ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第十三話 明日へのウィニングショット

 

 

 

 

 

これは、とある宇宙の話―――

 

 

 

 

 

ウルトラマンティガが闇の力を倒した7年後、人類は宇宙開発に希望を求めた『ネオフロンティア時代』と呼ばれる新たな大航海時代を迎えていた。

 

しかしそれは、人類の宇宙進出を快く思わない地球外生命体や、未知なる怪獣達の襲撃を受ける等、新たな困難の幕開けでもあった。

 

そんな時、ネオフロンティア時代を迎えようとする人類と地球を救うために、新たな宇宙の光の巨人、ウルトラマンダイナが現れた。

 

そして、宇宙進出の拠点として基地を建設していた、太陽系第4惑星『火星』での初戦以降、幾度となく立ちふさがった謎の生命体こそが、『宇宙球体 スフィア』である。

 

スフィアは、異名の通り球体とも宇宙船ともとれる姿をしているが、同時に高度な知性を持っており、個々の分離や融合は自在、さらに、有機物・無機物問わず取り付き、スフィア合成獣に変化させてしまう。

 

そして、すべてのスフィアの本体である『暗黒惑星 グランスフィア』―――遠い昔にある惑星の全生命体が母星ごと同化した存在であり、それ故に地球の直径とほぼ同じサイズを誇る―――が太陽系もろとも同化して1つの存在になるという最終目的を果たさんと襲来したが、スーパーGUTSのネオマキシマ砲に対してバリアを展開したグランスフィアに、ソルジェント光線をぶち込み、戦いに終止符を打った。

 

しかしダイナ、即ちアスカ・シンも無事ではなく、グランスフィア消滅時の重力崩壊で、光すら飲み込む時空の歪みが発生。 逃げ切ることができず、ダイナは時空の歪みに飲み込まれてしまったのだ……。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「キィィイイイイイイイイイイシャァアアウッ!」

 

[そのスフィアに生き残りがいて、業者がワタシに売りつけたと言うのか?]

「ああ。何でその業者ってのがスフィアを持っていたかは分からないけれど、間違いなく、あのアストロモンス・ギガはスフィア合成獣と化している。」

[あ、名前それで決定なんだ………]

 

自分の提案した名前が決定になってちょっと嬉しいバルクホルンであるが、今はそれどころではない。出現したアストロモンス・ギガの撃退が先決だ。

 

「ゴンドウキャップ!αスペリオル号を収容してくれ!」

「迷子君!?」

「スフィア合成獣を相手にするのに、博士が一緒だと危険がある!」

[分かった!]

 

ゴンドウの返答を聞き、アスカはαスペリオルをスーパーマードック2世号へと収容、ブレーキと同時に機体が固定されたのを確認すると、ハッチを開いて外に飛び出した。

 

「ちょっ、アスカ!?」

 

ピグが止めるのも聞かず、アスカはマードック号から飛び出すと重力に任せて落下、そして、懐からリーフラッシャーを取り出すと目の前に突き出し、叫んだ!

 

 

 

 

 

「ダイナァァアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

 

 

 

瞬間、リーフラッシャーから上部のクリスタルが飛び出し、アスカを眩い光が包み込む。そして、銀色の身体に赤と青のラインを走らせ、胸には青く光るランプを中央に持った金色のプロテクターを着け、額には白く輝くクリスタルがある巨人―――ウルトラマンダイナが、5人のウルトラマンに並び立った!

 

『―――行くぞスフィア。』

 

ダイナはアストロモンス・ギガを睨みつけ、ウルトラ四兄弟とジョーニアスと共に構えを取る。

 

『本当の戦いは、ここからだ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十三話 明日へのウィニングショット

 

超宇宙合成獣 アストロモンス・ギガ

雑兵獣 スフィアシード

目つぶし星人 カタン星人ゴンゴルド大佐

四次元宇宙人 バム星人

幻覚宇宙人 メトロン星人マーズ

水棲獣人 ピニヤ星人ロー

宇宙蝦人間 ビラ星人フローラ

剛力怪獣 シルバゴン(スカーシルバゴン)

登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァアアウッ!」

 

スフィア合成獣アストロモンス・ギガとの戦いが始まった!

 

アストロモンス・ギガが腕の鞭を六人のウルトラマン目がけて勢いよく振り下ろすが、六人のウルトラマンは飛び上がって回避をした。

80は前転をして衝撃を和らげながら着地をすると、両手に赤いエネルギーを溜めて矢じり型にするとアストロモンス・ギガに『ウルトラダブルアロー』を、ダイナも青白い『ビームスライサー』を投げつける!放たれた3本の矢は複雑な回転をしながらアストロモンス・ギガに向かっていくと、両腕の鞭を切断した!

 

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァアアウッ!」

 

アストロモンス・ギガは怒り狂ったように球根部のスフィア器官からマシンガンの如く弾丸状の光線『バルカンレーザー』を周囲に放つ!着地していたウルトラマン達は八方に飛び、レオ兄弟はバック転で避けながら距離を取った。

 

『ジュワッ!』

『トァアアーーーッ!』

 

回避をしたタロウは飛び上がると飛び蹴りの姿勢で足から「フット光線」を、ジョーニアスも額から「スタービーム」を発射し、背中のスフィア器官と球根部の角の1本を破壊する事に成功した!

