ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第十五話 襲撃の竜巻怪獣

ネウロイと怪獣レッドキング出現を受けて、多々良島へ向かったGUYSとウィッチたち。

 

クゼ・テッペイとの再会を喜ぶも、地球に潜入していたバンダ星人から、エンペラ軍団に奪われた超巨大ロボット「クレージーゴンジャイアント」の奪還の手伝いを依頼される。

 

しかし、多々良島は既に、カウント、ボルター両提督の配下であるゴドラ星人と怪獣軍団に支配されていたのだ!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

十数人のゴドラ星人に囲まれた美緒達の耳に、怪獣の咆哮が聞こえた。

 

「怪獣………!?」

「ウルトラマン達へは、怪獣を送り込みました。これで、足止めは出来るでしょう。」

 

そうカウントは言い放つと、シルクハットを取って顔を隠し、手を下した。すると、帽子に隠されていた顔が明らかになる。

 

黒く細長い顔に黄色い筋を走らせ、金色の単眼に頭頂には短い触手が伸びた宇宙人―――かつてウルトラマンを殺害し、科学特捜隊を壊滅させた怪獣、『宇宙恐竜 ゼットン』を解き放った宇宙人、『変身怪人 ゼットン星人』だ!

 

「ゼットン星人!?」

「カウント提督の正体は、ゼットン星人だったか………!」

 

カウント提督の正体が、ゼットン星人である事に驚く一同。

 

「………だが、納得は出来るな………大怪獣戦団の提督を、最強の怪獣たるゼットンの主であるゼットン星人が務めているのは………」

「ふ、お褒めにあずかって、光栄ですな。」

 

本来の姿に戻ってもかけている片眼鏡を上げて(最も彼の場合、単眼なので片眼鏡が正式なメガネなのかもしれないが)、皮肉っぽく言うカウント。すると、隣に立っていたボルターがふ、ふ、ふ、と不敵に笑った。

 

「ふ、カウントが正体を現したのなら、オレも明かした方が良いのだろうな。」

「何!?」

「え、………いや、ボルターさんはいいんじゃあないですか………?」

 

ボルターが正体を現そうとするが、カウントは慌てて制止する。彼の正体には、何かばれてはいけない秘密があるのだろうか?

 

「そうはいかない。いつまでも地球人を模したこの姿では、勘違いをされてしまうやもしれぬではないか。」

「いえ、しかし………」

「では、改めて自己紹介をさせていただこう。」

 

カウントが止めるのも聞かず、ボルター提督は纏っていたポンチョを脱ぎ捨てた。すると、その下から宇宙人としての正体が明らかとなる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頂点が2つに割れたはげ頭、

 

窪んだ眼とおちょぼ口、

 

茶色い鱗に覆われた、細い身体、

 

そう、この宇宙人は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わが名は、『バド星人ボルター』!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第十五話 襲撃の竜巻怪獣

 

ロボット大怪獣 クレージーゴンジャイアント

どくろ怪獣 レッドキング

超古代怪獣 ゴルザ

甲殻怪地底獣 ゾンネル

友好巨鳥 リドリアス

竜巻怪獣 シーゴラス

バド星人ボルター提督

変身怪人 ゼットン星人カウント提督

宇宙超人 スチール星人バトラー

凶悪宇宙人 ザラブ星人

反重力宇宙人 ゴドラ星人

強奪宇宙人 バンダ星人(エモラス・エニレプ)

登場

 

 

 

 

 

「グォオオオオオオオオオオオオ!!」

「グォオーーー!ギャァァアアアアウ!」

 

同じ頃、ゴルザとゾンネルの2大怪獣を相手にするミライたち。トライガーショットの『アキュートアロー』を放って足止めをしているが、ゴルザの腕や胸に当たっても効果はなく、ゾンネルに至っては堅い皮膚に阻まれてダメージを与えられない。

ゴルザは額から超音波光線を放ち、ゾンネルは口から火炎球を吐き出すと地面を爆発させた。

 

「失せろ!地球人ども!!」

ゴォォオオッ

「くぅっ………!」

 

それに加え、地上では地球人サイズのスチール星人バトラーの攻撃が迫る。バトラーは額から火炎放射を放ち、2大怪獣への攻撃を妨害してくる。

 

「コイツ………!」

「リュウさん!怪獣は僕たちが―――」

「待ちい!何やあれは!?」

「えッ!?」

 

