制作秘話「転生特典?Fateの投影ですよ」
転生したら、特典はFateの投影だった。
順を追って話そう。正月に餅を喉に詰まらせて死んだ俺(一人暮らし)は、いつの間にかこの世界に生を受けていた。
そして俺は気付いた。生まれてきてからずっと聞こえる単語に。
神様。ステイタス。レベル。スキル。魔法。そして、ダンジョン。迷宮都市オラリオ。
これ完全に『ダンまち』の世界じゃねーか。
そう理解した俺は地力を鍛えるために剣道なんかに手を出した。そして毎日適当に修行をして、本日、晴れて迷宮都市オラリオへと着いたのだった。
そして、何とかオラリオの街の中に入った俺は、都市中を駆け巡り、何とかオンボロの教会の前へとたどり着いた。
ヘスティア・ファミリアの本拠地だ。
自分はヘスティア・ファミリアに入るか、それとも他のところに入るか、いろいろ悩んでみたが、取り敢えず人柄を見に行くことにした。
と言っても中に入っていいのか、勝手に入ったら不法侵入だよなと思い、あたりの石に腰掛ける。
しばらくすると、白髪の少年が中心街の方角から歩いてきた。すると、さすがはお人好し原作主人公。なんと心配そうな顔して話しかけてきてくれるではないか。
「どうかしましたか?」
「いや、今日オラリオに着いたのだけど、どこのファミリアに入ろうかと思っていてね」
神様に嘘はつけないため、転生のことは隠し、それ以外のことはそのまま言うつもりだ。
「っ! じゃあ、うちはどうです? ヘスティア・ファミリアって言うのですけど」
「じゃあ、見学だけ……」
「よかった! こっちに来てください。僕はベル・クラネルと言います。よろしくお願いします」
「エミヤ・アーチャーです。よろしく」
そう言って、オンボロの教会の中へとベルに手を引かれ、俺は冒険への期待を胸に、足どり軽く進んだ。
この後、結局主神とベルの好感度が俺の中で爆上がりして、結局俺はヘスティア・ファミリアに入ることになったのだった。
◾︎
「うーん。スキルがあるけど、よくわからないね。君は何か分かりそうかい?」
ステイタスが刻み込まれ、初めての主人の言葉がこれだった。神様がわからないと言うことはユニークスキル等か?と期待して、渡された紙を見る。
それにはこうあった。
Lv:1
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
<魔法>
<スキル>
【投影】
Fateの投影。多少融通は利く。
うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!
俺はそう叫びかけた。はやく試したくてうずうずするのを押さえる。
「どうやらその様子を見ると、早くスキルを試したいようだね。教会の裏に行っておいで。そこならあまり壊しちゃうようなものはないから」
「ありがとうございます」
そうして、俺は飛び出した。期待を胸に、一目散に外へと向かって行く。
教会の外に出て言われた裏手へ行き、能力を試してみることにした。
「
そう言うと、俺の手の先から青い光が伸びて行く。何ができるのか、とてもワクワクする。
しかし、その青い光は一般的な剣の長さを超え、教会の壁へと突き刺さる。
「マズっ!」
慌てて手の位置を変えるが、壁に映った青い四角形の光は動かない。あたふたしているうちに、その光は強く瞬き、そして、俺は反射的に目をつぶった。
ギィイイイイイイイイイイン!という金属がぶつかり合う甲高い音。
恐る恐る目を開けて見ると、そこには。
『問おう、貴方が私のマスターか』
セイバーがドアップで映っていた。壁には何も穴など開いてはいない。そうこうしているうちに、衛宮士郎の顔や兄貴の顔が次々と映し出される。
……。
…………。
……これって、UBWじゃねーか!
そこで俺は気付いた。つまりは、だ。
「Fateの投影って、アニメを投影するってことかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
◾︎
Fate/Grand Order。
それは数週間前にオラリオのバベルの横壁に映し出される形で始まったアニメの名前だ。放送開始からたった数週間しか経っていないのに既にオラリオで大ブームとなっていた。
ストーリーはこうだ。もともと一般人であった少年が、英雄の力を宿した少女とともに、迷宮神聖譚《ダンジョン・オラトリア》など数々の歴史上の英雄たちと協力し、奪われてしまった未来を取り戻す時代の旅に出る。
これが嵌まった。自分が知っている英雄が、活躍するのだ。すごく派手に。
自分の種族の英雄が活躍すれば、当然応援したくなる。そして別の種族の英雄が活躍すれば自分の種族のあの英雄も、となり、その英雄が出てきたところで引き込まれる。
そして、神がもともと暇であったということにも幸いした。オラリオのほぼ8割の神が毎週金曜5時からバベルの前に集まるというと、そのすごさがわかるだろうか。
とある神は語る。
「ある日、バベルに見たこともない絵画が現れたんだ。そして、その絵画だと思ってたもんは動き出して――ああ、そこからはまさに神がかってた。何を言っているかわからないと思うが俺にも分からねェ。おっと、もう少しで放送の時間だ。俺は行くぜ」
そんなわけでオラリオで一大ブームとなったこの作品は様々なところでその影響を及ぼすのだが、それはまた別のお話。
今の所、神様総出で作者を探しているらしいが、未だ見つかっておらず、神様グループの中で指名手配されているそうだ。
●おまけ
「ふふっ、あの鍛冶師、いいな」
「だから椿さん、この物語はフィクションですと書いてありましたよね」
「ナーサリーたーーーーん! 今週も待っとるでーーーーっ!」
「あぁ、暴走が」
「フィン、止めろ」
「ディルムッドか……」
「団長ォ!しっかりして下さ〜い!」
「風の鞘……それいいかも」
「確かにアイズにあってるかもね」
「オッタル、作者を捕まえなさい」
「仰せの通りに」
「このガネーシャ、震えてきたぞおおおおおおおおおおおお!」
「えっと、エミヤさん。この英雄はこういう能力を持っていてですね」
「なるほど、それにしても融通がきいてよかった。ありがとうベル」
「関連グッズがジャンジャン売れてるよ! 借金も無くなりそうだ!」