ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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邂逅編
第一話 出会いの空で


今から43年前、地球は、怪獣や宇宙からの侵略者の脅威に晒されていた。

 

人々から笑顔が奪われそうになった時、遥か遠く『光の国』から、彼らはやって来た。

 

『ウルトラ兄弟』と呼ばれる、頼もしいヒーローたちが。

 

そして今――――――

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

小高い丘にある、街を見わたせる高台。そこから二人の男性が、街を見下ろしていた。

一人は、デニムのジャケットを着た人の良さそうな優しい顔の20代前半程の青年、もう一人は、白いTシャツを着て短い髪を逆立てた強気そうな同年代の青年だ。

 

「……この景色も、しばらくは見られなくなるなあ。」

「やっぱ寂しいか、ミライ?」

 

ミライと呼ばれた青年の呟きに、髪を逆立てた青年が聞く。ミライは青年―――アイハラ・リュウに振り返った。

 

「はい。明日には、もう帰らなければいけないので………」

 

ミライは本来、『ここ』から遠い場所で警備チームの任務に就いている人物である。

ひと月ほど前、今は亡き暗黒の皇帝『エンペラ星人』の遺産『アーマードダークネス』を追ってきたミライは、リュウたちと共にこれを破壊する事に成功した。

その後、ミライは上司の計らいで休暇をもらっていた。アーマードダークネスの影響で出現が頻発していた怪獣たちはぱたりと現れなくなり、このひと月、平穏な日々を送れたのだが、それも今日で終了、明日には再び警備隊の任務に戻らねばならなかった。

そこでリュウは最後にと、ミライと共にこの場所に、3年前、二人が初めて出会ったこの場所に来ていたのだ。

 

「早いモンだよなあ、もう1カ月経っちまったのか………」

「でも、またリュウさんたちに会えて、嬉しかったです。」

 

よせやいと、ミライの言葉に照れたように返すリュウ。ミライは満面の笑みでそれを返すと、再び街を見下ろした。アーマードダークネスの接触が原因で起動した『ダークネスフィア』の落下を阻止した事で、今日も平穏な日を過ごしている街を見ていると、二人は自然と笑みを浮かべてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――ぁぁぁぁぁぁあああああああああ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん………?」

「何だろう?」

 

ふと、どこからか声が聞こえてきた。その声がどこからかと辺りを見わたす二人は、発信源の場所に行きついた。そこは、

 

「「………上?」」

 

空であった。上を見上げた二人が見たものは――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「きゃああああああああああああああああ!!」」

「………………えええっ!!?」

「マジかよぉお!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『二人の女の子』が、ミライたちの元へ、空から真っ逆さまに落ちて来る真っ最中であった………

 

一瞬茫然としてしまったミライとリュウであったが、慌てて彼女たちの元へ駆けだすと、受け止めようと両腕を伸ばした。

 

あと少し、ミライと少女が激突すると言うその時だ。

少女たちの身体が急にグンッ、と減速し、ミライとリュウは二人をガッシリと受け止めた。

 

「………ふう~~~、危なかったぁあ~~~」

「な、ナイスだ、ミライ………正直、ダメかと思ったぞ………」

「君、大丈夫かい!?」

「きゅう~………」

 

ミライは受け止めた少女に声をかけるが、二人の少女は目を回して気絶をしていた。

 

「気絶しているみたい、ですね………」

「こっちもだ………っていうか、何つう格好してんだコイツら!?」

 

先ほどは彼女たちを受け止める事で頭がいっぱいだったが、よくよく見てみれば、二人の少女はとても奇妙な格好をしていた。

 

一人は髪を肩のあたりで切りそろえてセーラー服を着ているが、その下は紺色の水着を着用しているのみである。

もう一人に関しては、ベージュ色の髪を腰まである一本の三つ編みにして、ベストとワイシャツの上に上着を着ているが、下はローライズの下着のみと言う格好であった。

 

そして二人とも、その両の脚には飛行機に似た長いブーツのような物を装着し、更に手や肩に銃を持ち、短い髪の少女は、右手に古い型のカメラを握りしめていた。

 

「………この子たちは、一体………?」

 

ミライは、少女の顔を見つめながら、そう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ

 

第一話 出会いの空で

 

異次元怪異ネウロイ(GX-01)

宇宙怪獣ベムラー

登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GUYS(ガイズ)』とは、ニューヨーク沖に総本部を置く怪獣防衛組織であり、その名前は『Guards of UtilitY Situation(あらゆる状況に対応する防衛隊)』の頭文字を取ったものである。

各国のGUYS本部には怪獣や宇宙人に対しての実践部隊である『CREW GUYS(クルーガイズ)』が配備されており、日夜、人々の平和を守っているのだ。

そして、関東の都市郊外に設置された基地内中央にそびえるここは、日本の防衛チーム『GUYSジャパン』ベースのシンボル『フェニックスネスト』である。

 

 

 

 

 

「―――空から、二人の女の子が?」

 

その作戦指令室である『ディレクション・ルーム』で、黒い髪を外にハネさせた女性―――『CREWGUYSジャパン』新人オペレーター『ババ・エリ』(愛称はエリー)は、本日非番のアイハラ・リュウ隊長からの通信を聞き返していた。

 

[ああ、妙な格好で、銃まで持ってやがる………]

「銃?」

[結構古い型の機関銃とライフルだ。しかも、モデルガンとかじゃなくて本物だ。資料で見た事がある程度だが、大戦時に使われていた銃によく似ている。]

 

