眼鏡悪魔に恋をして   作:ジジ

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いきなり戦士長ディスってます。ごめんなさい~




王国騎士団長のガゼフ・ストロノームはアレキサンドライトからするとカッコイイが味気ない人物だ。

あの容姿で地位でカッコよすぎる!!おかしい!!なんか落ちはないの?完璧すぎて好きになれないのだ。

結婚していてもおかしくないなのに相手もいないし・・・彼女がいれば絶対応援するのに・・・

デミウルゴスは被ってないのかって?彼は別格!!ドSだし!モモガさんに妄信的に忠誠を誓ってるだけでギャップ萌えだ!!ってモモンガさんが騎士団長を相手にしてるのは見ていたら考えが変な方向にいってしまった。

じっと見ていたのをガゼフに気づかれた。

 

「どうかされましたか?」

 

ライト(・・・)は愛想笑いをした。

 

「いえ、ガゼフ様は面白い方ですね。」

 

はっ!?何を心にもないことを!!

 

「そんな事を言われたの始めです。」

ガゼフは照れたような顔をした。

 

へ?どこが受けたの?照れる要素あった?

 

「この村を救っていただき、感謝の言葉もない」

 

「いえ、情けは人の為にならずですから」

 

「情けは?とは?」

ガゼフは首を横に傾げる。

 

「人に親切にすれば、やがてはよい報いとなって自分にもどってくるという私達の国の教えです。逆に誤って、親切にするのはその人のためにならないという二つの意味があります。」

 

「ほう、そんな意味が・・・ライト嬢は博識ですね。」

 

そういうあなたも可愛らしい反応をするだね。まさか首を傾げられるとは思わなかったよ。

ニマニマと心の中で思いながら表面上ガゼフと笑いあっているとライトの視線をフルプレートの背中が遮る。

 

「お二人が博識なのはあたり前です。あまり馴れなれしくしないでいただきたいですね。」

 

「おい!申し訳ない騎士団長殿、この者は私達の護衛です。」

 

「アルベドと申します。お会いする事は今後ないと思いますが以後お見知りおきを」

 

「こら、アルベド!!」

慌てて謝るモモンガさんにガゼフは首を振る。

 

「いえ、お気になさらずにお二人がさる高貴なお方なのだと分かりました。私は何も気にせずにおりましょうその方が二人には良いようですから」

 

なんか勝手に勘違いしてくれた・・・結果オーライ?

アルベドは、あとでお話しようか!

 

「戦士長!周囲に複数の人影。村を囲むような形で接近しつつあります。」

 

 

家の陰から範囲で周りを見ると数人の人影が等間隔を保ちながらゆっくりと村に近づいてくる。

 

「大変な事になりましたね」

 

「まったくです。ゴウン殿」

 

「一体、彼らは何者で狙いは何でしょうか?この村にそんな価値はあるとは思えないのですが?」

 

「ゴウン殿に心当たりがないとすれば目的は私でしょう・・・」

 

「戦士長は恨まれておられるのですね。」

 

「ええ、この地位おいては仕方のない事ですが・・・ゴウン殿アレキサンド嬢を巻き込んでしまい申し訳ありません。ですがご協力をお願いでいないでしょう!」

 

「!!」

 

後ろで控えていたアルベドの気配が膨れ上がり、鋭い殺気が溢れる。

それに反応して周りの騎士達が剣を構える。

 

・・・・・・・・!!(蛆虫にも劣らない下等生物が!!)何故アインズ様が協力する必要があるのかしら?」

 

「よしなさい!!アルベド」

 

「申し訳ありません。」

 

アルベド、あとでお仕置き決定!!

 

「・・・いえ、お前達も剣を下ろせ!積極的に協力する必要はないと言われれば否定する言葉もありません。ですが、この村だけでも守っては頂けないでしょうか?」

 

「協力してもいいではありませんか?アインズ様」

 

モモンガさんとアルベドを見る。

 

「こんな事を戦士長様の前で言うのは申し訳ありませんが戦士長様が倒れればあとは私達だけで村人を守りながら戦う事になります。そうなるよりは最初から協力した方がいいのでは?」

 

「ダメです。何も情報がない状況では危険過ぎる。ですから戦士長殿、前はお願いできますか?私達は危なくなったら後方から出ます。」

 

「ありがとうごさいます。ゴウン殿」

 

「仕方ありません、一度決めたら頑固なんで・・・」

二人の目線にアレキサンドは笑った。

 

戦闘準備の為、村人を倉庫に避難させ防御魔法をかけ、戦士長とモモンガさんとアルベド3人に説得され倉庫に控える事になった。

 

「戦士長様これをお守りです。三人ご武運をお祈りしております。」

 

メッセージをモモンガさんに送る。

(モモンガさん急にすいません)

 

(急にどうされたですか?)

 

(倒した敵、殺さず捕虜にしてもいいですか?)

 

(いいですけど?なんの為に?)

 

(それは後のお楽しみで!)

 

(はあ?)

