「・・・これは、」手に持っていたカードをいじっていると、探偵が声を上げた。「彩くん、昨日ALOで最初に話を聞いた人物を覚えていますか。」
「あのノームの男性ですか?覚えていますけど、それが?」
いいながらその姿を思い出す。確か、大剣を背負っていたはずの男だ。
「彼が、僕の友だちでした。」探偵は額に手を当てた。「もっと言えば、彼が僕たちのことを手伝うとメールしてきています。」
「手伝ってもらうんですか。」
「・・・仕方ありません」探偵は。「借りを返しておいてもらいましょうか。」
どうやらメールには“直斗には借りがある”といった内容が書いてあったようだ。
「彼の名前、なんていうんですか?あ、アバターの名前です。」
「メールに書いてありますね。」探偵は問いかけに答えた
「彼は・・・【ミカヅチ】。ALOではそう名乗っているようですね。」
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「改めて、巽完二!よろしくお願いするッス!」
「リアルの名前出すんじゃねえよ・・・」
「あっと、そっスね、すんません。【ミカヅチ】っス。」
再度ALOで世界樹の元へ向かった探偵に待っていたのは、シルフのニンジャとノームの大剣使いだった。大剣使いはミカヅチと名乗ったーーリアルの方も言っていた気がするが忘れることにしたーー。
「協力ありがとうございます。」探偵は答える。「・・・本当は、僕達で終わらせるべきものなのですが・・・」
「いいだろそんなの」ミカヅチが言った「何も言わなけりゃいいんだろ?」
「・・・そうですね。」探偵は妥協したようだ。「そうしてくれると助かります。」
「お、スクナとツクモじゃないか」
探偵と大剣使いが会話をしていると。黒い剣士とシルフが空から現れた。どうやらあの後、リーファは引き止められたらしい、どうして空から現れたのかは分からないが。
「さっきぶりだな」キリトが軽く挨拶すると、横に立つ二人に顔を向けた「えっと、あんたはジライヤだったな。じゃあアンタは・・・」
「アん?なんだお前ら。」ミカヅチがガンをつける。「なんかようか?」
「あ、あぁ・・・」キリトが引きながら答えた「さっきまで協力してたからさ・・・。」
「なァんだ、そういうことかよ」ミカヅチはすぐに納得して顔を引いた「俺も手助けしてんだ。ミカヅチだ、よろしくな。」
「あ、はい」キリトは混乱しながらも言った「よろしくお願いします・・・?」
「・・・ミカヅチ君」探偵は頭を抱えた「全くもう・・・お二人は、グランドクエストはクリアしたんですか?」
「まだよ。」答えたのはリーファだった、彼女は広場にいたシルフを指さした「今から再戦。そこの【レコン】を連れてね。」
「うぇえぇ!?」広場にいた緑のおかっぱ頭が特徴的なシルフーーレコンは叫んだ「聞いてないよリーファちゃん!」
「頑張ってね」リーファは無情にもその文句を切り捨てた。
「そうですか、」探偵は頷き、笑みを浮かべる「戦力は多い方がいい、ぜひ一緒に戦いましょう。」
「あ・・・」レコンは顔を赤らめた「はい!頑張りましょう」
紹介を終えて、全員で兵士の彫像に挟まれた大きな扉ーーーグランドクエストのスタート地点ーーーに臨む。
「っと・・・」
ユイ、いるか。と、キリトは何かを思い出したのか胸元のポケットへと呼びかける。
それにこたえるように、昨日も見た小さな妖精が頬を膨らませながら飛び出してきた。
「もう、遅いですパパ!」ユイは怒った「パパが呼んでくれないと出てこられないんですからね!」
「悪い悪い。ちょっとたt「「かわいい・・・」」・・・っへ?」
キリトが謝ろうとしたセリフをレコンとミカヅチが遮った。二人とも目をキラキラと輝かせるように、ユイを見つめている。
「なんだコイツ、可愛いなぁオイ!」
「これがプライベートピクシーって奴!?始めて見たよ!」
「へぇ、コイツ、プラ何たらっていうのか、すげぇな!」
「な、なんなんですかこの人たちは!?」
「こらレコン!恐がってるでしょ」
「ミカヅチ君、抑えてください。」
レコンをリーファが、ミカヅチをスクナが、それぞれ引っ張ってユイから遠ざける。
「すいません」スクナがミカヅチの代わりに謝る「彼、可愛い物に目が無いんです。」
「コイツのことは、」リーファがレコンの代わりに謝「気にしなくていいから」レコンのことを突き放した。
「・・・ドンマイ」落ち込むレコンを慰めたジライヤは、そのままみんなに問いかける「つってもどうすんだ。あいつらトンデモねえぞ。」
「そうだな・・・」キリトは答える「倒すのはそこまで難しくない、問題は量だな。」
「先ほどの戦闘なんですけど」ユイがそれに補足する「最大で秒間12体のポップが確認されました。」
「ゴールまで一直線に殲滅しても、たどり着く前に落とされるか。」
「そうですね」問いかけにユイは答える「遠距離攻撃も豊富です。剣の投擲、その後は光の矢による魔法攻撃を行います。」
「援護すっとそっち狙いやがるしよぉ」ミカヅチが相槌を打つ「メンドクセぇよなホントに。」
「そうなのか?」その声に驚いたのはキリトだった。「行動パターンから別物なのか・・・」
「気付かなかったのか・・」ジライヤが呆れる「支援魔法もヘイト上昇の行動になってるみたいだ。回復役を先に落としてくる。」
「ではそちらの護衛も必要ですね。」スクナが言った「そして、離れすぎない程度の距離を保つ。」
「・・・そうだな」キリトが言った「純粋な魔法使いはいないみたいだから自衛はできるけど。」
「ミカヅチ、護衛回ってくれ」ジライヤが言った「そっちの方が得意だろ。」
「うス!」ミカヅチは二つ返事で答えた。
「そろそろいいな」キリトが言う
「行くぞ!」