フェアクロフ家の末っ子(リメイク)   作:丹下

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書き溜めてるのがある間は早めに投稿していきます!!




ではどぞー!


再会のお姫様。

 

 

 

「起きなさい明貴くん!」

 

ソフィアが明貴を叩き起こしていた。

 

「ふぁぁ…おはようソフィ姉。ところで今何時?」

 

欠伸をして、明貴はゆっくりを体を起こしてソフィアに問いかける。

 

「おはようございますわ!6時半ですわよ」

 

──まだ6時半か…。時間はまだ余裕あるね…おやすみなさい。

 

「おやすみソフィ姉…」

 

明貴は非常に朝が弱い。目覚ましを3個置いてようやく起きれるレベルであった。

 

「明貴くん入学式に遅刻してしまいますわ!起きなさい!」

「後1時間は余裕あるよ…」

 

朝から元気なソフィアに対して、明貴は未だに布団に包まっていた。

 

「入学式はビシッと決めてもらわないといけませんわ!なので起きなさいな」

「おやすみ…」

 

ソフィアは甘えた声ではなく、少し厳しい声で明貴を起こすが全く動じない明貴。

 

「明貴くん?朝が弱いのは知ってますけど…こうなったら明日からわたくしが明貴くんの寮に住んで起こさないといけませんわね…可愛い弟を持つとお姉ちゃん大変ですわ…」

 

ソフィアは明貴に嬉しそうに告げた。ソフィアの狙いは初めからこれを言いたかったからである。ソフィアのこの言葉は起こす為の口実ではなく、明貴の失言を狙っていた。

 

「おはようソフィ姉!目が覚めたみたい!」

「明貴くん?それはそれでお姉ちゃん悲しいですわよ…」

 

明貴はすぐにベッドから飛び出してソフィアの問いに答えると愕然としていた。

 

「ごめんね?けど俺も1人で起きれないとダメだからさ!」

「そうですわよね!明日からは電話するようにいたしますわ!」

 

──よし!これで寝坊の心配はなくなった…。にしても眠い…。

 

「助かるよソフィ姉!遅刻はなるべくしたくないから頑張る!」

「お兄様とわたくしの弟なんですから遅刻なんて許しませんわよ?」

「遅刻絶対しない!」

「いい子ですわね」

 

ソフィアは明貴の頭を撫でながらそう言った。

 

──ソフィ姉のこれ、妙に落ち着くんだよね。はぁ…俺もまだまだソフィ姉離れ出来てない証拠か。

 

明貴自身もソフィア程ではないがシスコン気質な所がある。それは本人も自覚しているが、中々離れられないでいた。

 

「じゃあ用意してくる!」

 

用意を済ませ、明貴は星導館の制服を身に纏っていた。ソフィアはその姿に見惚れ、写真を撮っていた。

 

 

「明貴くん忘れ物はありませんか?」

「ばっちりだよ、ソフィ姉」

「では向かいましょうか」

 

無事に撮影会も終わり、後はチェックアウトして星導館学園に向かうだけであった。

 

──あれ?向かいましょうってことは…。

 

「ソフィ姉?来るの?」

「まさか明貴くんの入学式を行かないなんて事はありえませんわ!」

 

ソフィアは卒業式に参加出来なかった為、入学式には絶対に参加すると意気込んでいた様であった。

 

 

 

☆☆☆

 

 

星導館に到着して、少しして入学式が予定通り始まった。

星導館学園の運営母体の統合企業財体の銀河の幹部のお話があったり、生徒会長からの話があったりしたのだが…。

大薙明貴は見事に寝ていた。

 

 

明貴が起きると同時に入学式が丁度終わっていた。後ろからソフィアの殺気を感じた明貴であったが気付いていない振りをしていた。

 

──いや…だって話長いからね。それに横の子も寝てたし…俺も寝ちゃうよ!!

 

 

式の会場から出ると、クラス発表が行われていた。明貴は自分のクラスを見つけ、HRがあると聞いていたので向かっていると、端末が鳴った。どうやらメールが届いたようであった。

 

 

 

from ソフィ姉

件名 なし

 

夜にたっぷりお話ししましょうねあ・き・く・ん♡

 

ps お兄様に報告しておきました。

 

 

──えっ…アーネスト兄に言っちゃったの?ソフィ姉の鬼!!!

