仮想世界の探偵『助手』   作:潤々

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HappyEnd~andNewGame~

「イィヤッホゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」

久しぶりの大空に自然と叫び声を出していた。

あの後、二次会を“ALO”の中でやると知った俺達は急いで戻った後、規制の解けたALOを自分のアミュスフィアに差し込んだ。

2度目のアカウント作成も勝手知ったるチュートリアルも爆速で飛ばし、レプラコーン領から全速でアルンまで向かう。エリア東部の“虹の谷”~~アルンに向かう四本の道の一つ~~でわざわざ待ってくれたスクナさんと、先に話を聞いていたらしいジライヤとミカヅチと合流し、無制限となった羽を全力で飛ばして楽しんでいた。

 

「テンションたけぇ・・・」

「ミカヅチ、お前も最初あんな感じだったぞ」

「あれが本来の彼なのかもしれませんね」

 

後ろから聞こえてくるミカヅチ、ジライヤとスクナさんの声を聴き、そこにいない人物について聞く。

 

「そういえばヒミコさんは来ないのか?仕事中?」

「いえ、仕事はもう終わったようですが・・・」

質問のために速度を落とした俺に追いついたスクナさんが、苦笑交じりに続けた。

 

「『むり つかれた ねる』とメールが来ました。」

 

「まさかの三語、めっちゃ疲れてるのがありありとわかる。」

「さすがのりせちー・・・ってか。」

「あいついっつも忙しいっすね」

「人気アイドルですからね、ゆっくり休んでほしいところです。

 

そろそろアルンにつきますよ。」

スクナさんの声に前に目を向けると、半年前にたどり着いた町が見えた。

「あそこの上ですよね。」

「はい、世界樹の上の町『ユグドラシルシティ』の広場がまちあわせ場所です」

「それじゃあさっそk「世界樹の内部を通りますよ、そちらのエレベータの方が近い」アッハイ・・・」

急上昇で向かおうとしたらスクナさんに釘をさされた。げせぬ

 

「そういえばよ」

そのままアルンの大通りをゆっくり歩いていると、不意にミカヅチが声をあげた。

 

「結局、二次会って何すんだ?メシは食ってきたんだろ?」

 

「お前、何も聞いてないのかよ。」

「仕方ないじゃないっすか!あんのババア、自由登校になった途端に本腰入れやがって。」

「自分の親をババア呼ばわりはいかんよ。」

「別になんだっていいじゃないっスか、あれ、あんたって俺の実家知ってたんスか?」

「いや、話ずらすな」

頑張って軌道修正をかけるジライヤの声にに合わせるように開いた世界樹の扉ーー半年前に突入した物ーーをくぐる。中は完全に改修され、ユグドラシルシティへと向かうエレベーターが円形の壁にズラリと並んでいた。中央にはテーブルとイスもあり、さながらカフェチェーンのホールの用だ。

 

「僕もよく知らないんですよね。最近、少し大がかりな事件を解決してバタバタしていたんです。」

「俺も同じく。」

「あぁ、じゃあ確認してるの俺だけなのか。」

納得がいったようにジライヤが頷き、俺達の乗ったエレベータが上に上がるのを確認して続ける。

「“アレ”の後、ALOの運営会社が変わったんだ、そん時にデータをまるっと全部貰ったんだと。で、そん中にな、“そいつ”があったんだ」

「そいつ?」

エレベータを降りながらスクナさんが聞き返す。

「あぁ、かやばあきひこ、だったか?()()()()()()()()()()()

 

リンゴ―ン・・・リンゴ―ン・・・

 

その瞬間、不意に鐘の音が鳴る。それに合わせるようにジライヤが空を・・・月を見上げ、つられて俺達も月を見る。その一部が欠け始めていた

「サイトに載ってたのは今日の日付とこの時間。月を背にそいつが現れるって予告だ。そのオフ会も、これに合わせて日程決めたんだろうな。」

 

月を欠けさせたのは、三角形の影を映す何かだった。影を大きくしながら近づくそれは、よく見れば円錐型の巨大な建造物に見える。

 

「なんだあれ・・・城みてぇだな」

「城・・・もしかしてあれは!」

ミカヅチの呟きで、スクナさんと俺は“ソレ”を想起した。スクナさんが思わず零した声を引き継ぎ“ソレ”を告げる。

 

「“浮遊城”アインクラッド・・・」

 

「大正解、ALO最新のエンドコンテンツ。SAOの再現エリアだと。」

ジライヤがその声と共に宙に舞う。それを目で追うと、その後ろにいくつもの流星が空に上がっていくのが見えた。

「早くいかねーと乗り遅れちまうな、早くいこーぜ。」

「あ、ちょ、待ってくださいっすジライヤ先輩!」

同じように流星にならんと飛ぶシルフとノームを目で追い、そのまま流れで隣にいる探偵へ目線を向けると。同じような動きをしたのであろう探偵と目が合った。思わず笑いあうと、その手で俺の手を取り浮かび上がる。

 

「それじゃあ僕たちも行きましょうか、“カラカサ”君」

「そうですね、スクナさん」

 

その声にこたえて翅を震わせ、浮遊城へと飛び始めた。

 

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タイトル:結城明日奈氏の昏睡原因解明および“ALO”意識的集団監禁事件

記述:灰原彩




さて、
投稿者の潤々と申します。
今話を持って「仮想世界の探偵『助手』」は完結となります。

・・・え、まだ続いてる?GGOはどうした?アリシゼーションは?
・・・('-';)

すいません、どんなに書こうとしても陳腐にしかならなくて・・・オリキャラの性格もブレブレだし
もういらないまであるし←
なのでキリの良いところできっぱりと完結と言いたいと思います。

では、遅筆な上駄文書きな私の自己満足を楽しんでいただいてありがとうございました。

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