ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第十四話 無法者の島

西イリアン諸島のとある無人島。

 

突如として地響きが起きたかと思うと周囲の木々がなぎ倒されて、地中から巨大な怪獣が出現した。

 

「キャゴォォオオオオオオオ!キャゴォォオオオオオオオ!」

 

雄々しき鼻先の一本角とたてがみを持った2足歩行の怪獣は、三日月の夜空に大きく吠えると海に向けてのっしのっしと去っていった。

 

まるで、何かに導かれるかのように………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「西イリアン諸島に、シーゴラスが?」

 

ベムスターが宇宙に帰ってから2日後の朝、GUYSジャパン基地 フェニックスネストのディレクション・ルームでは、朝の定期連絡が行われていた。

 

「はい。しかし、現地のCREW GUYSが急行した時には、海中に逃げられ、」

「行方が分からない、っていう事ですか。」

 

芳佳の質問に、ミサキ女史は頷く。海中に逃亡した怪獣シーゴラスは現在、公海の防衛を担当する『GUYSオーシャン』が、目下捜索中であるとの事だった。

すると、ペリーヌの頭からリムエレキングを引きはがし、胸に抱いたサーニャが聞いた。

 

「西イリアン諸島って、インドネシア、でしたっけ?」

「そう、1ヶ月半前の『ダークネスフィア事件』以来、日本以外での怪獣出現は、久しぶりなんです。」

「確か、あの時は世界中でも怪獣が確認されていたな。」

 

思い出したかのように、リュウが言う。『ダークネスフィア事件』の際には、確認されているだけでもモンゴルで「暴れん坊怪獣 ベキラ」、アリゾナ州で「地底怪獣 デットン」の同型と思わしき怪獣が(アメリカには以前、テレスドンの同型と思われる怪獣が出現している)、フランスのパリでは「有翼怪獣 チャンドラー」が現れ、他にもブラジルの上空を「円盤生物 UF‐0」が飛び去ったという報告が挙がっていた。

 

「ここ最近の状況を考えると、エンペラ軍団の仕業とも考えられるな。」

「エンペラ軍団………何らかの方法で、ネウロイを操る技術を習得している連中………」

 

エンペラ軍団の名前を聞いた美緒が呟く。一応、自分たちの世界でもネウロイを操る技術は確立されてはいるが、それでも脅威には変わりない。

 

「奴らの真の目的や、時空を移動する術を得た経緯も分かっていない。一層の警戒に努めてくれ。」

『G.I.G.』『了解!』

 

リュウがそう締めて定期連絡は終了、各々、自分の持ち場に着いた。

ふと、エリーがミサキ女史に聞いた。

 

「そういえば、シーモンスは出なかったんですか?」

「いえ、シーモンスの出現報告は、まだ上がっていません。」

「「シーモンス?」」

 

エリーの出した名前に、芳佳とムサシが反応した。

 

「はい。以前出現したシーゴラスには、シーモンスという奥さんの怪獣がいたんです。」

「奥さん?つまり、その怪獣は『つがい』なのか。」

「そうなんですよ。」

 

ちょっと待って下さいね、と言ってエリーがコンソールを操作すると、モニターに2匹の怪獣のデータが呼び出された。

 

1匹は、大きな角とたてがみが特徴の2足歩行怪獣『竜巻怪獣 シーゴラス』、

もう1匹は、顔つきはシーゴラスに似ているもののたてがみがなく、丸みをおびて鼻先の角が短い4足歩行怪獣『津波怪獣 シーモンス』だ。

 

「2足歩行の方がオスのシーゴラス、4足歩行の方がメスのシーモンスです。」

「確かに顔つきは似ていますけれど………」

「オスとメスで立つ足の数が違うのって、あり得るんですか?」

 

ご尤もな指摘をするリーネ。

 

「………まあ、それは置いといて………ドキュメントMATによると、産卵を控えたシーモンスが東京のセメント工場に襲撃してしまった為に攻撃を受けたところ、助けるようにシーゴラスが現れたそうです。」

「へぇー、奥さんを助ける為に現れたのかー」

「何とも、男らしい怪獣がいたものだな!」

 

美緒は感心して笑うが、この時の被害を考えると笑い事ではない。

西イリアン諸島の伝承によれば「シーモンスをいじめるとシーゴラスが怒り、海も空も、大地も怒る」と言われている。実際、2匹の怪獣の超能力によって大竜巻が発生し、東京は壊滅寸前にまで追い込まれたのだ。

 

「このことから、GUYS総本部はシーモンスの捜索も視野に入れています。」

「ず、随分と過激な夫婦愛だな………」

「もしもシーモンスが来ても、そっとしておこうな………」

 

リュウの提案に、一同は賛成するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十四話 無法者の島

 

竜巻怪獣 シーゴラス

どくろ怪獣 レッドキング

ロボット大怪獣 クレージーゴンジャイアント

強奪宇宙人 バンダ星人

超古代怪獣 ゴルザ

甲殻怪地底獣 ゾンネル

宇宙超人 スチール星人バトラー

反重力宇宙人 ゴドラ星人

異次元怪異 ネウロイ(GX‐05)

登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こらー宮藤―!ペースが落ちているぞー!!」

「は、はいー!!」

 