メビウスに変身しようとしたミライだが、空を指差して叫ぶエモラスにより中断する。

見上げれば、空の彼方から飛来してくる赤い影が見えるではないか。その影は数秒と待たずに怪獣達の目の前に着地をした。

 

「あれは………!?」

 

赤い身体に金色の六角形の目を持ち、銀色の力強い角と左腕にはめた王冠型のブレスレットを持った戦士―――

 

 

 

 

 

「ウルトラマンタロウ!!」

 

 

 

 

 

飛来した戦士、ウルトラマン№6こと、ウルトラマンタロウの登場に驚きつつも、歓喜の声を上げる一同。特に、シャーリー達3人は安堵の表情を浮かべていた。

 

「グォオオオオオオオオオオオオ!!」

「グォオーーー!ギャァァアアアアウ!」

 

ゴルザとゾンネルは、目の前に降り立ったタロウを睨んで大きく吠える。すると、シャーリーが前に出てタロウの姿を見上げた。

 

「タロウさん!無事だったのか………!」

『………』

「タロウ………?」

 

シャーリーが大声で問いかけるが、タロウは返事をしない。疑問に思う一同だが、そこでミライは気が付いた。良く見ればタロウの目は吊り上がって目つきが悪く、頭の角が鋭く角ばっているではないか。

 

「あれは、タロウ兄さんじゃない!!」

「何!?」

『トアッ!!』

 

ミライが叫んだ瞬間、タロウは額のランプから地上のミライ達に向けて光線が放たれた!

 

「危ない!!」

ドォオオンッ

「きゃぁあっ!?」

「ミライさん!!」「シャーリー!?」

 

ミライは叫ぶと同時にシャーリーを庇うと、タロウの放った光線はすぐ近くの地面に直撃して爆発を起こした!爆煙が晴れると、ミライの張った金色のバリアが2人を守り、ほっと息を吐く芳佳達。すると、リュウはタロウを見上げて怒りを露わにした。

 

「ヤロウ…本当にタロウじゃないのか!!」

『フッフッフッフッフッ………』

 

タロウは不敵に笑うと、両手で顔を隠した。

 

『やあ、兄弟。』

 

そしてその手をどけると、そこには銀色の巨大な頭と岩のように固い茶色い体表を持ち、アノマロカリスを思わせる星形の口と吊り上った目の宇宙人の姿があった。

 

「ザラブ星人!」

「あのタロウは、ザラブ星人の化けたニセモノやったっちゅう事か!!」

 

そう、この宇宙人こそ『凶悪宇宙人 ザラブ星人』である。今までミライ達の前にいたタロウは、ミライ達を油断させる為にこの凶悪宇宙人の化けた『ニセウルトラマンタロウ』だったのだ!

 

「よくも騙したな!!」

 

リュウは怒鳴るとトライガーショットをザラブ星人に向けるが、そこにバトラーの火炎放射が迫る。更に、ザラブ星人は指先から『エネルギーバルカン』を、ゴルザとゾンネルもそれぞれ攻撃を放ち、地面を爆発させる!

 

「攻撃と変身の機会を与えない気か!!」

「これでは、じり貧ですわ!」

 

ウィッチの障壁やウルトラマンの超能力で攻撃を何とか防いで入るものの、怪獣2匹に巨大化した宇宙人、そして等身大ながら超能力を有した宇宙人を相手にしていれば、いずれは魔力が不足してしまう。

万事休すか、ミライ達の頭にその言葉が浮かんだその時―――

 

 

 

 

 

ゴシャッ

 

 

 

 

 

『ほぎゃっ!!??』

「何!?」

「え?」

 

突然、ザラブ星人の左側頭部を強烈な衝撃が襲い、悲鳴と共に星人は倒れ込んだ!

