また来て三角   作:参号館

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※一部下品な所があります
一物は出ていますが形容の説明はありません。


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「びえっくしょい!!」

 

これは…誰か私の噂をしているな…?

又は久方ぶりのチームでの任務に浮かれて昨日まくら投げしたのがやばかったか?

 

「お前…もうちょっと淑やかにくしゃみ出来ねえのかよ」

 

「うるさいな…

くしゃみに淑やかも何もあるかよ…

てか、コテツさんちゃんと書状持ってるんですよね?まさか忘れたとかないですよね?」

 

「ああ?!誰が忘れるかっての!!

一体いつの話してんだ!!」

 

「ついこの間5代目に渡す書類、そのままそっくりデスクに忘れて視察に行って、汗だくで火影室に飛び込んできた人のセリフとは思えないですね…」

 

「う゛っあれは…あれだ。あん時だけだ…。」

 

「(コテツ…俺は知っている…実は同じような過ちを何度も犯していることを…)」

 

 

コテツさんから視線を外し、スンっとしてるイズモさんに突っ込もうとしたら鷹が鳴きながら上を通過する

 

「サクヤ?どうした?」

 

ツッコミが来ないので心配そうにサクヤを振り返るイズモさんにつられコテツさんも振り向く

と、コテツさんが鷹に気付く

 

「(まっまさか…?!)さっサクヤ…さっさと受け取れよ…ここここういうのは後輩の仕事だろ…!!」

 

「いやいやいや…!!恐れ多い!!

なんか嫌な予感するんで、部下であるコテツさんが受け取ってくださいよ…」

 

「…流石に今回は…ないだろ…なぁコテツ…?」

 

「…。」

 

イズモの言葉にコテツは凄い勢いで背部にあるポーチに手を突っ込む…

 

 

「…違う。」

 

 

今年一、三点リーダーが長く感じる時間だった。

しかし、用事がコテツさんではないなら誰に用だ?

一応立場上、上司であるが後輩なので、鷹が止まれるように腕を差し出すと、その鷹は大人しく腕に止まる。

 

「ん?…私?」

 

「「え??」」

 

鷹の足についた筒には私の名前が書かれている

筒を開いて中身を確認すると口寄せだったのか鷹はポンという音と共に消えた。

 

『“暁狩り”の任務に参加されよ。至急カカシと連絡をされたし。』

 

ほう…

ふむふむ…

なるほど…

と頷いてはみたが

 

じぇんじぇん分からん。

 

 

取りあえず大名への書状はコテツさん担当だし、私は二人の護衛兼囮なので、この任務は抜けられん…

カカシパイセンにピンポンドン付けてはいないから分体での連絡は無理

至急という事なので、口寄せ蛙の移動速度は犬より当てにならねェので却下。

鷹は今他の任務をやってもらっている…

手が無いな…

 

…あ、まてよ?

たしか以前付けた飛雷神があったか…

飛雷神のマーキングは一生消えることはないから

もしかしていけるか…?

 

「イズモさん、コテツさん。ちょっくら消えますがすぐ帰って来るんでそこら辺で団子でも食べててください。」

 

「日暮れまでには帰ってこいよ。」

 

「書状受付は日が沈んだら無理だからね。」

 

日が沈んだ場合、あの地獄のまくら投げがもう一戦待っているという事か…これは早急に帰らねばならん…

はーいと元気よく返事を返して私はチャクラを錬る。

飛雷神の術!!

 

 

 

 

 

 

バンッ!!

ゴン!!