数十分後、芳佳は追いかけながら怒鳴る美緒に返事をした。5人のウィッチは、坂本美緒少佐指導の元、訓練を行っていた。先ずは基地周辺のランニングだ。

 

「そ、そう言えば、ムサシさんのご友人の件なのですが、あれからどうなりましたの?」

 

息を切らしながらも、エイラとサーニャに聞くペリーヌ。

 

「う、うん。アイハラ隊長とトリヤマ補佐官が口添えしてくれて、捜索を手伝ってくれる事になったの。」

「まあ、怪獣相手なら、GUYSも捜索しやすいだろうってコトでサ。」

「そっかー」

 

ムサシとコスモスがこちらの世界に来た本来の目的は、誘拐されたムサシの『3匹の友人』の救出である。

 

話を詳しく聞いた所、怪獣との共存を研究するべく設立された『ネオユートピア計画』のために多くの地球怪獣と共に移住した『遊星ジュラン』に、突如現れた超巨大ロボットにより、ムサシの友人である3匹の怪獣が攫われてしまったのだ。

ムサシはコスモスと再び一体化して、ウルトラマンジャスティスと共に対処した物の、あと一歩の所でロボットは異次元に逃げてしまった。そこでムサシは、ロボットの逃げた時空の穴に強大なエネルギーを撃ちこめば無理やりこじ開けて時空移動が可能であることを確認し、―――この際、こちら側の月に一時的にやってきて、ネウロイGX-03を撃退している。―――テックスピナーでサーニャ達と共にやってきたのだ。

そして攫われた友人、つまり『友好巨鳥 リドリアス』、『地中怪獣 モグルドン』、『電撃怪獣 ボルギルス』の3匹は、現在捜索中である。

 

「だけど、最初聞いたときはビックリしたよねー」

「うん。写真のお祝いしてくれている手前の人達じゃなくて、奥の怪獣だったからね………」

「3匹ともムサシさんの大切な友達、特に、リドリアスとは仲が良いんです。」

「でも、ロボットの写真が無かったのは、少し痛手ですわね。」

「こらお前ら!無駄口を叩くんじゃないぞー!」

『は、はいーーー!!』

 

後ろから美緒に怒鳴られ、疲れが出始めてはいるものの速度を上げる5人。すると、美緒の後ろから暑苦しい叫び声がした。

 

「一つ!腹ペコのまま学校に行かぬこと!」

「む?」

「一つ!天気の良い日に布団を干すこと!」

 

美緒が振り返ると、『ウルトラ五つの誓い』を叫ぶリュウ隊長を先頭に、GUYSジャパンの面々とムサシが、同じくランニングをしていた。

 

「おう!お前らも走り込みか!」

「はい!日々鍛えねば、身体が鈍ってしまいますからな!」

「そうか!それじゃあ、お先に失礼するぜ!」

 

そう言って、リュウは美緒を抜かす。

 

「いえ、追われていると分かった方が、隊員たちに危機感を与えられますから!」

 

そう言うと、美緒はリュウを抜かした。

 

「いや、基地の周囲はオレの方が詳しいからな!」

 

再度、リュウが美緒を抜かした。

 

「いえ、この数週間で、私も周囲は把握していますので!」

 

再度、美緒がリュウを抜かした。

 

「いや、流石に芳佳たちもバテているみたいだし!」

「いえ、バテているのは、そちらのイノウエ隊員等も同様かと!」

 

そう言って、リュウと美緒は抜いたり抜かされたりを繰り返し、いつの間にやら芳佳たちを追い越して先頭に出ていた。

 

「いやいやいやいやいやいや………」

「いえいえいえいえいえいえ………」

「しょ、少佐……?」

「リュウさん、何をやって………?」

 

エイラとミライの戸惑った声にも耳を貸さず、2人の走るスピードは徐々に上がっていき………

 

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」

バッビューーーン

 

「坂本さーーーーーん!?」

「隊長ーーーーーーー!?」

 

そのまま何故か激しい競争にまで発展してしまい、呆然と立ち尽くす芳佳達を尻目に、あっという間にはるか先まで走り去ってしまった………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「―――で、こんなにバテているのか、この2人は………」

 

「ぜぇー、はぁー、」

「ぜぇー、はぁー、」

 

十数分後、トリヤマ補佐官の目の前には、汗だくでデスクに突っ伏し、息を切らすリュウと美緒の姿があった………

 

「まったく、競争するのはいいけれど、業務に支障が出るレベルで張り切るものではないぞ。」

「い、いえ、補佐、官、こんなの、疲れてるうちに、入りませんよ……」

「そ、そうです!確かに、さっきは、ちょっと張り切り、すぎて、しまい、ましたが………ゴホッゴホッ!」

「完全に息も絶え絶えに疲れているじゃないですか!」

(割と似たもの同士なのかなー、この2人………)

 

やせ我慢でトリヤマに反論するも急き込んでしまい、芳佳とリーネに介抱される2人を見て、そう思うムサシであった。

 

「兎に角、2人とも午前中は休んだ方が良いですよ。来週の新型機のテストに関する手続きもありますし………」

「新型って、例のメテオールを積んだ奴ですね。」

「そうはいかん。こうしている間にも、いつ怪獣やネウロイが現れるのか分からないのだからな………」

 

息を切らしながらも、そう答える美緒。しかし、とミライは口を出した。

 

「そうは言っても、そんな状態で怪獣やネウロイが現れでもしたら………」

 

ミライがそう言いかけた時、ディレクション・ルームに警報が鳴り響いた!

