ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第十一話 怪獣牧場の罠

 

 

 

惑星グルータス 司令施設

 

「おっと、今回は冒頭からいきなりワタシの出番か。まあ、アストロモンスが育ったし、当然の事ではあるな。」

 

司令官室のモニターで成長したアストロモンス3体を見ながらほくそ笑むゴンゴルド大佐。

 

「しかし、異世界のウルトラマンの登場には驚かされたな。しかも2人だし。」

 

モニターの映像がダイナとジョーニアスに移ったのを見て、ゴンゴルドはつぶやく。しかし、と手元のスイッチを押すと司令室の後ろにあるシャッターが開き、窓の向こうの景色が見える。窓の外は施設の内部らしく、ドーム状の広い空間が広がっていた。

 

「ワタシの可愛いアストロモンスの力を見せつければ、連中だけではなく宇宙警備隊共にも思い知らせることが出来るわけだ。そのために、火星のバラやケロニアにホオリンガ、その他諸々の植物怪獣の細胞を採取して、品種改良を施した一品なのだからな!ハーッハッハッハッハッハッ!ハーッハッハッハッハッハッ!悪役なので、意味もなく無駄に笑っております。ハーッハッハッハッハッハッ!」

 

ゴンゴルドの高笑いが、司令官室に響く。

 

ドームの中には、広いドームいっぱいの大きさもある巨大なチグリスフラワー、『チグリスマザー』が一輪、赤い花を咲かせていた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「キィィイイシャァアウ!」

「キィィイイシャァアウ!!」

「キィィイイシャァアウ!!!」

 

「あれが、チグリスフラワーが育って生まれた怪獣…!」

 

3匹のアストロモンスが、右手の鞭を振り回しながら咆哮する。血走った眼にシャーリーが戦慄すると、新しい獲物を見つけたサラマンドラとデマーガが、アストロモンスに突っ込んで行く!

 

「アアアアアアアオオオオオオオオオ!」

「ギャォオオオオオオオ!キャキャキャッキャッキュルルルルル!!」

 

2匹の怪獣が鳴きながら突進してきたのを見ると、アストロモンスの内2匹が前に出て右手の鞭をサラマンドラとデマーガに打ち付ける!怯んだ所にアストロモンスは怪獣の首に鞭を巻き付けて引き寄せ、何と、腹部の花の中央で呑み込んでしまった!

 

「アアアアアアアアオオオオオオオオ!?!?!?」

「ギャウウウウウウウウウ!?!?!?」

「キィィイイシャァアウ!」

「キィィイイシャァアウ!!!」

「何!?」

「あわわわ!食べちゃったよ~!?」

 

怪獣が怪獣を丸呑みにするというとんでもない光景を目の当たりにして、驚きを隠せないシャーリーとルッキーニ。2匹の怪獣の声が聞こえなくなったその時、パリンッ、というガラスが割れるような音がして振り返ると、バルクホルンがガギの張ったバリアを割り、直径3m程の穴が開いていた。

 

「よし!割れたぞ!」

「ナイスだバルクホルン!」

「でも、アスカ達が………」

 

穴が開いたのは良いが、未知の怪獣3匹、しかも、相手は自分と同じ位の怪獣を捕食してしまうようなとんでもない大怪獣だ。そんなものを相手にするダイナとジョーニアスが心配になるルッキーニだが、ダイナと目があった。すると、ダイナはルッキーニ達に向けて右手を向けると親指を上げ、サムズアップをする。心配するな、という意味だろうか。それを見たルッキーニは少し心配ながらも頷き、シャーリー達と共にビッグライガーとスフィンガーに襲われるマードック号へ向かった。

 

「キィィイイシャァアアウ!!!」ポンッ

「キィィイイシャァアアウ!」ポンポンッ

 

3人を見届けたダイナの前で、サラマンドラとデマーガを丸呑みしたアストロモンス2匹は満腹とばかりに腹を叩くと、ダイナとジョーニアスに狙いをつける。もう1匹も加わると意気揚々と鞭を振り回し、ダイナとジョーニアスに突っ込んで来る。

3大怪獣対2大ウルトラマンの戦いが、今始まった!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「―――あれが、メビウスの言っていた「異世界のウルトラマン」、それにウィッチたちか。」

 

この戦いの様子を遠くで見ていた1人の行脚僧が、笠のふちを持ちながらつぶやいた。

 

「今の所は大丈夫そうだが………お手並みを拝見させてもらおうか。」

 

 

 

 

 

その指には、獅子の顔が彫られた銀色の指輪が光っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十一話 怪獣牧場の罠

 

宇宙大怪獣 アストロモンス

巨大宇宙植物 チグリスマザー

熔鉄怪獣 デマーガ

再生怪獣 サラマンドラ

猛毒巨虫 ビッグライガー

侵略ロボット スフィンガー

四次元宇宙人 バム星人

幻覚宇宙人 メトロン星人マーズ

水棲獣人 ピニヤ星人ロー

宇宙蝦人間 ビラ星人フローラ

 

 

 

 

 

ウルトラマンレオ 登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギュウュウュウュウュウュ!」

「くそーこの虫公め!」

 

ビッグライガーの突進をギリギリでかわしたスーパーマードック2世号では、操縦桿を握るトベが悪態をついていた。先程見えた限りではウルトラマンも現れていた様子なので、自分たちがかなり危機的状況であると分かった。