 

『行くぞアストラ!』

『はい、レオ兄さん!』

 

掛け声と共にレオ兄弟は高くジャンプし、数回回転を加えて同時に飛び蹴りを繰り出す『ダブルレオキック』を放ち、アストロモンス・ギガを数歩後退させた!

 

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァァアアウッ!」

 

一瞬ひるんだアストロモンス・ギガだが、ウルトラマン達をキッ、とにらんだかと思うと4対の脚を折り畳んだ姿勢で空中に飛んだ!飛行能力があの巨体になっても残っていた事に驚くのも束の間、背中の残った5本の角がミサイルの如く発射され、放たれた角は地面に突き刺さると膨れ上がり、更にツタが伸びて赤い花と足が生え、不気味な唸り声と共に動き出した!

 

「ウォォォオオオオオオオン………」

「ウォォォオオオオオオオン………」

『何だ、こいつらは!?』

 

植物とも動物とも見える緑色のぶよぶよした体にトゲの生えたツルを絡ませ、右腕がハエ取り草の様な牙の生えた平たいハサミ、左腕がトゲの生えた長い鞭、身体の中ほどあたりには赤いチグリスフラワーを咲かせ各所にスフィア器官を光らせた顔のない5匹の怪獣、『雑兵獣 スフィアシード』の出現に、6人のウルトラマンに緊張が走る。

 

「ウォォォオオオオオオオン………」

『くっ………ダァアアッ!!』

 

向かってくるスフィアシードに対し、先陣を切ってダイナがパンチを放つ。しかし、ぶよぶよの体はパンチの衝撃を吸収してしまい、逆にダイナはスフィアシードの鞭による打撃を受けてしまった!

 

「アスカ!!」

「ウォォォオオオオオオオン………」

 

倒れるダイナを見て悲鳴を上げるルッキーニ。しかし、スフィアシードは彼女たちにも牙をむく。頭上を飛ぶルッキーニに狙いを定めると、花の中央から霧状の溶解液を放ってきた!

 

「ルッキーニ!」

「あっ………!」

 

間一髪でシャーリーが叫んだことで回避が出来たが、なおもスフィアシードは攻撃を仕掛けてくる。そうはさせまいとウルトラマンレオが後ろから羽交い絞めにして自分に目をつけさせるが、スフィアシードはレオをふりほどき右手のハサミで腕に噛みついた!

 

『グゥウ………!』

『レオ兄さん!』

 

噛まれた痛みで苦痛の声を漏らすレオに80が駆けつけようとしたが、それを他のスフィアシードが行く手を阻む。既にウルトラマン達は、雑兵獣たちに囲まれていたのだ!

タロウは鞭を振るってきたスフィアシードの攻撃を受け止めると、両の角から「ブルーレーザー」を本体に放つが、スフィアシードは青い熱線をものともせず、逆にスフィア器官からの光線を浴びせる!

 

『グァアッ……!』

『タロウ兄さん!光線も効かないなんて………!』

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァァアアウッ!」

 

ダメ押しとばかりに、アストロモンス・ギガが上空から『バルカンレーザー』を放ち、ウルトラマン達は爆炎に包まれた!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ウルトラマンが!」

「なんてこった!」

 

スーパーマードック2世号から炎に包まれたウルトラマン達を見たトベとマルメが、悲痛な叫びをあげる。6人のウルトラマンは何とか炎から出てきたものの、無事では済まなかったようでふらふらと立っていたが、そんな事はお構いなしとばかりにスフィアシードの攻撃が続く。

 

「マズいぞ………このままではウルトラマン達が………!」

[おい、ゴンゴルド!あの怪獣に弱点とかはないのか!!?]

「そ、そんな事言っても………弱点なんて………」

 

バルクホルンが通信で叫ぶも、ゴンゴルドは腕を組んでうんうんと悩む。そうこうしている内に、ダイナに2体のスフィアシードが迫り、鞭を身体に絡ませてしまった。

 

「アスカーーー!」

「あ、おいルッキーニ!!」

 

ルッキーニが叫びながらスフィアシードの1体に向かい、機関銃を乱射する。魔力が込められている弾丸とはいえ、スフィアシードの体表はそれを弾いてしまいダメージはない。

 

ズダダダダダダダダダダダダ

「ッッッ!!!ウォォォオオオオオンッ………!!??」

「え!?」

 

だが、ルッキーニの放った弾丸の内、数発がチグリスフラワーに当たったかと思うと、スフィアシードは悶えて苦しみ始めたではないか。

スフィアシードが1体離れたことでダイナはもう1体の拘束を解いて距離を取る。

 

「あれー?何で今、効いたんだろう………?」

「分からない。あの花に当たった瞬間………ん、花だと?」

 

ルッキーニの言葉にシャーリーも首をかしげていたが、ふと、昨日の戦闘を思い出した。

たしかあの時、アストロモンスは腹部にある赤い花の中央から、怪獣を1匹丸呑みにしてしまったのだ。

 

「そうか!あの怪獣は、腹にある花から、怪獣を丸呑みにしてしまうんだった!」

[何!?それは本当かね!?]

