ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第十二話 ふたつの再会

 

 

 

遡る事、数週間前―――

 

 

 

異次元間をガッツイーグルαスペリオル号で移動していたアスカ・シンは、不気味な声を聴いた。

 

―――フッフッフッフッフッ

 

「誰だ!?」

 

―――時は満ちた。我らの復活は近い!

 

「復活だと………!?」

 

一体何の事だろうか。アスカが疑問に思ったその時、αスペリオル号を強い衝撃波が襲い、コントロールが利かなくなってしまう。

 

「うわあああああああああーーー!?」

 

衝撃波できりもみ回転をするαスペリオル号内で、アスカは落下する感覚を感じながら悲鳴を上げる。間もなくして、彼は意識を手放した………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

そして現在―――

 

「その後、気が付いたら別の次元にいて『Mydo(マイド)』って組織に助けられていたんだけど、どうやらそこに着く前にスペリオル号から放り出されていたみたいでさ。その世界のどこを探しても見つからなかったんだ。」

「それが、この世界に流れ着いていた訳か。」

 

αスペリオル号を見上げながら、そう説明するアスカ。すると、あごに手を当てて聞いていたゴンドウキャップが、アスカに聞いた。

 

「しかしお前さん、その後どうやって次元超えていたんだ?」

「ああ。次元の穴の跡を見つけて、そこにエネルギーを当てて開いていたんだ。ひょっとしたら、開けると思ってさ。で、その世界を出てから、次に出たのがシャーリー達の世界のヴェネツィアだったんだ。」

「なるほどな。お前さんならその内、自由に次元を越えられるかもな。」

 

納得したように頷きながら、ゴンドウはそう言った。

 

「けれど、コイツに搭載された「スパークボンバー」なら、連中を一網打尽に出来る事は確かだな。あまり使ったことはないけれど………」

「このαスペリオル号は、君に返却しよう。地球製とはいえ、出来る限りの整備は出来ているよ。」

「ありがとう。あいつらを倒したら、これでシャーリー達と地球に向かおう。」

 

そう言って、αスペリオルの胴体を触るアスカ。それを聞いて、ゴンドウは聞き返した。

 

「ん?こっから地球まで300光年離れているんだろう?そう簡単に着けるとは到底思えんが………?」

「コイツをはじめとしたガッツイーグルには、『ネオマキシマ・オーバードライブ』って言うワープ航法エンジンが搭載されているんだ。地球から火星まで1時間で行けるし、太陽系なんて数時間で飛び出せるぜ。」

「そんなぶっ飛んだ物があるのか!」

 

アスカが説明した時、背後から声がした。振り返ると、シャーリー達3人のウィッチが、物珍しそうにαスペリオル号を見上げていた。

 

「すごーい!これがアスカの乗ってた飛行機なんだー!!」

「先程の話を聞くと、この戦闘機は単体で宇宙空間をも飛行できるのか……」

「へぇー、随分と進んでいるんだなーアスカの世界は!」

 

αスペリオルを見ながら各々が感想を漏らす。3人が見ていたことに驚きながらも、アスカは自慢げに話し始めた。

 

「ああ。オレのいた世界では、人類が宇宙進出を果たして更に先を目指す『ネオフロンティア』時代に入っていたんだ。ネオマキシマは、人類が「更に前へ進む」ための、技術と言っていいだろう。」

「更に前へ………か。」

「シャーリー達の世界は、非常に困難な時代なのかもしれない。けれど、困難を乗り越えた先には、新しい時代が待っているんだ。」

 

アスカは、遠い日を思い出すかのようにαスペリオル号を見上げながら言う。

 

 

 

ひとつの嬉しい再会に、目頭が少し熱くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十二話 ふたつの再会

 

超宇宙合成獣 アストロモンス・ギガ

巨大宇宙植物 チグリスマザー

宇宙大怪獣 アストロモンス

侵略ロボット スフィンガー

目つぶし星人 カタン星人

四次元宇宙人 バム星人

幻覚宇宙人 メトロン星人マーズ

水棲獣人 ピニヤ星人ロー

宇宙蝦人間 ビラ星人フローラ

 

 

 

 

 

ウルトラマンタロウ

ウルトラマン80  登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、惑星グルータスの広い森林のど真ん中に建った複数の巨大なドームと塔で構成された司令施設の周囲に、怪獣の鳴き声が木霊していた。

 

「キィィイイシャアウ!」「キィィイイシャァアウ!」「キィィイイシャアアアウ!」

 