更に地上からは、スフィンガーの破壊光線も放たれ、マードック号を破壊せんとしていた。

 

「プープルプル・プルプル、プープルプル・プルプル」

「ギュウュウュウュウュウュ!ギュウュウュウュウュウュ!」

「コイツら!キャップ!ベータミーで出撃を―――」

 

大柄な男性・マルメ隊員が進言しようとしたその時、ビッグライガーが何かに突き飛ばされ、マードック号から離された。

 

「何だ!?」

「キャップ………お、女の子が空を飛んで………!?」

「な、………何だぁありゃぁ!?」

 

トベが報告するが、キャップやマルメにも、マードック号の外で、空を飛ぶウサギや猫や犬の耳としっぽを生やした3人の女の子の姿は見えており、思わず素っ頓狂な声を上げるキャップ。どうやら、彼女たちに助けられたようだ。

そのうちの一人、重火器を2丁持った少女がビッグライガーの背後を取ると、銃器を逆さに持って大きく振りかぶり、

 

「ずおりゃぁああッ!!」

ゴギャンッ

「ギュウューーーーー!?」

 

グリップの部分で思いっきり頭を殴りつけた!

殴られた衝撃でビッグライガーは目を白黒させながら、きりもみ回転しながら地面に墜落、そのままピクピクと足を痙攣させていたが、しばらくすると動かなくなってしまった。

 

「プープルプル・プルプル、プープルプル・プルプル」

 

ビッグライガーがこと切れたのを確認し、スフィンガーは少女たちを標的とみなしてか腕を伸ばす攻撃を仕掛ける。しかし、マードック号に比べて小さい標的にスフィンガーの大振りな攻撃は通じず、逆に銃弾を浴びる羽目となってしまう。

それでもあきらめず、今度は破壊光線で応戦するも、1人の少女が展開させた「光る盾のような物」に防がれてしまう。更に少女の中の1人、赤い服の少女がスフィンガーの懐に高スピードで入り込み、機関銃の弾を左腕に浴びせた!何発もの弾丸を受けた左腕は徐々にダメージを蓄積させ、小さい爆発を数回繰り返して破壊された!

 

「プープルプップププププ、、、、、ピーピョーチャララー」

「今だトベ!あの腕の傷に攻撃だ!!」

「了解!!」

 

腕を破壊されたせいでエラーが起きたのか、今までとは違う電子音を鳴らしながらカクカクと動きを鈍らせるスフィンガーを見て好機とみなしたキャップがトベに命じる。トベは返事をすると、破損したスフィンガーの左腕に向けて数発のミサイルを放ち、ミサイルはスフィンガーの左半身に次々と着弾し、スフィンガーは大破して倒れこむ!

 

「プープルルルル……ピ―――――」

 

倒れたスフィンガーは電子音と共に目のランプが消え、完全に機能を停止した。

 

「よっしゃあ!」

「安心するのはまだ早いぞ!」

 

歓喜を上げるマルメを咎めるキャップ。未だ怪獣と戦うウルトラマンが心配だ。その時、マードック号のコックピットにピグが慌てて飛び込んでくる。

 

「キャップ!今、外を飛んでいる女の子から、ピグに通信が入ったんダナ!」

「何!?」

「何故マードック号ではなく、ピグに?」

「通信機の規格が違うせいなんダナ。マードック号では受信出来なかったけれど、ピグが電波を拾う事が出来たんダナ。」

「それでピッケル君、あの娘さんたちは何と言っとるんだね!?」

 

ニシキ博士がピグに聞く。尚、博士は何故かピグの事をピッケル君と呼ぶのだが、今は置いておこう。

 

「ええと、『今、ウルトラマンと怪獣の周囲にはバリアが張られていてマードック号では近づけないけれど、バリアは液体窒素で冷やせば無くなる。』って言っているんダナ。」

「バリアだと!?」

「キャップ!液体窒素なら、あの怪獣対策で丁度積み込んでありますよ!」

「よおし、バリアを解除して、ウルトラマンを援護だ!」

「「了解!」」「なんダナ!」

 

2人と1匹が返事をすると、マードック号は少女らと共にウルトラマンの元へと向かった。ニシキ博士は、外の少女たちを興味深そうに見ていた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「キィィイイシャァアウ!」

「キィィイイシャァアウ!!」

『ジョウワ!』

 

一方、ジョーニアスは2匹のアストロモンス (以下、A、Cとそれぞれ呼称する。) を相手にしていた。アストロモンスCが鞭をジョーニアスの右腕に巻きつけて動きを封じている隙に、アストロモンスAが鎌で切りかかる!ジョーニアスが何とかかわすと、腕を巻き付けていたCがジョーニアスを引き寄せようと引っ張ってくるが、ジョーニアスは逆に引っ張って見せてAにCをぶつけた!

 

「キィィイイシャァアウ!!」

ブシャァァアアアアアッ

『!?グゥウ………!!』

 

一方のダイナは、アストロモンス(こちらはBと呼称)が腹部のチグリスフラワーから噴射される霧状の溶解液のせいでうかつに近づけず距離を取った。ダイナは手に丸鋸状のエネルギー、ダイナスラッシュを作り出すと、アストロモンスBに向けて投げつける!光のカッターはアストロモンスBの角を切り裂き、アストロモンスBは切断された痛みに悶える!