 

シャーリーが思わず声に出すと、マードック号のニシキ博士が身を乗り出して聞いてきた。

 

[ああ。という事は、だ、あの花は怪獣の口、つまり]

「怪獣の体内に繋がっている、という事か!!」

「成程!体内に直接攻撃を叩き込めばいいのか!」

 

ニシキ博士がそう決定づけると、マードック号内に希望の笑みが光った。

おそらく先ほどは、ルッキーニの弾丸が体内に入ってしまったがためにスフィアシードは悶え苦しんだのだ。

 

「ウルトラマーン!花だ!腹部の花の中心を狙うんだー!!」

 

シャーリーが叫ぶと、はっとしたようにウルトラマン達が見上げて頷いた。

 

『聞いたなみんな、各自、怪獣の腹にあるチグリスフラワーの中心を狙え!!』

『ダイナ、君はアストロモンス・ギガを!』

『おう!!』

 

タロウの号令に、6人のウルトラマンはそれぞれスフィアシードに向かっていく。

 

 

 

 

 

『トァアーーー!!』

「ウォォォオオオオオオオオン………」

 

タロウは高くジャンプをすると、空中で数回回転し得意の『スワローキック』を食らわせ、さらにボディに素早くパンチを何発もお見舞いし、スフィアシードを後退させる。怒ったのかスフィアシードは鞭をタロウに振り下ろすが、タロウは額のランプから『ヒーロー光線』を発射する!先程のブルーレーザーとは比べ物にならない強力な光線を受けた鞭は、簡単に焼き切れてしまった!

 

「ウォォォオオオオオオオオン…!!?」

『今だ!』

 

タロウは左腕の大きな王冠の装飾が特徴の『キングブレスレット』を外すとブレスレットは光輝き、両刃の手槍「ブレスレットランス」に変化。タロウがそれをチグリスフラワーのど真ん中目がけて投擲すると、ブレスレットランスは真っすぐに飛んでいき花の中央に吸い込まれ、怪獣の胴体を貫通した!

 

「ウォォォオオオオオオオオン……!」

 

たまらずのけ反るほどのダメージを追ったスフィアシード。タロウはすかさず、右手を高く掲げると左手をそれに重ね、大きく回すように腰に持っていき、全身に七色のエネルギーを蓄積する。

 

『ストリウム、光線ッ!!』

 

そして、腕を『T字』に組むと、七色の破壊光線が怪獣目がけて飛んで行った!

 

「ウォォォオオオ―――」

ドォォオオン

 

発射されたストリウム光線はスフィアシードに見事命中し、爆発を起こして炎上した!

 

まずは、1匹。

 

 

 

 

 

「ウォォォオオオオオオオオン………」

 

スフィアシードの1体が光線を放ってくると、ウルトラマンレオはギリギリで回避する。すると、レオは左腕にはめられた金色の腕輪に手をやると、腕輪は一瞬で銀色の大きなマントになった。このマントこそ、伝説の超人『ウルトラマンキング』より授かった伝家の宝刀『ウルトラマント』である。

レオはウルトラマントを頭上で何度も振り回と、瞬く間にウルトラマントは折り畳まった銀色の傘『レオブレラ』に変化する。レオはそれを開いて回すと、傘は光線を受け止めてスフィアシードに跳ね返してしまった!

 

「ウォォォオオオオオオオオン………」

 

軽いダメージを受けたようであるが、尚も光線で攻撃してくるスフィアシード。しかしレオはレオブレラで防御をしたままスフィアシードに接近、そして、十分に近づいたところで傘を閉じると、そのまま傘の先端で花の中心を貫いた!

 

「ウォォ………!!」

『イヤァアアア!!』

 

レオは掛け声とともにレオブレラを抜いて元のアームブレスレットに戻すと、カラータイマーからの破壊光線「タイマーショット」を撃ちこみ、スフィアシードを炎上させた!

 

続いて、2匹目。

 

 

 

 

 

アストラは、スフィアシードの鞭とハサミの猛攻を耐えながらチャンスを伺っていた。得意のファイトスタイルであるキックボクシングを活用して回し蹴りを放つものの、大したダメージを与えられていない。

その時、スフィアシードのハサミと鞭が同時に向かってくるが、アストラは何とか回避、すかさず左右同時に放つアストラチョップで左右の腕を切断した!

 

「ウォォォオオオオオオオオン………!!」

 

怒りに燃えるスフィアシードは体当たりでアストラを突き飛ばすと、そこに目がけて光線をがむしゃらに放ち、アストラは炎の中に消えてしまう!