 

「怪獣か!」

「ネウロイか!」

「おお、復活した!」

 

先程までの疲労はどこへやら、鳴り響いた警報に勢いよく立ち上がる2人の隊長。エリーがコンソールを操作すると、モニターに地図情報と赤く点滅する光点が映し出された。

 

「多々良島付近に、ネウロイが出現しました!」

「多々良島だと?」

「映像、出ます!」

 

エリーがそう言うとメインモニターの映像が切り替わり、鳥のくちばしを思わせる先端を少し曲げた尖った機首と、四角い形状の翼を持ったネウロイが、島に上陸していく様が見えた。

 

「多々良島には現在、怪獣の生態研究の調査団が滞在中です!」

「被害が出る前に追っ払うぞ!GUYS,SALLY―――」

 

リュウが号令を飛ばそうとしたその時、モニターの映像に動きがあった。

 

ゴシャァアッ

[キィィィィイイイイイイイ!?]

「!?」

「何だ!?」

 

何と、突然飛んできた巨大な岩がネウロイに命中し、翼の一部が損傷してしまったのだ!

 

「何だ!?何で今、岩が飛んできたのだ……!?」

「多々良島………まさか!?」

 

心当たりがあるのか、ミライが声を上げる。すると、画面が切り替わって、巨大な怪獣の姿が映し出された!

 

[ピギャァァアアアアアアアアアアアオッ!ピギャァァアアアアアアアアアアアアオッ!]

 

一目で石頭と分かる骸骨のような頭に鋭い牙をはやした口、力強い筋肉を蛇腹のような凹凸の体表で覆われたその怪獣は、胸をパコンパコンと鳴らして雄たけびを上げた!

 

「レッドキングだ!」

「前に出てきたヤツの他にもいたのか!!」

 

その怪獣の姿を見たリュウが、その名を叫ぶ。

この怪獣こそ、ドキュメントSSSPに2件、ドキュメントUGMに1件の記録を残す他、アメリカでも亜種の存在が確認され、2年前にも多々良島に出現した怪獣、レジストコード『どくろ怪獣 レッドキング』だ!

 

「レッド………?」

「キング………?」

 

その名前を聞いた6人のウィッチとムサシは、再度モニターに映るレッドキングを見た。

 

「………赤くないですよ?」

「むしろ、色白ダナ。」

 

リーネとエイラが指摘した通り、レッドキングの体表は名前に反して赤い色ではなく、黄色っぽい白色であった。

すると、エイラの評した「色白」という言葉が(何故か)聞こえたのか、レッドキングは「うふっ❤」と“しな”を作るポーズを取ったかと思うと、

 

[………ピッギャァァアアアアアアアアアアアオッ!!]

 

「何やらせてんだ!」と言わんばかりに、足元の岩を蹴り飛ばした。ついでに、その岩はネウロイに命中した。

 

「何だ、今の………?」

「………ちなみに、名前は「凶暴で赤い血を好む」のが由来とされています。」

 

レッドキングの行動に一同が呆気にとられる中、エリーが名前の由来を解説する。

 

「その由来は、聞きたくなかったかも………」

「………もしかしたら、レッドキングはネウロイに、自分の縄張りを荒らされたと思っているのかもしれない。」

 

芳佳が名前の由来にぞっとしていると、ミライは自分の考えを呟く。その考えの通りなのか、レッドキングはネウロイに向けて投石を繰り返しており、ネウロイも何発か受けてフラフラである。

とどめとばかりに特大の岩をレッドキングが投げると、岩はネウロイに命中し、ネウロイは砕け散った。

 

[ピギャァァアアアアアアアアアオッ!]

 

「た、倒しちゃいましたよ!?」

「どうやら、上手い具合にコアに当たったらしいな………」

 

ネウロイを倒したレッドキングに驚く一同。レッドキングはそのまま勝ち誇るようにドラミングをすると、どこかへ立ち去ってしまった。

 

「行っちゃいましたけど………?」

「………どちらにしろ、レッドキングが現れたんなら、調査団が危ない。」

「それに、ネウロイがなぜあの島を襲ったのかも、気になるな。」

 

リュウと美緒はそう言うと、隊員たちを見渡した。

 

「これより、調査団の安否確認と現地の調査の為、多々良島に向かう。ウィッチの6人とムサシも、協力してくれ。」

「はい!」

「勿論です!」

「GUYS,SALLY GO!」

『G.I.G.!!』

 

CREW GUYSの面々が返事をして、発進位置に着く。すると、エリーが立ち上がってリュウに進言をした。

 

「あの隊長、私も同行をしたいのですが………」

「………分かった。ガンローダーに予備のガンスピーダーを搭載して、そこに乗れ。」

「G.I.G.!」

 

エリーはそう返答し、ヘルメットを持って同行した。

芳佳は、エリーの行動が珍しいと思いながらも、出動すべく格納庫へと走った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

怪獣頻出期、太平洋に浮かぶ多々良島は、火山活動の停止を受けて定点観測所を再開した際、3匹の怪獣や吸血植物の無法地帯と化しており、科学特捜隊とウルトラマンが奮闘をした島である。

