ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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グア軍団編
第二十一話 平成の6兄弟


 

 

とある惑星………

 

「ガァーーーッ………!!」

 

4足歩行の怪獣が断末魔の叫びを上げると、周囲にガラス片のような物が散らばる地面に轟音を立てて倒れ、こと切れた。

怪獣を倒した羊のような曲がった角と銀色のウロコに包まれた体を持ち、背中に何本ものトゲが生え、左肩に星形の傷を持った怪獣―――『剛力怪獣 シルバゴン』が、胸をドラミングして、勝利の雄叫びを上げた。

 

「グギュゥゥウウウウウウウウウウウウ!!」

「ああっ、オ、オイドンのパラゴンが………!!」

「おのれぇ………よくもワチキのかわいいスペクターをッ!!」

 

大きな銀色の帽子のような頭と3本指を持った『ストラ星人』が怪獣『パラゴン』が倒されたことに嘆いていると、鬼のような顔を持った『マザラス星人』が、シルバゴンを操っていた宇宙人に怒鳴る。2人とも、その手には3つの窓のようなものが開いた長方形の白い機械が握られている。

宇宙人は白いスーツに藍色のシャツを着て首には赤いスカーフ、頭には白いソフト帽と黒ぶちの眼鏡をかけた伊達男風のヒューマノイド宇宙人であった。男は2人と同じだが、角の辺りにバラの模様が描かれた機械をかざした。

 

「戻れ、シルバゴン。」

「グギュゥゥウウウウウウウウウウ!!」

 

すると、シルバゴンは光の粒子となって、その機械の中に収められた。

 

「一度に2体を相手取って勝つとは、とんでもない怪獣でゴワス………」

「それ以上に、アイツの指示も的確だったわいな………」

 

2人が先ほどの戦いを振り返っていると、男ははぁ、とため息をついた。

 

「あ、お前何がっかりしたようなため息ついてるわいな!!」

「………がっかりもするさ。私と同じ『早期覚醒者』と出会えたかと思ったのに、我がシルバゴンに手も足も出ない為体(ていたらく)など………」

「なっ………!」

 

マザラス星人が絶句していると、男は踵を返して自分の銀色の宇宙円盤に向かって歩き出していた。

 

「この程度では、我が覇道に到底及ばない………やはり向かうか、太陽系第3惑星―――地球へ………」

「!?チキュウだと?本気わいな?」

「い、今地球には、ウルトラマンが何人もいるって聞いているでゴワス!悪いことは言わん、よすでゴワス!!」

 

ストラ星人が思わず止めるが、男は歩みを止めた。

 

「だからだよ。」

「なぬ?」

「地球の『コトワザ』に、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とある。危険結構!それでこそ修行になる。まあ、虎は虎でも、『ウルトラ』だがな。ハッハッハッハッハッ!」

 

自分で言ったことに大笑いする男。呆気に取られるマザラス星人とストラ星人を余所に、男は両手を『チョキ』の形にして笑いながら宇宙船に乗り込んだ。

 

「ホッホッホッホッホッ!」

 

男の笑い声を残して、宇宙船は飛び去って行った………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二十一話 平成の6兄弟

 

幻影宇宙帝王 ジュダ・スペクター

グア軍団七星将

剛力怪獣 シルバゴン(スカーシルバゴン)

宇宙怪人 ストラ星人

鬼女 マザラス星人

蜃気楼怪獣 パラゴン

登場

 

 

 

 

 

ロボット軍団を撃破した翌朝―――

 

「ミライさん、もう大丈夫なんですか?」

「うん、芳佳ちゃんが治療してくれたし、一晩寝たらもう大丈夫!」

 

朝食の席で、芳佳が未来に聞く。ミライは満面の笑みで力こぶを作る様に右腕を見せて元気であることをアピールした。

 

「ウルトラマンの超人的な身体能力があるとはいえ、随分と早い回復ですね?」

「本当ダナ。何を食べたら、そんな強くなるんダ?」

 

リーネとエイラがふと、疑問に思ったことを聞く。ミライはうーんと考えた後、

 

「カレー、ですね。」

「カレー………そういえば、よく食べてるね、ミライ君。」

 