リュウの答えに首を傾げるエリー。すると、それを横で他の隊員たちと聞いていた小柄で髪の薄い男性、トリヤマ補佐官が横から割り込んできた。

 

「あーアイハラ隊長、その子らはアレだ、いわゆるコスプレでもしていて、そこを宇宙人に攫われた、という事ではないのかね?」

[いや補佐官、それじゃあ銃の説明が付かない。それに、軍服の下に下着や水着以外何も履かないこんな格好はコスプレとしてもおかしいし、何より、脚に着けていたこの装備の説明もつかない。]

「………え?その女の子たちって、そんな格好なんですか?」

 

若干引き気味でそう聞くのは、新人隊員のハルザキ・カナタである。ひと月前に起きた『アーマードダークネス事件』では旧CREWGUYSメンバーと共にダークネスフィアで活躍した隊員だ。

 

「ちょっとハルザキく~ん、まだ見ぬ少女に何を欲情しているのかな~?」

「!?そ、そんなのじゃないですよ!!」

「やめてやって下さいよ、マリさん。カナタはこう見えて結構ウブなんスから………」

 

そんな反応をしたハルザキに気付いたのか、ショートヘアーで緑色のカチューシャを着けたハルザキより2~3歳年上くらいの女性『トウドウ・マリ』がからかうが、それを見ていた大柄で眼鏡をかけた男性隊員『イノウエ・コウジ』がフォローする。

そんなやり取りを横目に、エリーは通信を続ける。

 

「それで隊長、二人の様子はどうなのでしょうか?」

[今の所は気絶しているだけだ。目を覚ましたら話を―――]

[リュウさーん!]

 

リュウが言いかけた所で、ミライの呼ぶ声がした。どうやら、少女たちが目を覚ましたようだ。

 

[―――っと、またかけなおす。]

「G.I.G.」

 

そう言って通信が切られた。

 

「まったく、今日はサコミズ総監がいないというのに………」

「そう言えば総監、今日は何でお休みなのですか?」

 

トリヤマのぼやきに、マリがそう問いかける。するとそれに、背の高い男性、マル秘書官が答えた。

 

「先日亡くなられたお姉さんの遺品整理を手伝いに行っているそうです。」

「あー、そう言えば、葬儀に出席するって言って、先々週も休んでいましたね。」

 

コウジは、思い出したようにそう呟いた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

リュウがGUYSに通信をしている頃、ミライは二人の装備していた銃やブーツのような物を脇に置き、少女をベンチに寝かせて様子を見ていた。

ふと、何かが気になったミライは、ショートカットの少女の額に手をかざし、目を閉じて意識を集中させた。

しばし目を閉じていたミライは、少女が何か強い力を持っている事を、手のひらを通じて感じ取った。

 

(この子は、間違いなく地球人だ。だけど、何だろう子の力は?まるで陽の光に似た温かさを持っているけれど、今まで感じ取った事のない力だ………)

 

少女の中に眠る未知の力に疑問を持つミライ。その時、目を覚ましたのか少女が瞼をゆっくりと開いた。

 

「う………ん?」

「あ、気が付いたかい?」

「え?ここ………は………?」

 

ミライは慌てて手を引っ込めると、少女に優しく声をかける。少女は身を起こすと額に手を当てて、自分がどうしていたのか思い出そうとする。

 

「え、ええと、確か私たち………ヴェネツィアの巣の調査に行って、それで………」

「大丈夫かい?急に空から落ちてきて、今まで気を失っていたんだよ?」

「え?あ、ええとその、だ、大丈夫です!ありがとうございます!」

 

しばし思い出すように呟いていた少女であったが、急にミライの顔が目の前に現れ、驚いて返事をした。ミライはよかったと笑顔で返すと、振り返ってリュウを呼ぶ。少女は周りを見わたしていると、自分の銃やブーツのようなもの、そして、

 

「!リーネちゃん!!」

 

ベンチで眠る親友の姿を見つけた。少女は親友、リーネの元に駆け寄り、彼女の容体を見た。

 

「………良かった、怪我はないみたい。」

「ええと、その子、リーネちゃんっていうのかい?」

「はい。私と同じ部隊で、大切な友達です。」

 

安心したように少女はミライに答える。ちょうどその時、通信を終えたリュウが駆け寄って来た。

 

「おお、起きたか。」

「は、はい………」

「あ、そう言えば君、名前は?」

 

ミライが気付いたように少女に聞く。少女は多少戸惑いながらも、名前を二人に名乗った。

 

「あ、宮藤芳佳って言います。」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

ミライたちと芳佳が会っていたその頃、フェニックスネストでは東京の3,200m上空に高エネルギー反応を観測していた。

 

「高エネルギー反応ですって?」

 

ショートカットの黒髪に黒いスーツの女性、総監代行ミサキ・ユキは、ディレクション・ルームに入って来て早々にそう聞いてきた。

 

「このエネルギーの波長は……『四次元エネルギー』です!」

「何いい!?」

 

『四次元エネルギー』、それはその名の通り四次元空間が発生した際に生じるエネルギーのことである。解析していたコウジがそう報告をすると、トリヤマが声を上げる。

 

「映像出ます。」

 

エリーはディレクション・ルームのメインスクリーンに、映像を映し出した。

映像では、東京の上空の空間が歪み、各種観測装置の数値化されたデータが映っていた。

 

「空が、歪んでいる………?」

「アーカイブ・ドキュメント内に残る、四次元に潜む怪獣や宇宙人の記録と照らし合わせた結果、これは、何かが来る前触れと推測されます!」

「出現予想時間は?」

「エネルギーの上昇スピードから計算したところ、約35分後と予想されます!」

「ええい、一か月前にようやくダークネスフィアの問題が解決したというのに!」

 