 

「キィィイイシャァアウ!!?」

ブシャァァアアアアアッ

『!』バッ

「キィィイイシャァアウ!?」

「キィィイイシャァアウ!!!?」

 

悶えたBが暴れまわり、溶解液がジョーニアスの戦う方まで飛んできた。ジョーニアスは何とか避けたものの、アストロモンスAの鞭とCの鎌を溶かしてしまった!

 

「キィィイイシャァアウ!」

「キィィイイシャァアウ!!!」

「キィィイイシャァアウ!!」

 

耐えがたい痛みに悶え、暴れだす3匹のアストロモンス。その時、スーパーマードック2世号から機雷が投下されバリアに当たる。瞬間、機雷が破裂して中に詰まった液体窒素がバリアを冷やし、バリアは崩壊した。

 

『マードック号は無事だったか。』

『こっちもさっさと終わらせようぜ!』

 

ダイナの言葉にジョーニアスは頷くと両腕をL字に構え、ダイナは腕を十字に構えると、密集する3匹のアストロモンスに光線を発射した!

 

「「「キィィイイ!?」」」

ドォオン!

 

ジョーニアスの「プラニウム光線」とダイナの「ソルジェント光線」を頭部に受けて、アストロモンス達の頭は吹き飛んで動かなくなった!

 

「やったー!」

「倒したか………」

「やれやれ、俺たちが心配するまでもなかったなー!」

 

上空ではウィッチ達と科学警備隊の面々が動かなくなったアストロモンスを見て歓喜を上げる。

 

『………?』

『どうした、ダイナ?』

「アスカ……?」

 

しかし、ダイナは頭のない立ったままアストロモンスの死体に違和感を覚える。

不信に思い、ダイナがアストロモンスの死体に手を掛けると、

 

 

 

グニャァリ

 

 

 

『!?』

「なに!?」

「あれは………抜け殻!?」

 

アストロモンスの死体は、3つともグニャリと地面に落ちる。それに中身はなく、脱皮した後の抜け殻であったのだ!

更に、密集していて気が付かなかったが、3匹の怪獣の足元には怪獣が通るのに丁度いいくらいの大きな穴が開いていた。

 

「光線の当たる寸前に脱皮して、地中に逃れたというのか!?」

「あの一瞬でそんな芸当を!?」

 

アストロモンスの行動に舌を巻く一同。という事は、アストロモンスは今現在地底でこちらの動きを見ているのだろうか。

2人のウルトラマンは背中合わせになると地面に意識を集中させ、上空のマードック号やウィッチ達も警戒する。

その時、2人の近くの地面が盛り上がったかと思うと、2本の触手が飛び出しジョーニアスを襲う!

 

「ヒカ…ウルトラマン!」

『!!』

 

マルメの声に弾かれ、ジョーニアスは振り返り2本の触手を掴む!

更に、反対側の地面も盛り上がると、中から火炎放射が噴出し、ダイナはギリギリで回避した!

 

「キィィイイシャァアウ!!」

「キィィイイシャァアウ!!!」

 

そして、地面から咆哮と共に2匹のアストロモンスが出てきた。だが、その姿は大きく変わっていた。

 

ジョーニアスに鞭を喰らわせた個体は両手が平く、2本の爪の間から触手を鞭のように伸ばし、頭の角は稲妻型に歪んでいる。

 

もう1匹は、背中に翼や炎を思わせるヒレを生やし、両手は鋭い爪の5本指となっていた。

 

「あの怪獣の姿は………!?」

「さっき血を吸われた怪獣に似ているぞ!?」

 

そう、2匹のアストロモンスの姿は、先ほど生き血を吸いつくされた怪獣、ガギとグレイガスのものによく似ていた。その時、ガギに似た個体(アストロモンスB)の角が光ったかと思うと、触手を掴んだままのジョーニアスに向けて赤い光線が発射され、ジョーニアスの胸に当たってしまう!

 

『ジョーニアス!』

「キィィイイシャァアウ!!!」

ゴォオウッ

 

ジョーニアスがやられた事に驚くダイナであったが、もう1体のアストロモンス(アストロモンスC)が炎を吐き出す!ダイナは咄嗟にバリアを張って防御するが、アストロモンスCの炎は止まらず身動きが取れない。

 

「ウルトラマンを援護だ!」

「了解!」

「我らも行くぞ!」

「「了解!!」」

 

キャップとバルクホルンの号令に各々が返事をすると、宇宙大怪獣に向けて降下をしていく。だが、再度地面が爆ぜると地中から最後の1匹が飛び出して行く手を遮った!

 

「キィィイイシャァアウ!」「キィィイイシャァアウ!」「キィィイイシャァアウ!」

 

やはりこの個体(アストロモンスA)も血を吸いつくされたジャニュール三世のように、腕の代わりに3つの長い首を、足の代わりに蛇を思わせる長い胴体と2つに分かれた尾を持っており、3つの首それぞれが威嚇の鳴き声を上げていた。

 

「コイツも出たか………!」

「コイツは私が引き付ける!ダイナたちの方へ!」

「ああ、シャーリー!?」

 

シャーリーはそう言うと、アストロモンスAに機関銃の弾丸を浴びせながら猛スピードで周囲を飛び始める。アストロモンスAはシャーリーに狙いを定め口から火を吐くが、シャーリーは急上昇して回避をした。

 