至極真面目に答えるミライに、ムサシが苦笑気味に言う。それを聞いた美緒は感心した様子で

 

「うーむ、ジャガイモが効くのか、肉が効くのか………」

「美緒、真に受けないで。」

 

真剣に考える美緒に呆れてツッコミを入れるミーナ。その時、反対側のテーブルから声が上がった。

 

「えー?カイト、帰っちゃうの?」

 

バルクホルンにたたき起こされたエーリカ(タンコブ付)がカイトに聞いた。カイトとセリザワ、そして光太郎の3人は、この後『光の国』に帰還するのだ。

 

「うん、今回のことの報告と、卒業試験のやり直しをしないとね。」

「あー、試験の最中に異次元に放り出されちゃったんだっけ………」

「ウルトラマンが『訓練校中退』じゃあ、格好付かないもんなー」

 

エーリカとシャーリーが笑って返す。カイトが苦笑をして答えた。

 

「まあ、キングとゼノンの証言から別宇宙での活躍が考慮されて、ほとんど形だけらしいけど、それでも全力を尽くすつもりだよ。」

「それに、ヒカリの方は治療に専念してもらわねばな。」

「そっかー………」

 

カイトと光太郎の説明を聞いて納得するエーリカ。それに、とセリザワは右腕を上げると、ナイトブレスの青いクリスタルが光った。

 

「『コイツ』を光の国に持ち帰らなければならないからな。」

「え?」

 

ナイトブレスのクリスタルが光ったかと思うと、中から正十二面体の赤い結晶体―――ネウロイのコアが現れた。

 

「これって!?」

「ネウロイのコアじゃん!?」

「昨日の戦いの折に、ネウロイの1体から回収した。これを光の国で解析する予定だ。」

「いつの間に………」「意外に抜け目がないな………」

 

セリザワ―――ウルトラマンヒカリの抜け目のなさに感心する一同。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「しかし、これだけ人数が増えると、さすがにこの部屋じゃあ狭いなー」

「ごめんなさい、皆さまにご迷惑を………」

 

ディレクションルームに集まったウィッチたちとアスカは、一気に20人近くもいる現状に思わず口に出した。コウジやマイも同じことを思っていたのか頷いていると、ミーナが申し訳なさそうに謝った。

 

「今、501の皆さまのために「第2指令室」を使用できるよう、調整を行っていますので………」

「第2指令室?」

「はい、フェニックスネストが使用不能になった時に備えていたものですが、施設点検も兼ねて使ってもらおうと………」

 

ミサキ女史が説明をしていると、ディレクションルームのドアが開いて新聞をリュウが入って来た。

 

「おい、昨日の事新聞の一面を飾ってるぞ!」

「本当ですか!?」「見して見してー!」

 

リュウが嬉しそうに新聞を見せると、そこにはロボット軍団の残骸が散らばる『土俵』に立つ、メビウス、ヒカリ、ダイナ、ガイア、コスモス、マックス、タロウと芳佳たちウィッチの写真が大きく写り、『ロボット軍団、ウルトラマンとウィッチ達に倒される!』という見出しが付けられていた。

 

「うひゃー、いつの間に撮られてたんだよこんな写真!」

「『撮影者:瀬良照夫』とありますが………」

「他の新聞も、一面は昨日のロボット軍団撃破で持ち切りですよ!」

 

リュウの後ろから顔を出したマルとトリヤマも、嬉しそうに話す。ふと、芳佳はマルの手にしたスポーツ新聞の見出しが目に入り、マルから新聞を受け取るとその見出しを読み上げた。

 

「『平成ウルトラ兄弟、誕生か?』………?」

「え?」

「ウルトラ兄弟?」

 

ウルトラ兄弟と聞いて小首を傾げるウィッチ一同。我夢たちも不思議そうにしていると、ミライが少し恥ずかしそうに頭を掻いた。

 

「ぼ、僕たちがウルトラ兄弟かぁー………」

「なあ、ウルトラ兄弟って何だ?」

 

アスカが未来に聞くと、リュウが少し得意げに答えた。

 

