フェアクロフ家の末っ子(リメイク)   作:丹下

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感想と高評価ありがとうございます!
嬉しくて嬉しくて感動しています!





ではどぞー!


ブラコン姉とお姫様。

 

 

明貴がユリスと昔話に花を咲かせている頃…アーネストはソフィアからのメールを見ていた。

 

from ソフィア

件名 お兄様!!!

 

お兄様!明貴くんが入学式で寝てたのですわ!これはもうお仕置きしなくてはなりませんわ!

お兄様からも厳しく言ってくださいな!

 

 

ps 明貴くんと連絡が取れません。悪い虫が纏わりついているのでしょうか…。

 

 

 

と言うソフィアからのメールを見て頭を抱えていた。明貴が入学式で寝ていた事だけでも頭が痛いが、更に相変わらず明貴に対して溺愛し過ぎている妹に対しても頭が痛くなっていた。

 

「はぁ明貴はなんでソフィアがいるのがわかっていたのに寝てしまったんだ…。ソフィアもソフィアで…」

 

アーネストはため息を吐いて、明貴の失態に誰にも聞こえない様に少しだけ愚痴をこぼしてしまった。

 

「でも、入学式で寝るのはフェアクロフ家の人としてはいけないことだね。少し説教をしないといけないかな?それにソフィアも色々言わないといけないかもね」

 

そして明貴の入学祝いの席で説教されることが決定し、更にソフィアまでもが知らず知らずのうちに積極されることに決まってしまった。

 

「会長何か問題でもあったのですの?」

 

すると、副会長のレティシア・ブランシャールがアーネストの様子に気付いて問いかけて来た。

 

「いやなんでもないよ。ちょっと考え事をしていただけだよ」

「それならよろしいのですわ。紅茶でございますわ」

「ありがとうレティシア」

 

レティシアが入れてくれた紅茶を飲みながら嫌な予感を感じたアーネストは頭を抱えたくなっていた。

 

 

☆☆☆

 

 

一方、明貴が一向に連絡を入れてないシルヴィアは、仕事の休憩中に端末を眺めながら若干拗ねていた。

 

「はぁ…あきくん今日昨日連絡くれてないな…。何してるんだろ…何かあったのかな…?」

 

 

急に明貴からの連絡が途絶えたシルヴィアは心配していた。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

明貴とユリスは校門に向かって歩いていた。

明貴はその時ソフィ姉の事を思い出し恐る恐る端末を確認をすると…。

 

不在着信 20件

メール 12件

 

──しまった…!ソフィ姉の存在すっかり忘れてた。んーこの状況はかなりマズイかな?ユリスのことを説明する前にソフィ姉が阿修羅になってしまいますよね…。

 

明貴は現在置かれている状況を把握し、とりあえずメールを確認することにした。

 

from シルヴィ

件名 なし

 

あきくん?昨日から連絡くれてないけど何かあったの?

これ以上ほっとかれると寂しいよー

 

まず最初に開いたメールはシルヴィアからのメールであった。

 

「──シルヴィに連絡するの忘れてた。はぁ…」

「どうしたのだ?明貴」

 

──とりあえずシルヴィに適当に言い訳しなきゃね。後が怖い…。

 

明貴はユリスが心配そうに問いかけてきたが、その言葉は届いてはいなかった。

明貴はシルヴィアに返信を済ませ、ソフィアのメールを開けた。

 

from ソフィ姉

件名 なし

 

明貴くん?何してるのです?悪い虫にでも捕まっちゃったのかしら?お姉ちゃん校門で待ってますわよ♡

 

早く来なさいな!

 

 

──ソフィ姉…完全に怒ってる…。って校門にいる??やばい!ユリスが隣にいる…どうしよ…。

 

明貴は顔が真っ青になっていた。ソフィアが怒るとそれほど恐ろしいのだろうか…。

 

「本当にどうした?顔色悪いぞ?」

「大丈夫じゃないかも…精神的に…」

 

ユリスの再度の問いかけは明貴に届いたが、明貴の返事はあまりいい返事ではなかった。

気がつけば校門前についてしまっていた。

 

──もうなるようにしかならない。ユリスごめんね!!