 

「グォオ!?」

「ギャァアウ!?」

 

何事かと思い、周囲を見回す2大怪獣。すると、あたり一帯に怪獣の咆哮が木霊した。

 

「ピッギャァァアアアアアアアアアオオオ!!」

「あの鳴き声は……」

「レッドキングか!」

 

下手人は多々良島の主、レッドキングであった。自身の縄張りへの侵入者を叩きのめそうと投げた岩が、ザラブ星人に直撃したのだ。

 

「グォォオオオオオオオオオオ!!」

「グォオーーー!ギャァァアアアアウ!」

「ピッギャァァアアアアアアアアアアオオオ!!」

 

ゴルザとゾンネルは、出現したレッドキングを威嚇する。当のレッドキングも、「よそ者」を相手に敵意むき出しである。

 

「グォォオオオオオオオオオオ!!」

 

攻撃を仕掛けたのはゴルザだ。額からの超音波光線を放つと、レッドキングの脇をすり抜けて背後の岩山の一部を吹き飛ばしてしまう。レッドキングは驚いたものの、吹き飛んでできた岩を拾い上げ、自慢の腕力で2匹目がけて投擲する。岩はゴルザの腕で弾かれてしまうも、レッドキングは続けざまに岩を拾っては投げ、拾っては投げていく。

 

「グォォオオオオオオオオ!!」

 

ゴルザは雨あられのように飛んでくる大小の岩をうっとうしく思ったのか、咆哮を上げると同時に岩を投げるレッドキングに向けてタックルを喰らわせる。ひときわ大きな岩を投げようとしていたレッドキングは、ボディにゴルザのタックルを喰らってしまい、その反動で岩が手から離れてしまう。すると、岩はゴルザの後頭部に直撃して跳ね返り、レッドキングのつま先に直撃してしまう。そのまま倒れた2大怪獣は、悶絶してのたうち回るのであった。

 

「グギギャギャギャギャギャ!」

 

ゴルザとレッドキングのコメディじみたやり取りを見て、ゾンネルはのたうち回る2匹を余所に笑いだす。意外とツボだったらしい。すると、それに気づいた2匹は起き上がると、ゾンネルを睨みつけて唸り声を上げる。尚も笑い続ける怪地底獣は、まだそれに気づかない。

 

「グゥゥウウウウウウウ………」

「ギュウウウウウウウウ………」

『あー、イテテ………うぎゃ!?』

 

ゴルザとレッドキングは顔を見合わせて頷き会うと、起き上がろうとしていたザラブ星人の背中を踏むのも気付かずにゾンネルに向かって行くと、ゾンネルを蹴り飛ばして吹き飛ばす。

突然の事で対応できなかったゾンネルは吹き飛んだ先で目をパチクリさせるが、レッドキングは尻尾を掴んで大きく回すように投げ飛ばし、待ち構えていたゴルザが右フックをお見舞いした。見事な連携である。

 

『な、何なんだいったぎゃっ!?』

 

ザラブ星人は何が起こったのか分からずしりもちをついた形で起き上がろうとしたが、哀れ吹き飛んできたゾンネルの下敷きになってしまった。

 

「ピッギャァァアアアアアアアアオ!!」

「グォォオオオオオオオオオオオオ!!」

「な、何だか、怪獣だけで盛り上がっていますね………」

 

勝ち誇った雄叫びを上げる2匹を見て、芳佳が顔を引きつらせながら呟く。この怪獣達のやり取りが、気に食わない物が1人いた。

 

「何をやっているのだ、貴様らはぁぁあああーーー!!」

 

スチール星人バトラーである。バトラーは叫ぶと共に巨大化すると、ザラブ星人の上でもがくゾンネルを押してどかすと、3匹の怪獣に向けて光線を放った!

 

『貴様ら!馬鹿な事していないでさっさと』

『おいバカ!そんな事したら………』

『え?』

 

「グゥゥウウウウウウウ………」

「ギュゥゥウウウウウウ………」

「ギャゥウウウウウウウ………」

 

ザラブ星人に指摘されたバトラーが気付くと、怪獣達は1匹残らずこちらを睨み付けていた。

 

『お、おい、何だよお前ら…?』

『あんな事されたら、怒るに決まっているでしょうが!』

「ピッギャァァアアアアアアアアアアオッ!!」

「グォォオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

「グォオーーー!ギャァァアアアアウ!」

 

バトラーとザラブ星人が戸惑っているうちに、3匹の怪獣はひと鳴きした後に突っ込んで行く!

レッドキングがザラブ星人にラリアットを振るが、星人はしゃがんで避ける。しかし、そこにはゾンネルの牙が待ち構えており、ザラブ星人は左足を噛まれてしまう!

一方のバトラーは、ゴルザの超音波光線を自身の光線で相殺すると、飛び蹴りを仕掛ける。しかしゴルザは、前転と同時に尻尾による打撃を浴びせ、地面に叩き伏せてしまった!