「ウルトラ兄弟というのは、ウルトラマンたちがまるで兄弟のように仲間を大切にしているのを見て、地球人が付けた呼び名なんだ。」

「光の国でも、兄弟の誓いを結んだ宇宙警備隊の精鋭として、地球人のみなさんが付けてくれたこの呼び名を使っているんです。」

「そういえば、光太郎さんのこと「兄さん」って呼んでましたね。」

 

リュウとミライの説明を聞いて、納得したようにリーネが頷く。

 

「つまりは、『サカズキ交わした兄弟』ってワケかー」

「エイラ………」

「ある意味間違ってはいないけど、その言い方はちょっと………」

 

エイラの言い方に難色を示す一同であった。9年後くらいに分かりやすい喩えが出るのは別の話である。

 

「僕たちが、兄弟かぁ……」

「いいんじゃね?これから協力し合って、みんなを家に帰さないといけないからな!」

「そうだね………」

 

我夢が少し照れくさそうに言うとアスカが肩を叩いて笑い、ムサシもそれに続いて笑った。

 

「みんなで帰る………そのためには、『ジュダ』とやらを倒さなければならない………」

「………ミライさん、ジュダとは一体何者なんですか……?」

「………」

 

芳佳に質問をされて、ミライは神妙な面持ちとなる。リュウやアスカも聞く中、ミライは少し考えて、話し始めた。

 

「ジュダというのは、かつて『光の国』に攻めてきた『グア軍団』を率いる、宇宙の帝王のことです。」

「光の国を………!?」

 

アスカが信じられないという風に聞き返す。ミライは頷いて続けた。

 

「グア軍団は、かつては『グア』という帝王が納めていたそうです。しかし、グアはエンペラ星人とジャッカル大魔王を同時に相手取った『暗黒大戦』で戦死しましたが、グア亡き後に『モルド』、『ギナ』、そしてジュダの三兄弟が新たに首領となり、生まれ故郷である惑星グアを移動要塞惑星に改造して、惑星ごと移動しながら宇宙中を荒らしていました。」

「移動要塞惑星って………!?」

「惑星を宇宙船みたいにして、飛び回ってたってわけか………」

「スケールがとんでもないねぇ………」

 

ミライの話を聞いて、その途方もないスケールに戦慄する我夢とエーリカ。

 

「1500年前、グア軍団は惑星グアごと光の国に攻めてきました。幸いにも、ウルトラの星に激突する前にウルトラキーによって惑星は破壊されましたが、爆発の前に脱出した三兄弟はウルトラの星を乗っ取って第2のグア星にしようとしてきました。既にグア星の寿命は尽きかけていたため、最初から乗り捨てるつもりで特攻をかけてきたんです。」

「ひどい………!!」

「馬鹿な、自分の故郷だぞ………!!」

 

グア軍団の非情な行いに思わず絶句するバルクホルン。ミライはつづけた。

 

「直接乗り込んできた三兄弟と『ファイティング・ベム』と呼ばれる怪獣軍団は、ゾフィー兄さんやウルトラの父が迎え撃ちました。そしてモルドとギナは、ウルトラの父によって倒されました。しかし、2人は死の間際に自身の全エネルギーをジュダに受け渡し、ジュダは数十人がかりでも止められないほどの力を得てしまいました。何とか駆け付けたウルトラマンキングによって、砕けたグア星の破片に封印されたうえで、次元の彼方に追放することができました。」

「残ったファイティング・ベムや怪獣軍団は、「ウルトラベル」の神秘の力で退けることができたが、父もキングも激しく消耗するほどの戦いだった。この戦いは『グア戦役』と呼ばれ、光の国でも広く伝わっているんだ。」

「それが、さらなる戦力を整えて、帰還したというのか………!」

「私たちは、グア軍団の宇宙侵略計画に巻き込まれた訳ね………」

 

ミライに続くように光太郎も続けた。壮大な光の国とグア軍団の歴史を聞いた地球人一同と異世界のウルトラマンたちは、スケールの大きさに戦慄した。

 

「と、とんでもない話だな………」

「そうだね………キングのおじいちゃん、1500年以上生きてるんだね………」

「そっちか!?」

(………あれ、じゃあもしかしてミライさんたちも……?)