 

「………?」

 

しかし、炎と黒煙が晴れるとそこにいるはずの赤い獅子の戦士の姿はなく、黒焦げてえぐれた地面があるのみだ。不思議に思ったスフィアシードが辺りを見回すが、アストラの影も形も見当たらない。

跡形もなく吹き飛んでしまったのかと思ったその時、スフィアシードは木っ端みじんに吹き飛んでしまったではないか!

 

跡形もなく吹き飛んだスフィアシードがいたその場所には、何とアストラが勝利を知らせるかのように腕を掲げて立っていた。

 

これこそ、身体をミクロ化して怪獣の体内に潜入し、内部から破壊する荒業『ウルトラリダクション』だ。

アストラは爆炎に紛れて身体をミクロ化させ、チグリスフラワーの中央からスフィアシードの体内に潜入、破裂させたのだ。

 

更に、3匹目。

 

 

 

 

 

スフィアシードの1体がジョーニアスに鞭を振るうと、ジョーニアスはそれを掴みジャイアントスウィングの容量で振り回すと、遠くの方へと投げ飛ばしてしまう。

 

『ジョゥワッ!』

 

ふらふらと立ち上がるスフィアシード。ジョーニアスはこの機を逃さず飛び上がると、両腕を真っすぐに伸ばしてきりもみ回転をしながら、弾丸の如くスフィアシードに向かって行く!

それに気が付いたスフィアシードが光線を放つも、ジョーニアスの回転で弾かれてしまい、必殺の『ウルトラボディスクリュー』を花の中央に受けてそのまま貫かれてしまった!

 

「ウォォォオオオオオオオオン………!」

 

胴体に大きな風穴を開けながらも、背後に着地したジョーニアスに向かって行こうとするスフィアシード。しかし、ジョーニアスは振り返り様に腕をL字に構えて「プラニウム光線Bタイプ」を発射、哀れ、スフィアシードは粉砕されてしまった。

 

これで、4匹目。

 

 

 

 

 

 

ウルトラマン80がビュッ、と風を切る音が鳴るほどの勢いで構えを取ると、スフィアシードは右手のハサミで掴みかからんと突進するが、80はスフィアシードを飛び越えて回避、近くに寄って背後から水平にチョップを食らわせる。驚いたスフィアシードは振り返り様に鞭の一撃を食らわせる!

 

『グゥウ………ッ!』

「ウォォォオオオオオオオオン………」

 

鞭に撃たれて後退する80に対し、スフィアシードは光線の乱れ内をお見舞いする。80は何とか光線を避けると、右手を高く上げる。すると、右手に光り輝く槍『ウルトラレイランス』が生成される。80はそれをスフィアシード目がけて投げると、光の槍は花から怪獣の身体を貫通し、スフィアシードは苦しんだ!

 

「ウォォォオオオオオオオオン………」

 

悶える怪獣を見た80は左腕を上に、右腕を横に伸ばした後左手を右手に合わせ両腕を腰に持っていく。すると、腰の金色のバックルから無数の光線が飛び出し、スフィアシードのチグリスフラワーに『バックルビーム』が叩き込まれた!

 

「ウォォォオオ―――!!」

ドォォオオン!!

 

バックルビームを受けたスフィアシードは身体から火花を散らせ、力尽きて倒れるとそのまま爆発四散したのであった!

 

ついに、5匹のスフィアシードは全て倒されたのだ!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

5匹のスフィアシードは倒され、残るはウルトラマンダイナと戦う、上空のアストロモンス・ギガとなった。

 

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァァアアウッ!」

 

咆哮を上げるアストロモンス・ギガが上空からバルカンレーザーを放つ中、スーパーマードック号と3人のウィッチの援護を受け、ダイナは両腕を目の前で交差させる。すると、額のダイナクリスタルが赤く輝き、ダイナは『ストロングタイプ』へとその姿を変えた!

 

「おお、ヴェネツィアで見た姿だ!」

「『ストロングタイプ』だ!」

『ダァアアアッ!!』

 

ストロングタイプに変化したダイナは、アストロモンス・ギガへ急接近するとその顎にアッパーカットをお見舞いしてひるませる。すかさず背後に回り込むと、7本もある尻尾を一つに束ねて掴みグルグルとジャイアントスウィングだ!

 

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァアアウッ!」

『ダァアアアッ!!』

 

ある程度回転がかかった所で、ダイナは地面に向けて大怪獣を叩きつけた!

 

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァアアウッ!!」

 

高く土煙を上げて叩きつけられたアストロモンス・ギガが、悲鳴を上げる。ダイナは地面に降り立つと、アストロモンス・ギガに急接近し、左腕に力を込めたストロングパンチを顔面にめり込ませる!更には強烈な頭突き『ウルトラ・ダイナムパッド』を食らわせ、ついにはその赤い角が折れて宙を舞った!

 

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァアアウッ!!」

 

アストロモンス・ギガは怒りの咆哮を上げると口から火炎を放射し、ダイナを自分から遠ざける。すると、先程ダイナと80に斬り落とされた筈の2本の鞭が再生し、ダイナを拘束してしまった!ダイナはストロングの力に任せて引きちぎろうとするが、それよりも前にアストロモンス・ギガの口から放たれた火炎を受けてしまった!