エリーの報告に対し、悔しがるトリヤマとマル。だが、今はそのような場合ではない。ミサキは隊員たちに向き直り、冷静に指示をする。

 

「すぐに周辺住民を避難させてください。ハルザキ君はアイハラ隊長に連絡を。」

「「「G.I.G.!」」」

「マル、『ガンフェニックス』の修理状況は!?」

「昨日、最終チェックをして、いつでも飛ばせるという事です。」

 

『アーマードダークネス事件』で、GUYSの主力戦闘機『ガンフェニックス』は一度破壊されてしまい、つい先日まで整備班が修復作業に追われていたが、その甲斐あってようやく直り、怪獣や宇宙人に対抗できる訳だ。

 

「よし、アイハラ隊長が到着次第、ガンフェニックスとガンブースターを発進させるぞ!あの歪みから怪獣だろうと何だろうと、何が出てきても良いようにしておけ!!」

「「G.I.G.!」」

 

トリヤマの指示に、カナタたちが答えた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「大丈夫、リーネちゃん?」

「うん、ありがとう、芳佳ちゃん。」

 

一方その頃、芳佳と、先ほど目覚めたリーネことリネット・ビショップに話を聞く事にしたリュウとミライ。芳佳とリーネがミライの買ってきた缶のお茶に口をつけていると、早速話を切り出した。

 

「で、お前たちはどこから来たんだ?しかもそんな古い型の銃なんか持って。」

「え?古いって………」

「芳佳ちゃんの九九式二号二型改13ミリ機関銃は、『最近』配備されたものですけれど……」

「最近?」

 

リーネの言葉に、リュウが首を傾げる。先ほどトリヤマに報告した通り、二人の持つ銃は大戦時に開発がされたものだ。それを最近配備されたと言っているのは何故か?

 

「何言っているんだ?これを使っていたのは、60年以上前の大戦末期だぞ?」

「60……え?そんなはずは………」

「ええと、今は1945年、で合っていますよね………?」

「へ?」

「は?」

「「……え?」」

 

芳佳の質問に呆気にとられるリュウとミライ、そして、二人の反応に声を上げる芳佳とリーネ。しばし、両者の間に沈黙が流れるが、リュウが若干困惑した様子で口を開いた。

 

「………何言ってるんだ?今は2009年だぞ?」

「「えええええええええ!!??」」

 

リュウの言葉に驚く二人。ミライたちも驚いた様子である。

 

「………どういう事だ?」

「まさか、本当に1945年から来たって事でしょうか?」

「ええ?わ、私たち、60年後の未来に来ちゃったってことですか!!?」

「………いや、それだったら、余計にこいつらの格好とアレの説明がつかなくなる。」

 

困惑する芳佳たちと、小首を傾げるミライ。だが、リュウは芳佳たちの装備品であるブーツのような物に指を指した。

 

「ストライカーユニットのこと、ですか?」

「ああ、あんなもの、見たこともないぞ。」

「………どういう事でしょう?」

 

リュウの説明に、ミライが首をかしげた。芳佳とリーネは、未だに困惑した様子であった。

 

「………急な事で混乱しているようだが、お前たちがどこから、どうやって来たのか色々調べる必要がある。少し落ち着いてから―――」

 

そうリュウが言いかけた時だ。リュウのポケットから通信音が鳴り響いた。

リュウはポケットから小型モバイルパッド『メモリーディスプレイ』を取りだすと、モニターに表示された通信先がGUYSジャパンベースである事を確認し、スイッチを入れた。

 

「こちらアイハラ。」

[アイハラ隊長、至急本部に来てください!東京上空に、高エネルギー反応が観測されました!]

「何?」

 

通信してきたカナタの言葉に、眉をひそめるリュウ。基地のカナタは、続けてきた。

 

[後30分ほどで観測地点から何かが出てくると予想されています。ガンフェニックスはいつでも出せますので、隊長も早く!]

「つっても………」

 

リュウは振り返った。今自分が基地に戻ったら、混乱している芳佳とリーネをミライ一人に任せる事になってしまう。するとそれを察したのか、ミライは笑顔でリュウに答えた。

 

「リュウさん、行ってきてください。」

「ミライ………」

「芳佳ちゃんたちは僕が見ていますので、リュウさんは早く。」

 

ミライは笑顔でそう答える。リュウは口の端を釣り上げると、

 

「……余計に不安になるけどな。」

「あ、ひどいですよ!」

「冗談だ。頼んだぞ!!」

 

そう叫んで、リュウは駆けだして行った。その様子を見ていた芳佳が、ミライの隣にまで歩いてきた。

 

「あの、アイハラさんって、軍の人なんですか?」

「まあ、似たようなものかなあ。怪獣防衛チームの隊長さんなんだよ。」

「怪………獣?」

 

ミライの言葉に、芳佳とリーネは顔を見合わせた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

それから10分後、GUYSの制服(襟が白い隊長専用のもの)に着替えヘルメットを被ったリュウは、複座型小型ポッド『ガンスピーダー』にカナタと共に乗り込み、メモリーディスプレイをセットした。

 

《Welcome to Gun Speeder.》

[エネルギーの観測ポイントは、東京J地区の、上空3,200mです。]

「…さっきの場所から、そんなに離れていないな。」

「隊長、ミライさんは…」

 

後部席のカナタが不安そうに聞くと、リュウは、ふ、と笑う。

 

「ま、マジでヤバくなったら駆けつけてくれる。そういう奴だろ?」

[こちらガンスピーダー2、イノウエ、搭乗完了しました。]

[同じくガンスピーダー3、トウドウ、搭乗しました!]