 

エーリカのとぼけた発言に思わずツッコミを入れるバルクホルン。一同もガクッとズッコケていると、リーネは余計な事に気が付いたが、言わないでおく事にした。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

次元のはざまに浮かぶ巨大な城。

 

『……揃ったか、グア軍団七星将よ。』

 

城内の長いテーブルのある大広間の上座に座るジュダが、静かに告げた。

すると、部屋の陰からカニの甲羅を思わせる体表と不気味な目を持ち、足元まである白いマントを着込んだ者が音もなく現れた。

 

『『魔の星』ヤプール、ここに。』

 

七星将『魔の星・異次元人 巨大ヤプール』が告げると、彼の隣からいびつに尖った銀色の頭を持った宇宙人が現れた。

 

『『嫌の星』レギュラン星人ヅウォーカァ、ここに!』

 

同じく『嫌の星・悪質宇宙人 レギュラン星人ヅウォーカァ将軍』が踵を合わせて姿勢を正し、胸の前に右拳を作る啓礼をした。

次いで、ヅウォーカァの対面から中国戦国時代の参謀を思わせる緑色の着物を着た、ふくよかであごまであるどじょうヒゲを垂らした男が現れた。

 

「ほっほっほっ、『策の星』コウメイ、ここに。」

 

策の星・コウメイが不気味な笑みを浮かべながら名乗る。

 

『フオォオオ………』

 

すると、今度はコウメイの背後から赤い光球が現れると、見る見るうちに人型となり、頭巾めいた頭と大きな尖った爪を持った宇宙人となった。

 

『『闇の星』ワロガ、ここに………』

 

不気味な声の片言で『闇の星・邪悪宇宙生命体 ワロガ』が、無数の小さな赤い目を光らせて名乗りを上げた。

 

『『覇の星』、ここに。』

 

そして、席の下座に濃い灰色のローブを着た『覇の星』が名乗りを上げる。深くフードを被っていて、顔は判別できない。

 

『グゥウ………ウオオオオオ………!!』

 

その時、一番下座から唸り声とも雄叫びとも聞こえる声がした。そこには、ボロボロの薄茶色のローブを着こみ、何本もの鎖で雁字搦めに縛られた者がいた。

 

『……あー、『暴の星』は、最初からそこにいたな。これで全員か。』

 

ジュダが『暴の星』の事について告げるが、ここでヅウォーカァが挙手をした。

 

『ジュダ様、『呪の星』の姿がありませんが……?』

[私ならばここだ。]

 

声が聞こえたかと思うと、空いていた席に黒く光る巨大な石板があることに気付いた。石板には大きな一つ目が描かれており、時折キョロキョロと動いていた。

 

[悪いが儀式の際中でな。音声のみで参加させていただく。]

『構わぬ。そちらは順調か?』

[無論だ。ジェロニモンとプレッシャーのお陰で、再生怪獣は十分にそろっている。]

『上々だ。コスモスに倒された『魔の星』の後任も決まった事だし、いよいよ本番にとりかかれる!』

 

ジュダは7人の幹部を前に頷いた。

 

『手始めに地球にいるウルトラマンメビウスとGUYSを倒し、地球をあらたな移動要塞惑星にしてやる!』

『お言葉ですがジュダ様、移動要塞惑星ならば、別に地球でなくともようのでは……?』

 

覇の星がジュダに進言する。ジュダはウムと頷いた。

 

『確かにお前の言う通りだ。だが地球人とメビウスは、我が宿敵エンペラ星人を倒した連中だ………奴らを倒さなければ、宇宙侵略もままならぬ………例えるなら連中は、「決勝で会おう!」と約束したライバルを予選で破った新たな強敵なのだ!』

「………いや、言いたいことは分かりましたが………」

 

ジュダの妙な例え話に呆れる一同。コウメイがツッコみを入れると、ワロガが挙手をした。

 

『不安ある。ヤプール、エンペラの残党に、ネウロイやった。それ、まだ残ってる。』

『問題はない。連中はネウロイを操れても、進化させ強化までは出来ない。ま、ロボットに融合させることが関の山だろう。』

 

