ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ 作:オレの「自動追尾弾」
外伝 コスモス・ビギンズ Ⅰ
―――私の名は、ウルトラマンコスモス。
―――春野ムサシと再び一体化し、サーニャとエイラという少女達と共にウルトラマンメビウスのいる『M78星雲』のある世界へと訪れた。
―――その話をするにはまず、アルファケンタウリ第13惑星での『もう1つの再会』の事を話させてもらおう。
ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ外伝
コスモス・ビギンズ
BEGINSⅠ 再会の13惑星
《―――コスモス………聞こえるか、コスモス………!》
『テレパシー……?誰だ?』
《アルファケンタウリ第13惑星が危ない………宇宙怪獣トロンガーの襲撃を受けている………早く来てくれ………ウルトラマンコスモス―――!!》
『待て!?通じない……あの声は、まさか………それに、宇宙怪獣トロンガーだと……?とにかく、アルファケンタウリ第13惑星に行ってみよう………』
『デラシオン』との戦いから、地球時間でおよそ5年の月日が流れた。
この数か月、宇宙各地で異常が起きていた。
突如として空間移動をした惑星同士の衝突に始まり、謎のロボット群の襲撃による星の滅亡、100を超える怪獣軍団の出現など、留まることを知らない。
私とジャスティスはこの異変を探るべく、宇宙各地を飛び回っていた。
そして、私は謎の声に導かれるまま、アルファケンタウリ第13惑星へとたどり着いた。
『これは………!』
私は、目の前に広がるあまりの惨状に、言葉を失った。
アルファケンタウリ第13惑星は、高度な文明と豊かな自然の共存する惑星であると聞いていた。
だが、目の前に広がるのは燃える木々や草花と、崩壊し、瓦礫の山と化した都市、長い角と青い毛皮を持った星人たちの亡骸が死屍累々としていた。
『なんと、惨い事を………!!』
「ギュウュウュウュウュウュ!!ギュウュウュウュウュウュウュ!!」
『!?』
そして、瓦礫の向こうから現れたのは、左右に開く大きな口を持ち、更にその中には十字に開く顎に4本の歯牙、身体の各部に金色の捻じ曲がった角を持つ怪獣が現れ、長い鉤爪を持つ手から放つ光線で街を破壊し暴れまわっていた。テレパシーの言っていた、『怪獣トロンガー』に違いない。
私はこれ以上の被害を出さないためにも、トロンガーへと向かっていった。まずは、けん制に右手から光線「ルナストライク」を放つ。怪獣は光線を受けて腕に傷を負ったが、すぐに再生してしまう。
「ギュウュウュウュウュ!」
《――――――来てくれたのか、コスモス………!》
『!?この声は………!?』
その時、振り返ったトロンガーから私を呼んだあの声が聞こえた。すると、トロンガーの背後から金色のオーラが見えたかと思うと、そこには翼を持った金色の魔神のようなものが見えた。
『やはり、カオスヘッダー………君だったのか!』
私を呼んでいたのが、かつての宿敵『カオスヘッダー0』の声であった事を確信したとき、トロンガーが暴れだし、鉤爪で攻撃をしてきた!
「ギュウュウュウュウュ!」
《すまない、私の力をもってしても、トロンガーを止める事は出来なかった……!》
『では、このトロンガーはカオス化を…!?』
怪獣トロンガーの―――言うなれば『カオストロンガー』だろうか―――攻撃を避けながら、カオスヘッダーの声を聴く。
カオスヘッダーは本来、ある惑星で秩序をもたらすために人工的に生み出された存在だが、惑星が滅んでしまったために秩序を守るために全生物の意識を一体化することを目的としている。生命体と同化することは、カオスヘッダーの秩序に組み込まれることなのだが、今回は、トロンガーを止めるために同化しているようだ。
《この星を荒らすトロンガーを止めるべく同化をしたのだが、同化して、初めて分かった……この怪獣を、完全に止める事は出来ない!!》
『何だと!?』
カオストロンガーの光線を避けながら驚く。トロンガーは後頭部から伸びる尻尾で巻きつける攻撃をしてきた。
「ギュウュウュウュウュ!ギュウュウュウュウュ!」
《今まで私が同化してきた怪獣には、怒りや悲しみ、喜び等の様々な感情があった………だが、コイツにはそれがない!あるのは破壊と殺戮の衝動のみ………まるで破壊マシンだ!》
『そんな………そのような怪獣がいようとは………!?』
巻きついた尻尾を何とか振りほどきカオストロンガーから距離を取ると、カオストロンガーは急に動きを止めた。
「ギュウュウュウュ………!!」
《コスモス……私の力を最大にして、トロンガーの動きを止める………その隙に、トロンガーを倒すんだ………!》
『そんなことをしたら、カオスヘッダー、君は………!?』
《トロンガーの弱点は、右肩の心臓だ!私に構わず、早く………!!》
動けないながらももがくカオストロンガーから、カオスヘッダーの必死な声が響く。
私には出来ない。下手をしたら、同化したカオスヘッダーをも破壊してしまう。迷う私に、カオスヘッダーが叫ぶ。
《迷うなコスモス!私ならば大丈夫だ!撃て、コスモス!!》
『………!!』
その言葉で、私は握りしめた両手を上げ、大きく回すようにしてその姿を赤き陽炎の勇者、『コロナモード』へと変える。狙うは、右肩の一点のみ。カオスヘッダーをできるだけ傷つけない可能性があるとすれば、そこへの一点集中攻撃だけだ。
『………痛いかもしれないが、我慢してくれ………』
《信じているぞ、勇者………!》
カオスヘッダーと短く言葉を交わすと、私は腕を構え、必殺の「ネイバスター光線」を発射、トロンガーの右肩に直撃させた!