 

ちょうどその時、同じくガンスピーダーにそれぞれ乗り込んだマリとコウジから通信が入った。

一方、フェニックスネストの地下ドックでは、白いボディの両翼に描かれた“ファイヤーシンボル”が特徴の戦闘機『ガンフェニックス』の発進準備が進んでいた。ガンフェニックスが所定位置に着くと、リフトが上昇して、フェニックスネストの目の前に出現した。

 

「ガンスピーダー、ブラストオフ!」

 

それを確認したリュウの掛け声と共に、ガンスピーダーは発進位置へと移動、リフトに乗り、そこを下って行く。

フェニックスネストからブリッジが伸びて接続されると、そこをガンスピーダーが通りガンフェニックスに搭載され、コックピットとなる。同じくマリの乗るガンスピーダー2がガンフェニックスの後部に搭載されると、発進準備は整った。

 

「ガンフェニックス、バーナーオン!!」

 

リュウの号令と同時にガンフェニックスは垂直離陸、ある程度の高度まで行くと後部のジェットエンジンを噴射させ、発進した。

 

「ガンスピーダー3、ブラストオフ!」

 

それから間を置いて、地下ドックから下部にブースターを釣り下げ、金色に輝く翼を持った姿が特徴の機体『ガンブースター』にコウジの乗るガンスピーダーが搭載され、カタパルトが上がる。

 

「ガンブースター、バーナーオン!!」

 

そしてガンブースターは空高く飛びたち、ガンフェニックスと合流、そのまま高エネルギー発生地点まで飛んで行った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「来た!」

「見た事のない戦闘機……」

「あれに、アイハラさんが…」

 

それから十数分後、高台からガンフェニックスとガンブースターが飛んでくるのを確認したミライは、声を上げた。

すでに上空の歪みは大きくなっており、ミライや芳佳たちにも分かるほどになっていた。

 

「間もなく、出現予想時間です。」

「あれか……」

 

リュウは、目の前で渦を巻くように歪む空を確認して呟いた。その時ガンフェニックス後部でエネルギー発生点を観測していたマリが声を上げた。

 

「四次元エネルギー、急激に上昇!何か来ます!!」

「何!?」

 

マリの声に発生源を睨みつけるリュウ。発生源の渦は回転を早めていき、やがて光球のようになった。

 

「お出でなさったか!」

 

睨みつけたリュウが叫んだ瞬間、光球がパンっ、とはじけ飛び、中から『それ』は現れた。

 

 

 

 

 

「キィィイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーー!」

 

 

 

 

 

「ッ!?………え?」

「そ、そんな………!」

「ふたりとも………?」

 

甲高い鳴き声を上げる『それ』を見た芳佳とリーネは、顔を青ざめる。

 

 

 

『それ』は、全長約100mの黒いハニカム状の体表を持った、主翼と尾翼をアーチ状のパーツで繋いだずんぐりとした前翼機のような姿で、身体の各部分を赤く輝かせていた。

 

 

 

「「………『ネウロイ』!」」

「ネウロイ?」

 

二人の呟いた名前を聞き、ミライは再度、上空の黒い航空機のような物を見る。だがミライが目を離した瞬間、二人は先ほどの装備品の元へ駆けだして行った。

 

「え、ちょっと!?」

「すみませんミライさん!でも、私たち行かないと!!」

「え?」

「ごめんなさい!」

 

二人はミライに謝ると銃を肩にかけ、ブーツのようなものに脚を入れる。瞬間、眩く光る紋様が地面に現れ、同時に芳佳の頭から豆柴の耳、お尻から尻尾が現れ、リーネの頭とお尻からはスコティッシュフォールドの耳と尻尾が現れた。

 

「………ふぇ?みみ?え?」

「行きます!」

 

ミライが驚くのもつかの間、芳佳たちの装置から光るプロペラが出現、そのまま回転を始めたかと思うと、土煙を上げて飛び上がってしまった。

 

「ゲホッ、ゲホッ………うそー?」

 

土煙にむせていたミライは、空に飛んで行った二人を見上げて、思わずそう呟いた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「………何だこいつは?」

「見た感じ宇宙船っぽいですけど………?」

 

一方、ガンフェニックスを駆るリュウとカナタは、目の前に現れたネウロイを見て首を傾げていた。フェニックスネストでネウロイを解析していたエリーは、解析結果をリュウに通信する。

 

[いえ、微弱ながら生命反応を感知しましたが、宇宙人などの物ではありません。いうなればそれは、『金属怪獣』です。]

「金属怪獣………」

 

マイがそう呟いた瞬間、ネウロイが血のように赤いビームを赤い部分から無数に放ってきた!

 

「隊長!」

「ガンフェニックス、スプリット!」

 

リュウの号令と共に、ガンフェニックスは前部のガンウィンガー、後部のガンローダーに分離し、ビームをギリギリでかわした。ネウロイのビームのいくつかは地上の建物に当たって爆発を起こし、避難途中の住人たちの悲鳴が上がるのを見たカナタがリュウに叫ぶ。

 

「お友達になりたいって意思はないみたいですね!」

「攻撃開始!」

「「「G.I.G.!」」」

 

三機のガンマシンは旋回すると赤いビームを搔い潜り、ネウロイに向けて攻撃を始めた。

 

「ウィングレッドブラスター!」

「バリアブルパルサー!」

「ガトリングデトネイター!」

 

ガンウィンガーは両翼から赤い熱線を、カンローダーは機首から黄色い重粒子ビームを、そしてガンブースターは6門ものビーム砲をネウロイに浴びせ、ネウロイのその身を削いでガラス片のような体表をまき散らした!