ワロガの発言を嘲笑うようにはねのけるヤプール。コウメイがほほほと笑った。

 

「まあ、エンペラ軍団にはネウロイの他にバトラーやマノウ、それにゴルゴン星人たちエージェントを送り込んで、内部から破滅させたから、しばらくは大きく行動は起こせないでしょうねぇ~………」

『うーむ、かつての宿敵亡き後の軍団の惨めな姿を見るのはしのびないが………ま、エンペラいなくなったら烏合の衆だし、問題ないか。』

 

ジュダはそう結論づけた。続いて、ヅウォーカァが発言をした。

 

『怪獣戦艦艦隊の準備は、着々と進んでおります。我が艦隊にかかれば、地球侵略も容易いでしょう!』

『自惚れるなよヅウォーカァ……地球人とウルトラマンを甘く見ては、痛い目を見る。』

『ぬぅ………新参者でエンペラの軍門に下っていた気に喰わない奴だが、何度もウルトラマンと地球人にこっぴどくやられたお前が言うと、説得力があるな。』

 

ヤプールに釘を刺されたヅウォーカァだが、言い返されたヤプールは割と図星のためか反論はしなかった。2人の間に火花が散るが、コウメイがまあまあと諌めた。

 

「それとジュダ様、我が軍門に入りたいという宇宙人の採用試験についてなんですが、最終選考はいかがいたしましょうか?」

『そうだな………』

 

ジュダはしばし考えていると、ふと、ある事を思い出して、ワロガに尋ねた。

 

『そういえば、例の『子ネズミ』はどうした?』

『連中、まだ第2エリアにいる。隠れて、見つけられてない。』

『そうか……メビウスたちの実力をこの目で見ておきたいし………』

 

ワロガから報告を受けると、ジュダは悪い笑みを浮かべた。

 

『よしコウメイ、ヤプール、準備をしたい。後で来てくれ。』

『は。』

「承知。」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「キィイィイーーー」

「キィイィイィーーー」

「ギュシャァアア………」

 

ナメクジのような2mほどの異形と昆虫を思わせる2足歩行の化け物数匹が、崩壊しかけたビルが立ち並ぶ廃墟を徘徊していた。異形たちは何かを探すように周囲を見渡した後、目的のものがないと知ったのか、その場を離れていった。

 

「………行ったか?」

「うん………」

 

その様子を、息を殺して荷台に『高収入』の文字とサムズアップをした『青色発砲怪獣 アボラス』のイラストが描かれた、大破したトラックの影から見ていた3人の少女が、銃を手に確認をした。

 

「ひかり、弾薬はあとどんくらいだ?」

「もう残りはあまり……」

「私も………ストライカーも破損して動かないし……」

 

ひかりと呼ばれた、紺色のセーラー服の少女とセーターを着た少女が答える。短髪で頬に絆創膏をはった少女は舌打ちをした。

 

雁淵 ひかり、菅野 直枝、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネンの3人は当初、ネウロイ出現の報を受けて出動していた。目的地にいた円盤の下部に砲門を備えたようなネウロイ3体と交戦をしていたが、突然地中から巨大な四足歩行で首の長い恐竜のような生物が現れ、ネウロイと共に攻撃してきたのだ。

 

ネウロイだけではなく、恐竜の目から放たれる光線とバリアに苦戦していると、驚くことに空中がガラスのように『割れて』、ネウロイと恐竜と共にその穴に吸い込まれてしまった3人は、気が付けばこの廃墟の街にいたのだ。

 

この場所に流れ着いてから5日間、街には先ほどの異形や小型のネウロイがうごめいており、ストライカーが故障した現状、逃げるしかなかった。

 

「何なんだよアイツら………何処なんだよここは………!?」

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「じゃあメビウス、アスカくん、我夢くん、ムサシくん、地球の事は頼むぞ!」

「はい!タロウ兄さんも、お気をつけて!」

「卒業試験を終えたら、私もグア軍団の調査に当たる。地球にもすぐに戻るだろう。」

「カイト、気を付けてねー」

「隊長、ちゃんと身体治してくださいよ!」

「ああ、リュウも元気でな。」

 