鳴き声を上げるのは、数十体のアストロモンスである。しかし、その姿は様々であった。

恐竜のような形状の巨大な頭を持った個体がいたかと思えば頭に巨大な刃を思わせる一本角を持った個体、手足が無く頭が下にあり背中を赤いとげで覆い上部に2本の鞭を持った個体、虫のような透明な翅と両手が鎌になった個体に手足や頭に炎の様な『ヒレ』を持った個体、そしてクワガタのような上あごと虫の腹に鋭い爪を持った個体等々、様々な形状のアストロモンスがひしめき合っていた。

 

「カウント提督より受注された個数には足りませんが、これだけいればウルトラ兄弟に十分対抗できるかと。」

「ご苦労。後はコイツらをカウントの所に送れば、こんな惑星とはバイバイキーン!と言う訳だな。いくら土壌が豊かだからって、こんなヤブ蚊や虻の多い星なんて、もうウンザリだわい。」

 

副官のバム星人から報告を聞き、ふんと鼻を鳴らすゴンゴルド大佐。割と虫に刺されやすいのかもしれない。

 

「まあ、背中を蚊に刺されてもこの手なら孫の手いらずなんだがね。」

「それと、別次元のナックル星人さんは今日中に事が済ませると連絡があったそうで。」

「あー、結構結構。あいつの自慢話なんて、聞きたくもない。それより、輸送船の到着は、いつ位よ?ダダ時間で答えてちょ。」

「え?えーと、ダダ時間だと、552頃になるかと………」

「うん、ありがと。」

 

突然のムチャブリに何とか答えるバム星人。周囲のアストロモンスはどうやら輸送待ちであると同時に、レジスタンス達への防衛線であるようだ。

 

「兎に角、さっさと『出荷』するぞ。レジスタンスや地球人にこれ以上邪魔をされたら………」

 

 

 

ドッガァァアアアアアアン

 

 

 

ゴンゴルドが言いかけたその時、突然爆発音と衝撃が襲い、ゴンゴルドは椅子ごと倒れ込んでしまった。

 

「何事だぁあッ!!」

「大変です大佐!レジスタンスと地球人が、攻め込んで来ました!!」

「何だとぉお!!」

 

司令室に入ってきたバム星人の報告に、ゴンゴルドは思わず素っ頓狂な声で聴き返した。

モニターのスイッチを入れると、昨日確認された地球人の戦闘機とウィッチ達に加え、銀色の全翼機が攻撃を仕掛けて来ていた。

 

「奴らめ、思った以上に早かったな………緊急事態だ!総員戦闘態勢!!」

「「はっ!!」」

 

ゴンゴルドの命令に、2人のバム星人が敬礼をする。施設内は、ハチの巣を突いたかのような騒ぎとなった。

 

「………んん?」

 

ふと、ゴンゴルドはモニターを見てある事に気が付いた。そして、その理由に思い当たると、通信機のスイッチを入れた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「お、始まったようだな。」

 

一方、施設内の通路を物陰で見る者たちがいた。マルメ、ヒカリ、フローラ、バルクホルン、そしての5人だ。彼らはローが施設に潜入した際のルートを使い、施設内に侵入したのだ。

 

作戦はこうだ。ゴンドウキャップとトベ、アスカ達がスーパーマードック2世号とガッツイーグルαスペリオル号で正面から攻め込む。敵が外に気を取られている隙に、潜入したヒカリ達が内側から施設を破壊する、というものだ。今頃は、アスカが駆るαスペリオル号とマードック2世号のゴンドウキャップとトベによる攻撃が行われているだろう。加えて、しばらくしたらゲンがウルトラマンレオに変身してアストロモンス軍団に立ち向かう手はずだ。

 

「ルッキーニ達、うまくやれているだろうか…?」

「俺が一番心配なのは、じいさんが余計な事をしないかどうかだよ。」

「それも、割と心配だな………」

 

マルメの言う事が何となくわかってしまうバルクホルン。ニシキ博士は興味があるからと言って、アスカと一緒にαスペリオル号に搭乗しているのだ。好奇心旺盛かつ興味のある事にはトコトン向かっていく性分の博士故に、確かに少し心配である。

 

「では、ここからは手はず通りこの爆薬を例のチグリスフラワーの母体周りに仕掛けて、内と外から爆破させてしまおう。」

「ああ。」

「さーて、じゃあ作戦開始よ!」

 

フローラが物陰から飛び出るとオーラ状の光線を放ち、周囲のバム星人を包んだ。すると、何も気付いていないバム星人達は走ったままの姿勢で動かなくなってしまった。ビラ星人特有の「時間停止光線」である。