 

「キィイイイイイイイ!!」

「効いています!」

「……いや、見ろ!」

 

カナタが歓喜の声を上げたが、リュウは見た。今の攻撃で破壊されたはずのネウロイの体表が、瞬く間に再生していく様を。

 

「再生していく!?」

「あの程度、なんて事ないっていうの!?」

 

コウジとマイが驚きの声を上げる。だが、リュウは冷静に判断を下す。

 

「……いや、攻撃は通ったんだ。どっかに弱点があるはずだ。エリー、ヤツの身体を詳しく―――」

 

 

 

バキンッ

 

 

 

「「「「!?」」」」

「キィイイイイイイイ!!」

 

リュウが指示を出そうとした瞬間、突然、ネウロイの前側の翼が弾け飛んだ!

 

「今のは!?」

「レーダーに機影あり!でも、この大きさは……?」

「!あれは…!」

 

その時、リュウは気付いた。真下から芳佳とリーネがネウロイに向けて銃を掃射しながら上昇してくるのを!

 

「お、女の子が、飛んでいる………!?」

「あいつら………!」

 

芳佳たち二人の姿を見たリュウが驚いたようにつぶやく。が、二人がネウロイに銃弾を浴びせているのを見て、すぐさまガンウィンガーの外部スピーカーをオンにして叫んだ。

 

「オイお前ら!」

「わ!?アイハラさん!?」

「何やってんだ!危ないから下がってろ!」

「嫌です!ネウロイがこうやって出てきている以上は、私たちが!」

「ネウロイ?」

 

芳佳に向けて怒鳴っていたリュウだが、芳佳の口から出た単語に疑問を持ち、再びネウロイに目を向ける。

 

「この怪獣のことか?」

「何であの子たちが、あの怪獣の事を?」

「お前ら、アイツの事知っているのか?」

「はい!私たち“ウィッチ”は、ネウロイと戦う為にいるんです!」

 

ネウロイのビームを手から発生させたシールドで防ぎながら、芳佳が叫ぶ。カナタたち三人が未だに戸惑っているが、そんな中リュウははあ、とため息をつくと、再び叫んだ。

 

「仕方ねえな……だったら任せてやる。」

[アイハラ隊長!何を勝手に………]

「だが、詳しい話は後で聞かせてもらうぞ。コイツに弱点はあるのか?」

 

トリヤマからの通信を気にせず芳佳に聞くリュウ。芳佳は機関銃でけん制しつつ、答えた。

 

「ネウロイは、内部に赤い「コア」があります!それを砕けば破壊されます!」

「でも、それにはネウロイの装甲を剥がす必要が……!」

「分かった。聞いたなみんな!攻撃を続けて、コアとやらを露出させるぞ!!」

「「「G.I.G.!」」」

 

リュウの指示を聞いた三人は、力強く答えた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「何でこっちの話を聞こうとしないのだ、あの隊長はあ!!」

 

一方、その様子をモニター越しで見ていたトリヤマは、突然現れた芳佳たちの協力を許したリュウに対して声を荒げていた。そこに、この場を冷静に見ていたミサキ代行が意見を述べた。

 

「しかし、今の会話から彼女たちがあの怪獣―――彼女たちの話から、便宜上『ネウロイ』という名前で呼びますが、それを倒しているというのであれば、非常に心強い味方です。」

「そ、………そうですよねぇ~~!いやあ、誰だかは知らないけれど、助かった助かった!」

 

ミサキの言葉に意見を急転換したトリヤマに、エリーとマルは顔を見合わせてため息をついた。モニターの向こうでは、芳佳が目の前に魔法陣のような物を展開させて、ネウロイのビームを防御していた。それを分析するエリーが、報告をした。

 

「通常、あのような機関銃や対戦車ライフルでは、あのサイズの怪獣にダメージは与えられません。たった今のシールドを含めて、彼女たちには、何らかの特殊な力を備えている可能性があります。」

「それが、あのネウロイとやらにダメージを与えていると?」

「はい。」

 

トリヤマの質問に対し、エリーは短く答える。話している間にもネウロイの攻撃は続き、街に少なからず被害が生じていた。それを見たミサキが、リュウに通信を入れる。

 

「アイハラ隊長!これ以上街に被害が出る前に、ネウロイをせん滅させる必要があります!直ちにメテオールを―――」

 

 

 

ビー!ビー!ビー!

 

 

 

ミサキが全て言いきる前に、ディレクション・ルームにアラートが鳴り響き、更なる緊張が走った。

 

「今度は何事だ!?」

 

トリヤマの叫びに、エリーはキーボードを叩き、状況を報告した。

 

「GUYSスペーシーより緊急連絡!日本の上空約3万メートルに、謎の次元エネルギーを捕捉!!」

「何だと!?」

「スゴイエネルギー量………すぐにでも怪獣が現れます!」

 

エリーの報告に、トリヤマたちの顔が青ざめる。ミサキは更なる危機を感じ、通信機に叫んだ。

 

「アイハラ隊長!!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「あれは!?」

 

その時、高台からネウロイとGUYSの戦いを見ていたミライは、上空から『青い光』が、こちらに向けて高速で落下してくるのを見た。

 

「青い光………!まさか!?」

 

ミライは、青い光に心当たりがあった。

 