その翌日、それぞれが言葉を交わし、固く握手をする。3人は笑顔を浮かべると、それぞれが赤い光の球となって浮かび上がり、あっと言う間に空の彼方まで飛んで行ってしまった。

 

「行っちゃったねー」

「なに、すぐにまた会えるさ。」

「そうですね。」

 

3人の飛んで行った空を見上げながら、芳佳とミライがそう話す。さて、とリュウが腕を伸ばしながら切り出した。

 

「これから第2指令室に案内する。ついてきてくれ。」

『はい!』

 

 

 

 

 

案内されたのは、フェニックスネストから徒歩10分ほど(エレベーターを使わなければ15分)の距離にある50mほどの建物であった。戦艦の艦首を思わせる形状のタワーと横に長い滑走路が内蔵された建物で構成されており、滑走路の壁には『№4』とペイントされていた。

 

「ここが第2指令室………」

 

第2指令室のタワー上階にあるフェニックスネストに似た内装のディレクションルームに案内された芳佳たちが、中を見渡しながら感嘆する。

 

「しばらくはこの第2指令室、『サンダーバード』がお前らの基地になる。」

「サンダーバード?」

「ああ、『フェニックスネスト』(不死鳥)の弟分だからな!」

「はあ………」

 

リュウが自信たっぷりに言う。ミライやアスカ、芳佳等は感心した様子だが、ペリーヌなどは呆れた表情であった。

 

「急造とはいえ、ストライカーの整備施設とカタパルトも用意している。常駐と発進はこの基地を使ってくれ。」

「何から何まで、すみません……」

 

いいって事よ、とリュウがミーナに返した。

 

「さて、これから施設の案内しよう。まずはストライカーの……」

 

リュウが言いかけたその時、警報が鳴り響く。全員の顔が一瞬で引き締まると、浮かんだモニターにエリーの顔が映った。

 

[隊長!湾岸の石油コンビナートに、ネウロイが出現しました!]

「ネウロイだと!?」

[そちらのモニターに出します!]

 

モニターの映像が切り替わり、石油コンビナートの上空を大小の球体を束ねられたパイプで繋いだような50~70mサイズのネウロイが飛び、光線を地上に向かい放ち小規模の爆発を起こしていた!

 

「あれ以上攻撃されては大災害が起こってしまうぞ!」

「石油コンビナートを守るぞ。GUYS, SALLY GO!!」

『G.I.G.!!』

 

アイハラ・リュウ隊長号令の下、隊員たちは返答をした。

 

 

 

 

 

つづく




第二十一話です。

・冒頭でまさかのレイオニクスバトル。スカーシルバゴンの使い手の正体はまだ内緒。
 マザラス星人は跳ね返り風、ストラ星人が薩摩弁なのは、ストラ星人の写真をじっと見ていたらゴワス口調でしゃべるイメージが浮かんだのでw

・マックス、ヒカリ、タロウ帰還。そして平成ウルトラ兄弟結成。今回のウルトラマンたちにチーム名が必要と思い、思いついた名前です。時代は今や令和ですが、作中はまだ2009年ごろなのでw

・今作におけるグア軍団の説明。既にグア星も上の兄姉もいない状況でジュダ単体なのは『ウルトラマン物語』のオマージュですね。

・グア軍団七星将登場。当初はワロガもまだ顔を出す予定はありませんでしたが、よく考えたら正体分かっているのが7人中2人(コウメイは顔見せしてるけど正体不明なので)ってどうなんだろうと思ってワロガも出しました。

・まさかのブレイブウィッチーズからひかり、直枝、ニパが登場。色々考えて、登場させることにしました。アボラスのトラックは、相方だったら色々ヤバかったw

・第2指令室『サンダーバード』登場。人数も増えたので、常駐する場所が必要と考えて登場させました。名前は劇中でリュウさんが言った通り。実はちょっとした秘密があったりして。

・最後のネウロイは『ウルトラマンダイナ』よりNSPカンパネラが元ネタ。最近では『ジード』の星雲荘として活躍してますね。

では、また次回。
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