 

「さあ、早くチグリスマザーの元へ!」

「オウ!」

「こっちだぜ!」

 

フローラとローを先頭にした一同は、止まった星人たちを横目に駆けて行った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

5分ほど走った潜入班一同の前に、厳重にロックがされた重厚な扉が現れる。ローの入手した内部図の通りであれば、この奥がチグリスマザーのある施設の中枢だ。

 

「ここか………」

「待っていて。パスコードを入力するわ。」

 

フローラは顔の下にある細長い脚をせわしなく動かし、扉に備え付けられてある端末を操作し始めた。

 

「と言っても、パスコードってここの責任者の誕生日なのよねー」

「それ、一番やっちゃいけないパスワードのパターンじゃん………」

「開くわ。」

 

各々が銃やバズーカを手に身構える中、扉が重厚な音を立てながら開く。そして、開いた扉の向こうに見えたのは………

 

「はぁい♪」

「何!?」

「喰らえ、目つぶし光線、ビビビのビ~!!」

バシュッ

「ぐあッ!?め、目が………!」

「バルクホルン!!」

 

茶色く硬質化した体表を持ち、長い嘴に赤い目、刃のように尖った右手を持った宇宙人が待ち構えており、両目から放たれた光線を受けたバルクホルンが目を抑えて蹲ってしまった!

 

「この野郎!」

 

マルメはバズーカを宇宙人に向けるが、星人はバズーカの砲身を蹴り上げ、バズーカが宙を舞った!

 

「こいつ、カタン星人!!」

 

フローラが思わずそう漏らすと、

 

「そう、オレはカタン星人ゴンゴルドだ!!」

 

ゴンゴルドと名乗ったそのカタン星人が左手の指を鳴らすと、アスカ達の背後の壁がスライドして、中からバム星人が十数名現れて銃を構えた!

 

「しまった!!」

「残念だったな~君たち。外の連中にその女がいない事に気づいて、チグリスマザーの警護を強化しておいて正解だったわい。」

「く、読まれていたか………!」

 

ゴンゴルドの目つぶし光線を受けてしまったため見ることは出来ないが、(この光線を得意としている事から、カタン星人は地球で「目つぶし星人」の異名すら持っている)囲まれている事は分かったバルクホルン。

 

「無駄な抵抗はしない方がいいぞ?昨日はホバーバイクと言う動きの限られた場所であったので地の利があったが、バム星人は1人で地球のグリーンベレー50人分程の力がある。大人しく、投降するのだな。」

「くっ………!」

 

悔しく唸るマルメ。泣く泣く、ヒカリ達は持っていた武器や爆弾を地面に置き、両手を頭の後ろにやった。

 

「おっと、お前はコイツもだな。」

「あ………!」

 

ゴンゴルドはヒカリのベルトからビームフラッシャーを奪い取り、左手で弄んだ。

 

「コレがなければ、お前はウルトラマンにはなれない。外にいるであろうウルトラマンレオともう1人のウルトラマン、それに地球人の戦闘機では、周囲のアストロモンス達相手に苦戦するだろう!いずれ他のウルトラ兄弟もこの惑星に来るだろうが、その頃には貴様らの死体処理の仕事くらいしか、残っとらんかなぁー!」

「くっ………!」

 

高笑いするゴンゴルドに唇をかむ一同。バム星人達に拘束されたヒカリ達は、ゴンゴルドに連れられて司令室へと向かわされた。

 

 

 

 

 

「………(―――もう少ししたら、目つぶし光線の効力が切れる。その時がチャンスだ。)」

「………?」

 

苦虫を噛み潰したような顔になるバルクホルンであったが、拘束するバム星人に後ろから小声でそう言われ動揺するが、できる限り平然を保った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

その頃、施設の外では、アストロモンス軍団と、スーパーマードック2世号とガッツイーグルαスペリオル号の2大戦闘機、そして2人のウィッチ達による攻防戦が繰り広げられていた。

 

ズドドドドドッ

「キィィイイシャァアウ!」

 

ガッツイーグルαスペリオル号から放たれたネオジークのレーザーがアストロモンスの頭頂の角を破壊し、悶え苦しむ怪獣。間髪入れずにマードック号からミサイルが放たれ、アストロモンスの1匹は沈黙した。

 

「くそう、このままでは、カウント提督に届ける怪獣が全滅してしまうぞ!」

「残っているスフィンガー66-Vii-Xvii、06-Iv-Vii、96-Iii-Iを全機出せ!」

 