「ふう、この高さなら、奴の攻撃は来ないな。このままヒット・アンド・アウェイで………」

 

シャーリーが高い位置からアストロモンスAを見下ろしたその時、信じられないことが起きた。

 

「キィィイイシャァアウ!」「キィィイイシャァアウ!」「キィィイイシャァアウ!」

「……んなぁあ!!??」

 

何と、アストロモンスAがこちらまで「飛んでくる」ではないか!こちらに突っ込んでくるアストロモンスAを咄嗟に避けると、アストロモンスAはシャーリーを通り過ぎて上昇し、方向転換して再度突進を仕掛けてくる。

 

驚くべきことにこの宇宙大怪獣は、翼や飛膜の類を持たないと言うのにマッハ3の速度で飛行することができるのだ。蛇のような姿に変わった今でも、その飛行能力が残っていたのである。

 

アストロモンスAは蛇のように尾をくねらせながら飛び回り、逃げるシャーリーを追跡していく。いくらスピード自慢のシャーリーであっても、最高速度マッハ3のアストロモンスにはかなわない。

 

「シャーリーが危ない!」

「トベ!ミサイルだ!!」

「了解!!」

 

シャーリーの危機にキャップが命じると、スーパーマードック号からミサイルがアストロモンスAに向けて発射される。しかし、放たれたミサイルはアストロモンスAの手前10数メートルの地点で爆発してしまい、アストロモンスAはそのままシャーリーを追って飛び去ってしまった。

 

「何だ、今のは!?」

 

マルメが驚きの声を上げる。だが、バルクホルンはミサイルが「見えない壁」に当たって爆発したのを見ていた。

 

「まさか、さっきのバリアか!?」

「ええ!?でもでも、さっきのバリアはあの飛行機が消したんじゃないの!?」

「そのハズだが……まさか!?」

 

バルクホルンは、ジョーニアスと戦うアストロモンスBを見た。あの個体は、先ほどのバリアを発生させていた怪獣ガギに似た外見をしていた。だがもしも、あの怪獣が外見だけではなく、能力までそのままなのだとしたら?

 

「まさか、あの怪獣が再度バリアを!?」

「ええー!?」

 

ルッキーニが驚きの声を上げるが、そうとしか考えられなかった。ダイナやジョーニアスが何とかしようとしているものの、2匹のアストロモンスがそれを許さない。そうこうしている内に、アストロモンスAがシャーリーの目の前に回り込み、その大きな(あぎと)を開く。

 

「しまっ………」

「シャーリー!!」

 

ルッキーニの悲痛な叫びが響く。そして、アストロモンスAの口から炎が放たれようとしたその時―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『イィヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

ゴギャアッ

「ガ………!?!?!?」

「キィィイイシャァア!?」

 

「………ぇ?」

 

 

 

 

 

突如、空から「赤い影」が飛んできたかと思うとアストロモンスAの中央の首が大きくひん曲がり、そのまま赤い影に押し込まれるように地面に向けて急降下していく!

 

『あれは………!?』

「!ルッキーニ!バリアから離れろ!!」

「え?」

 

こちらに向かってくるアストロモンスAを見て、バルクホルンが叫ぶ。そして、赤い影はみるみる内にこちらに近づいてくる。そして、

 

『ハィィイイイイイイイイイイイヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』

「ギ、キィィイイ………」

ゴシャァアッ

 

そのままバリアに激突すると、バリアを突き破って地面に激突!土煙をもうもうと巻き上げ、周囲に衝撃波を発生させた。

 

『グゥウ………!?』

『今のは!?』

「キィィイイシャァアウ!!?」

「キィィイイシャァアウ!!!?」

 

その場にいた全員が衝撃波に動きを止める。土煙が晴れてくると、そこには中央の首が千切れて倒れるアストロモンスAのそばに立つ、1人の巨人がたっていた。

 

獅子の鬣の如くさかだった銀色の頭に鋭い眼光を放つ金の瞳、青いカラータイマーの周りを銀色のプロテクターが包み、腹部には銀色の文字が刻まれ、腕には銀のブレスレットが1対、左二の腕には金色の腕輪を着けた戦士―――赤き獅子の王子、『ウルトラマンレオ』だ!

 

「ウ、ウルトラマン………!?」

「ウルトラマンが、3人も………!」

 

3人目のウルトラマンの出現に驚く一同。

 

「キィィイイシャァアウ!!!」

「キィィイイシャァアウ!!」

 

その時、驚いて動きの止まっていたアストロモンスBとCが、再度ダイナとジョーニアスに襲い掛かる!

 

「キィィイイシャァアウ!」「キィィイイシャァアウ!」

『む!?』

 

更に、レオの背後に倒れていたアストロモンスAも起き上がり、左右の首がレオに吠え掛かる。どうやら、首を1本失っても平気なようだ。

 

その時、ダイナの胸のカラータイマーが赤く点滅し、ピコン、ピコン、という音を鳴らし始めた。

 

ウルトラマンダイナが活動できるのは、わずか3分間のみである。胸のカラータイマーの光が消えると、ダイナは二度と立ち上がることはできないのだ。

 

『ハァッ!』

「!ダイナが!?」

 

限界が近い事を悟ったダイナが胸の前で腕を交差させると、額のクリスタルが輝きを放つ。

 

『フゥゥウウウウウ………ダァアッ!』

 