現在は無人島となっているが、時折調査隊が組まれ、独自の進化を遂げたその生態系、とりわけ怪獣の調査を行っているのだ。

 

先程のようにレッドキングに気づかれてはいけないと、海岸に着陸した一同は、レッドキングに警戒して身動きが出来ない調査団のキャンプを目指し、本当に日本国内なのかと疑いたくなるジャングルを進んでいた。

 

「扶桑に、あ、違った………えーと、に、日本?にこんな所があったんですね………」

「小笠原諸島以上の生態系の宝庫、なんて言われていますからね。」

 

調査団の残してくれた目印を頼りに、目の前のツタや草をかき分けて前に進むカナタの後ろで、芳佳とエリーが話す。各自が銃を構えながら、あたりを警戒して進んでいた。

 

「気をつけろよ、どっから怪獣や「吸血植物 スフラン」が出てくるか、分からないからな。」

「でも、ピグモンなら人間に友好的だから、大歓迎ですね。」

「この世界にも、そう言う怪獣がいるんですね。」

「油断するなって、言ったよな?」

 

早速ムダ話をするエリーたちを叱るリュウ。その時、目の前の茂みがガサガサと音を立てて動く。全員が警戒して、銃を目の前に構えた。

 

「ま!!、待ってリュウさん!!」

「え?」「この声………」

 

すると、茂みから白衣を着た、リュウ達と同世代位の男性が出てきた。

 

「テッペイ!?」

「テッペイさん!?」

「テッちゃん!!」

 

その男性を見て、思わずミライたちは驚きの声を上げ、

 

「え?」

「お知り合い、ですの?」

 

芳佳たちはリュウ達とテッペイと呼ばれた男性を交互に見て、首を傾げた。

 

彼こそ、リュウやミライ達と共にエンペラ星人と戦った『旧CREW GUYS』の1人にしてエリーのいとこ、クゼ・テッペイであった。

 

 

 

 

 

「父の紹介で、今回の調査団に医師として加わったんだ。」

 

ジャングルを抜け、キャンプを目前にした岩場を歩きながら、テッペイは説明をしていた。

 

「GUYSでの経験と怪獣の知識を、この調査団で生かせればってね。」

「成程な。」

「もしかして、エリーさんが今回志願したのって………」

 

芳佳が振り返り、エリーに聞いた。

 

「はい、テツハルおじさんから、今回の多々良島の調査団に加わったという話を聞いていたので………」

「テッペイさんが、心配だったんですね。」

 

ミライに笑顔で聞かれ、エリーは小さく頷いた。間もなくして、一行は調査団のキャンプ地に到着した。

 

「はじめまして、GUYSの皆さん。私が調査団の代表を務めるキシと申します。専門は、怪獣生態学です。」

「よろしくお願いします。」

 

眼鏡をかけ、七三分けにした髪の男性、キシ博士と握手をするリュウ。調査団はテッペイを含めて6名。代表であるキシ博士を筆頭に助手のマスジマ、フクダ、モトハシ、クルスのメンバーだ。

 

「いやしかし、まさかネウロイだけでは無く、レッドキングが出てくるなんて、思ってもみませんでしたよ。」

「レッドキングは非常に凶暴な怪獣です。いつでも脱出の出来る準備を。」

 

リュウはそう進言するが、キシ博士はまあまあと手のひらを見せて制した。

 

「レッドキングを始めとした怪獣の生態は、未だに不明な部分が多いですから、これはまたとない機会なんですよ。生態調査をしてからでも、遅くはないでしょう?」

「しかし、万が一の事があっては………!」

「博士、僕も同意見です!」

 

テッペイもそう言う。キシ博士は不安そうにすると少し考え、

 

「………分かりました。でしたら、定点カメラ等の遠隔操作できる観測機器の設置をさせてください。それくらいなら、構わないでしょう?」

「それくらいでしたら………」

 

リュウが渋々承諾すると、キシ博士はマスジマ助手とモトハシ助手に指示をして、機器の準備をさせた。美緒がリーネに護衛を指示し、2人が銃器を手に助手たちの方に向かった。

助手たちが準備をしていると、リュウのメモリーディスプレイの通信音が鳴った。相手はミサキ女史であった。

 

「こちらアイハラ。」

[アイハラ隊長!多々良島の上空に、次元エネルギーが!]

「何!?」

 

通信を聞いたリュウが空を見上げると、渦巻く時空エネルギーが発生し、中から銀色の戦闘機が飛び出した!