 

(それより例のマジックアイテムを戦士長に渡しておきましたよ。)

 

((誤魔かした・・・)ありがとうございます。)

 

(頑張って下さい!)

 

(はい、ありがとうございます)

 

そして戦士長とモモンガさん・アルベドの後ろ姿を見送ったのだった。

 

 

 

 

 

敵は予想以上に強く仲間達は次々に倒れていく。

後方の二人は大丈夫だろうか・・・、そんな事を考えるスキも与えられず剣を振りぬく。

すぐ横から声がかかる。

 

 

ーそろそろ交代だな。

 

 

ガゼフの視界が変わった。今までいた真紅に染まっていた草原ではない。

土間を思わせる素朴な住居の一角のような光景。

周囲には部下達の姿が転がっており、アレキサンド嬢が魔法をかけるのを心配そうに村人達が見ていた。

1人回復魔法をかけ終えたアレキサンド嬢と目があう。

 

「大丈夫ですか?」

 

「貴方は・・・ここはどこですか?」

 

「村の倉庫です。アインズ様が魔法で防御しています。」

 

「そう言う事か・・・」

 

騎士団長が倒れる

 

「騎士団長様、気をたしかに!今、治しますから・・・」

 

そう声を掛けると両手を騎士団長にかざした。

 

《ミドル・キュアウーンズ/中傷治癒》

 

騎士団長の体の傷がすべて治るのを見てアレキサンドライトはほっとした。

 

骨が折れていなくて良かった~、もし折れてたら中回復で治るか分からないし・・・

 

「ありがとうございます。中回復を使えるなんて素晴らしいです。」

 

「えっそんなに大した事ではありませんよ。傷が治って良かった他の騎士様も治しますね。」

 

えっ中回復でその評価?こんなの誰でも使えるのに?

 

アレキサンドライトは高評価に理解できず、騎士団長から離れた。

 

ガゼフは治った体を軽く動かし、状態を確認した。

 

「すごいな、まるで怪我など何もなかったかのようだ。」

 

それなのにあのような謙遜を・・・あの方も只者ではないな。できれば私の部下に欲しい・・・

 

ふっと彼女が神職の服を着て優しい笑みを浮かべ、白い手が肩に触れ「大丈夫ですか?」と声を掛ける処を想像してしまった。

 

わっ私は何を考えているんだ!

 

「騎士団長殿?」

 

「はい!」

 

急に後ろからモモンガに声を掛けられ少し飛び上がってしまった。

 

「敵は無事に追い返しましたよ・・・どうかされましたか?」

 

「いえ、何でもありません。ゴウン殿、私達が助かったのも貴方のおかげだ感謝いたします。」

何かあれば力になるとガゼフは約束し、連絡先を教えてくれた。

モモンガは騎士団長の行動に少しおかしく思いながらもこのアレキサンドライトと合流し、村を去ったのだった。

 

 

「アレキサンドライトさん急に名前を変えて驚きました。まあ、全く変わってませんけど・・・」

 

「あはは!いいじゃないですか。ついでにこれからライトって呼んで下さい!ちなみに元の姿の時はサンドラでお願いします。」

 

「本当に急ですねー、でもいいですか?サンドラって呼ばれたくないのでは?」

 

「よく覚えてますね。いいんです!ペロロ兄とじゃれる為に嫌がっていただけなので・・・」

 

「分かりました。これからはペロロチーノさんの代わりに呼ぶ事にします。モモン兄と呼んでもいいですよ(笑)」

 

「それはちょっと・・・」

 

「そうですよね・・・(泣)」

 

「「・・・・・・ふふ」ハハ」」

 

どちらともなく笑いがこぼれ息切れするほど大笑いした。

モモンガさんは笑いも途中で鎮静化してしまうが次から次へと笑いが込み上げてくるようで、ヘンテコな笑い方だった。それさえも楽しい

 

「こんなんでいいですかねー?」

 

「ハァハァいいんです!私達はこれで!!レアアイテム求めて大冒険、強い奴がいたら挑戦してブッ飛ばす!やられたら倍返し!自分勝手でハチャメチャ!!それが私達ギルドだよ!」

 

「そんなギルトでした?それにギルド名を名前に使うなんて・・・シクシク(泣)」

 

「似合ってますよアインズ様~(笑)」

 

「遊んでますね!遊んでますよね!!」

 

「そんな事は置いといて」

 

「そんな事って!!」

 

いじけるモモンガを無視して話を続ける。

 

「モモンガさん私、ずっと考えていたんです。これからこの世界を探索するにあたってナザリックの皆が冒険する事は無理だと思うのです。」

 

それは、モモンガも考えていた事だった。

ナザリックの仲間は皆、悪寄りで友好的とはいえない、そして総じて皆、異形だ。

モモンガはユグドラシルの中で迫害された事を思うと、とてもすべての仲間達と冒険する事は出来ないと思っていた。 

 

「ですのでダンジョン経営しませんか?」

 

 

 

続く

 

 




後ろに控えるアルベドは

大笑いする二人にオロオロする件


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