怪獣の出荷準備に当たっていたバム星人たちは、戦闘機の襲撃に右往左往していたが隊長格の命令を受けて3機のスフィンガーが起動し、2機の戦闘機に狙いを定めた。

 

「プープルプル・プルプル」「プープルプル・プルプル」「プープルプル・プルプル」

 

3機のスフィンガーは電子音を鳴らしながら口からの破壊光線で攻撃をする。マードック号とシャーリーは難なく回避するが、αスペリオル号は翼に当たるギリギリで避けた。

 

「アスカ!」

[だ、大丈夫だ、問題ない。]

 

ルッキーニが思わず叫ぶと、アスカは焦ったように返事をする。無事を伝えたものの、うかない表情のアスカに後部座席のニシキ博士が聞いた。

 

「のう迷子君、さっきからどうしたんじゃ?」

「迷子君て………」

「何か、気になる事が在るようだの?」

 

博士の呼び名に若干不安はあるものの、アスカは怪獣軍団の後ろにある施設を見て答えた。

 

「建物に近づいてから、なんとなく嫌な感じがするんだ。」

「嫌な、」「感じ?」

 

アスカの言う事に、通信を聞いていたゴンドウとシャーリーが首をかしげる。シャーリーは、アスカに聞いた。

 

「どういう事だ?」

「いや、気のせい………って訳じゃない。この感じ………俺はこの感じを知っている、そんな気がするんだ………」

「アスカ………」

 

神妙な表情のアスカに、トベは心配そうにする。その時、スフィンガーの1体がαスペリオル号に向けて腕を伸ばす。慌ててアスカが避けると、ネオジークのレーザーをお見舞いし、スフィンガーの胸を破壊する。

 

「迷子君!今は戦闘に集中して、後でゆっくり考えるんじゃ!」

「あ、ああ。………ィヨッシャァアアア!!」

 

博士の言葉で我に返ったアスカは、気合いの叫びをあげる。そしてαスペリオルを急降下させたかと思うとアストロモンスが密集した地点を掻い潜り、ビームを放とうとするスフィンガーの目の前で急上昇!すると、αスペリオルを狙ったアストロモンスの攻撃とスフィンガーのビームがすれ違い、互いの攻撃が直撃する結果となった!

 

「「「キィィイイシャァア………!!」」」

「プーププププ………!?!?」

「よっしゃぁー!見たかよ、俺の超ファインプレー!!」

 

見事同士討ちが成功し、数匹のアストロモンスと1機のスフィンガーが倒れたのを見たアスカが叫んだのも束の間、頭部に大きな刃を思わせる1本角を持ったアストロモンスが角に手をやったかと思うと、何とその角を「分離」させて投擲したではないか!

 

「アスカ!」

「ゲッ!!」

 

ブーメランの如く襲ってくる角を慌てて何とか避けると、角は投げてきたアストロモンスの頭部に戻った。おそらくこの個体は、「凶剣怪獣 カネドラス」の能力を持っているのだろう。

 

[油断をするな!戦場では、一瞬の油断が命取りとなるのだぞ!!]

「ご、ごめんなさい………」

 

通信でゲンに怒鳴られて、反省するアスカ。そう言えば、自分があのセリフを言う時はかなり油断しているような気がした。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ほほう、地球人の技術もなかなかやるではないか。」

 

司令室でこの様子を見ていたゴンゴルド大佐は、自軍の怪獣達が次々と倒れていくにも関わらす感心していた。

 

「感心している場合ですか大佐!このままでは」

「分かっている。その為の人質が、自分たちの方から来てくれたのだ。」

 

ゴンゴルドが振り返ると、そこには拘束された光たち5人がいた。悔しがる5人を尻目にゴンゴルドは通信機のスイッチを入れると、マイクに口を近づけた。

 

「ピンポンパンポ~ン。えー、外の地球人並びにウルトラマンの諸君、ワタシはカタン星人ゴンゴルド大佐である。」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「何!?」

「こいつがココのボスってわけか!」

 

通信機のモニターに映り込んだカタン星人を見て、アスカが叫ぶ。しかし、モニターに映ったバルクホルンたちを見て、息をのんだ。

 

「!みんなが人質に!?」

「ええ!?」

[Exactly(そのとおりでございます)]

 

映像を見ることが出来ないシャーリーとルッキーニは、アスカ達の通信を聞いて声を上げた。

 

[君たちが抵抗をしなければ、危害は加えない。君たちはただ、アストロモンスが出荷されるまでの工程を見学してくれればよいのだ。]

「卑怯な………!」

 

スーパーマードック号に乗るマーズは、ゴンゴルドの手口にどこにあるのか分からないけれど唇を噛む。何とでも言え、とゴンゴルドが突っぱねたその時、自分の頭上に違和感を覚えたルッキーニが空を見上げると、上空の一部分が歪んで見えた。

 

「なにあれ!?」

「え!?」

 

ルッキーニの言葉にシャーリーが上空を向くと、歪んていた部分が徐々に正常に戻っていき、そこには3隻の巨大な宇宙船が浮かんでいた!