 

端末を見て泣きそうになりながらHRを目指す少年がいた。

 

──はぁ…。説教確定かな。やだな。

 

 

教室に到着すると、ほぼ全員が着席していた。明貴も自分の席を見つけて座ると、担任の教師が入ってきた。

 

──ん?あの人先生だよね?釘バット持ってるよ?大丈夫?俺死ぬの?

 

「今日からこのクラスの担任になる谷津崎だ!」

 

──インパクトありすぎでしょ…釘バット先生って呼ぼ。

 

「では各自自己紹介よろしく!」

 

谷津崎がそう言うと自己紹介が始まった。あいうえお順で自己紹介していくので明貴は早めに順番が回ってきた。

 

「大薙明貴です!よろしくー!気軽に話しかけ…」

 

バンッ!

 

突然誰かが机を叩く音が聞こえみんながビクッとなった。

 

「えっ?」

 

──まさか…。フェアクロフ家の人間だってバレたか…?それはマズイ…。

 

「あ、明貴なのか……?」

 

──へっ?なんでこのピンクの髪の人俺の事知ってるん?ってまさか…!

 

「ア、アリス……?」

「ち、違う!!ユリスだ!!そのふざけた間違い方やはりお前は明貴なんだな……探したんだぞ…」

 

ユリスと名乗る生徒が泣きそうになりながら明貴の元へとやって来て迷わずに抱きついて声を出して大泣きしてしまった。

 

──まさか姫様まで此処に来てたのか…。それにしても何年振りだろ。

 

彼女の名前はユリス=アレクシア・フォン・リースフェルト。リーゼルタニア王国の第一王女様である。

 

「ごめんね、ユリス。まさか探してくれてたとは…ほんとごめん。でもそろそろみんなの視線が痛いから離れない??」

 

明貴は泣いているユリスの頭をポンポンと叩いて、今の現状を伝えた。

 

「み、見るな!見世物ではないぞ!」

 

ユリスは現状を把握して顔を真っ赤にしてしまっていた。周りの生徒達はいきなりの展開によくわからない様子だったが、物珍しそうに見ている人もちらほらいた。

 

「感動の再会はわかったから早く席につけ!時間がなくなるぞ!」

 

谷津崎に注意され、ユリスは自分の席へと戻っていった。

 

「「すいませんでした」」

 

──こんなのただのとばっちりだよね…。

 

 

その後は何も問題もなく自己紹介を終えてHRが終了した。それと同時にユリスがこちらへと向かって歩いて来た。

 

「明貴!時間あるなら少し話さないか?」

 

──まぁこうなる事は予想してた。あの時いきなり消えた俺が悪いからね…。

 

「うん、大丈夫」

 

明貴はユリスの誘いを二つ返事で了承した。少し移動して、校内のカフェでユリスと向かい合って座った。

 

 

「なぜ何も言わずに孤児院から去っていったのだ?みんな凄く心配したんだぞ」

 

ユリスは明貴に真面目な顔で問いかける。

実は明貴は、フェアクロフ家の養子に入る前にリーゼルタニア王国の孤児院で暮らしていた。

 

「みんなの顔見て別れられない気がしてさ、それでね…」

 

明貴はフェアクロフ家の養子になり、孤児院から出て行く時、誰にも言わずにひっそりと姿を消していた。

 

「そうだったのか…でも、手紙の一つくらい寄越してもよかったであろうに!」

「みんなの前から勝手に姿を消して置いて手紙なんて書けなかったよ…本当にごめん」

 

明貴はユリスが本気で心配してくれているのを理解して、少し嬉しかった。

 

「勝手にいなくなるからそうなるのだ!次は勝手にいなくなったりするな!孤児院にも顔を出せ!シスター達も心配してるんだぞ!」

「機会があれば連れてって欲しい…謝りたい」

 

──本当に悪いことをしちゃったな。ユリスが孤児院に行ってもいいって言ってくれるなら謝り行きたいな。

 

「機会は私が作るから一緒に孤児院に行くぞ!」

「よろしくお願いします。姫様」

「お前に姫様と言われるのは妙に腹が立つから呼ぶな!」

 