 

 

「あらあら明貴くん?どうしたんですの…?そんな悪い虫ひっつけて歩いてくるんなんてらしくないですわよ?」

 

明貴が話しかける前にソフィアは腕を組み明貴に問いかけてきた。ソフィアの目からは光が失われていた。

 

「い、いやこれは…えっと、その……」

「悪い虫とは私のことか?私は明貴の友人だ!貴様の方が悪い虫ではないのか?」

 

明貴がソフィアにたじろいでしまっている内に、ユリスがソフィアへ突っかかっていってしまった。

 

「あらあら…まさか、明貴くんに最初に纏わりついた悪い虫は華焔の魔女(グリューエンローゼ )でしたのね。それでわたくしの明貴くんを何処へ連れて行こうとしているんですの?」

 

──うわぁ…。喧嘩し始めちゃったよ…止めないとね!

 

「ユリスは昔からの知り合いで、久しぶりに会って懐かしい話をしてただけだからね…?別に悪い虫とかではないから…」

「失礼な奴だな!初対面の相手にいきなり悪い虫呼ばわりとはどういうことだ!!」

 

ユリスもユリスでソフィアに対してかなりご立腹の様子で明貴の言葉は耳に届いていなかった。

 

「明貴くん?華焔の魔女(グリューエンローゼ )とはどういう関係なんですの?答えて貰えませんの?」

 

ソフィアもソフィアでユリスではなく明貴に答えを求めてきた。

 

「ユリスは昔俺が孤児院にいた時の国の姫様なんだ…孤児院にいた時は色々してもらった?事もないか…寧ろ助けてあげたレベル…かな?」

 

──俺が言ったことに間違いはないよね?ユリスにお世話されたことなんてあったっけ…?あー。よくユリスのプリン食べてたなー。

 

「明貴くんの孤児院時代の知り合いでしたの?助けて貰えて明貴くんに好意を寄せ近寄っているってことかしら…?悪い虫じゃないんですの?」

 

──ダメだ。このお姉様…今は何言ってもダメだ。ブラコンを拗らせて大変なことになってる!!!

 

「な、何を言っている?!わ、私はそんなことはおもってない!」

 

ソフィアの発言に対して、ユリスは顔を真っ赤にして答える。

 

「ではこれ以上、貴女と明貴くんが一緒にいる理由はありませんわね?明貴くん?早くいきますわよ」

 

ソフィアはユリスにそう言い放つと明貴の腕を取り引っ張ってその場から去ろうとした。

 

「ユ、ユリスまた明日ね!今日はごめんね!明日また説明するから!」

 

明貴はとりあえずこの場を凌ぐ為に、撤退することを優先した。これ以上言い争いなんてしてたら速攻で秘密がバレてしまう。

 

「お、おい明貴!明日必ず説明してもらうからな!」

 

──ユリス流石に怒ってるよね…。まぁ明日学校で適当に理由作って謝るしかないね!ユリスになら本当のことを話してもいいんだけどな…。

 

「さあ?明貴くん?どういうことなんですの?私の連絡を無視してどうして華焔の魔女(グリューエンローゼ )と一緒にいたんですの?」

 

校門前から少し離れた所で、ソフィアは明貴に問いかけた。目から殺気の様な何かが放たれていた。

 

「実は…」

 

──仕方ないか。ソフィ姉には隠す必要ないからね。

 

明貴はソフィアに全て打ち明けた。ユリスやオーフェリアとの関係などを。孤児院に暮らしていたことはソフィアも知っているが、知人の名前までは聞いてはいなかった為、驚きながら聞いていた。

 

「そうだったのですの?まさかウチに来る前に華焔の魔女( グリューエンローゼ )孤毒の魔女(エレンシュキーガル )と知り合いになってたいたなんて…。わたくしは明貴くんの大切な恩人に失礼な事を言ってしまいましたわ…!謝らなくてはいけませんわね…(悪い虫には変わりないのですが…)」

 

ソフィアはユリスを1人の恩人としては認めた。ただ、ソフィアからすればまだまだ悪い虫なのは変わらなかった。

 

「ユリスに連絡するから謝る?」

「お願いしますわ…」

 

明貴は先程交換していたユリスの連絡先がこんなに早く役に立つなんて思ってもいなかった。

 

「もしもしユリス?」

「どうしたのだ?」

 

通信するとユリスは少し不機嫌そうな声で通信に答えた。明貴は出たことを確認してソフィアにウインドウを飛ばした。

 

「さっきはごめんなさいですの!明貴くんから話聞かせてもらいました。本当にごめんなさいですの」

 

ソフィアはユリスに誠心誠意誤った。大切な弟の恩人に失礼な物言いは流石にソフィア・フェアクロフとしては許せなかったのであろう。

 

「さっきは私も熱くなりすぎていた私もすまない」

 

ユリスもソフィアの謝罪を受け入れ、謝罪を返した。

 

「ところで明貴と貴様はどういう関係なのだ?」

 

──これは今聞いてほしくないかな!