 

「宇宙船だ!」

「宇宙警備隊にばれないように、光学迷彩でここまで来たのか………!」

 

3隻の宇宙船を確認したゲンが、握り拳に力を入れる。人質を取られている以上、こちらが手を出せばバルクホルンたちに何をするか分からない。ゲンたちが手をこまねいていると、宇宙船は少しずつ降下していく。このまま、アストロモンスを収容するようであった。

そして、スフィンガーの放つ電波に操られているのか集結したアストロモンス達の目の前に宇宙船が着陸し、ハッチが開いた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴォォオオオオオオオオオオン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『!!?』

[な、ナニャイイイイイイイイイイイ!!??!?]

 

ハッチが開いた瞬間、宇宙船は3隻とも大爆発を起こし、集まっていたアストロモンスも巻き添えを喰らって大半が炎に包まれた!

 

「キィィイシャ………」「キュウウウ………」

「プープルプル・プルプル」「プープルプル・プルプル」

 

爆発から逃れた2機のスフィンガーであったが、突然の出来事に電子頭脳が混乱しているのかオロオロとしている。残ったアストロモンスも、片手で数えられる程度だ。

 

「一体、何が………!?」

「もしや………!?」

 

『トァアーーー!!』

『シュワッ!!』

 

ゲンが頭によぎらせた考えを口に出そうとしたその時、炎の中から赤と銀の2つの影が躍り出た。

 

1人は、赤い身体に金色の六角形の目を持ち、銀色の力強い角と左腕にはめた王冠型のブレスレットを持った戦士―――ウルトラマン№6『ウルトラマンタロウ』だ。

 

もう1人は、銀色の体に赤いラインを引き、大きく丸い金色の目と鼻筋が特徴の顔を持った戦士―――遠くの星から来た男『ウルトラマン80』である。

 

「おお、ウルトラ兄弟!」

「タロウ兄さん!80もか!!」

『遅れてすまないレオ!それと、君たちがウィッチとダイナだな。大体の事情は、地球にいるメビウスから聞いているよ。』

 

タロウは簡単に挨拶を済ませると、残った宇宙大怪獣と2体のロボットに向き直る。

 

『タロウ兄さん、まずはコイツらを!』

『ああ!レオ、行けるな?』

「勿論です!」

 

ゲンはそう言うと、マードック号のコックピットから飛び出し、外部ハッチから外に出た。

そして、両腕を大きく回して左拳を突き出し、叫んだ。

 

 

 

「レオオオオオオオオ!!」

 

 

 

叫んだ瞬間、左薬指に光る金色の『レオリング』に彫られた獅子の瞳が輝いて、ゲンを包み込む。

光が晴れると共にウルトラマンレオがそこに現れ、タロウと80と共に並び立った!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ば、馬鹿な………!?」

 

タロウと80、2人のウルトラマンが現れ、アストロモンス軍団が壊滅してしまった為に、司令室は騒然としていた。ヒカリ達も唖然とする中、ようやく目つぶし光線から回復したバルクホルンが見たのは、スフィンガーの腹に連続でパンチを叩き込むウルトラマンタロウと、空中で回転を加えた80の飛び蹴りが、アストロモンスに叩き込まれている所であった。

 

「ウルトラ兄弟が来ることは予想できたが、何故だ!?何故宇宙船の事に気付いたのだ!?」

 

ゴンゴルドが疑問に思うのも無理はない。彼らはウルトラ兄弟に惑星グルータスから怪獣を運び出す事を感づかれないように、光学迷彩を施した宇宙船で複数回のワープを使い、航路を読まれないようにしていたのだ。だというのに、タロウと80の2人が宇宙船に乗り込みこの星に来た。

モニターではカネドラスを吸収した個体の投げた角をレオが白羽取りで受け止めて投げ返し、その個体の眉間に角が突き刺さってしまう。立て続けに放たれたハンドスライサーで、その個体は一刀両断にされてしまった。

ゴンゴルドが悔しげに左拳を握りしめたその時、

 

「ずおりゃぁああッ!!」

「ふんッ!!」

バギィッ

「!?」

 