輝きが収まると、銀色の身体に青いラインを描き、額のクリスタルも青く光らせる、青いダイナがそこにいた。

 

「ヴェネツィアの時とは、また別の姿だ………」

「今度は青くなった!」

「キィィイイシャァアウ!!!」

 

ダイナが姿を変えたその時、上空のルッキーニ達に気づいたらしいアストロモンスCが、炎を吐き出そうとしていた。ダイナはそれに気づくと飛び上がり、体を丸めて回転しながらアストロモンスCの目の前に立ちふさがる。突如現れたダイナにアストロモンスCは驚くも、鋭い5本の爪で斬りかかる。

 

『ハッ!』

「!?」

『デュア!デヤァッ!』

 

しかし、ダイナは高速で回避、なおも追おうとするアストロモンスCであったが、ダイナはアストロモンスCの周囲を目にも止まらないスピードで動き回り、早すぎて追うことが出来ない。アストロモンスCはダイナの動きを追っている内に、フラフラと目を回してしまった。

 

『ハッ!フゥゥウウ………』

「キ、キィィイイシャァアウ!!!?」

 

ダイナはアストロモンスCが目を回したのを見ると、額に手を当てて気を集中させる。すると、見る見る内にアストロモンスCは宙に浮いていくではないか!慌てたアストロモンスCはジタバタと手足を動かすが、そんな事をして元の地面に戻る訳がない。

 

「キィィイイシャァアウ!!!」

 

それならばと、アストロモンスCは口から火炎を放つ!だが、ダイナは右手の平で火炎を受け止めると、そのまま炎を吸収した!

 

『フゥゥウウウウ………ダァアアッ!!』

 

そのまま腕を突き出すと、アストロモンスCに向けて受け止めた炎を撃ち返した!

ダイナの必殺技の1つ、超衝撃波・『レボリウムウェーブ(リバースバージョン)』である!

 

ゴォォオオオオオオ

「キィィイイシャァアウ!!!??」

ドォオオオン

 

撃ち返された炎に焼かれ、アストロモンスCは断末魔と共に爆発四散した!

 

「キィィイイシャァアウ!!」

『ム!?』

 

一方のジョーニアスも、胸のスターシンボルが黄色に変わり、エネルギーの限界が近づいていた。ジョーニアスはアストロモンスBの鞭攻撃をジャンプで避けると、そのままの勢いで飛び蹴りを食らわせ、額の角をへし折った。アストロモンスBが悶えるが、ジョーニアスは隙を与えず首筋に数発大振りの肘打ちを食らわせ、更に蹴り飛ばした。

 

「キィィイイシャァアウ!!」

 

蹴り飛ばされたアストロモンスBが起き上がろうとするが、ジョーニアスは再度腕をL字に組んで右腕にエネルギーを溜め、溜まったエネルギー弾型の『プラニウム光線』を宇宙大怪獣に目がけて投げつけた!

 

「キィィイイシャァアウ!!?」

ドゴォオン

 

破壊力に特化したタイプのプラニウム光線を受け、アストロモンスBは胴体から爆散した!

 

「キィィイイシャァアウ!」「キィィイイシャァアウ!」

『フッ、タァアッ!!』

 

そしてこちらは、大蛇型のアストロモンスAと対峙するウルトラマンレオ。左右の長い首から繰り出される噛みつき攻撃をレオは腕で正確に払い、逆に首と胴にダメージを与える。アストロモンスAが後退するがレオは飛び上がると同時に足で踏みつけて背後にまわり、背中に蹴りを喰らわせた。

 

「キィィイイシャァアウ!」「キィィイイシャァアウ!」

『タァァアアアア!!』

 

蹴られた怒りからか、大きな咆哮と共に再度左右同時に噛みつきにかかるが、レオは腕で弾き返し、両腕にエネルギーを集中させると流れるように手刀を素早く幾度も喰らわせる『流れ斬りの技』を放ち、アストロモンスAの首がすっ飛んだ!

 

「キ………」「シャ………」

 

首を全て切断されてはさしもの宇宙大怪獣も無事な筈はなく、絶命したアストロモンスAは、地面に伏したのであった。

 

「やった!」

「倒したか………!」

 

3匹の宇宙大怪獣が倒されたのを見て、安堵の域を吐く一同。しかし、ここが敵地である以上、ゆっくりはしていられない。既に、遠くの方から数十人のバム星人のホバーバイク部隊が向かってきていた。

 

[君たち、下がっていてくれ!]

「!?マーズ!?」

 

その時、彼女たちの通信機にメトロン星人マーズの声が届く。一体、いつの間に通信機の周波数を調べたのだろうか?そう思っていると、バム星人たちの手前から赤い煙幕が発生し、星人たちはその中へ突っ込んでいった。

 

「うわぷ!?」「な、何だこの煙は!?」「おい、みんな大丈夫か………」

 

バム星人たちが混乱しているが、しばらくすると声が聞こえなくなる。そして、更に少し経つと………

 

「………ガアアアアアアアアアアア!!」「うわああああああああああああああ!!」「ウバッシャァアアアアアアアアアアアアア!!」

「お、おいお前ら……ぐわあ!?」「やめろお前ら………ギャアア!?」

 

バム星人たちは奇声を上げながら、手にした銃を乱射し始めた!正気の星人たちは止めようとするも、発射された銃弾の餌食となり、次々と倒れていく。

 