 

『がぁあっ!き、貴様ら………ッ!』

『イタタタ!痛いって!!』

「よし、今のうちにキャンプに戻るぞ!芳佳とハルザキ、それにムサシさんは、俺と一緒にガンフェニックスの所に行くぞ!」

『G.I.G.!』

「皆さん、こっちです!」

 

星人達が怪獣軍団に気を取られている隙に、リュウたちはその場を立ち去る。星人たちは怪獣の方に気が行ってそれに気づかず、ミライ達はキャンプに向かった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

【バド星人】

『宇宙の帝王』を名乗り、地球が火の玉だった頃に冥王星にある文明を滅ぼしたと言うこの宇宙人は、その自称らしからぬ容姿と地球で起こした事件のせいで、わりと名が知れている星人の1体なのだ。

事の発端は、地球の周囲にバリアを張る『プロジェクト・ブルー』を阻止すべく地球に潜入したが、ウルトラ警備隊と我らがウルトラセブンにより阻止されたのだ。

ここまで聞くと他の侵略宇宙人と何ら変わりないように思えるが、この星人が笑いものにされている由縁がある。

まず、細い見た目通りに体重が軽く、40mに巨大化しても5千tしかない(参考に、メビウスは49m時に3万5千tである。)。等身大時は光線銃を使うのだが、巨大化時はプロレス技と投石を使い、得意技はフライングボディアタック。しかし、セブンにあっさり避けられ自爆したので、威力は不明。かなわないと見るや降参するふりをしてメリケンサックの不意打ちを決し、セブンに投げ飛ばされて頭を強打、血の泡を吹いて絶命と、かなり情けない最後を迎えたのだ。加えて、この戦闘がわずか1分半ほどで終了し、セブンはエメリウム光線などの光線技やアイスラッガーによる念動力もつかっていない事も、バド星人を語るうえで欠かせない。

以上の点から、ウルトラマン永遠のライバル・バルタン星人とは違った意味で有名になっているのだ。

 

 

 

 

 

ボルターが自身の正体がバド星人である事を明かすと、その場は静寂に包まれた。

 

「バ、バド星人………?」

「ふ、ふ、ふ、驚いて声も出ないか。」

 

ボルターは、黙る一同を見て笑う。しかし、

 

「………変な頭。」

「ヒョロっとしてて、そんなに強そうじゃないナー。」

「なんだ、バド星人か。」

「ペダン星人とかならまだしも、バド星人じゃあねー。」

「うん、違う意味で驚いたよ。」

「散々引っ張っておいて、バド星人かー」

 

等と、呆れた表情で言われてしまう。

ちなみに、上からサーニャ、エイラ、テッペイ、エリー、コウジ、マリである。

 

「え、何この微妙なリアクション?」

(あ、あれ?さっきまでのテッペイさんたちの反応と違う……?)

 

呆れに近い反応をする一同に、困惑するボルターとリーネ。カウントやゴドラ星人達も、やれやれ、といった具合の様子だ。

 

「だから言ったじゃないですか。地球での同族の評判くらい、事前に調べといてくださいよ。」

「いや、一応調べているけど、まさかここまでとは………」

「え?何をやったんですか?バド星人って…?」

 

あまりにも酷い扱いを受けるボルターを見て、美緒が聞く。テッペイは呆れ気味に説明した。

 

「うん、「宇宙の帝王」を自称する、割と弱い方に分類される宇宙人だよ。」

「帝王だと………?」

 

テッペイが「宇宙の帝王」と言うと、ボルターが反応して振り返る。その形相は、鬼のようにも見え、威圧感を与えた。

 

「!?」

(コイツ………雰囲気が変わった……!?)

 

ボルターから発せられる威圧感に、呆れていたGUYSとウィッチ達に緊張が走る。ボルターは、テッペイを睨みつけて静かに口を開いた。

 

「他の同族はどうかなんて知らんが、このオレをそう呼ぶのはよして戴こうか………オレにしてみれば、同族など帝王を自称する口先だけの井の中の蛙よ………このオレも、かつてはそうであったが、陛下に出会って己の小ささに気付き、軍門に下ったのだ。故に、これだけは断言しよう………『帝王』はエンペラ星人陛下ただ一人だッ!!依然変わりなくッ!!」

『………ッ!』

 

力強く言い放ったボルターに、その場にいた者たちは圧倒される。そこで、改めて彼がエンペラ軍団の幹部クラスである事を認識する。

 