 

「戦闘機!?」

 

戦闘機の出現に驚くのも束の間、戦闘機はみるみる内に高度を下げ、岩山地帯に不時着をしてしまった。

 

「コウジとエリーはここに残れ!ミライとカナタはついて来い!」

『G.I.G.!』

「ペリーヌと宮藤も行け!」

『了解!』

「僕も行きます!」

 

リュウと美緒はそう命じ、ムサシを含めた6人は戦闘機の落ちた地点に向かい駆け出した。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

一方、岩場に墜落した戦闘機のハッチが開き、中から人が出てきた。

 

「………な、何とか不時着できた、な………」

「うじゅぅう~~~………」

 

出てきたのは、赤く長い髪の少女と色黒の肌と黒いツインテールが特徴の少女、そして、緑の軍服に、茶色い髪を後ろで二つに結わいた少女。

 

そう、シャーリー、ルッキーニ、バルクホルンであった。

 

「ここは地球、なのか?」

「分からない。通信機が使えれば何とかなるんだろうけど………アスカに使い方聞いとけばよかったなぁー………」

「………アスカ、大丈夫かな………?」

 

戦闘機―――ガッツイーグルαスペリオル号から地面に降り立った3人だが、ルッキーニが不安そうに俯く。シャーリーはそんなルッキーニの頭を撫でてやった。

 

「とにかく、まずは周囲を散策して、状況の確認を………」

「ん?」

「んん?」

 

その時、バルクホルンは視界に何か動くのを見た。それに気づいたシャーリーとルッキーニも、視線の先を追って振り返った。

 

〔………あ。〕

 

そこには銀色に光るプレートで顔を覆ったヘルメットをかぶり、黒いぴったりついた宇宙服の上に同じく銀色の小手と胸当てを着けた、小柄な女性らしき人物がいた。

 

『………』

〔………う、〕

「ん?」

 

しばし固まっていた女性であったが、突然立ち上がったかと思うと、腰から銃を取り出して3人に向け構えた。

 

〔動くなぁあーーー!!〕

「わぁあ!?銃を出した!?」

 

どこか機械を通したかのようなノイズの入った声で叫ぶ女性に驚く一同。女性は焦っているのか、銃身はブレブレである。

 

「おーし、落ち着け。私たちは今、お前を見ただけで何をしているかは分かっていないから―――」

〔やかましいわ!あんたら、見たからには生きて帰れる思わん事やな!〕

「おい、落ち着けって!!」

 

何故か関西弁で怒鳴る女性にシャーリーとバルクホルンは呼びかける。当の本人は聞く耳を持たず、今にも撃ってしまいそうな雰囲気であった。ルッキーニが、その声に聞き覚えがあると思ったその時、

 

ガァンッ

〔ぎゃぁ!?〕

「何だ!?」

 

突然、銃声と共に女性の銃が弾かれ、弾かれた衝撃で女性は腕を抑えた。

 

「大丈夫か!?」

「あれ!?シャーリーさん達!?」

「芳佳だ!」

「宮藤!無事だったか!」

 

発砲をしたのは、岩場の上の方から現れたリュウ達であった。女性は岩場のリュウと芳佳に気を取られるが、その時、背後からジャキン、という音が聞こえる。背後から、ミライ、カナタ、ペリーヌに銃を突きつけられているのだ。

 

「おっと、油断大敵でしてよ!」

〔何やと!?〕

「ペリーヌもか!」

「仲間のウィッチか。」

「はい。でも、ウルトラマンタロウさんと一緒のハズじゃあ……?」

 

リュウの問いに芳佳が答える。女性が振り返ると、ペリーヌの顔を見て困惑のそぶりを見せた。

 

〔んな、アホな………!?〕

「君は、………?」

 

ミライが女性に聞こうとした時、女性はヘルメットに手をかけ、それを脱いだ。瞬間、長い金髪がなびき、素顔が明らかになった。

 

「!?」

「え………!?」

 

顔を見合わせたペリーヌが、驚きの顔となる。

 

 

 

 

何と、その顔はペリーヌ・クロステルマンと瓜二つであったのだ!

 

 

 

 

 

「ぺ、ペリーヌさんが、………2人!?」

 

芳佳が、思わず声を出す。

 

ペリーヌとの違いは瞳が青く、耳がネコ科を思わせる黒く尖った物で、かけているのがゴーグル型のメガネである点だろうか。

 

「アンタ!何でアタシと同じ顔しとんねん!?」

「なっ!わ、わたくしは生まれつきこの顔ですわ!あなたこそ!わたくしと同じ顔をするなんてどういうつもりですの!?」

「アホンダラ!アタシも生まれつきや!そっちこそ、けったいな声しよってからに!!」

「何ですって!!あなたこそ、そんなキンキン声で!!」

「ちょ、ちょっと2人とも………!」

 

同じ顔同士で、しかも声まで同じに聞こえる(女性の方がやや声が高い)2人が互いに怒鳴りあうのを、必死に止めるミライとカナタ。しかし、2人の口喧嘩はヒートアップしていき、今にも手が出そうだ。

 

「待たんかいエニレプ!!」

「え!?」

「今度はなんだ!?」

 

その時、野太い男性の声が聞こえて振り返ると、同じデザインの宇宙服を着て、同じく尖った耳と吊り上がった三白眼にギザギザの歯を持った宇宙人がいた。

 

「エ、エモラス班長!!」

「仲間の宇宙人か!!」

 

そう言って、エモラスと呼ばれた宇宙人に銃を向けるカナタ。しかし、エモラスは手で制し、

 

「ま、待ってえな!勝手に地球に来たのは謝るさかい。ワシらは地球侵略が目的ちゃうねん。見逃してや。」

「何だと?」

「自己紹介させてもらいましょ。ワシはバンダ星人のエモラス。そっちのちっこいのは、エニレプや。」

「やはり、君たちは『バンダ星人』か。」

 