──本当に昔と変わらない。優しいんだなユリスは…。

 

「姫様は本当のことじゃん!んで、その姫様はなぜアスタリスクに?」

 

明貴はユリスに問いかける。理由の一つは思い当たるが、他にも何かあるかもと思い問いかけた。

 

「実は…孤児院の資金が底をつきそうなんだ…それにここなら星武祭(フェスタ )がある優勝すれば孤児院の資金や国の状況を一気に変えれる!星武祭(フェスタ )で私はグランドスラムを達成しなければならない…私には魔女(ストレガ )としての才能があった私にできることはすべてやる!国のみんなを守るために私はここにきたのだ!」

 

ユリスの目は本気の本気でグランドスラムし目標を達成しようとしている。この時明貴は素直に凄いと思っていた。

昔のポンコツお姫様から良いお姫様になったのだと思った。本人を目の前にして明貴は言わないが、本当にそう思っていた。

 

「なるほどね、アスタリスクに来た理由はわかったよ。その話とオーちゃんは関係してるの?」

 

明貴のその一言でユリスの顔が一気に暗くなった。

 

「オーフェリアはお前が去った後に孤児院の借金のかたにされ連れていかれてしまったんだ…あの時私は何もできなかった…」

 

ユリスは更に続けて語る。オーフェリア・ランドルーフェン…孤毒の魔女(エレンシュキーガル )の二つ名を持っている現在アスタリスク最強の魔女(ストレガ )と呼ばれているレヴォルフ黒学院の生徒が関係していた。

 

 

「アルルカントのヒルダの実験で後天的に星脈世代(ジェネステラ )にされ暴走し、今のアスタリスク最強の魔女(ストレガ )孤毒の魔女(エレンシュキーガル )と呼ばれる様になったのだ…」

「──オーちゃんがそんなことになってたなんて…」

 

明貴はユリスの話を聞いて、自分が考えていたことよりも酷い話であった為、言葉を失った。オーフェリアがアスタリスクにいるのは前回の王竜星武祭( リンドブルス)で見ていた為、知っていた。明貴が此処へやって来た理由の一つでもあった。

オーフェリアも明貴と同じで孤児院で暮らしていた1人であり、初めて仲良くなったのがオーフェリアであった。

 

 

「私はオーフェリアも必ず連れ戻す!一回やられたくらいで挫けてたまるか!」

 

ユリスは決意は本気であった。それは明貴にも十分すぎるくらいに伝わっていた。

 

「オーちゃんは今でも昔と変わらない優しいオーちゃんだと俺は思うよ…だから必ず帰ってくる。できることは手伝うよユリス。」

 

ユリスの言葉を聞いて、明貴はオーフェリアをユリスと共に救うと決めた。

 

「明貴は無理しない程度で頼む、張り切りすぎると昔から全部私に返ってくるのでな!」

 

ユリスは少し冗談混じりで明貴に答えた。明貴を見るユリスの目は凄く優しかった。

 

「明貴はなぜアスタリスクに来たのだ?」

 

ユリスは疑問を明貴にぶつけた。アスタリスクに来る人間は何か目的がある人が多い為、明貴もその1人ではないかとユリスは思っていた。

 

「──ごめんユリス今は何も言えないんだ…」

 

──今はまだユリスには何も言えない。オーちゃんの事なら言っても良いかもしれないけど、今はまだ時間が欲しいかな。

 

「そうか、無理に言わなくても大丈夫だぞ!何かあればいつでも言ってこい!」

「ありがとう!いつか絶対話すから!その時まで待ってて!」

「うむ、了解した。」

 

それからユリスと明貴は1時間程昔話に花を咲かせていた。その間に明貴の身に危険が迫っているとも知らずに…。

 

明貴とユリスが帰るまであと5分…。

 

 

 

 

☆☆☆

 

その頃校門前では。

 

「明貴くん電話もメールも無視して何してるのかしら…!!はっ!まさか早速悪い虫に捕まったのでは…」

 

などとボヤきながら、殺気を放ち変装したソフィアお姉様が待ち構えているのであった…。

 

 

 

 

 





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