「相当な忠誠心だな………」

「………どうやら、バド星人だからとなめてかかっては、痛い目を見るようだな………」

「お褒めにあずかり、光栄だよ。」

 

ボルター提督は気を落ち着かせたのか、テンガロンハットを被りなおして不敵に笑う。その時、遠くの方から怪獣の咆哮と星人の悲鳴が聞こえ、足に地響きを感じ取った。

 

「何だ!?」

「知らない怪獣の鳴き声がしますね。この島の怪獣に、邪魔をされたようです。」

「何だと!?」

「この島の怪獣……レッドキングか……!?」

 

鳴き声からレッドキングと推測し、何が起きたのかを察する美緒。おそらくは先ほどのネウロイ同様、縄張りに侵入者が来たがために迎撃に現れたのだろう。

その時、上空から黒い影が差した事に気付く。見上げると、『大きな岩』が、こちらに向けて降ってくるではないか!

 

「何じゃぁああああ!?」

ドッゴォオオオオオオンッ

「うぉゎああああああああ!!??!」

 

振ってきた岩が落ちた衝撃で、数人のゴドラ星人が吹き飛ぶ。そのはずみでサーニャの拘束が解け、倒れこむようにしてサーニャは走り去る。

 

「しまった!?」

「サーニャ!」

 

逃げたサーニャをエイラが介抱し、ゴドラ星人の数名が掛けようとするが、後方から放たれた光線を受けてしまい、その場に倒れる。

 

「坂本さん!!」

「少佐、大丈夫か!?」

「宮藤!バルクホルンたちもか……!」

「……あれ?ペリーヌさんが、2人いる………?」

 

撃ったのは、ミライであった。トライガーショットを構えたミライはゴドラ星人の腕を打ち抜いてゴドラガンを撃たせないようにしながらシャーリー、ルッキーニ、ペリーヌ、エニレプ、エモラスと共に、美緒たちと合流する。この時、リーネがエニレプの姿に気付くが、今はそれどころではない。

ゴドラ忍群は軽い身のこなしで迫るが、その時、何かが星人達を薙ぎ払い、吹き飛ばされてしまう!

 

「見たか宇宙人!」

 

犯人は、大木を抱えたバルクホルンであった。バルクホルンは迫りくるゴドラ星人に向けて大木を振り回し、星人達を薙ぎ払う!体制の乱れたゴドラ忍群は慌てふためくが、カウントとボルターは、冷静なまま歩みだした。

 

「おいカウント、この島の怪獣の妨害を視野に入れていなかったのは、うかつにもほどがあるのではないか?」

「いえ、おそらくはバトラーかザラブ星人に、何かあったと思います。」

「アイツらは………!」

「バド星人ボルター!やっぱ地球におったんやな!!」

 

ボルターの姿を見たエニレプとエモラスが声を上げる。

 

「おやおや、バンダ星人のお二方ではないか。まさか、自分の星のロボットを取り戻しに、この地球にまで来るとはな。」

「ボルター提督の正体が、バド星人だったとは………しかし、ヤツの纏う威圧感は………!?」

「気ぃつけやメビウス!ヤツは腕っぷしとロボット操縦技術で、提督の地位まで上り詰めた実力者や!」

 

エモラスが、ミライに忠告をする。すると、ボルターは不敵に笑みを浮かべ、

 

「ふ、ウルトラマンが来てしまっては仕方がない。バンダ星人共、貴様らのロボットは、我々が有効利用させてもらっているぞ!」

 

そう叫ぶと同時に右手を掲げ、高らかに指を鳴らす。

 

「この通りなぁッ!!」

 

瞬間、上空の空間が歪んだかと思うと、中心から超巨大なロボットが舞い降りた!

 

「あれは………!?」

 

凸型のボディと頭部と持ち、右腕が異様に長い4本爪のアームで、対照的に左腕は極端に短いバズーカ砲になったシオマネキを思わせるフォルムを持ち、背中から伸びた2機の砲門、腹部にはシャッターのある、1本の太い軸で繋がった4本脚のくすんだ真鍮色のロボット、『クレージーゴンジャイアント』だ!