 

明貴は慌ててソフィアの前に立ちソフィアが話そうとしているのを止めた。

 

「ユリス?ごめんそれはまだ言えないんだ…ごめんね…」

「明貴は言えない事が多いんだな」

 

ユリスは慌てた明貴の様子で何か察したのか冗談混じりで答えてそれ以上追求しようとはしてこなかった。

 

「いつか必ず話せる時が来るからそらまで待っててください姫様」

「了解だ」

「じゃ今日はごめんね!また明日!」

「あまり気にするな、また明日だ」

 

通信を切った明貴は深く深呼吸をした。明貴自身、ユリスに秘密をあまり作りたくはなかった。

 

「明貴くん色々早とちりしてしまいごめんなさいですの…」

 

ソフィアは少し凹んでいた。明貴に迷惑をかけることが何よりもショックであった。

 

「勘違いは誰にでもある!もし逆の立場なら俺も同じことになってたとおもうから!ソフィ姉可愛いから俺も心配だよ?」

 

──ソフィ姉が知らない男の人と歩いてたら間違いなく、決闘するよね。本気で!!

 

「明貴くん可愛いだなんて…照れますわよ…」

「照れないでよ。俺も言ってて恥ずかしくなってくるから…」

「照れてる明貴くん可愛いですわ」

 

照れている明貴にソフィアは機嫌を取り戻して、明貴をからかいはじめた。

 

「今のはなしね?わかった?ソフィ姉!」

 

──可愛いなんて言うんじゃなかった…。

 

ソフィアに散々からかわれていると寮に到着していた。

 

「じゃぁ荷物とか片付けてくるからまた後で、ソフィ姉!」

「7時前に迎えにくるのでそれまでに用意しといてくださいな」

「はーい」

 

明貴はソフィアと別れ部屋へと入った。基本的に2人部屋の寮だが、運が良かったのか明貴は相方がおらず1人部屋であった。

 

──ラッキーしたね。1人部屋とは快適だー!

 

 

 

荷物は既に寮へと運ばれていたので、とりあえず私服に着替え荷物の整理をしていると端末が鳴った。

 

「──あきくん!昨日と今日なにしてたの??」

 

通信があった相手はシルヴィア・リューネハイムであった。

クインヴェール女学院の生徒会長でありながら、世界の歌姫とまで言われている超有名人である。

明貴とはアスタリスクに来る前から知り合いでとても親密にしている。

 

「ごめんごめん!実は1人暮らしすることになってバタバタしてたんだ!」

 

明貴はシルヴィアに謝り、嘘の理由を答えた。

 

──シルヴィには悪いんだけど、今はまだ内緒なんだよね。突然序列1位になってシルヴィを驚かせる作戦!!

 

明貴はシルヴィアにはサプライズ的な形で知らせたかったのか、シルヴィアに会いたい気持ちを我慢して作戦を決行することにした。

 

「1人暮らし??──朝弱いあきくんが?大丈夫?私朝起こしてあげるよ?」

 

シルヴィアはとても心配そうに明貴に問いかける。明貴が朝弱いのはシルヴィアも知っていた。

 

「えっ?いいの?じゃあ、お言葉に甘えよっかな」

 

──シルヴィのモーニングコールとか幸せな気持ちで起きれそうだよね!

 

「任せて!──私がちゃんとあきくんのお世話しないとね」

 

シルヴィアは少し照れながら明貴に答えた。

 

「けど仕事とか大変だったら無理しなくて大丈夫だから!無理しないで!」

「朝からあきくんの声聞けるなら無理もしたくなるよ!」

「うん!じゃあ無理しない程度でお願いするよ!」

 

──これで寝坊して怒られる展開はなくなりそうだ。よかったよかった。

 

「──あ、休憩終わっちゃう!じゃあ後でメールするね!」

「頑張ってー!メール待ってるー」

 

シルヴィアは最後に明貴に満面の笑みを浮かべて通信を切った。

少しのんびりしていると約束の時間になっていたので外に出ると、ソフィアが既に到着していた。

 

「明貴くんいきますわよ!お兄様がお待ちですわ!」

 

──oh…忘れてましたよ。アーネスト兄の説教があるかもしれないんだった…。

 

「あ、入学式の件はお兄様と3人でお話しましょうね、明貴くん!」

「──覚えてたんだね…」

「もちろんですわよ?さて、早く行きますわよ!」

 

明貴はせっかくの自分の入学祝いの食事が入学式の説教へと変わると思うと足取りが自然と重たくなっていた。

 

 

 






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