【ネタ】転生特典はFateの投影だった   作:機巧

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FGOのトレーディングフィギュア(カード?)ゲームが現実で発売されるそうですね。なんてタイムリー。ちょうどいいのでそんな感じだと思ってください。ヴァリスの日本円換算はどのくらいなのだろう。勝手に10円くらいと思ってます。





2話「途中のCMほどうざいものはない」

 

かつて一国の王女であったアスフィにとって、趣味というものは、本を読むことくらいであった。

裁縫は性に合わなかったし、興味のあった魔道具はおよそ一国の王女が持つ趣味ではなかったからだ。

 

読む本の多様さ故にアスフィは東洋のことわざというものにも多少理解があるのだが、その中に今のアスフィの心情を的確に表したものがあったと記憶している。

“開いた口が塞がらない”

それが、まさにアスフィの状況であった。

 

その絵面は、もし【ヘルメス・ファミリア】の団員がその状況だけを見たら、ある程度普通の光景として流したであろう。

依頼人の男に、報酬として支払われる大金。

ただ、それだけの光景でしかない。

 

アスフィ自身、一国の王女であったという来歴から始まり、今やオラリオ中の知る魔法道具創作者《クリエイター》、【万能者(ぺルセウス)】であり、【ヘルメス・ファミリア】の団長だ。

【ヘルメス・ファミリア】はオラリオでも有力なファミリアであり、団長であるアスフィは、今目の前にあるような大金を扱うこともある。

魔法道具の方もそうだ。アスフィ自身、ダンジョンに潜る時に有用な道具のいくつかは奥の手として隠し持っているものの、道具の販売はする。その時にも、割と大金というものは扱う。

 

だから、アスフィが驚きを覚えているのは、その金額に対してではない。

 

アスフィはじっと目の前の赤銅色の髪を持つ少年と、その目の前に出された500万ヴァリスを交互に目線をやって、ようやくその言葉を絞り出した。

 

 

「……どうしてあんな道具で、たった1日でそんなに稼げるんですッ!?」

 

 

◼︎

 

 

 

エミヤ・アーチャーとアスフィが出会ったのはアイズの時のような偶然ではない。

むしろ、ヘルメス・ファミリアに押しかけて行って魔道具製作を依頼しに行ったのが最初である。

 

だが、正直言って、アスフィは奇妙な魔道具には興味を惹かれたものの、支払われる前金を除いては、報酬はCMとかいう訳の分からないものと売り上げによる割合ということを聞いて、契約することを取りやめた。

 

エミヤ・アーチャーは最初、アスフィに3つの道具を作ってもらおうとしていた。だが、報酬が割合ということならば、売れなければ、元手さえ取り戻せないということである。故に、アスフィは前金として用意されていた金額(割と少ない)でも、容易に作ることが出来る道具を1つピックアップし、前金と一回のCM出演の2つを報酬に、お試しとして作ることとなったのだ。

 

本来であればこのような仕事はしないのだが、今PVとやらの神様たちの中で盛り上がっているものの関係ということで、未来への期待を込めて作ったのである。

所謂、商人のカンというものである。

 

そうして完成した道具――コピー機を次の朝に渡し、その翌日の夕方、再びエミヤはアスフィの前に現れたのだった。

あの少ない前金で出せるギリギリだと言っていた男が、500万ヴァリスを携えて。

 

「……なんでって言われてもな。普通に稼いだだけだし。初日だから物珍しさもあったんじゃないか」

「いや、そうだとしても多過ぎます。1日って何ですか……【剣姫】の予備のレイピアで4000万ですよ……8日で返せるじゃありませんか。何売ったんですか……」

 

少し前にあったアイズ・ヴァレンシュタインのことを思い出しつついうアスフィ。

 

普通の冒険者の稼ぎは5人で25000ヴァリス、つまり1人5000ヴァリスくらいである。それにしたって、多すぎであるだろう。

本当に、細かい字はインクで滲んでしまう程度のものでしかないあのコピー機でどうやったというのか。

 