ミライは、2人の特徴から宇宙人の正体に検討を付けていたらしく、2人に聞く。すると、エモラスはミライの方を向いた。

 

「そういうあんさんは、ウルトラマンメビウスやな。」

「え?」「あんたが、メビウス!?」

 

シャーリー達がミライの正体に驚く。カナタとリュウは、バンダ星人という名前に聞き覚えがあった。

 

「パンダ星人?」

「パンダ星人やない!バンダ星人や!半濁音やのうて、濁音や!!」

「あ、ゴメン。」

 

リュウの間違いにエニレプが怒り訂正をする。カナタは、バンダ星人について覚えている事を口に出した。

 

「バンダ星人ってたしか、自分の星の鉄資源がなくなったから、地球の鉄を奪うためにロボットを送り込んできた宇宙人、だったかな?」

「随分と、セコイ宇宙人だな………」

「何やと!?」

「落ち着けエニレプ。まあ、セコイっちゅうトコは認めざるを得ないな。」

 

エモラスが怒るエニレプを制し、GUYSの面々に向き直った。

 

「しかし、慎重な性格のバンダ星人が、姿を現してまで何で地球に?」

「おお、そやった。」

「班長、言うてええんですか?」

「ウルトラマンや、地元住民の協力があった方がええやろ。実はな、さっきあんさんらが言うてた、ロボットが関係しとんねん。」

「ロボット?」

 

エモラスの言葉に、一同は首を傾げた。

 

「ところで、何で関西弁なんだ?」

「え?これ、地球の標準語ちゃうの?」

「せやから、中古のやっすい翻訳機使うのやめよ言うたやん、班長。」

 

 

 

 

 

2人のバンダ星人の話はこうだ。

 

バンダ星の深刻な鉄資源枯渇問題を解決するために、彼らは宇宙空間に無数に浮かぶスペースデブリに目を付けた。

スペースデブリ(宇宙ゴミ)とは、破棄された人工衛星や打上げに使われたロケット本体や、その一部の部品を始めとする、宇宙空間に浮かぶゴミの事である。

バンダ星人たちは宇宙に破棄され、しかも増加の一途を辿っているゴミならば、自分たちが回収しても誰も文句を言うまいと考えて、惑星を上げて回収用の超巨大ロボットの試作1号機を作り上げたのだ。

 

「せやけど、その試作機を宇宙空間で機動実験しとる最中に、突然エンペラ軍団の「ロボット騎兵衆」言う連中が、襲ってきよったんや。」

「エンペラ軍団だって!?」

「ロボット騎兵衆って言うと、この間のボルターとか言うやつの部隊か!」

 

エモラスの話に、ミライ達は驚いた。

 

エンペラ軍団は試作機を奪い取ると、数機のロボットでバンダ星人の宇宙船を破壊して追跡を困難にさせると、そのまま逃走をしてしまったのだ。

エモラスたちはそのロボットの捜索班として派遣され、調査の結果、地球にロボット騎兵衆が来ている事を知り、次元エネルギーの方にGUYSの目が向いている隙をついて、2人が先行したというのだ。

 

「勝手に地球来たんは悪い事思うたんやけど、エンペラ軍団の事ならバンダ星だけやのうて、地球や他の星にも関わる案件やさかい。急ぐあまり、無断で潜入してもうたわ。」

「そう言う事だったのか………」

 

エモラスの話を聞いて、リュウが納得したように頷いた。

 

「それで、そのロボットというのは?」

「ああ、前に地球の自動車集めた時のを、そのままでっかくしたようなモンや。確か地球では、『クレージーゴン』とか呼ばれとったな。」

「クレージーゴン?」

 

バルクホルンが首を傾げると、カナタが咄嗟にメモリーディスプレイで検索をかける。

 

「ありました。ドキュメントUG、レジストコード『ロボット怪獣 クレージーゴン』」

 

ディスプレイに移ったのは、凸型のボディと頭部と持ち、右腕が異様に長い2本爪のアームで、対照的に左腕は極端に短いシオマネキを思わせるフォルムを持ち、腹部にはシャッターのある、くすんだ真鍮色のロボットだ。

 

「これが、クレージーゴンか………」

「おお、コレやコレ!そんで実際の奴は、右アームが4本爪で、左はレーザーネット発射装置になっとるんや。」

「何だって!?」

「ムサシさん?」

 

その特徴を聞いたムサシが、カナタに詰め寄ってメモリーディスプレイを覗き込んだ。そして、クレージーゴンの写真を見て、驚きの声を上げた。

 

「………間違いない、リドリアス達をさらったのは、そのロボットだ!」

「何だって!?」

「さらった?一体、何のこっちゃ?」

 

ムサシは、シャーリーやエモラス達に、自分がこちらの宇宙に来た経緯を話した。

 

「じゃあ、その怪獣達をさらったのは、エンペラ軍団だったのか!」

「そうか!連中は戦力になる怪獣を捕まえるロボットが欲しかったんだ!」

「それには、アタシらの作ったロボット、………あー、試作機で名前決まっとらんし、地球の名前から取って、『クレージーゴンジャイアント』と仮称しとくけど、そいつがうってつけだったワケやな。」

 

エニレプ達も、今回の怪獣誘拐事件とクレージーゴンジャイアント強奪事件がつながっている事に気づいた。

 