 

任務前に一風呂行くかと、ゆったり湯船につかっていたカカシは、

二つの音が家に響き、慌ててシャワールームから飛び出てタオルを顔に巻いた。

サスケの捜索、捕縛任務前だっていうのに侵入者とは…いったい何者か…

今、里に侵入できる手練れで目的が思い付くのは『暁』…

せっかくサスケの情報が手に入りそうな今、侵入され木の葉を荒らされるのはとても困る

完全に油断をしていた。

 

乱暴にポーチを漁り取り出した苦無片手に、カカシは素早く音の鳴った部屋を確認する

敵の捕縛を目標にその気配を追う

 

 

―――

――

 

飛雷神で目的の場所に飛んだサクヤは、大きな音共にどこか暗く狭い場所から吹っ飛ばされる

突然の事に受け身も取れなかったサクヤは、どこかわからぬまま頭を勢い良く何かにぶつける

ゴンと響く音、視界が反転

 

「誰だ!!」

 

 

そこにはタオルで顔を半分隠した風呂上りのカカシ

そして箪笥を半壊させて、目を白黒させるサクヤがいた。

寸の間をおいて正気に戻ったサクヤが、目を瞑る。

 

 

 

 

 

 

「取りあえず…前、隠してもらっていいっすか…?」

 

 

「あ、」

 

 

そう、タオルは顔に巻いている。

下に巻くのを忘れた。

 

その日、絹を裂くような悲鳴が木の葉に響いた。

 

 

 

 

――――

―――

 

「お嫁に行けない…」

 

「いや、それこっちのセリフですからね…」

 

飛雷神の術が未だ未完成だったのか、マーキングがカカシパイセンでは無く服に付き

風呂に乱入は免れたが、最悪は免れなかった。

糞最悪な事に先輩の一物を見てしまった私はテンションがガタ落ちだった

つかなんで顔かくして一物隠さねぇんだよ…

優先順位が可笑しすぎだろ…

 

カカシパイセンが上げた絹を裂くような悲鳴は良く響いて

丁度任務の確認の為近くに来ていたテンゾウパイセンを召喚する事となり、その被害は広がった。

 

 

「二人ともいい加減持ち直してくださいよ…」

 

が、テンゾウパイセンは見慣れてるのか木遁にて素早く隠されたらしい

私は目を瞑っていたためそれを確認はしていないが

「木遁樹海降誕!!」

と言っていたので多分見えなくはなったのは確か。

持ち直すの早くない?見慣れてるの?

え?なに?お前らそうゆう関係なの?

とは流石に聞かないでおいた。

 

しかし、テンゾウパイセンがナイスタイミング過ぎて

自分の大きな失態を露呈することになり、辛すぎてカカシパイセンは未だ立ち直れず、パン一でソファーに沈み

 

私は部屋の隅で正座をさせられ首から「私が箪笥を壊しました」というプレート(テンゾウさん作)を下げている。

 

 

「分かりました…

私は何も見てません。

カカシパイセンは風呂には行かず、箪笥を壊し出てきた私に驚いただけ。あの悲鳴は突き立てられた苦無に驚いた私が上げた悲鳴。

テンゾウパイセンはそれを聞きつけて助けに来てくれた。

これでいいでしょ…万事解決!!

箪笥は…テンゾウさんが如何にか出来る!!」

 

箪笥の修理を押し付けられたテンゾウパイセンが「ええ?!ぼくぅ?!」と嘆いているが今は無視だ。

私は急いでいる。

 

 

「なんでさっさと用件話してください!!

今任務中何で時間無いんですよ!!

日が暮れたら受付が閉まって書状が届かないんです!!

午前で終わらせるつもりだったし、次の任務も計画してたからそれが全部おじゃんになる!!

ウェイクアップ!!ハリーアップ!!カカシさん!!」

 

ほれほれと声をかける序に、正座を解き、プレートを外す。

つか、至急連絡取れとか言っておきながら、至急の方法書いてない方が悪くね?

これは事故でしょ

私悪くなくね?

何で正座させられてるわけ?

え?サクヤの鷹めっちゃ早いからそれで連絡来ると思った?