「何が起こって………?」

「宇宙ケシの実を利用した、特性の幻影煙幕だ。」

「マーズ!」

 

声がしたので振り返ると、いつの間にかマーズとローの2人が浮遊する円盤型の乗り物に乗っていた。

 

「今のうちに、私についてきてくれ。我々のアジトまで送ろう。」

「分かった!」

「あっちの飛行機の方々も。」

 

そういうと、2人の乗った乗り物は発進し、3人とマードック号もついていく。一方のウルトラマン達も空に飛びあがると、光になって消えて行った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ええい、何やっているんだお前らは!!」

 

数時間後、惑星グルータスに夜が訪れた頃、司令施設でゴンゴルド大佐は尖った槍状の右手を振るって、目の前のバム星人数名に怒鳴っていた。

 

「も、申し訳ありません!」

「全く、レジスタンス共が想像以上に厄介な上に、地球人や宇宙警備隊まで現れて混乱しているのは分かるが、だからってこんな強制的人員削減やらかすのはどうなんだよ!」

 

頭を掻きながら文句を言うゴンゴルド。カウント達提督の「計画」が迫っているため、アストロモンスの『納品』を急かされているのだ。ただでさえ人員は限られているというのに、これ以上減ってしまっては支障が出る。

 

「ウルトラマンレオや未知の戦士2人が現れたという事は、連中はこれを機に明日にでもここに乗り込んでくるかもしれん。他のウルトラ兄弟もいずれ来るだろう。そうなったら元も子もない。」

「大佐………」

 

ゴンゴルドは拳を握りしめる。

 

「………いざとなったら、チグリスマザーを活性化させて、連中に当てる。命の惜しい連中は、今のうちに母星に帰るよう、伝えておけ。」

「大佐!」「そのような事………!」

「ワタシにそこまでの忠誠を誓う必要はない。命がありゃあ、後は何とでもなるからな。」

『大佐ーーー!』

 

ゴンゴルドなりの優しさに、バム星人たちは叫んだのであった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

同じ頃、惑星グルータスのとある岩山

 

「それにしてもマーズ、ずいぶん大勢のお客さんを連れてきたわね?」

「いやあ、私もここまで大所帯になるとは思っていなかったよ。」

 

そう言うのは、マーズ達の仲間であるフローラと名乗る宇宙人であった。エビを思わせる平たい顔と細長い胴体を持ったビラ星人の彼女は、細い脚を動かしながらアスカ達を出迎えてくれた。

 

「初めまして、『科学警備隊』隊長のゴンドウ大助だ。」

「マルメ敬だ。」

「トベ博明です。」

「ヒカリ超一郎です。」

「ピグなんダナ。あっちにいるのはニシキ博士なんダナ。」

「ん、どうも。」

「アスカ・シンです。」

「ゲルトルート・バルクホルン大尉であります。」

「シャーロット・E・イェーガー大尉です。」

「フランチェスカ・ルッキーニ少尉でーす。」

 

ヘルメットを脇に持ち、自己紹介をする科学警備隊とアスカ達。なお、隅に置かれたストライカーに興味津々であるニシキ博士は、こちらをちらりと見て適当に返事をした。

 

「宇宙警備隊所属、ウルトラマンレオ。この姿の時は、「おゝとりゲン」と呼んでくれ。」

 

最後に、黒いゆったりした服の上からブラウンの羽織を着た初老の男性、おゝとりゲンが、そう名乗った。

 

「さて君たち、改めてようこそ、宇宙レジスタンス「アンドロメダの夜明け」のアジトへ。」

「ああ。」

「レジスタンスのわりに、結構装備は充実しているみたいだな。だけど………」

 

岩山の洞窟を利用したと思わしきアジトは意外と広く、スーパーマードック2世号が収容されても十分な広さの滑走路に加え武器弾薬の入った木箱や赤い顔のようなロゴの入った燃料のドラム缶、食料といった物資が置かれ、通信機やレーダーの類も見られる。しかし、何故かそれらの中央には六畳一間の畳と丸いちゃぶ台、箪笥に冷蔵庫までが置かれており、非常にシュールな雰囲気を醸し出していた。

 

「………何でアジトのど真ん中に、昔懐かしい昭和な感じのスペースがあるんだ?」

「いやなに、昔地球に行った同胞が持ち帰った地球の文化が流行してな。いつの間にか、母星に根付いてしまったのだよ。」

「わざわざ持ってきたのか………」

「地球の文化に馴染みすぎだろ、お前ら。」

「でも、タタミって落ち着くよなー」

「分かるわー」

 

畳に腰掛けながら言うローとフローラに呆れながらも(ビラ星人である彼女が座っているかどうかを判別するのは難しいが)、マーズ達に続き靴を脱いで畳に上がるアスカ達

 

「いやあお待たせ。なかなか興味深い機械だよ、ありゃあ。」

「今、お茶を出すよ。」

 

ニシキ博士もやって来ると、マーズは冷蔵庫を開けて人数分の缶の飲み物を出した。

 

「ほい、眼兎龍(めとろん)(ちゃ)。あ、味と成分は、地球のお茶とそんなに変わらないよ。」

「どうも………」

 

メトロン星人を模したと思わしき派手な色に『眼兎龍茶』と書かれたお茶の缶に戸惑いながらも、プルタブを開けて恐る恐る一口飲んでみる地球人一同。

 