「リュウさん………」

「………エンペラ軍団が絡んでいるなら、地球とバンダ星だけの問題じゃあ済まない。それに、リドリアス達をさらった犯人でもあるなら、なおの事放ってはおけない。」

「せやったら………」

「正式な決定ではないが、隊長である俺の判断で、今回のクレージーゴンジャイアントの奪還に協力しよう。」

「ほんま、おおきに!」

 

そう礼を言って頭を下げる、2人のバンダ星人。エモラスは、早速宇宙空間にいる仲間に連絡を取ると言って、通信機を取り出して少し離れる。リュウもGUYS基地に連絡を入れると、芳佳はシャーリー達に聞いた。

 

「ところで、シャーリーさんたちは、ウルトラマンタロウさんとダイナさんと一緒に地球に来るって聞いていましたけれど……?」

「あ、そう言えば………タロウ兄さん達は、どうしたんですか?」

 

芳佳の質問に気づき、ミライもそう聞く。しかし、タロウとダイナの話題が出た途端、3人は顔を俯かせる。それを見て、ミライは思わず聞く。

 

「どうかしたんですか…?タロウ兄さん達に、一体何が!?」

「ミライ君、落ち着いて………」

「じ、実は………」

 

思わず詰め寄るミライをムサシが宥め、バルクホルンが気まずそうに話そうとしたその時、通信をしていたエモラスが大声で呼びかけてきた。

 

「た、大変やで!こっち来てや!!」

「エモラスさん?」

 

慌てた様子のエモラスにただならぬ事態を察し、駆け寄るミライとリュウ。すると、エモラスは通信の為に近寄った岩場の影に立つと、そこには銀色のテープで拘束された5人の人間がいるではないか。

 

「これは!?」

「ワシが岩場に近寄ったら、既にこの状態やったで………」

「この、銀色のテープは………?」

 

ミライはふと、5人を縛るテープに見覚えがあった。芳佳は拘束されたうちの1人に駆け寄り、身を起こした。

 

「大丈夫ですか!?」

 

瞬間、その顔は驚愕に変わった。

 

「え………!?」

「キ、キシ博士!?」

 

その人物は、眼鏡をかけ、七三分けにした髪の男性であり、その顔は先程まで一緒だったキシ博士の物であった!芳佳は慌てて口に貼られていたテープをはがすと、目を回した博士は大きく呼吸をする。良く見ると、他の4人も助手のマスジマ、フクダ、モトハシ、クルスではないか。

 

「大丈夫ですか博士!一体、何が………!?」

「が、GUYSの皆さんですか………クゼ君がキャンプから離れた途端に、複数人の宇宙人が突然現れて、私たちを拘束したんだ………」

「なんだって!?」

 

キシ博士の言葉に、リュウが思わず声を上げた。そこで芳佳がはたと気付く。キシ博士たち調査団がここに拘束をされているならば、今キャンプにいる調査団は………?

 

「じゃあ、今リーネちゃん達と一緒にいる博士たちは………!?」

「みんなが危ない………!」

 

ミライ達も気付き、リュウは胸元のメモリーディスプレイを取り出した。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

美緒が観測機器の準備をしている博士たちの護衛をしていると、メモリーディスプレイの通信音が鳴り響いた。

 

「ええと、このボタン、だったかな?こちら坂本。」

 

まだ慣れていない手つきでディスプレイを操作すると、リュウとの通信がつながった。

 

[美緒!今すぐみんなを連れてそこを離れろ!]

「何?」

 

リュウの言った言葉の意味が分からず、美緒は思わず聞き返した。その時、

 

「きゃぁあ!?」

「何だ!?」

「サーニャちゃん!?」

 

サーニャの悲鳴に、弾かれるように美緒たちは振り返った。そこには、右腕が爪の短い銀色のハサミになったキシ博士が、サーニャを捕まえて右手を首に突きつけていた!

 

「キシ博士!一体何を………!?」

「どうやら、『本物の博士が見つかってしまった』ようだな………ならば、この姿でいる必要もあるまい。」

「何だと!?」

「あのハサミはまさか………!?」

 

博士の右手を見て、心当たりがあるのかテッペイが声を出す。すると、博士と4人の助手はドロン、と正体を現した。

どことなくエビやシャコを思わせる長い顔に白い網目模様の体表を持ち、爪の短いハサミ状の手とチョッキを思わせる赤い胸の宇宙人―――

 

「は、『反重力宇宙人』………!」

「『ゴドラ星人』………!」

 

テッペイとエリーがゴドラ星人の名前を口に出す。気が付くと、美緒たちは十数人のゴドラ星人達に囲まれていた!