その瞬間、青い光はネウロイとガンウィンガーを掠めて地上に落下し、もうもうと粉塵を巻きあげた。

 

「何!?」

「あれは………!?」

 

粉塵の中からフラッシュのように光を点滅させながら、ソイツは現れた。

 

 

 

 

 

トゲとうろこに包まれた寸胴な直立体系の身体、

鋭く光る金色の目、

尖った爪を生やした短い腕と長く伸びた尻尾。

 

 

 

 

 

「ギャァアアアアアアアオオオオオ!!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 

咆哮を上げたその怪獣をフェニックスネストで確認したエリーは、過去の怪獣や宇宙人の記録が載った『アーカイブ・ドキュメント』のデータを呼び出した。

 

「ドキュメントSSSP(スリーエスピー)に、同種族の記録を確認!」

 

その怪獣は42年前、竜ヶ森湖で初めてウルトラマンが地球で戦った相手、その名も―――

 

 

 

 

 

「レジストレーション・コード、『宇宙怪獣ベムラー』!!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ベムラーだと!?」

「あれって、あの時の………!」

 

ベムラーの姿を見たリュウと芳佳が、驚きの声を上げる。ベムラーは口から青い熱線を街に向けて吐き始め、街を爆炎に包みこんでいく!

 

「街が………!?」

「こっちは俺たちに任せて、ガンローダーとガンブースターは、ベムラーの方に行け!」

「「G.I.G.!!」」

 

リュウの号令を聞き、二機はベムラーに急行、リュウは照準をネウロイに向けると、機首に装備された『ビークバルカン』を放った。

 

「お前の相手は俺たちだ!!」

「キィイイイイイ!!」

 

ネウロイは鳴き声を上げながら赤いビームを放ち応戦してくる。その時、ネウロイのビームの一閃が地上に向けて放たれる。

 

「えーん、えーん!」

 

芳佳たちは気付かなかった。そのビームの先に、逃げ遅れた小さな男の子がいることに!

だが、気付いたとしても既に遅い。ネウロイのビームは、男の子に向かって一直線に迫って行く―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁあああああああああッ!!」

 

 

 

ドオッ!!!

 

 

 

「………?」

 

だが、ビームは男の子に当たるはるか前で何者かによって二つに枝割れし、道の左右に着弾、爆発を起こした!

 

「早く逃げろ!」

「う、うん!」

 

男の子は涙を拭うと、立ち上がってその者の言うとおりに走って逃げて行った。それを見送ると、上空のネウロイに向けて飛び立った。

 

「え………!?」

「あれは……!?」

 

その爆発で、ようやくリュウたちは気付いた。白い軍服を着て右目の眼帯とポニーテールの女性が、日本刀を片手に自分たちの元に飛んでくるのを。

 

「坂本さん!!」

「宮藤、リーネ!無事だったか!!」

 

坂本と呼ばれたその女性は芳佳とリーネの姿を見ると、笑みを浮かべる。だが、そこにネウロイのビームが放たれて坂本に迫るが、芳佳が寸での所で障壁を張って防ぐ。

 

「今はコイツらが先だ!」

「はい!」

 

ネウロイのビームを防ぎながら芳佳が返事をする。その時、ガンローダーとガンブースターを尻尾の攻撃で後退させたベムラーが、ビームを防ぐので無防備な芳佳にむけて青色熱線を放った!

 

「芳佳ちゃん!!」

「「!?」」

 

リーネが叫ぶが、今の彼女たちの位置からでは到底間に合わない!

皆がそう思ったその時―――

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

その頃、高台で戦闘を見ていたミライは、ベムラーの口から青色熱線が放たれようとしているのを見て、左腕を構えた。すると、左腕に光が集まり、それは赤に金色のラインが光るブレスレットとなった。

ミライはそのブレスレットの中央にはめ込まれた球状のクリスタルに右手を当てると一気に振りおろして回転させ、左腕を突き上げ、叫んだ。

 

 

 

 

 

「メビウゥゥウウウウウウウス!!!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

リーネが叫ぶが、今の彼女たちの位置からでは到底間に合わない!

皆がそう思ったその時―――

 

 

バシュゥウッ

 

 

「!?」

「え………?」

「あれは………?」

 

突如、金色の光が飛来して青色熱線を弾き返し、驚くベムラーと芳佳たちの間にとどまった。

 

「あれは………!」

「間違いない!」

「来てくれたか!!」

 

「メビウスの環(∞)」のような軌跡を描きながら見る見るうちに人型になって行く光を見つめて、リュウたちが感嘆の声を漏らす。

 

 

 

赤いラインを走らせた銀色の身体、頭頂部とこめかみには後方に伸びるヒレ状の突起を持ち、胸にはひし形の『カラータイマー』を青く光らせ、左腕に『メビウスブレス』がきらりと輝く。

 

 

 

 

 

「ウルトラマン………メビウス………!」

 

 

 

 

 

『ウルトラマンメビウス』が、戦場に降り立ったのだ。

 

 

 

 

 

「銀色の、………巨人!?」

 

始めて目にする巨人(ウルトラマン)の姿に、坂本は驚きの声を上げる。メビウスの姿を見たベムラーが興奮して吠える中、メビウスは二人に振り返ると、未だ上空で赤いビームを放つネウロイに視線を移した。

 

「……ここは任せろと言うのか?」

『………』

 

坂本の言葉に、メビウスは頷いて見せた。二人はしばし、メビウスの目を見ていたが、決心したかのように芳佳が坂本の肩を叩いた。

 