背後で騒ぎが起きたと気づき、振り返ったゴンゴルドが見たものは、バム星人の1人とバルクホルンが見張りのバム星人を殴り倒している所であった。

 

「な、なにをしている貴様ら!?何故手錠が外れている!?」

 

ゴンゴルドが叫び、周囲のバム星人達が混乱していると、殴り倒したバム星人はおやおや、と言わんばかりに肩をすくめた。見張りを倒したバルクホルンは、ヒカリたちの拘束を解いている。

 

「助かった~!」

「しかし、あなたは一体……?」

「何故『タロウ兄さん』達が宇宙船の居場所を突き止めたのか、疑問に持っていたな。教えてやろう。僕が、兄さんたちに教えていたのさ。」

「何!?」

「ついでに言うと、手錠は予め簡単に外せるようにしておいたんだ。昨日の戦闘で、彼女の力は見ていたからな。」

「貴様………バム星人ではないな!」

 

ウルトラマンタロウを兄さんと呼んだことで、ゴンゴルドはこのバム星人が何者かが化けた偽者であることに気付いた。

 

「正体を現せェエ!!」

 

ゴンゴルドが右手を突きつけると、バム星人はふっふっふっと笑って服を翻すように脱ぎ捨てた。

そこに立っていたのは、初老の行脚僧であった。だが、ヒカリたちはその顔を見て驚いた。

 

「お、おゝとりさん!?」

「バカな………!!?」

 

何と、その顔は今施設の外で戦っている筈のおゝとりゲンことウルトラマンレオにそっくりであったのだ!しかし、その人物は苦笑しながら振り返ると、

 

「………いや、僕はレオ兄さんではないよ。」

「え?」

「レオ、『兄さん』?………まさかあんたは!?」

 

ローは、その言葉でこの男性が何者なのか、心当たりがあった。男性はゴンゴルドに向き直ると、両腕を回して右手を突き出して、叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アストラァアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、「右手薬指に」はめられた獅子の顔が彫られた銀色の指輪―――「アストラリング」が輝き、光が迸る!

 

「うおっまぶしっ」

「これは!?」

 

眩い光に思わず目を閉じる一同。光が晴れると、そこには人間大の赤いウルトラマンがたっていた。

 

その顔つきはウルトラマンレオに似ているが、カラータイマー周りの銀色のプロテクターのデザインが違い、「A」とも見える腹部のマークと鎖を垂れ下げた左太ももの枷、そして逆立った鬣のようなレオの頭部と違い、こちらは後ろに撫でつけたような鬣を思わせる頭部を持っていた。

 

「き、貴様は『アストラ』!?」

『その通り!レオの双子の弟、アストラだ!!』

「あ、アストラ………?」

「おゝとりさんの、双子の弟!?」「どうりで似ている訳だ………」

 

レオの弟 アストラ

レオと同様、今は亡き獅子座L77星の出身で、ウルトラ10兄弟の八男である。宇宙警備隊に所属しているが単独行動が多いため、普段はどこにいるのか、それは誰も、兄のレオですら知らない大宇宙の謎なのだ。

 

「だが、何故貴様が!?」

『「アンドロメダの夜明け」からの情報を受け取った僕は、光の国に連絡をした後に単独でこの惑星に潜入していたのだ。そして、輸送船の航路をタロウ兄さん達に教え、アストロモンス一掃作戦を計画したという訳だ!』

「そうだったのか………」

「つまり、おゝとりさんはアストラさん経由でここに来た訳か………」

『予想外の事態は幾つかあったが、こうして怪獣達を一層出来た訳だ!』

「な、何という事だ………!」

 

アストラの明かした事実に驚くゴンゴルドたち。その時、施設を強い衝撃が襲った。施設の外で、αスペリオル号がスパークボンバーを放ったのだ。

 

「大佐!このままでは怪獣やチグリスマザーだけではなく我々も………!」

「ええい、やむおえん!かくなる上は………」

 

いよいよ追い詰められたゴンゴルドは、アストラ達を睨み付けた。そして、背中に隠した左手を出すと………

 

 

 

 

 

「降参するから、命は助けてちょ~だい❤」

 

 

 

 

 

左手に握られた小さな白旗をパタパタと振り、投降してきた。

 

 

 

 

 

ズコーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!