 

「我々は、エンペラ軍団『宇宙人遊撃衆』所属の「ゴドラ忍群」だ。本物の調査団は、今メビウスたちのいる岩場の辺りに拘束されている。」

「何だと!?」

 

サーニャを捕えたリーダー格と思わしきゴドラ星人が名乗る。すると、ゴドラ星人の背後からふ、ふ、ふ、という不敵な笑い声がした。

 

「流石に殺してはいない。不要な殺生をするのは、オレの主義に反するのでな。」

「その声………!」

 

ゴドラ忍群の背後から現れたのは、黒いテンガロンハットに薄茶色のポンチョを着た男と、黒いタキシードに片眼鏡、白い口髭を蓄え白髪をオールバックにした老紳士だ。その声を聴いたリーネが気づき、ポンチョの男を見た。

 

「貴方が、ボルター提督!?」

「その通りだ。」

「私の方は、初めましてですね。大怪獣戦団提督の、カウントと申します。」

 

2人の提督はそう名乗る。コウジ達が腰に下げた銃を構えようとするが、ゴドラ星人の1人がリング状の光線「ゴドラガン」を足元に放ち、地面を爆発させた。

 

「下手に動けば、人質がどうなっても知らんぞ?」

「くっ………!」

 

サーニャを人質にとられている以上、うかつに手を出せなくなった美緒たち。すると、カウントは手にした杖で数回地面を突いた。

 

「しかし、人質がいるとはいえウルトラマンに来られては厄介です。」

「同感だ。そこで、こちらは手を打つことにしよう。」

「何………!」

 

ボルターはそういうと、右手の指をパチンッ、と鳴らした。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「サーニャが人質に!?」

 

一方、通信越しにサーニャが人質に取られた事を知ったリュウ達は、戦慄した。手を出せない以上、美緒たちも人質に取られたと考えていいだろう。

すると、博士たちの拘束を何とか解いたミライとエニレプが、リュウに進言をした。

 

「リュウさん、敵にはゴドラ星人だけではなく、『ザラブ星人』もいると思います!」

「ザラブ星人?」

「ハカセたちを拘束しとったあのテープは、ザラブ星人が使う拘束テープや。エンペラ軍団に、あの破壊好きの星人が加担しとるんは、安易に想像できるで。」

 

ミライとエニレプの話を聞いて、リュウも頷く。初代ウルトラマンやメビウスに擬態して地球文明を破壊しようとしたザラブ星人は、文明を持つ惑星を破壊することが目的の宇宙人だ。2年前には、他の宇宙人と手を組んで「異次元人ヤプール」の残した超獣『Uキラーザウルス』を復活させようとした個体も地球に飛来している。そんな『凶悪』そのものと言っていい星人であれば、エンペラ軍団に従軍していても不思議ではない。

 

「その通りだ。」

『!?』

 

その時、岩場の上から声がする。見上げれば、そこには「凸」の形をしたロボットのような頭部の3方向には赤い丸鋸のような部位が付き、黄色い体にも銀色のトゲがいくつか生えていて、異様に長い両の人差し指が特徴の宇宙人、スチール星人の姿があった!

 

「スチール星人バトラー!」

「カウント、ボルター両提督率いる軍勢により、すでにこの島は我らエンペラ軍団の支配下に置かれているのだ!」

「何だと!?」

 

バトラーの言葉に驚く一同。その時、バトラーの頭上の空間が歪み、中から2体の怪獣が出現した!

 

「グォオオオオオオオオオオオオ!!」

 

1体は、胸と頭を甲殻類のような殻で覆った青い2足歩行怪獣!

 

「グォオーーー!ギャァァアアアアウ!」

 

もう1体は、サメを思わせる牙を生やした顔と山のような甲羅が特徴の4足歩行怪獣だ!

 

「あれは、ヴェネツィアに出現した怪獣!?」

「ゴルザ!?やはりエンペラ軍団の支配下にあったのか!」

「あの怪獣は………ジュランに出てきた怪獣…!?」

 

2足歩行の青い怪獣、『超古代怪獣 ゴルザ』の名前を叫ぶバルクホルン。

武蔵が見上げるもう1体の4足歩行怪獣にも、『甲殻怪地底獣 ゾンネル』という名前があるのだが、彼らがその名前をまだ知らなかった。

 

「貴様らの相手は、この2匹だ!せいぜい、頑張る事だな!」

「貴様………!」

 

2大怪獣を見上げ、高笑いをするバトラー。

 

太平洋に浮かぶ多々良島は、エンペラ軍団の支配する戦場と化していた………!

 

 

 

 

 

つづく




第十四話です。今回から多々良島篇になります。

シーゴラス登場。この怪獣夫婦はメビウスの時代でもオシドリ夫婦なんだろうなあと思いますが、登場しなかったのが残念。今、7体中3体分しかスーツないのかな?

実は『コスモス篇』でリドリアス達の事説明するのを忘れていたので、ここで挿入(汗)もっさんとリュウさんは、根は似たような性格だと思うのでやってみました。

レッドキングに倒された哀れなネウロイGX-05。モチーフはTACのタックスペース。

テッペイ登場。多々良島の調査団の名前には、実は元ネタがあったりしますw

バンダ星人のデザインは、宇宙服は『ダイナ』のクレア星雲人、男性の正体は一峰大二先生による漫画版ウルトラセブンに登場した、サロメ星人をイメージしています。エニレプがペリーヌにそっくりなのは、501のキャラに関西弁を喋らせたかったからですw名前も、それぞれサロメ(SAROME)とペリーヌ(PERRINE)の逆さ読み。

ゴドラ星人が忍者集団なのは、ウルトラファイトで『宇宙忍者』の異名を持っている事に由来。ゾンネルとムサシの因縁は、いずれ別編で書こうと思います。

次回は多々良島の戦いになります。そして、両提督の正体も発覚です。

では、また次回。
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