 

『グァアアア………ッ!!』

 

火炎を受けて吹き飛ぶダイナ。見ると、アストロモンス・ギガの折れた角が再生しかかっていた。

 

「ある程度のダメージは、直ぐに回復してしまうのか………!」

「アスカ!花を狙うんだ!!」

 

マードック号と共にアストロモンス・ギガへ攻撃を仕掛けながらシャーリーが叫ぶ。ダイナは頷いて起き上がると腕を顔の前で交差させてフラッシュタイプへとチェンジ。チェンジと同時に腕を十字に組んでソルジェント光線を発射した!

 

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァアアウッ!!」

バギンッ

「ああ!」

 

しかし、アストロモンス・ギガはそれを予測していたのか両腕でそれを防御し、逆に鞭の連打とバルカンレーザーを発射して攻撃をした!

ダイナはギリギリでかわし、周囲を爆炎が包み込む。勝ち誇るようにアストロモンス・ギガが鳴き声を上げ、カラータイマーが赤く点滅する中、ダイナはある事を思いつく。

 

『フゥウウ………』

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァアアウッ!!」

 

ダイナはアストロモンス・ギガの真正面に立つと、足で地面を数回『ならし』、右手の平に青白い光球を発生させる。奇妙な行動に一同が首をかしげる中、ダイナはその光球を持ったまま大きく振りかぶり、さながら野球のピッチャーのようにアストロモンス・ギガの顔面に目がけて投げつけた!

 

「キィィイイイイイイイイイイイイシャァアアウッ!!」

 

しかし、真っすぐ向かって行った光球はアストロモンス・ギガに見抜かれてしまい両腕で防がれてしまった。

 

「ゲャッゲャッゲャッ!」

『ダイナ………?』

『一体、何を………?』

 

駆け付けたウルトラ兄弟も、ダイナの行動の意図を読めない。アストロモンス・ギガがバカにするかのように嗤う中、ダイナは再度光球を生成し、振りかぶった。

 

「ん………?」

 

その一瞬、シャーリーはダイナの光球の持ち方に気が付いた。人差し指と中指の間に、ボールをはさんでいるのだ。

そこでシャーリーは気付いた。この球は………

 

『ダァァアッ!』

 

一瞬、炎を背負ったような錯覚を覚える程大きく振りかぶったダイナが、第2球を投げる。真っすぐに自分の顔面に向かって来る事を確信した宇宙大怪獣は再度両腕で防御し、その隙間から覗き込んだ。

 

 

 

 

 

かくんっ

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

 

しかし、予想に反して光球は目の前でかくんっ、と落下したではないか!

アストロモンス・ギガが気付くももう遅く、落下した光球は腹部の赤い花の中央にスポッと入り込み、アストロモンス・ギガの上半身は内部から爆発してしまった!

 

『ストライッ!!』

「い、今のって………?」

「スプリッターだ!!」

 

全員が呆気にとられる中、シャーリーが思わず声を上げる。今のは間違いなく、野球のスプリッター、我々日本人には『フォークボール』の呼び名が馴染み深い変化球だ。

 

『ウルトラフォーク』

かつて、「変異昆虫 シルドロン」を倒す為に編み出した、ダイナの『決め球』である。

 

『フォークボールとは考えたな!』

『あのような技、私でも思いつかないな………』

『タロウ兄さん!アストロモンス・ギガが!』

 

驚いたものの、ダイナの奇策にウルトラ兄弟達も称賛する。しかし、上半身を吹き飛ばされたにも関わらずアストロモンス・ギガの球根の様な下半身はうごめき始め、そこら中から触手を伸ばしてきた!

 

『まだ終わっていないか!』

 

タロウが叫んだ時、アストロモンス・ギガは4対の脚で高くジャンプして飛び立ち、少しずつ上昇し始めていた。宇宙へ逃亡しようとしているのだ!

 

「トベ、マルメ!ヤツを逃がすな!ミサイル発射だ!!」

「了解!!」「これでも喰らえぇ!!」

 

ゴンドウキャップの号令と共にマードック号からミサイルが放たれ、アストロモンス・ギガの足を2本吹き飛ばす!更に、バルクホルンのMG42機関砲2丁が火を吹き、その身にダメージを与えた!

 

「行くぞ、ルッキーニ!」

「ホイ来たぁー!!」

 

更に、上空で待機していたシャーリーはルッキーニを抱えると、ルッキーニは伸ばした両腕の先にシールドを展開する。

 

「行って………」

 

そしてシャーリーは大きく振りかぶると、

 

「来ぉぉおおいッ!!」

 

自身の固有魔法「加速」を加えてルッキーニをアストロモンス・ギガに向けて『投げ飛ばし』た!

高速で投げ飛ばされたルッキーニのシールドがアストロモンス・ギガの体表に当たると、そのままその球根型の巨体を貫き、風穴を開けてしまった!