(………あ、普通においしい。)

 

全員、そう思った。

 

「さて、一息ついた所で、お互いに情報交換をしようではないか。」

 

マーズが、ちゃぶ台の前に胡坐をかいて切り出した。

宇宙人とちゃぶ台、妙に親和性の高い組み合わせだと全員が感じた。

 

 

 

 

 

「―――なるほど、異世界のウルトラマンにウィッチか………」

「どうやら、君たちの世界と我々の世界とでは、異なった歴史の歩み方をしているようだな。」

「確かに……U40という惑星に住むウルトラマンの話なんて、聞いたこともないな……」

 

お互いの話――U40の事、ウィッチやネウロイの事、グランスフィアの事、等――を聞いて、何名かがこの「M78星雲 光の国」のある世界とは別の次元世界の出身である事が確認された。

 

「しかし、我々はあのゲートを起動させれば元のU40のある世界に帰れるが、君たちはそうはいかないのだろう?」

 

トベがアスカやバルクホルンに聞くと、アスカが「まあな。」と返事をする。

 

「ま、俺は元々色んな次元を流れているから、元の世界にすぐに帰ろうとは思ってないけどな。」

「何じゃキミ、迷子か。」

 

気に入ったのか、3本目の眼兎龍茶に口を付けながら言うニシキ博士に、ずっこけそうになるアスカ。

 

「………ま、あながち間違ってはいないけど………」

「まあどちらにしろ、そのなんとかいうヤツらを何とかしない事には、この星から脱出する事は不可能じゃな。」

 

眼兎龍茶の缶をちゃぶ台に置き、そう決定づける博士。ゴンドウキャップも、同じ意見であったのか頷いた。すると、マーズが大丈夫だと身を乗り出した。

 

「こうして宇宙警備隊が来てくれて、更に偶然とはいえウルトラマンが3人もいるのだ。それに、あのアストロモンスも、これ以上増えないようにする方法も見つかっている。」

「そうなのか?」

「ああ。先程、ローが敵地に潜入して手に入れた情報だ。実をいうと、ローには一昨日から敵の施設に潜入してもらい、情報を集めてもらっていたんだ。」

 

マーズの説明にそうなのか、と一同が頷いていると、ふと、シャーリーは気づいた。

 

「もしかして、あの時滝壺から出てきたのって?」

「ああ、あの場所でマーズと落ち合う手筈だったんだ。思わぬ攻撃を受けたけどね………」

「あー………何か、ゴメン。」

 

気まずそうに謝るシャーリーに、ローはいいんだよ、と返す。マーズは、話を続けた。

 

「ローの話によれば、奴らの施設の中に『チグリスマザー』と呼ばれるチグリスフラワーの母体が存在するそうだ。それを破壊できれば、この惑星内のチグリスフラワーを一挙に駆除できるわけだ。」

「母体か………」

 

マーズの話を聞いて呟くバルクホルン。今度は、ゲンが口を開いた。

 

「既に他のウルトラ兄弟にもグルータスの状況は伝わっている。明日にでも到着するだろうが、それを待たずに施設に乗り込もう。」

「ああ。その為の「秘密兵器」もある。今日の所は明日の準備をして、ゆっくり休もうではないか。」

 

マーズがそう締めて、ちゃぶ台を囲んだ会議はお開きとなった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「では、宮藤や少佐たちは、地球に!?」

「ああ。私の仲間で、ウルトラ兄弟の一員でもあるメビウスと、地球の防衛チームと共にいる。」

「芳佳たちも無事だったんだー!!」

「よかったな、お仲間が無事で。」

 

少しして、ゲンから地球で501のメンバーが保護されている事を聞き、安堵の息を吐くバルクホルンとルッキーニ。ゲンは地球にいるメビウスからウィッチの事を聞いており、科学警備隊ほど驚いてはいなかったのだ。

 

「うーむ、しかし不思議だ。ここまで機械がぎっちり詰まっているんじゃあ、足何て入らないぞ?」

「おーい、ウサギのお嬢さん、ここは何の機能があるんじゃ?」

「ああ、そこは魔力フィールドの発生装置で、そこから足を異空間に移すんだよ。」

「なるほど、それでか………」

 

一方のシャーリーは、トベとニシキ博士に頼まれてストライカーユニットのハッチを開き、構造の解説をしていた。なお、ニシキ博士の呼び名は特に気にしていないらしい。

ふと、ヒカリがアスカに気になったことを聞く

 

「しかしアスカ君、ダイナの姿が変わったのには驚いたよ。」

「あ、そういえばそうだな。」

「ヴェネツィアでは、赤くなっていたよね?」

 

バルクホルンとルッキーニも、思い出したように声を上げた。

 

「タイプチェンジの事か。」

「タイプチェンジ?そんなものがあるのか?」

 

アスカが何てことないように答えると、ゲンが聞き返した。

彼もまた、ダイナの姿が変わった事は『光の国』のウルトラマンにはない能力であるため、気になっていたのだ。『光の国』で一番近いのは、メビウスがナイトブレスを使って変わる「メビウスブレイブ」や、GUYSの仲間との絆で生まれた「バーニングブレイブ」、そしてGUYSとウルトラマンヒカリと合体した「フェニックスブレイブ」であろうか。タロウの「ウルトラオーバーラッピング」や「スーパーウルトラマン」は、少し違うだろう。

 