いや、私にも予定ってもんがあんだよ

鷹のピーさんは今お使い中だよ。

砂に行ってるよ。

 

ぼそぼそと元気なく喋るカカシさんの声が聞こえないので、テンゾウさんとカカシさんを覗き込むように耳を傾けるが、カカシパイセンは顔をクッションに突っ込んでいるためマジ聞こえにくい。

良く分かんよな…自分でも感心する。

 

 

 

 

――――

―――

 

「なるほど、あいつ喋りやがったのか…ッチ」

 

「サクヤ?」

 

あの出来事を蛙に口止めしていなかったのがやばかったか…と舌打ちを打ったら

テンゾウパイセンもとい、ヤマトさんに怖い顔をされたのですんっと背を伸ばして何も言わなかったことにする。

 

「あーサスケの情報だけど、若干古いから当てになんないと思うぜ。私が見た感じサスケは何かイタチ以外の目的があったようだったしな。」

 

「今君の意見は聞いてない。

サクヤの手に入れた情報を隅から隅までちゃんと話しなさい。」

 

テンゾウパイセンはやはり怖い。

誤魔化そうとすると釘をグサグサ刺してくる。

マジつらたん。

 

「…任務の途中、サスケに会った。私が捕捉しているうちの一つ、大蛇丸の北のアジト近くだ。進む方向から言って大蛇丸の北アジトに一直線だったのは確か。

仲間と思わしき人間が2人

赤い髪のメガネをかけた女、大きな刀を背に負った細身の男。スピードは徒歩だからそんなに速くなかった。だが、時間に余裕が無いのか男が休もうとするのを赤髪の女がせかしてた。任務期限が迫ってたからそれ以上は追っていない。」

 

「なんでそれをすぐ報告しなかった。」

 

「本物か分からんかった。

ナルトをおびき寄せる罠の可能性もあった。」

 

「それを精査するのは火影だ、今後そういう事はしないように。

蝦蟇に伝えたのは?」

 

「私がもしかして死んだ場合この情報を持つ誰かが必要だった。」

 

「…はぁ」

 

あらかじめ用意していた答えにテンゾウパイセンは大きくため息を吐いた。

服を着たカカシパイセンは何か考え込んでいる。

 

「そろそろ帰らんとやばいんだけど、未だ何か必要?」

 

その言葉にカカシさんは口を開く

 

「うちはイタチの情報でなにかあるか?」

 

「イタチ?…それはプロフィール?経歴?現在位置?」

 

「現在位置を知っているのか?!」

 

ガタッと音を立てて椅子から立ち上がるテンゾウさんはらしくない…。

 

「んや。あいつの事で知っているのはプロフィールと経歴だけだ。

所で私からも一つ聞きたいんだが『暁狩り』ってなんだ?」

 

「テンゾウ…」

 

「…すみません。以前の任務に参加していたので必要かと思いまして…」

 

どうやらテンゾウパイセンの手違いらしい。

この様子から行くと私の鷹のピーさんを当てにしたのはカカシパイセンで、私へ鷹を飛ばしたのはテンゾウパイセンってとこか…

このメンバーで『参加せよ』って書いてあったって事は捕縛任務又は抹殺らへん…

いずれにせよ問題は多そうだ。

 

「はっきり言って私の持つ暁の情報はカカシさん以下だ。精々ビンゴブックの情報ぐらいだな。

前回は捕縛できそうにないから最初からフルスロットル行ったけど、こっちの数を増やせば多分あれより捕縛しやすい奴はいると思う。

だがうちはイタチは無理だ。」

 

「それは…何故?」

 

「私は過去、うちはイタチ里抜けの手助けをしたと嫌疑に掛けられた。

いまん所監視は解かれているが、それ系の任務に私が付けば根が出張ってくることは確かだ。

そんな状態でイタチをとり逃した場合、最初に疑われるのはまず私。

今度こそ首に線が入る。

仲間に刃を向けられた状態での任務は失敗を多く呼ぶ。

そう気軽に請け負えないし、任務に責任も持てない。

それに、カカシさんも根といい私といい、不安因子をこれ以上増やすのは手に余るでしょう。」

 

「…………ハァ…わかった。」

 

長い沈黙の後ため息を吐くとカカシパイセンは言葉を返した。

ヤマトさんがまだなんか言っているが小隊の隊長であるカカシパイセンが承諾したのだ

これ以上何もできはしない。

私はチャクラを錬ってコテツさん達のところに戻り、任務を片づけるだけだ。

 


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