ルッキーニの固有魔法『光熱』はシールド前方に熱エネルギーを発生させるもので、射程は零距離ながら、シャーリーの『加速』と君合わせる事によりルッキーニ自身が『弾丸』となって敵を貫けるのだ!

予想外の強力な攻撃を受けてか、アストロモンス・ギガは浮遊したままその場でよろけていた。

チャンスは今だ。ウルトラマン№6はそう判断し、命令を下した。

 

『全員の必殺技を、奴にぶつけるんだ!!』

『オウっ!!』

 

タロウの号令に従い、6人のウルトラマンは横一列に並んで必殺技の発射体制に移る。

 

タロウは自身のエネルギーを集中させると、腕を『X字』に交差させ、

 

レオとアストラは両腕を胸の前で交差させると左右に真っ直ぐ伸ばし、レオの前にアストラが片膝をついてしゃがみ、掲げた両手の先端にレオの両手が交差し、

 

80は右手を横に、左手を真上に真っ直ぐ伸ばした動作の後に腕を『L字』に組んで、

 

ジョーニアスは両手の拳を打ち合せぐぐぐ、とゆっくり開くと、拳の間に球状のエネルギーが蓄積されていき、

 

ダイナが胸の前で拳を合わせるポーズの後に右腕を斜め下、左腕を斜め上に伸ばしてエネルギーをチャージし、腕を十字に組んで、

 

 

 

『ダァァアアアアアアーーーッ!!』

 

 

 

ジョーニアスの『ロッキングスパーク』が、

 

80の『サクシウム光線』が、

 

レオ兄弟の『ウルトラダブルフラッシャー』が、

 

タロウの『ネオストリウム光線』が、

 

そして、ダイナの『チャージソルジェント光線』がアストロモンス・ギガに撃ちこまれ、球根型のスフィア合成獣は爆発四散、ついに倒されたのであった!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

戦いが終わり、焼け野原となった施設跡地には、生き残った十数名のバム星人と、ゴンゴルド大佐の姿があった。

 

「何でい、生き残ったのはこれだけか。」

「では、約束通り、お前とバム星人たちの身の安全は保障しよう。ただし、お前にはエンペラ軍団の情報と、スフィアを売りつけた奴の事をしゃべってもらうぞ。」

「もちろんだ。」

「大佐………」

 

ウルトラマンタロウの人間態、東 光太郎とゲンがゴンゴルドに話す中、バム星人の一人が不安げに話しかけてきた。

 

「なあに、心配するな。お前らもワタシも、命がありゃあ何とかなるだろ。」

『大佐―――!』

 

ゴンゴルドの言葉に涙を流して叫ぶバム星人一同。結構慕われているのだなあ、と思う光太郎。すると、80の人間態である矢的 猛が近づいてきた。

 

「そう言えばレオ兄さん、アストラ兄さんは?」

「ああ、逃げ出したアストロモンスがいないか調べてくると言って、飛んで行ってしまったよ。」

「そうですか……相変わらず、忙しい人ですね。」

 

全くだ、と笑いあうゲンと猛。一方のアスカ達は、αスペリオル号の整備をしていた。

 

「しかし、この機体で地球まで行くにしても、4人は流石にきつくないか?」

「まあ最悪、ルッキーニはシャーリーの膝に乗せて、俺が変身してαスペリオル号抱え込めば、何とかなるだろ。」

 

シャーリーと一緒に、先の戦闘で破損個所がないか確認をしながら、背後のバルクホルンに返事をするアスカ。小柄なルッキーニならそれで問題がないように思えた。ふと、覗き込んでいたルッキーニが、思い出したようにつぶやいた。

 

「あ、そーいえばさー?」

「ん?どうしたルッキーニ?」

「あの怪獣、えーと、シルバゴンだっけ?どうしたんだろうね?」

「「「え?」」」

 

それを聞いて、アスカ達も気が付いた。確かに、昨日出現したシルバゴンは、あれ以来姿を見せていなかった。

 

「昨日の戦闘にもいなかったし、アストロモンス軍団の中にも、それらしき個体はいなかったな………」

「バム星人達の反応から見ると、想定外の怪獣のようだったからな………何者だったのだ、あの怪獣は………?」

 

首を傾げるも、シルバゴンの行方は分からないままであった………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

同じ頃、惑星グルータスに程近い宇宙空間では………

 

「やれやれ、惑星グルータスに怪獣が集まっていると聞いて行ってみたら、エンペラ軍団やウルトラマンがいて、修行どころではなかったな………」

「グギュゥゥウウウウウウウウウウウウ!!」

「ギィィイイシュウ!!ギィィイイシュウ!!」

 

宇宙人が右手で赤い薔薇を弄びながらため息をついていると、彼の背後で『左肩に星型の傷がある』シルバゴンと、赤い目を持つカニのような怪獣が、咆哮を上げた。

 

「そう嘆くな。また別の場所を探そうではないか。」

 

2匹の怪獣をそう宥めると、彼は星々の輝く宇宙空間を映し出す窓を見た。

 