「ギュウュウュ~~~………!」
バシュゥウウッ
『カオスヘッダー!』
『うぅぅ………!』
トロンガーが倒れる寸前、眩い光のエネルギーが飛び出たかと思うと、実体化して金色の魔神「カオスヘッダー0」の姿となった。
『危なかった………トロンガーの生命活動が停止する寸前に、分離することが出来た………』
『大丈夫か?怪我は………』
『ああ、心配しないでくれ……このダメージのほとんどは、トロンガーを抑え込む際の物だ………』
倒れて動かなくなり、ついでに言えば、カオスヘッダーが分離して角や鉤爪のなくなったトロンガーを見ながら、私はルナモードへ戻り、カオスヘッダーへ治癒光線を放った。
☆★☆★☆★
『地球を離れた後、宇宙中を旅して回っていたんだ。』
トロンガーを倒し、その遺体を埋葬した後、生き残った惑星の人々を安全な場所まで避難させて、私とカオスヘッダーは話をしていた。
『様々な星で暮らす人々を見てきた。その暮らし振りや考え方を見て、『秩序』の意味を考えていた。そんな時、惑星を荒らすあの怪獣と出くわし、破壊活動を止める為に同化をしたのだが………』
「気にしないでくれ、ウルトラマン、カオスヘッダー。君たちのおかげで、我々は滅亡の危機から逃れることが出来たのだから。」
『………済まない…』
礼を述べる星人の代表に、カオスヘッダーは少し申し訳ないように頷いた。
『しかし、あの怪獣は一体どこから………?む、あれは!』
私が首を傾げていると、ふと、空に輝く文字のようなものを見つけた。それは、ウルトラマンジャスティスからの連絡であった。
『“遊星ジュランに………謎の超巨大ロボットが出現………怪獣たちを次々と攫っている”!!?』
『遊星ジュラン?パラスタンのいた、あの星か……?』
『ジュランには今、ムサシや、リドリアス達地球の怪獣がいる………!』
『何だって!?』
その内容に私は息をのむ。隣で質問をするカオスヘッダーに、私は説明した。私は焦る気持ちを押え、飛び立とうとすると、カオスヘッダーが呼び止めた。
『コスモス、私も行こう!』
『しかし………』
『ムサシは、私に『心』を教えてくれた。怒りや憎しみから解放し、優しさを教えてくれた。そんなムサシが危ないのであれば、私は力になりたい………!』
『カオスヘッダー………』
私は、カオスヘッダーの真剣な眼差しに胸を打たれた。カオスヘッダーにわかったと頷くと星人たちに別れを告げ、一路、遊星ジュランを目指し飛び立った。
☆★☆★☆★
『コスモスとカオスヘッダーは、遊星ジュランへ向かったか………』
「ギュウュウュウュウュ………」
『トロンガーよ、別次元に飛び散った我らの細胞片より生まれし野良超獣のお前だが、まだ利用価値がある。強化改造をしてウルトラマンどもに今度こそ………!!』
To Be Continued...
【次回予告】
遊星ジュランで目覚めたサーニャとエイラは、春野ムサシや怪獣たちと出会う。
だが、そこに超巨大ロボットが現れ、怪獣たちを次々と攫って行く!
「やめろおおおおおおおお!!」
ムサシの叫びに呼応するように、天空より赤き巨人、ウルトラマンジャスティスが舞い降りる!
次回 BEGINSⅡ 出会いの遊星(ほし)で
正義の力、ここに降臨!
「ヒカリサーガ」を意識した、コスモスたちの前日譚に当たる外伝三部作の前編です。最近だと、ボイスドラマになりそう。
今回の舞台となるアルファケンタウリ第13惑星は『ウルトラセブン』に登場したペガ星人の出身星ですが、今回登場した星人は「ペガ星人に外見のよく似た別の宇宙人」と思ってください。
トロンガー、そしてカオストロンガー登場。原典である『ダイナ』ではヤプールと無関係の超獣でしたが、今作では最後にあった通り『別次元に飛んだ細胞片から生まれた野良超獣』と言う設定。
次回予告は『コスモス』風。可能な方は磯部弘さんのナレーションで再生して下さい(笑)
次回は遊星ジュランでのエイラーニャのお話です。では、また次回。