色々な事に興奮し、テンションがハイになっていると感じ、少し頭を冷やそうとアレキサンドライトは外に出た。
飛行の魔法で空に上がり雄大な夜空を見ながら漂う。
「夜空ってこんなに綺麗だったんだ・・・確かにブループラネットさんに見せてあげたかったな・・・本当にここはオーバーロード世界なんだ・・・」
何を今さらっと苦笑いをこぼした。
私これからどうしよう・・・
今まではデミウルゴスやモモンガさんナザリックの皆に会えるのが嬉しくって皆と仲間になって楽しい事ばかりだった。
モモンガさんがギルドの仲間がいなくなって寂しがっているのを知っていて何もしなかった。何も考えていなかった。これからの事を考えると少し怖い、モモンガさんもアンデットに影響されて残虐で身内以外は無慈悲になってるよね。この世界とアンデットの体に馴れていない今なら優しいモモンガさんのままでいられると思う。まだ、間に合う!私は転生者だからか、影響は少ないみたいたぶん・・・今度はモモンガさんを支えよう!ダークファンタジーも好きだけど私はやっぱり優しいモモンガさんが好きだから!もちろんデミウルゴスの次にだけど!
「よし!脳内整理終わり!!」
アレキサンドライトは両手を振り上げてある物を使った。
マジックアイテム『ミリオンシャワー』
コントロール・ウェザー 〈天候操作〉で天気を変える系のただのイベント用マジックアイテム。
夜空に10分ほど流星群を呼ぶという物だ。
その偽物の流星群にアレキサンドライトは胸に両手を握り祈った。
私、酷くって勝手だ。ごめんなさい、それでも何もしなかった事を許して欲しい。そしてこれからも優しいモモンガさんでいて下さい。
「アレキサンドライトさんここにいたんですか。」
モモンガさんが黒のフルプレート(全身鎧)でお供にデミウルゴス引き連れ、夜空に浮くアレキサンドライトとの元に表れた。
「どうしましたか?モモンガさん」
「いえ、秘密で見回りをしていたのですが・・・」
モモンガは後ろのデミウルゴスを気にしながらそう言う。
私は少し笑い、意味が分かったというように頷いた。
モモンガは誤魔化すように夜空を見上げた。
「この流星はマジックアイテムの・・・」
「ええ、どうしてもこの景色で流星を見たくなって・・・」
二人は言葉もなく綺麗な夜空と満月に掛かる流星群のコントラストを見ていた。
しばらくそうしていたがアレキサンドライトは覚悟を決める。
ここは世界征服を決定づけたターニングポイント、ここから私は物語を変える!
すーっと息を吸い込みモモンガをしっかり見据える。
「モモンガさん、この世界を冒険しませんか?」
「えっ」
「せっかくこの世界に来たのですから冒険しましょう!今度は守護者達ナザリックの皆で地図の空白を埋めるような冒険を・・・新しい思い出と言う名の宝物を見つけましょう。そしてギルドの仲間に見せびらかしてやるんです!こんな物を手に入れたんだぞ!!こんな大冒険を守護者達としたんだぞって!!そうすればギルドの皆も・・・寂しがって羨ましく思って・・・帰って来てくれるかも・・・しれないでしょ?」
そんな都合よくギルドの皆が帰ってくるなんてあるはずがないと分っている。それでもゲームではないこの世界で世界征服なんて困難と悲しみ、苦悩が待ち受けるような大変な事を目指すより、大冒険しているほうがモモンガさんらしいと思ったのだ。
やっぱりダメかな・・・
緊張で手を強く握りすぎて震え、目もみれなくなり少しずづつ下に下がった。
最後は途切れ途切れで自信がなく、うまく伝えられなかったように思う。
顔を上げられず俯いているとモモンガさんが頭を撫でた。
「ありがとうございます、気を使ってくれたんですね、そうしましょう。私もそれでいいと思います。それにナザリックは僕らの家族のような存在であり仲間ですからね。今度はナザリックの守護者達や他の者達と未知の世界で冒険するのも楽しそうです。」
アンデットになり、骸骨の顔になってしまって表情アイコンもでないのに初めてオフ会で会った、リアルのモモンガさんのあの優しい笑顔で笑ってくれているようにアレキサンドライトは感じて笑みが零れた。
モモンガさんはやっぱり優しい方がいいな
「分かって下さってありがとうモモンガさん!デミウルゴスもそれでもいい?」
「はい、御方々の思いのままに」
デミウルゴスは片手を胸に当て頭を下げる。
「アレキサンドライト様のお気持ちに感激しております。誠に恐れながらナザリックを愛されておられるのですね。」
「なっ!あっあたりまえでしょ!!」
アレキサンドライトは愛なんて急に言われ、驚き二人に背を向けてしまった。
「ハハハハ!!確かに、その通りだな!!私もナザリックを愛してるぞ!!ハハハハ!!」
モモンガの笑い声が穏やかに夜空に響いた。