「大いなる大戦まで、まだ時間はある。我が覇道のためにも、力をつけねばなるまい………!」

 

宇宙人の左手には、長方形の白い機械が握られていた………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「色々と、世話になったな。」

「いえ、俺たちも、助かりました。」

 

ゲートの前で、アスカとゴンドウが固く手を握り合う。ゴンドウ達科学警備隊は、このゲートで元の次元世界へ帰還するのだ。

 

「それより、良いのか?このゲートを調べれば、君たちの世界を見つける事も出来るかもしれないのに?」

 

トベが、バルクホルンたち3人のウィッチに聞く。科学警備隊が通った後、ゲートは悪用されないように破壊される事になっていた。

 

「ああ、ゴンゴルドの話では、これは特定の場所に移動できるだけの装置のようだからな。これも、スフィアを売りつけた者から情報を貰ったらしい。」

「私らの世界に来るのに使った宇宙船は、ナックル星人が乗って行って連絡がつかないみたいだしな。」

「そうか………」

 

少し、心配そうにするトベ達。すると、何か大きな段ボール箱を抱えたニシキ博士が、同じく段ボールを抱えたローと一緒にやって来た。

 

「ああ、運転手君、コレ、積み込んどいてくれ。」

「え?博士、何です、コレ?」

「いや、気に入ってくれたみたいだから、余った眼兎龍茶を5箱ほどお土産にね。ああ、アスカ君たちにもあるよ。」

 

渡された段ボール(1箱24本入)によろけるトベに、マーズが説明する。

 

「いいのか、こんなに?」

「いいのいいの。私の実家が、この茶葉の農園でね。物資と言ってたくさん渡されているんだよ。」

「あんたらは、これからどうするんだ?」

 

眼兎龍茶の段ボールを受け取ったアスカが、マーズにそう聞いた。

 

「ここ以外にも、エンペラ軍団の支配が続く惑星があるだろうからね。その拠点を潰して、この星のように開放をしようと思っているよ。」

「そうか。」

「この惑星も、時間はかかるだろうけれど、元の緑豊かな惑星に戻るだろう。」

 

チグリスフラワーの花畑が消え、草木が風に揺れる大地を見渡しながら、マーズが言った。

 

 

 

 

 

「じゃあなー!」「元気でなー!」

「バイバーイ!」

 

飛び立っていくスーパーマードック2世号に向けて、アスカやルッキーニ達が手を振る。スーパーマードック号はゲートをくぐり、元の次元世界へと飛んで行き、次元エネルギーが消えると同時にゲートは爆発し破壊された。

 

「さーてと、俺たちも地球に向かうとするかー!」

「ああ!」

「芳佳たちに、早く会いたいねー!」

 

ゲートが破壊されたのを見届け、アスカは伸びをしながらそう言う。すると、光太郎が話しかけてきた。

 

「アスカ君、地球までは、私が送ろう。」

「え、いいんですか?」

 

光太郎の申し出に、シャーリーが聞き返す。一応、今いる兄弟の中では最年長であるため、敬語である。すると、ゲンが話に入ってきた。

 

「ああ。後の事は我々で片づけられるからな。」

「それに、メビウスの様子を、一度見ておきたいからな。」

 

何故か、少し嬉しそうに言う光太郎。話によれば、今地球にいるウルトラマンメビウスはウルトラ兄弟の末っ子であるらしく、カワイイ弟が気になるのだろう。

 

「わかった。地球までの航路、よろしく頼むぜ!」

「ああ!」

 

アスカと光太郎は、サムズアップをしながら微笑みあう。

アスカは、3人のウィッチをαスペリオル号に連れていこうとする。すると、何故か猛はバルクホルンを呼び止めた。

 

「………バルクホルン大尉、宮藤 芳佳君と、彼女のお父さんによろしく頼む。」

「え………?」

 

バルクホルンは、一瞬、何を言われたか分からなかったが、そして気が付いた。

 

芳佳の事はともかく、何故彼女の父親の事を………?

 

「おーい、何やってるんだー!?」

「早くしないと置いてくぞー?」

「………あ、おい、待て!!」

 

そう思ったが、ルッキーニ達が自分を呼んだため、短く返事をして走り出すバルクホルン。

 

猛は、その後姿をじっと見ていた。

 

 

 

 

 

「よーし、3人とも乗ったな?」

「ああ。」

 

少しして、バルクホルン達3人のウィッチはガッツイーグルαスペリオル号に搭乗し、(ルッキーニは当初の予定通り、シャーリーの膝の上だ)地球に向かう準備が整った。

 

「けれど、本当に操縦は大丈夫なのか?」

「ああ。俺が抱えるし、それに、木星付近まで行けば、もしもの時に自動操縦で地球まで行けるよ。」

「便利だなー」

 

異次元の技術に感心するウィッチ一同。

 

「よし、それじゃあ。」

「ああ、行こうか。」

 

ハッチを閉めると、アスカと光太郎の2人は頷き会った。

 

そして、懐からリーフラッシャーを取り出すと目の前に突き出し、

光太郎は左肩の『ウルトラバッヂ』を外すと右手を突き出すようにして、

叫んだ。

 