 

「イラストカードかな」

「イラスト?」

 

 

疑問の声を上げるアスフィ。

 

「登場人物の書かれたカードさ」

「そんなものでこんな大金を……」

「いや、開発費も入れてあるとはいえ、これ売り上げの半分くらいなんだよな」

「へ?」

 

「まぁ、それは置いておいて、もう少し細かい字も印刷できるようなものと、他の道具を作ってくれるか?前に話した通り、CMと、魔道具による売り上げの4割を報酬にする……どうだ?」

「なんか大事なことが聞こえたような気がしますが……正直、この500万ヴァリスを出せたことであなたへの信用は十分です。商人として、この契約、乗りましょう」

「よかった。これからよろしく頼む」

 

そうして、エミヤは内心ホッとしつつ、立って手を差し出した。アスフィの方が何とか折れてくれたような形ではあったが、前に断られた時に比べれば、上出来といったところだ。

それに、アスフィも答えて、手を握った。

 

「よろしくお願いします」

 

 

 

小さい文字を印刷する機械の方はとりあえず置いておいて、時間がかかりそうなもう1つの魔道具作りに移行した。小さい文字を印刷できるものの方は、「激闘クラス別鯖戦」とかいうイベントの時までに、作れば良いようだ。

エミヤが口を出し、それにアスフィが案をまとめていく。

 

「そう、見る映像のつながりをボタンによって制御できるか?Aを選んだらAが、Bを選んだらBを見ることができるような感じで」

「多分いけます……ですが単価は高くなりますよ」

「大丈夫だ」

「その根拠はどこから来るんですか」

「とりあえず、その試作品に映像――そうだな、SNでいいか……を入れて持って来るから、いろいろ試してみてくれ」

 

そうして、出来上がった試作品。それを持ち帰ったエミヤが数日後持って帰ってきた。

 

アスフィはとりあえず、中身は見ても周りに言わなければいいとのことだったので、自室にもちこんで再生した。

 

「――ッ」

 

 

 

その数分後、保存のきく食べ物を大量に自室に持ち込み、結界の魔道具を三重に起動させるアスフィの姿があった。

その夜から60時間ほど、アスフィを見たものはいなかった。

 

CMで急に客が増えた【ヘルメス・ファミリア】は、増えた客と団長不在により、一時営業不能となった。

 

 

 

 

 

◼︎

 

 

 

 

 

 

 

「どチビそこを退けえ!(アイズたんの隣はウチが座るんや!)」

「嫌だね(ベルくんとヴァレン何某を隣に座らせてなるものか!)」

 

 

今日も今日で、姦しく始まった動く絵画。前の方で叫ぶ2人に空き瓶やら何やらが飛んでいく。うるさいということだろう。自衛のできるロキ・ファミリアの面々やベルはなんとか自分を守っていたが、互いを攻撃することしかしていなかった二神(ふたり)はあちこちにあざやたんこぶを作り、そんなこんなで映し出される。

 

 

 

第一の聖杯 救国の聖処女

AD.1431 邪竜百年戦争オルレアン

人理定礎値 C+

 

 

 

 

降り立った大地。

そこには大空に白い巨大な光輪のある、不思議な場所だった。周りだけ見れば、普通の草原。しかし、その空だけが異質であった。

 

 

「なんだ……」

「何が起こってやがる!」

「あ、兵士がいるぞ!」

 

 

 

 

そうして、見つけた兵士を追って、砦へ辿り着く。そこでは、兵士たちがワイバーンに襲われていた。そして、そこに乱入してきたのは、【紅蓮の聖女】として、オラリオでも有名なジャンヌだった。

『ひぃ……ジャ、ジャンヌだ!』

助けられた兵士だったが、ジャンヌを見て怯える。邪竜を操っているのは、蘇ったジャンヌなのだと。

 