 

「クレージーゴンジャイアント!」

「お、いいな、その名前。特に決めていなかったし、気に入ったぞ。」

「何やあの脚とバズーカ!?けったいな改造しおってからに………!!」

 

背中の砲身と左腕のバズーカ、そして三脚を思わせる4本脚を見て、エニレプが怒りの声を上げる。元々スペースデブリの回収用である為、本来は脚ではなくブースターユニットになっていたのだ。

カウントとボルターは人間だったらありえないほど高く跳び上がり、クレージーゴンジャイアントに乗り込むと、ロボットのエンジンが唸りを上げて機動、右手を上げると同時に4本のクローを回転させる。

 

「エンジンの音もちゃう………結構ええシロモノ使っとるで………」

『あの2匹の輸送と同時に、貴様らを葬るための切り札として持ち込んでおいたのだ!』

 

外部スピーカーから、ボルターの声が聞こえる。ミライは左腕を構えてブレスを出現させ、変身の準備をする。

 

『おっと、これを見て欲しい。』

 

しかしその時、クレージーゴンジャイアントのシャッターが開くと、そこには円柱型のカプセルがあり、そのうちの1つに収められて眠る、青い鳥のような怪獣の姿があった!

 

「リドリアス!!」

 

その怪獣、『友好巨鳥 リドリアス』の姿を見たサーニャが叫んだ。

 

『この怪獣はあの青いウルトラマンの“オトモダチ”なんだよな?傷ついても知らないぞ?』

「そんな………!!」

 

一同が唇を噛み悔しんでいると、クレージーゴンジャイアントの額に当たる部位から光線が発射され、地面で爆発を起こした!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

その頃、海岸に停めたガンフェニックスの元に向かったリュウとカナタ、ムサシの3人。待ち構えていた数名のゴドラ星人を倒してコクピットの景気を調べていると、クレージーゴンジャイアントの出現と、リドリアスが捕まっている事を知る。

 

「隊長、機器に異常は見当たりません。いつでも出せます。」

「良し、クレージーゴンジャイアントの迎撃、並びにリドリアスの救出に向かうぞ!」

「G.I.G.!」

「リドリアス………!」

 

カナタが返事をしてガンフェニックスに乗り込もうとする。しかしその時、芳佳は海岸の波が不自然に大きくなっている事に気が付く。不思議に思って沖の方を見ると、数百m程先の海面がまるで吹き上がる様に波打っているではないか。

 

「あれは………!?」

 

リュウが声を上げた次の瞬間、吹き上がっていた所から巨大な角が浮上し、巨大な怪獣が現れた!

 

「キャゴォォオオオオオオオ!キャゴォォオオオオオオオ!」

「シーゴラス!?」

「西イリアン諸島から、ここまで来たって言うのか!?」

 

雄々しき鼻先の一本角とたてがみを持った2足歩行の怪獣、竜巻怪獣 シーゴラスの姿を見たリュウが、驚きの声を上げる。

海面に浮上したシーゴラスは雄々しく雄叫びを上げると、真っすぐにこちらに向かって来るではないか。

 

「キャゴォォオオオオオオオオ!キャゴォォオオオオオオオオ!」

「こっちに来る!?」

「迎え撃ちますか!?」

 

多々良島に向かって来るシーゴラスを警戒し、カナタがリュウに聞く。しかし、それをムサシが止めた。

 

「待って、シーゴラスがこの島を目指す目的が分からない!」

「けれど、これ以上怪獣に増えられては………!!」

 

ムサシが止めようとするが、カナタは反論をする。その時、爆発音と木々がなぎ倒される音が進藤と共に聞こえた。クレージーゴンジャイアントの攻撃が続いているのだろう。

 

「今は、クレージーゴンからみんなを助けるのが先決だ!ムサシさんと芳佳は、悪いけど、シーゴラスを見といてくれ!」

「分かった!」

「了解!」

 

シーゴラスの見張りをムサシと芳佳に任せ、2人はガンフェニックスに乗りこみ、発進させる。

 

「キャゴォォオオオオオオオオ!!キャゴォォオオオオオオオオオ!!」

 

シーゴラスは、迷いのない歩みで多々良島を目指す。その時、シーゴラスの雄々しい角が、眩しく閃光を放った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ピッギャァァアアアアアアアオオ!!」

「グォォオオオオオオオオオオオ!!」

「グォオーーー!ギャァァアアアアウ!」

 

一方、3大怪獣相手に苦戦するバトラーとザラブ星人のコンビ。バトラーはレッドキングに何度も頭突きを喰らったせいで、鋼鉄製のような頭が若干ひしゃげており、ザラブ星人も身体のあちこちが傷つき、血がにじんでいる。

 

『こ、こいつら………調子に乗りおってからに………!』

 

バトラーは恨めしい目で3匹を見る。はっきり言うと彼の自業自得なのだが、頭に血が上った彼にそれがわかるわけがない。

その時、森林部のキャンプのある地点の方から轟音が鳴り響く。振り返ると、そこにはくすんだ真鍮色の超巨大ロボット、クレージーゴンジャイアントの姿があった!