「ダイナァァアアアアアアアアアアアア!!」

「タロォォオオオオオオオオオオオオウ!!」

 

そして、2人が光に包まれると、そこには2人の光の巨人の姿があった。

 

『さて、お嬢さま方、楽しい空の旅へ出発ですよ。シートベルトをしっかりお閉め下さい。』

「おお、よろしく頼む!」

「しゅっぱーつ!」

 

ダイナはαスペリオル号を抱えると、タロウの先導で飛び立つ。程なくして、2人のウルトラマンは宇宙空間へと飛び出した。

 

「ふえー!もう宇宙に出ちゃったよ!」

「私たちの時は、10人がかりで1人を飛ばすのがやっとだったもんねー」

『いやちょっと待ってくれ、魔力があるとはいえ、生身で宇宙行ったのか?』

「まあ、高度30,000mまでだったけれどな。」

 

流石のウルトラマン達も、この話には唖然とする。鉄仮面を思わせるその銀色の顔も、若干苦笑いのように見えた。

少し驚きながらも、タロウは両腕にエネルギーを溜めるとクロスさせて光線を照射、すると、それは光り輝く『トゥインクルウェイ』となる。

 

『ここを通れば、地球まですぐだ。』

『分かった。しっかり捕まっていろよ!』

 

3人のウィッチを連れた2人のウルトラマンが光の道に消えると、トゥインクルウェイは閉じて静寂が戻った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「やはり、あの空間に時空の穴があるようだ。」

 

竜が森湖の湖畔に設置された作戦本部で、高山 我夢がパソコンを操作しながら呟いた。

 

現在、我夢たちXIGの面々は、ミーナとエーリカ、そしてウルトラマンマックスことトウマ・カイトをM78星雲のある世界へと送るため、竜が森湖の調査を行っていた。

 

我夢がモニターに映る数値に目を光らせていると、ミーナと藤宮がやって来た。

 

「どうだ、我夢?」

「ああ、確かに上空に時空の穴はあるようなんだけど、数値を見る限りでは、時空間移動ができるものではないようなんだ………」

「そう、ですか………」

 

我夢の報告を聞いて、少し残念そうにするミーナ。隊長という立場上、早く仲間たちの安否を確認したい気持ちでいっぱいなのだろう。

そんな彼女の心配を察してか、だけど、と、我夢が続けた。

 

「この穴は小さいから、何かしらの方法で広げることが出来れば、通ることが出来ると思うんだ。例えば、巨大なエネルギーをぶつける、とか………」

「巨大な、」

「エネルギー、か………」

 

我夢の言葉を、藤宮とミーナは口にして考える。すると、藤宮が何かを思いついたらしく、我夢に聞いた。

 

「なあ我夢、ゾーリムの事を覚えているか?」

「ゾーリムを?ああ、覚えているともさ。」

 

『巨獣 ゾーリム』は、かつてワームホールから顔を出現させた超巨大な怪獣で、全体を把握できないほどの巨体を持っていた。

 

「君から、『アグルのヒカリ』を託されなかったら、倒すこともできなかっただろう。」

「そ、そんなとんでもない怪獣がいたんですか………」

 

ゾーリムの話を聞いたミーナが、恐ろしいと言わんばかりに身を震わせた。すると、藤宮が話を続けた。

 

「あの怪獣がそもそも出現した原因のワームホール、それは俺たちが放った光線がぶつかり合い、生じたエネルギーだ。」

「光線がぶつかり合ったエネルギー………!藤宮!」

 

藤宮の考えに気が付いた我夢が、思わず立ち上がった。

 

「ああ。もう一度、あの現象を起こすんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




第十三話、ダイナ篇の完結編です。

スフィアシード登場。戦闘員的立ち位置(ダイナのフォーガスに近い位置)の奴が欲しくて出しました。デザインイメージはクトゥーラっぽいグリーンモンス+チグリスフラワー。

それぞれの方法で花の中央を狙うシーンはお気に入り。乱戦状態でそれぞれの個性が出るのは面白いと思います。

そして止めのウルトラフォーク。正直、ウルトラフォークやりたくてこの話作った感はあります(笑)技の特性上仕方ないとはいえ、結構使い道難しいですしね。シャーリーがスプリッターと言っているのは、アメリカなんかではそう呼ばれていることから。

戦い終わって、まだ謎が。スカーシルバゴンの主と矢的先生の意味深な言葉はいずれ。

正直、光太郎さんは出そうかどうか最後まで悩みましたが、ダブル変身をさせようと思い出してしまいました。

ラストは久々のガイア勢。ゾーリムの出てきたワームホールを開く方法ならゲートを広げられるので、帰る目途が立ちました。

次回は舞台を地球に戻して、メビウスたちの話になります。ボルター達提督も登場予定です。

では、また次回。

なお、蛇足ですが「藤宮と宮藤でややこしい」というネタを思いついたけれど、今の所芳佳と藤宮が会う予定はないです(笑)
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