女王へと   作:ARice アリス

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暴力に耐え、若くして死した

『大丈夫、心優しいキミにもきっと愛する人はできる』

そんな言葉をかけられ、気づけば道端で赤子の姿で現れ

彼は何者だったのか彼女は思い至る


「そうか、カミサマだ」

やがて、彼女は運命と出会う



『もう、限界みたいだね』




プロローグ:昔のボク、今は
昔の僕、今はフラスコを振る彼の家族


2015年、オレは地球に住んでいた

 

 

 

栄光王国暦201年ボクは裏路地に転がっていた

 

 

死にかけていた

 

 

 

王国では人の命は安い、特に身寄りのない子供のボクは何処にも行き場は無く

 

点々と家を追い出されたり、捨てられた子供なんかの俺の様なヤツが街中には存在している

 

街の裏路地で先程、朝市の近くで見つけた固くて中が腐って捨てられていた青い林檎を見つけた

 

ごちそうだ

 

ボクの汚い見た目に暴力を振るう人気のない定位置となった路地裏に持ち帰り

 

歯が弱っているので固い部分を齧ると歯がとれる。その箇所が血が出て痛かった

 

でも、すでに腐っているようで体臭と一緒で分からないが水分補給をするときに水たまりで見た感じ紫色だった

 

腐っているところを吸いついていた

 

必死に生きあがいていた

 

 

今日は良い天気のようだ、天からいつもなら日陰のこの裏路地に

 

上を見る元気もないが肌に感じる温かさは小さな布きれで集めたベッドより暖かい

 

 

奴らに見つかることもないし、いい日だと喜んでいた

 

 

「あ"ーっ」

 

にこにこ

 

ごちそうの林檎を持って天に片手を仰ぐ

 

見回りの大人たちが俺の姿を見ていたとは知らずに

 

 

 

 

「どうせ盗んだんだろう!」「死ね!腐った死体め!」「王国の恥が!」

 

『カミサマ』からもらった『言語理解』の『チート』でわかる

 

自分の声もまわりの『おと』もよく聞こえないのに、まわりの人間の声が聞こえる

 

 

 

きたないこえで

 

 

たたいてくる

 

 

 

このせかいが、『おはなし』とかだったら、だれか、たすけてくれるのかなあ

 

 

 

 

 

 

気が付いたら帰っていた、まだ昼間だ横たわって転がっていたぼくにお日様が当たる

 

 

 

ずきずきする。あ、泥水。最近は雨が少ないからなあ

 

アリさんが歩いている。ボクはまだ死んでないよ

 

ごめんね、いつかごちそうになるから

 

 

 

意識が遠のく

 

 

これが今のボクの眠るだった

 

 

 

 

 

 

冷たい夜露が鼻先に当たる。目が覚める

 

朝市が始まる前に昨日の夕方の食品市の会場に両足を引きづって歩く

 

でも膝を着こうとおもっても片足の感覚がない

 

近くに転がっていた

 

もう。あるけないのか

 

 

ボクは絶望した

 

 

 

食糧を手に入れることも

 

もう動く気力もないことも

 

 

 

 

冷たくなっていく

 

 

身体も心も

 

 

でも、ボクはうれしい。

 

 

僕が死んだら虫さんが食べてくれる

 

 

誰かの糧になることができる

 

誰かの空腹を満たすことができる

 

ありがとう、ここに存在させてくれて

 

 

空気を吸うことも、苦しい

 

 

 

赤い、紅い。あたたかい

 

 

 

意識が遠のく、そこで聞こえたんだ

 

 

 

『コレは面白い』

 

よろこんでくれる

 

 

 

あ、りが、と…う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そなたはオノコか?オナゴか?」

 

 

 

 

「言葉も話せぬか、衰弱。いいやー!これは呪いの類じゃな!祝福を受けておる!」

 

 

 

「この『科学信仰時代』にスンバラシイ研究対象じゃあ!」

 

 

 

 

「そなたは死んでおる!なのに生きている!んー!この香り!死に至る傷が腐っておる!菌活動も活発ぅ!」

 

 

「コレは汚いので外で洗ってからバスルームに入れても?」

 

「ああ、おっと、メイド長!髪の毛らしきものは保存袋に入れてくれたまえよ!」

 

「周りの汚物は?」

 

「必要なのはこいつの体組織さ!汚れは落としてくれて構わん!どんどんやれ!」

 

「かしこまりました」

 

 

 

「失礼いたします」

 

 

 

「あなた、天に招福されるところでしたのに。あの方に拾われて、不幸ね」

 

 

 

 

「音は聞こえなくても声が聞こえているのでしょう?」

 

 

 

 

 

「っと、段差よ」

 

 

 

「メアリー!ジェーン!手伝いなさい!階段に荷物を降ろすわよ!」

 

 

 

「はーい、うぇ、これ、中身なんです?またハカセの趣味の悪い研究物?」

 

 

 

「そうね。知らなくていいわ。この箱を下に降ろすの。ジェーン!戻っていいわ。いつも気遣いありがとう」

 

 