 

「ギャゥウ!?」

「グォォウ!?」

『おお、ボルターの奪った、バンダ星人のロボットか!』

 

クレージーゴンジャイアントの出現に驚く3大怪獣とは対照的に、期待のまなざしを見せる2人の星人。すると、クレージーゴンジャイアントは腰の軸を回転させて2人と3匹の方を向いた。

 

『バトラー!ザラブ星人!一旦下がっていろ!コイツでウルトラマン諸共、片付けてくれるわ!!』

『は、はいぃ~!』

『………チッ、』

 

ボルターの声が聞こえると、ザラブ星人とバトラーは下がる。レッドキングは出現したクレージーゴンジャイアントに向けて投石をするが、超巨大ロボットは特徴的な右腕を振るってはじき返してしまう。ゴルザとゾンネルも攻撃を仕掛けるが、クレージーゴンジャイアントのボディに少し煤が付いた程度で、大したダメージはない。

その時、上空からガンフェニックスが飛来してくるとガンウィンガーとガンローダーに分離、2機の戦闘機が攻撃を開始するが、腹部にリドリアスが捕われているので背中等を狙うが、これも決定打にはならない。手をこまねいていると、クレージーゴンジャイアントは額にあたる部位から光線『クレージーガン』を発射する!

 

ドゴォオオンッ

「ピッギャァァアアアアアアアオオ!?」

「グォォオオオオオオオオオオオ!?」

「ヤロー!こっちが手出しできないからって……!!」

 

光線を回避したが、地面に当たって爆発を起こしたのを見てガンウィンガーを駆るリュウが悪態をつく。すると、クレージーゴンジャイアントは上半身を高速で回転させながら『クレージーガン』と肩のバズーカを乱射、地面と上空を爆発で埋め尽くす!

 

ズドドドドドドドドォオオンッ

「ピッギャァァアアアアアアアオオ!!」

『ぎゃぁあああああああああ!!』

「アイツ……!味方まで巻き添えにして………!」

 

地上で巻き添えを喰らい、炎の中に消えるゴドラ星人を見て、ミライが顔をゆがませる。すぐさま変身をしようとした時、メモリーディスプレイが通信音を発した。出てみると、シーゴラスを監視していた芳佳からであった。

 

[大変です!シーゴラスの角が光ったと思ったら、津波がこっちに………!]

「なんだって!?」

 

すぐさま、ウルトラマンの超能力で海岸の方を確認すると、シーゴラスの力によって津波が迫っているのが見えた。上空のリュウたちも、それを目視した。

シーゴラスとシーモンスは自然を操る能力を持っており、津波や竜巻を起こす事が出来るのだ。

 

「隊長、このままでは津波が………!」

「…!待て!あれは………!」

 

その時、青い光が現れたかと思うと、その光は青い巨人、ウルトラマンコスモスへと変わる。ムサシが、コスモプラックで変身したのだろう。

コスモスは両手を広げると、巨大な青白い光のバリアを発生させ、津波を受け止める。強い衝撃に耐えながら、バリアで津波を押し返そうと踏ん張る蒼き慈愛の戦士。しかし、それは敵に背を向ける事を意味する。それでもコスモスは、津波から芳佳やGUYSのみんなを守ろうとしているのだ!