 

突然の行動に思わずズッコケるゴンゴルド以外の一同(バム星人含む)。

外の2機の戦闘機も墜落しそうなのを持ちこたえる程のズッコケであったが、何とか起き上がったバルクホルンが聞いた。

 

「な、何のつもりだ貴様!!?」

「いやあね、チグリスマザーがあるとはいえ、流石にウルトラマン6人に君たち地球人の兵器相手にこの戦力差じゃあ、勝ち目全くないじゃん?命には代えられないし、だったら降参した方が利口でしょ~奥さん。」

「誰が奥さんだ。」

「ま、まあ、そうなんだろうけど………」

『お前、意外と潔いんだな………』

「こう見えてワタシ、ドラ○エでも「ガンガンいこうぜ」より「いのちをだいじに」派だから。」

 

半ば呆れつつも、ゴンゴルドのいう事にも一理あると思う一同。バルクホルンはド○クエが何か分からないので首を傾げていると、ゴンゴルドはヒカリに近づいてビームフラッシャーを手渡した。

 

「あ、コレ返しとくね。とりあえずワタシとバム星人たちの安全を約束してくれ。ああ、チグリスマザーの関しては好きにしていいぞ。」

『それは構わないが…………』

 

ゴンゴルドの申し入れにアストラが応え、一同はやれやれと溜息をついた。

 

 

 

―――ふん、情けない奴め。

 

 

 

「?何か言いましたか?」

「いや、俺は何も………」

 

何か聞いたような気がしたバルクホルンがマルメに聞いたその時、司令室を再び衝撃が襲った!

 

「なんだ!?今、降参したのに!」

「いや、この揺れは攻撃によるものではないぞ!」

 

連続する衝撃、いや、コレは地響きだ。司令施設全体が揺れているのだ!

その揺れの最中、ゴンゴルドははっと気づいた。

 

「まさか………」

 

ゴンゴルドは不安を抱き、モニターを操作する。映ったのは施設の中枢であるチグリスマザーの収まったドームだ。だが、映ったチグリスマザーは太い根を何本も地面から触手のように突き出し、ドームの壁面を攻撃していた!

 

「な、何故急にチグリスマザーが暴れだしたのだ!?

「も、もしかして、融合させたアレが……!?」

「どういう事だ!?」

「じ、実は、チグリスフラワーに怪獣の能力を付加させる為に、その筋の業者から特殊な生命体を買い取って、入手した細胞のつなぎとしてマザーの球根に融合させたんだ………」

「それがチグリスマザーを暴走させていると言うのか!?」

 

ヒカリの質問にそうかもしれない、と少し弱弱しく答えるゴンゴルド。そうこうしている内に揺れは大きくなり、ついに根とツタが壁面を突き破ってしまった!ゴンゴルドは通信機のマイクを掴んで施設内に放送を入れた。

 

「この施設を放棄する!総員、施設を退避しろ!繰り返す!総員退避!」

 

ゴンゴルドの退避命令を聞き、施設内のバム星人達は持ち場から逃げ出す。しかし、既にマザーのツタと根は建物の床や壁を突き破り、建物の内外と星人達に甚大な被害をもたらしていた!

 

「大佐、我々も早く!」

 

副官に諭され、ゴンゴルド達も施設の脱出を試みる。だが、出入り口付近の床が陥没したかと思うと、床から根が飛び出して塞いでしまった!

 

「しまった!」

「離れろ、こうなったら力ずくで―――」

 

そういってバルクホルンが前に出ようとした矢先、司令室のあちこちから根とツタが突き破ってきた。アストラが両腕を合わせて「シューティングビーム」を放ち迫るツタを焼き切るが、長くは持たないだろう。

 

『ヒカリ!』

「く、仕方がない!」

 

ヒカリは先ほどゴンゴルドから返してもらったビームフラッシャーを手に取ると高く掲げる。そしてビームフラッシャーにエネルギーがたまるのを感じ取ったヒカリが額に当てると、眩い輝きと共に、彼をウルトラマンへと変貌させた!

 

「ジョーニアス!」

『君がジョーニアスか!』

『アストラ、みんなを連れて外へ!』

 

ジョーニアスはそう言うと、アストラと共に他のみんなを抱えて巨大化、司令室を突き破って脱出した!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「これは………!?」

 

施設の外では、残ったアストロモンスとスフィンガーを片付けたタロウ、レオ、80達が、崩壊していく施設のドームを見て呆然としていた。ドームのあちこちから根やツタが飛び出して大小のチグリスフラワーを咲かせ、中央のドームの天井からは巨大な赤い花、チグリスマザーが咲いていた。

 

『あれが母体………チグリスマザーか!』

『アストラたちは………!?』

「バルクホルン………!」

 

ウルトラ兄弟とウィッチ達に不安がよぎる。その時、施設の壁の一部が爆ぜ、中から2人のウルトラマンが飛び出した。

 

