。おい、大丈夫か?何があったんだ?』

 

フサカクさんは

予言を託しに来たがその途中で白い獣に襲われ怪我をしてのたれ死んでいるところを先ほどの少年に拾われたと話した。

 

『そうか、お疲れ様。大変だったな…

それにしても俺とよく似たチャクラを持った人間か…

それは…俺が転生したとかそういうのでもなく?』

 

『ワシが見た夢ではないからそこん所はよう分からん。曰くお主と似た者であるが本質的に違う、いわば兄弟のようなモノ。だそうじゃ。』

 

『兄弟か…なるほど。』

 

長は一言、そう言って黙り

フサカクさんが蝦蟇の里に帰っても、その話を掘り返すことは無かったという

 

 

「どういう変貌を経てお主の聞く予言になったかは知らんが

ワシの知る、人に渡した予言は自来也ちゃん以前はこやつだけだった。」

 

 

ほーん…

あの白狐は白狐に会う前に蝦蟇から予言をもらったと聞いたが…

あのバカは記憶が朦朧としているし間違いか?

確かに取ってつけたような情報だったしな…

つかあいつの話、大体自分の武勇伝だったからいまいち時系列が整頓しきれてねぇんだよな…

時系列的にはこっちの言い分の方が合っていそうだ

 

蝦蟇と狐の話を時系列でまとめると

仮称弟誕生

7歳ごろ前世思い出す

蝦蟇仙人に会う

10歳ごろ両親死亡

白狐に会う

旅に出る

白狐と友人になる

妙技山に、蝦蟇に会いに行く

真の目が出来る

長になる

 

フサカクさんが旅に出る

フサカクさんがのたれ死んでるところを少年に拾われる

長に会う(多分医療忍術と思われるもので施術される)

予言を託される。

 

 

って所か

あー…ややこしい事になったな…

今まで聞いた予言系の話全部忘れてぇ…

つか、実は仙術の時点で頭的に無理だった…

おバカを舐めてもらっては困る…ホント困る…

最近情報を詰め込まれ過ぎじゃないか?

一旦休みがほしい。

 

 

 

「仙術…諦めてたんですよ、半分ぐらい。」

 

唐突に、つぶやくように話し出したサクヤの声を、静かに蝦蟇仙人は聞く

 

「どう考えたって仙術を錬るに向かない性格ですし

ワンチャン狙ってピンポンの契約破棄しても、確実にものにできるかと言われたら頷きは出来ないんです。この通り、やる気元気勇気とは縁のない性格なもんで。」

 

蛙たちは律儀に蝦蟇仙人の言伝を守っているのか、やはり冷たいように気配が無い

 

「あなたの知る、父はどんな性格でした?」

 

「…お主のような、やる気元気勇気とはかけ離れた性格で、毎日文句を言っては根性が無いと怒られ、自分の欲に正直で、

…毎日が楽しいとばかりに生きておった。」

 

「そうですか…。

貴重なお話ありがとうございます。

私から聞く事はもうありません。」

 

任務に戻ろう。

誰を消して、どの情報を持ち帰る、単純な任務に。

私が消えている間も時間は同じように進んでいる。

召喚されてからからどうなったかあまり考えたくないが、未だ修正の効く範囲だろう。

 

私は蝦蟇の里から任務地へ戻った。

 

 

 




結局修行っぽい修行しなかったな…
つか予言編だなこれ…
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