 

 

「うんしょ、うん?いつもより軽いですねー」

 

 

 

 

 

「きゃああああああ!!!これ、なんです!?」

 

「うん、子供のミイラ」

 

「博士、高原地方にでも行ったんですか?」

 

「うーん、ま、これを綺麗にするのよ」

 

 

「私はや、ですよ」

 

 

「任されたのよ」

 

 

「で、では、気持ち悪いーぞくぞくするー」

 

 

 

「やーね。ねー?」

 

 

 

 

 

「おー、皮膚がごつごつ、水掛けただけで汚れが落ちるわね。スイカの天日干しみたい」

 

 

「黒ずんで、カピカピ、これは…っと」

 

 

「ふー、あなた、ちょっと白くなってるわよ、ジェーン?見ているんでしょ?出てきて」

 

 

「はい、不気味なものですから、つい、興味本位で」

 

 

「鉄製のたわし持ってきて、これは本格的に汚れを落としたいわ」

 

「ただいまー!」

 

 

 

 

 

 

 

「綺麗になりましたね。それは?香油ですか」

 

「残った髪にね、こうなっても子供だもの。それに、うん、カワイイ顔つきよ。きっと女の子だわ」

 

「そうですか?どこも区別が付きません。っと、二階へ運びますか?」

 

 

「いっせーの。博士が『復元』させる、そうよ」

 

「街に何かご用聞きに?」

 

「近いうちに専門店のあのお店へ」

 

「あそこ、嫌いですね」

 

「あら、うふふ」

 

 

 

「食事列通りまーす!」

 

「ああ、ミラ!ちょっと、博士が第二実験室を開けるようにと、人員は裂いて構いません」

 

「お昼のお客様はどういたしますか」

 

「お集りの方は…いつもの博士のご友人、研究会のメンバーでしょ?『マーク博士がいつもの病気だ』と」

 

「あー『いつもの』ですね。わかりましたー!」

 

「走らないように!」

 

 

 

 

 

 

「ここからは大丈夫ですか?」

 

「ええ、さっき言ったとおりに第二実験室に周って」

 

「かしこまりました」

 

 

 

 

「ただいまお持ちしました」

 

 

「入りたまえ!」

 

 

 

「うーん!綺麗な状態だ!表面は…有色人種かと思いきや白人か」

 

 

「私はこれで」

 

 

 

「あーい、ほらほら、ばいばーい」

 

「手を使ってあげるのは止してください。結構脆いですよ」

 

 

「うむ、では、下がりたまえ」

 

 

 

「っとと、今針先が外れかけてね。今からちょーっと注射をするよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやすみ、私の検体エックスくん」

 

 

 

 

「おはよう!検体エックス!きょうもカラカラ元気だ!昨日結構水を注いだから膨らんでいるね。タポタポ元気?」

 

「娘たちを人数呼ばなくては、おーい、え?厨房でもいいでしょパイプどこのか忘れたよまあいい、メイド長を」

 

 

 

 

「あの子たちは私の造りだした『ホム…』ん?来たか」

 

「お呼びでしょうか」

 

「メイドを呼んでこの子を第二実験室へその後第一処置室、フラスコ部屋へ運ぶよ」

 

 

「かしこまりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちゅいーんばりばり、ばしゃあ」

 

 

「擬音で手術の音を聞かせる必要はないかと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どーだい?狭いわけじゃないだろ?君は子供で小さいからね。特別におねーさんたちより大きいサイズで豪華に漬かってくれたまえ!」

 

 

「おやすみ、神の落とし子、これからは私の所有物(かぞく)だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コポコポと泡立つ音がする…

 

水の中?緑の液体に包まれている…?

 

 

 

 

 

視界が再び戻る…ここは?

 

 

 

 

 

「聞こえるかい?私の家族!」

 

 

「喋れるかい?目を開けるのは何世紀ぶりだい?昔と比べて今はどうだい?何か味はするかい?何を最初に見た?何を最後に見た?好きな者は?好きな物は?好きなことは?」

 

「博士!博士、水中では言葉を介することは出来ないかと」

 

「ふむ、皮膚、毛髪、眼球、爪、内臓、鼓動、脈、目の速度、見るからに『健康な女の子』だな。経過何日?」

 

「漬けられて三日です」

 

「君達より短いね。排水をお願い」

 

 

水が言葉通り無くなりガラス瓶にへたり込む

 

 

 

 

ガラスが何かに割られる

 

 

「これで完成っと」

 

 

「大丈夫?ガラス片とか刺さってないよね?」

 

 

 

 

手を指し伸ばす彼女は『アーク博士』と名乗った

 

 

 

 

 

『世紀の天才』と『不死者』

 

 

 

 

 

 

 

その二人が偶然の幸運が重なり『世紀』を越えて巡り合う『神の奇跡』なのか『神のシナリオ通り』なのか

 

 

 

 

 

二人はめでたく家族となった、彼女たちは何を成すのか

 

 

 

 

 

お話の続きはまた、次回

 





『あ…』


『私はフラスコの科学者!』


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