『ジョーニアス!アストラもか!』

 

2人の姿を見たレオが、声を上げる。ジョーニアスとアストラはマードック号と並んで飛行すると、ハッチの付近に手を伸ばす。その手のひらには、バルクホルンとフローラ、ロー達がいた。

 

『彼女らを頼む!』

「分かった!」

「ゴンドウキャップ!私のストライカーを!」

 

ハッチから中に入るや否や、バルクホルンはゴンドウキャップに言う。バルクホルンたちを送り届けたアストラとジョーニアスはウルトラ兄弟の元に降り立った。

 

『アストラ!』『アストラ兄さん!』

『アストラ、無事であったか。』

『はい、レオ兄さん!』

 

兄弟達が再会を喜び合い、マードック号からバルクホルンが発進したのも束の間、基地を覆っていたチグリスマザーの根とツタが萎んでいき、巨大な花も枯れていくではないか。

 

『チグリスマザーが、完全に成長しきったのか!』

『あれほど巨大な花だ。気をつけろ!』

 

この中で一番上の兄であるタロウが指示を出す。ジョーニアスも倣って構えを取る中、施設周囲の地面が大きく盛り上がり、大怪獣がその姿を現した!

 

 

 

「キィィイイイイイイイイイイシャァアアウッ!キィィイイイイイイイイイイシャァアアウッ!」

 

 

 

現れたのは、全長が300mはあろう超巨大な球根の前部から鞭状の腕と鋭い爪の3本指の腕が1対ずつ持ったアストロモンスの腹と頭部を生やし、球根の先端を包むように生えた6本の角と後部に生えた5本の尻尾にチグリスフラワーを咲かせ、がっしりとした4対の脚で地面を踏みしめ、球根や頭部、肩等に青白く光る器官を持ったケンタウロス型の怪獣だ!

 

「何と巨大な怪獣………!」

「あのチグリスマザーが、ここまでのモノになるなんて………」

「巨大なアストロモンス………さしずめ、「アストロモンス・ギガ」と言った所か………!」

「キィィイイイイイイイイイイシャァアアウッ!」

 

バルクホルンが「アストロモンス・ギガ」と名付けたその怪獣は雄叫びをあげた。

 

「あんな馬鹿デカい怪獣、どうやって………迷子君?」

 

ニシキ博士が前の席に座るアスカに問いかけるが、アスカは信じられないという表情でアストロモンス・ギガを見て、いや、厳密に言えば、アストロモンス・ギガの各所に生えた、「青白く光る器官」を見ていた。

 

「まさか………あれは………!?」

[どうした、アスカ!?]

[アスカーー!?]

 

ゴンドウとルッキーニの通信も聞こえていないほど、アスカは驚いていた。

 

時折、波打つように蠢き、網目模様の表面を光らせたその器官は、見間違えようがなかった。

 

「………間違いない。あの怪獣は、………」

 

「キィィイイイイイイイイイイシャァアアウッ!」

 

アスカが言い淀んでいると、アストロモンス・ギガは大きく咆哮を上げる。

 

 

 

 

 

「あれは、『スフィア合成獣』だ!」

 

 

 

 

 

 

ひとつの最悪な再会に、アスカは怒りの表情を見せ、叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




第十二話、『ダイナ篇』後編です。今回、割とてんこ盛りになったなあ………

ひしめき合う宇宙大怪獣軍団。元となった怪獣はロックイーター、ケンドロス、リトマルス、ドラコ、バグダラス、キティファイヤーです。ミラーマンの怪獣までいるのは、「様々な次元世界から連れてきた」事を強調するためです。

ゴンゴルド大佐はカタン星人でした。以外と潔いですけど、今回は前回以上に千葉さんっぽさを再現できたんじゃないかなぁと思っています。

タロウ、80、アストラ登場。実は前回の冒頭に出ていた行脚僧はアストラでした、というオチ(どっちの手にリングがあるか書いてないし服装が違う、何よりリングが銀色)。尚この指輪はレオリングの対となるアストラリング、という設定です。
ところで私は、アストラが兄さんと呼ばれるのも80先生が兄さんと呼ぶのも、違和感と抵抗がある………

チグリスマザーにはスフィアが混ざっていました。そしてスフィア合成獣アストロモンス・ギガ登場。イメージは映画の没案となったグランドタイラント。『球根ケンタウロス』な見た目はお気に入り。

次回はダイナ篇完結編となります。

では次回、『明日へのウィニングショット』でお会いしましょう。
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