「……一体どういうことなんだってばよ」

「……一体どういうことなんだってばね」

「じゃんぬううううううううう」

 

 

 

 

 

 

そうして、ジャンヌとともに森へと逃げ込む一行。そこで主人公が召喚したのは、ニメトルにも及ぶ刀を携えた、長髪の着物の剣士だった。

 

『───アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎。ここに召喚仕った』

 

「なんだ、かっこええ」

「あんな長くて使えるのか……」

「なんだか、農業やってそうなツラしてるな」

 

 

 

そうして、なんとか1人増えた戦力――マシュとジャンヌと、小次郎で、なんとかワイバーンの追撃をさばいていく。

 

「すげー。ワイバーンをものともしないぞ」

「燕返しとかいってるけど、あれ、ワイバーン返しだよな」

「たしかに」

 

 

 

そうやって、最初は心もとない戦力ではあったものの、旅をしていくうちに仲間が少しずつ増えていく。

そして、最後。敵のサーヴァントが現れた直後、CM。

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおお!ここで終わりにするのかよぉ!」

「30分早すぎいいいいいいいい」

「なんでだよおおおおおおおおおおおおおお」

 

「こうなったら衝動ガチャだ!」

 

「ヘルメスファミリアにいってみようかな」

「俺は、刀をこれから使う」

「同時に斬撃放てないかなぁ」

 

「……というかCMで、映像の時間削られてるんじゃ……許さぬ」

 

「……おい、ジャンヌピックアップ来てるぞぉ!」

「「なんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」」

 

 

 

●おまけ

 

「ピックアップってなんだ!」

「ジャンヌだとぉ?」

「確率アップ……だと」

「「引くしかないっ」」

 

「おい、サポーター。何拾ってやがる、さっさといくぞ」

「……孔明? ジークフリート?」

 

「修行だ!桜花、命!」

「「はいっ!」」

 

「刀ください」

「刀頼む」

「……なにこれ」

 

「ちょっと燕を見つけてくる」

「ちょっとアイズ、燕を絶滅させる気?」

 

「というか、旅をして仲間を集めるって、めっちゃ王道だな。それがいい!」

「たしかにな!」

 

「ヘルメス、なんだかオラリオが騒がしいようだが」

「もうすぐ帰るさ」

 

「にしても、二側面召喚ってなんだ」

「うーん。運があれば自分と対面できるのか」

 

「……っ!なんだこれっ! 激闘クラス別鯖戦開催?」

「おい、みんなで出るぞ!」

 

「ガチャというものはな、こうやるのだ!」

「あいつ、迷宮神聖譚全巻持ってきてやがる」

「触媒なんだよっ!」

「あっ金」

「なんだと」

「きたーーー!!」

「マリー?だれだ?」

 

「ふっこの俺に不可能はない」

「……」

「な、な、な(確定なし10連礼装ガチャ)」

 

 

 

 

「アスフィ団長、部屋から出てきませんが」

「というか、呼び出しなさい!」

「無理です!三重に結界が」

 

『――決して、間違いなんかじゃないんだから』

「きゃあああああああああああっ!(テンション高め)」

『いくぞ英雄王、武器の貯蔵は十分か』

「きゃあああああああああああっ!(テンション壊れ)」

 

 

 

 

●おまけのおまけ

 

試作品をやったベル「その魔石、貰い受ける!」

周りの冒険者「「あいつ何やってるんだ?」」

 

数ヶ月後

「「その魔石、貰い受ける」」

「「優しく蹴散らしてあげましょう」」

「「束ねるは星の息吹――受けるがいい!」」

 

 

 






決して、貴方たちのために書いたのじゃないのだからね!そこ勘違いしないこと!お気に入り五千件越えが嬉しくなんて…少ししか……な、なんでもないっ!少しも嬉しくないんだから!
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