 

ドドドドドドドドドドドォッ

『グゥウ、ウ………、ウォオオオオ………!!』

『アイツ………』

『バカめ!隙だらけだ!』

 

バリアを張ってみんなを守るコスモスの姿を見たボルター。しかしその時、下がっていたバトラーが額から稲妻型の光線を放とうとする。

 

『辞めんか、バカ者がーーー!!』

ガシィッ

『な!?』

「何!?」

 

しかし、ボルターの駆るクレージーゴンジャイアントがバトラーを掴み、妨害をする。バトラーも驚いたが、何よりも驚いたのはリュウたちGUYSとウィッチ達だ。

 

『ボ、ボルター!?一体何を………!?』

『………フンッ、今の奴を討てば、地球人が卑怯だラッキョウだとピーチク騒いで仕方がなかろう?それに、あのような無防備な背中を見せたウルトラマンを討っても、何の名誉にもならんではなか!』

『ぐ、し、しかし………!』

 

バトラーは悔しげに、バリアで津波を受け止めるコスモスを見上げる。コックピットでは、マイクのスイッチを切ったボルターに、カウントが話しかけた。

 

「あなたも、まだ若いですね。」

「……ふん、あのような状態のウルトラマンを討つ等、無粋以外の何でもないからな。」

 

皮肉気に笑うカウントに対し、ボルターは何でもないかのように吐き捨てる。

 

『グゥウウウ………』

 

その時、津波を受け止めていたコスモスは、津波が収まったことを確認すると、バリアを解除して片膝をつく。既に胸のカラータイマーは赤く点滅し、ピコン、ピコン、と警鐘を鳴らしていた。

 

「キャゴォォオオオオオオオオ!!キャゴォォオオオオオオオオ!!」

 

しかし、シーゴラスはいつの間にかコスモスの目の前まで来ており、ついに竜巻怪獣は多々良島へと上陸を果たしてしまった!

 

『ま、待て……!ぐぅ………!』

「キャゴォォオオオオオオオオオ!!キャゴォォオオオオオオオオオ!!」

 

シーゴラスは横に倒れるコスモスには目もくれず、真っすぐにクレージーゴンジャイアントに向けて歩いていく。コスモスは追いかけようとするが、エネルギーを限界まで消耗してしまい思うように動けず、その場に倒れこんでしまう。

 

(クレージーゴンの、方に……?一体、何故………!?)

 

コスモスと一体化していたムサシは、シーゴラスがクレージーゴンジャイアントに向けて真っすぐ向かって行く事に疑問を抱く。

だが、そこでエンペラ軍団が何故クレージーゴンジャイアントを奪った理由を思い出した。コスモスは力を振り絞って立ち上がり、クレージーゴンジャイアントの腹部格納庫を『ルナスルーアイ』で透視をする。そして、正面からでは分かりづらかったが、カプセルはリボルバーのシリンダーのように4つ並んでおり、リドリアスのとらえられているカプセルの裏にもう1つのカプセルと見つけ、シーゴラスが多々良島へと来た理由を知った。

 

(そ、そうか……!やはり、シーゴラスは………!!)

 

しかし、そこでエネルギーの限界が来てしまい、そのままコスモスは光と共に消えてしまい、ムサシの姿へと戻ってしまった。

 

「ムサシさん!」

「キャゴォォオオオオオオオオオ!!キャゴォォオオオオオオオオオ!!」

 

芳佳は森の中で倒れるムサシに駆け寄る。多々良島に、竜巻怪獣の咆哮が響いた。

 

 

 

 

 

つづく




第十五話です。

カウントは当初ザラブ星人の予定でしたが(老紳士なのも、故青野武さんを意識したため)、怪獣を率いるなら最強のゼットン送り込んだゼットン星人の方がいいのではと思い、ゼットン星人に変更しました。けれど、ゼットン星人なら初代がスーツ姿だし、あってる気はします。
ザラブ星人も別キャラで出しましたが、ただ出すのはつまらないと思い、原典に出ていなかったニセウルトラマンタロウとして登場させました。

怪獣対星人の乱闘。最近のゴモラの十八番である前転尻尾攻撃を使うゴルザや敵対していたのに見事な連携とか、割とお気に入りw

ボルターはバド星人でした。これはインパクト狙いというのもありますが、「自称『宇宙の帝王』バド星人がエンペラ星人の配下に加わったら」という考えもあります。彼らならきっと、自分が井の中の蛙と知り屈服、忠義に生きる男になるんじゃないかと考えています(冒頭の登場怪獣紹介にも、『宇宙帝王』の肩書を書いていません)。ちなみに、ボルターは檜山修之さんの声を意識しています。

クレージーゴンジャイアントは「巨大な重機」を意識したデザイン。元がスペースデブリ回収ようなので、怪獣捕縛用に若干の改造を施されている設定。腰は三脚の接合部の感じ。

次回は、多々良島篇クライマックスです。
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