「行きましょう、坂本さん!」

「宮藤……そうだな。頼んだぞ!」

 

メビウスにそう叫ぶと、二人はネウロイに向けて飛び立っていった。

 

「ギャァアアアアアアアオオオオオ!!」

 

二人の姿を見送ったメビウスは、尻尾を振りまわしながら咆哮を上げるベムラーに向き直ると、拳を作った左手を上に、開いた右手の指先をベムラーに向けた構えを作り、駆けだした。

 

『セヤアッ!!』

 

メビウスに向けて青色熱線を放つベムラーだが、メビウスは走りながらブレスに右手を添えてから突き出し、光の刃『メビュームスラッシュ』を手裏剣のように連続で発射して相殺、ベムラーに十分近づくとその首筋に連続でチョップを入れると、その姿勢のまま回し蹴りを喰らわせた。

起き上ったベムラーは怒ったように吠えると、メビウスに向けて熱線を連続で発射するが、メビウスは目の前に金色のバリア『メビウスディフェンサークル』を発生させて防いでみせると、空高くジャンプ、数回空中で回転を加えてベムラーの頭目がけて飛び蹴りをお見舞いして転倒させる。

 

ベムラーの青色熱線は非常に強力な光線ではあるが、その分前足が退化している影響で格闘戦は苦手としている。それを知っているからこそ、メビウスは接近戦でダメージを与えているのだ。

 

頭を強く打ったのか目を回すベムラーを見たメビウスは、好機とみてメビウスブレスに手をかざそうとした。

 

「キィィィイイイイイイ!!」

ドォオン

『ぐああ!?』

「メビウス!」

 

だがその時、上空のネウロイの放った赤いビームがメビウスの背中を直撃、メビウスはうつぶせに倒れてしまった!

 

「ギャァァァァァァアアアアオオオオオオオオ!!」

 

回復したらしいベムラーはそれを見ると、お返しとばかりに熱線を発射、メビウスに大ダメージを与えた!

その時、メビウスの胸のカラータイマーがピコン、ピコンと音を立てながら赤く点滅をし始めた。

ウルトラマンは地球上では3分間しか活動できず、カラータイマーの点滅は時間の経過や、エネルギーの消耗を知らせるものなのだ。

 

「な、何か赤く光り出したけど…?」

「ひょっとして、危険なんじゃあ?」

「ええ!?」

 

上空の芳佳たちにはそのような事など知る由もなかったが、苦戦するメビウスの姿を見て、彼が危険である事は理解できた。

ふらつきながらも立ち上がるメビウスに向けて、再度攻撃を仕掛けようとする二大怪獣。

それを見たリュウは、CREW GUYSジャパン隊長として、隊員たちに指示を飛ばした。

 

「“メテオール”、解禁!!」

 

隊長の解禁宣言により、パイロットたちはコックピットの厳重にロックされたスイッチを押しこみ、出現したレバーを掴んだ。

 

「パーミッション・トゥ・シフト!マニューバ!!」

 

宣言と同時にレバーを押し上げると、各機に内蔵されたイナーシャルウイングが展開され、金色の粒子を纏った『マニューバモード』に変形した!

 

「変わった!?」

 

ガイズマシンが変形した事に驚く三人であったが、ベムラーとネウロイの攻撃が同時に発射され、メビウスに迫る!

 

「スパイラル・ウォール!!」

 

だが、その間にガンブースターが割って入ると機体を回転させ、金色のバリアを発生させてネウロイのビームとベムラーの熱線を防ぎ、威力の上がったガトリングデトネイターをベムラーに向かい放った!

 

「ギャァオオオオン!!」

 

悲鳴を上げ倒れるベムラーをよそに、上空のネウロイは、再度メビウスに向けてビームを放とうとした。

 

「ファンタム・アビエイション、スタート!!」

「!?」

 

だが、ネウロイの目の前にガンウィンガーが現れ、金色の粒子をまき散らしながら分身を残しながら周囲を変則的な飛行を行い、ネウロイを翻弄する!

 

「てめえの相手はこっちだ!」

「こっちは私たちが!」

 

ガンウィンガーのリュウが機首のビークバルカンを、芳佳が手にした機関銃を浴びせながら叫び、ネウロイはそちらに標的を変える。

一方、起き上ったベムラーが怒りの咆哮を上げ、再び口から熱線を放つ体勢を取る。

 

「ブリンガーファン、ターン・オン!!」

「!?」

 

だが、ガンローダーの両翼に装備された荷電粒子ハリケーン『ブリンガーファン』が起動し、一対の竜巻がベムラーを巻き上げ投げ飛ばし、地面に叩きつけた!

 

「スゴイ……」

「宮藤!」

「は、はい!」

 

ガンローダーの隠された能力に驚き、今現在メビウスにヘッドロックからの連続チョップを受けるベムラーを見ていた芳佳であったが、坂本の呼びかけに慌てて返事をする。

坂本は右目の眼帯を外し、赤く光る右目でネウロイの方を見ていた。

 

「コアの位置が分かった!尾翼付近の深い所だ!」

「はい!」

「だが、本当に深い所だ………リーネのライフルでも届くかどうか………」

「………尾翼付近だな?」

 

坂本が不安そうに呟いているその時、聞いていたらしいリュウが、ネウロイに照準を合わせた。

 

「残り後15秒です!ここは一気に!」

「俺も同じ意見だ!」

 

ハルザキに賛同すると、リュウは操縦桿のスイッチに指をかけた。

 

「“スペシウム弾頭弾”、ファイヤー!!」

 

リュウが叫びながらスイッチを強く押すと、ガンウィンガーの左右に設置されたミサイル発射管から3発の“スペシウム弾頭弾”が発射され、ネウロイの上半分を吹き飛ばした!