「ああ。俺や、俺の世界にいたもう1人のウルトラマン、『ティガ』は能力をある方向に特化させた形態に変わることが出来るんだよ。」

 

ダイナの場合、基本形態の「フラッシュタイプ」

パワーに秀でた赤い「ストロングタイプ」

それに、スピードと超能力が得意な青い「ミラクルタイプ」の3つの形態があるのだ。

 

「すると、ヴェネツィアで見せたものがストロングで、先程の戦闘で変わったのがミラクル、という事か。」

「なるほど、戦闘に合わせて自由に形態を変えるという事か。」

「へぇー、便利だねー!」

 

アスカの説明に頷く一同。するとアスカは、

 

「いや、そんなに便利ってワケじゃないんだよなぁ~」

「え?」

「ミラクルかストロングのどちらかに変わると、フラッシュ以外のもう一方に変わる事は出来ないんだ。だから、タイプチェンジを間違えてピンチになった事も、何回かあってさぁ………」

「そうなんだー」

「うーむ、一長一短といった所だな………」

 

ダイナのタイプチェンジの難しさに、バルクホルンはそう呟く。その時、シャーリーと一緒だったニシキ博士が、声を掛けてきた。

 

「おーい、黒ヒョウのお嬢ちゃん!君のストライカーとウサギのお嬢さんのとを見比べさせてくれんかのー!?」

「え?うん、いいよー!」

 

そう言って、博士の元へと駆けていくルッキーニ。博士のウィッチ達の呼び名は使い魔から来ているのだろうと思うバルクホルン。すると博士は、

 

「ああ、後で力持ちのお嬢さんのも、見せてくれんかの?」

「私だけ何か違わないか!?」

 

自分の呼び名があんまりであった為、思わず叫ぶバルクホルン。アスカは口に手を当てて笑いをこらえているが、シャーリーとルッキーニはニヤニヤ笑っていた為、バルクホルンはキッと睨み付けた。

気にするな、と笑いかけるのは、ピグと一緒に武器の積み込みをしていたマルメであった。

 

「博士は、怪獣とウルトラマンの名前しか、ちゃんと呼ばないんだよ。」

「そうそう。ピグやトベ隊員が何回も違うって言っているのに、ぜんぜん直してくれないんダナ。気にしないで勝手に呼ばせておけばいいんダナ、やっぱし。」

「けどマルメさん、いくらなんでも女の子に力持ちは無いと思いますよ?」

 

ぐぬぬ、と押し黙るバルクホルンをフォローするヒカリ。すると、マーズとゴンドウがアスカの元へやって来た。

 

「アスカ君、ちょっと来てくれないかい?」

「ん?俺?」

「ああ。お前さんに、聞きたいことがあってな。」

 

 

 

 

 

ゴンドウとマーズに連れられ、アスカは滑走路の更に奥へと案内された。

 

「先ほど言った「秘密兵器」についてなのだが、君のその「スーパーGUTS」のロゴが気になっていてね。実は、それと全く同じマークを見たことがあるんだ。」

「このマークを?」

 

アスカは、自身の来ているユニフォームの左腕に刻まれたマーク―――十字にSの上からGUTSと描かれたスーパーGUTSの紋章を見た。

 

「この惑星に来る途中の空域に、地球製と思わしき戦闘機を見つけたんだ。その機体に、そのマークが描かれていたのだよ。」

「なんだって?」

「その機体に搭載された武器が強力でね。それならば連中を一網打尽にできると思っているんだ。」

 

そう言うと、マーズは滑走路の奥のスペースにある、大きなシートが被せられた物の前に立ち、シートの端を掴んだ。

 

「それが、この戦闘機だ。」

 

マーズがシートを引っ張ると、シートに隠されていた物が姿を現した。

 

「これは………!?」

 

銀色の三角形のボディにエンジンを積んだカナード翼、赤いラインを引き、前翼に装備された熱線砲『ネオジーク』が輝く戦闘機を見て、アスカは驚いて声が出なかった。

 

「α………スペリオル………!!」

 

かつての愛機―――ガッツイーグルαスペリオル号が、そこにあった。

 

 

 

 

 

つづく




第十一話、『ダイナ篇』中編です。

アストロモンスは、血を吸った怪獣の能力を得るように品種改良されていました。前回血を吸われた怪獣は、実は外見及び能力で変化が分かりやすいものを選んでいました。同じ怪獣で腕などの形状がそれぞれで違うのは、シードラゴン(ショッカー怪人)みたいですね。

レオこと、おゝとりゲン登場。アストロモンスA戦は、ツルク星人戦を意識しています。

ゴンゴルド大佐は千葉繁さんの声の、というか千葉トロンをリスペクトしています(笑)

ビラ星人フローラ登場。人型以外の宇宙人も入れたかったけれど、チブル星人とクール星人の出番は決めてあるのでこのチョイス。名前はもちろんアンドロフロルから。

ニシキ博士の呼び名は、バルクホルン以外は使い魔からそのまま。何気にルッキーニの使い魔が黒ヒョウであると気づいている辺り、博士が侮れない人物であると思います。

αスペリオル号登場。これでファイターEX、テックスピナー1号と併せて、主人公機が全員分登場しました。何でヴェネツィアの時は乗っていなかったかは、次回説明します。

次回は、ゴンゴルド大佐の元に殴り込みです。お楽しみに。

では、また次回。
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