 

「キィィィイイイイイイイイイイ!?」

「うわぁ!?」

「スゴイ……」

「何という威力だ!?」

 

スペシウム弾頭弾の威力に舌を巻く三人。その時、ネウロイの吹き飛ばされた部分に、赤い正十二面体のクリスタルが見えた。

 

「見えた!」

「あれがコアか!」

 

コアの出現に声を上げるリーネと、初めて見るネウロイのコアに関心の声を漏らすハルザキ。だが喜んでいるのもつかの間、ネウロイのボディは徐々に再生していき、コアを隠そうとする。

 

「再生が早い!早くコアを―――」

《Return to Cruise.》

「時間切れ………!」

 

丁度その時、メテオールの限界時間の1分に達したため、ガンウィンガーはマニューバモードからクルーズモードに変形してしまう。

 

「こんな時に……!」

「………いや、問題なさそうだぞ?」

「え?」

 

「再生しきる前に!!」

 

ネウロイのその真上、対戦車ライフルの照準を合わせるリーネがその引き金を引いた!

数秒の間が空いて、今にもコアを隠しきれそうなほど再生していたネウロイの装甲に弾丸が命中、再びコアが露出した!

 

「やったぁ!」

「坂本さん!」

「応!!」

 

叫びと共に坂本は刀を構え、コアに向けて急降下をする!

 

 

 

「グゥウウウウウ………」

 

一方、地上ではベムラーとの戦いも決着の時が近づいていた。

メビウスの連続攻撃を受け、ベムラーは足をふら付かせ、既にグロッキー状態。倒すのならば今しかない、そう判断したメビウスは、左腕のメビウスブレスの中央に光る、赤いクリスタルに手をかけた。そして、クリスタルを回転させるように両手を横に伸ばす。そして、それを頭上に回すと、両手に金色のエネルギーが蓄積されていく。

そしてエネルギーが極限までたまるのを感じ取ったメビウスは、その両手を十字に組んだ。瞬間――――――

 

 

 

 

 

『セヤァアアアア!!』

バシュゥウウ

「グャアアア………」

 

 

 

「必殺!烈ッ風ぅうう斬ッ!!!」

ズドォオオン

「キィイイ………」

 

 

 

組まれた腕から放たれた金色の光線―――メビウスの必殺技『メビュームシュート』がベムラーに吸い込まれ、倒れこんだベムラーは大爆発起こし、

坂本の烈風斬の一撃がネウロイのコアに叩きこまれ、ネウロイはガラス片のように砕け散った!

 

「ィィイイイやったーーーーーー!!」

「おっしゃああああ!!」

 

ベムラーとネウロイが倒された事に、ガイズマシンや芳佳たち、そしてフェニックスネストのトリヤマたちから歓喜の声が上がる。

上空では、喜びのあまりに芳佳がリーネに抱きつき、それを見て呆れながらも笑みを浮かべる坂本。

 

「それにしても………」

 

ふと、坂本はこちらを見上げるメビウスの姿を見た。ネウロイとの戦いに気を取られていたが、突然現れた銀色の巨人に今更ながら疑問を持った。

 

「あの巨人は、一体………?」

 

メビウスは坂本や芳佳たちに向けて頷くと、遠い空を見上げた。そして、

 

『シュワッ』

「あ………」

 

そのまま両手を伸ばし、空の彼方へと飛んで行った。

 

「行ってしまった………」

「あの、どなたか知りませんが、ありがとうございましたーーー!」

 

芳佳は、メビウスの飛んで行った方に手を振りながら大声でお礼を言う。リュウはメビウスが飛んで行った方を見て笑みを浮かべると、いつまでも手を振る芳佳たちを見た。

 

「さーてと。」

「隊長、あの子たち……」

「分かってるよ。オイお前ら!約束通り事情を聞かせてもらう!着いてこい!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「そうか、俺の留守中にそんな事が……」

 

その日の夕方、神奈川県のとある民家で40代くらいの男性、GUYSジャパン総監、サコミズ・シンゴは、ミサキからの通信を受けていた。

 

[彼女たちの事情聴取は、明日より行う予定です。]

「分かった。こちらも、ハルカ姉さんの遺品整理がようやく片付いた所だ。俺も、明日は同席しよう。」

[お願いします。]

 

ミサキとの通信を切ったサコミズは、茜色に染まる空を見上げた。

 

「空から降って来た少女たち、謎の金属怪獣、再び現れた怪獣………」

 

何か、嫌な予感がする、そう思いながらも、サコミズは部屋に戻って行った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

そして今、異界の魔女たちは、一人の若き勇者と出会った。

 

 

 

彼の名は、『ウルトラマンメビウス』。

 

 

 

 

 

つづく




第一話です。
『M78ワールド』に来ちゃった芳佳たち。ウィッチたちに何があったかは次回、と言う事で。

ハルザキ以外のメンバーは『アーマードダークネス』から男女1人ずつが判明していたので、それにオペレーター的役割を一人足しました。外見などは過去のウルトラシリーズのキャラクターをモデルにしていますが、名字は『電光超人グリッドマン』のレギュラーキャラに由来。

ネウロイの別名は色々考えて『異次元怪異』にしてみました。ちなみに、今回登場したネウロイには元ネタがあります。ヒントはアーチ状のパーツ。答えは、次回のあとがきで発表します。

では、また次回。
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