ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第二十二話 地獄への招待状

リュウにサンダーバード基地地下のストライカー格納庫に案内された501部隊は、各自ストライカーを装着して銃器を手にした。そして手元のスイッチを押し込むとストライカーのケージごと3機分が定位置に移動をすると、回転しながらリフトが上昇した。

 

サンダーバード基地の外壁の先端がリフトアップすると、滑走路の先端が動物の舌のように伸びた。そして、ストライカーが上昇しきると、足元に眩い光を放つ魔法陣が展開された。

 

「発進!」

「「了解!!」」

 

坂本 美緒戦闘隊長号令の下、ストライクウィッチーズは次々に発進、GUYSのガンフェニックスとガンブースターも合流し、ネウロイの下へ向かった。

 

 

 

 

 

第二十二話 地獄への招待状

 

異次元怪異 ネウロイ(GX―08・GX-09)

怪異変形獣 ネウロイ(GX―08・GX-09)

幻影宇宙帝王 ジュダ・スペクター

暗黒星人 バビラー

ブロブタイプビースト ペドレオン(クライン)

インセクトタイプビースト バグバズンブルード

グア軍団入団希望宇宙人集団

登場

 

 

 

 

 

「キィイイイイイイイイイイイ!!」

 

石油コンビナートを襲撃したネウロイは、周囲にビームを放ち蹂躙していたが、石油の詰まったタンクの上空で静止したかと思うと、大きい50mの球体から管のようなものを伸ばしたそして管の先端がタンクを突き破ると、中の石油を吸収し始めた。

 

「ネウロイを確認!」

「石油を吸収しているようだな………迂闊に攻撃できないぞこりゃ………」

 

現場に到着したリュウはネウロイの様子を見て、現状からネウロイへの攻撃は迂闊にできないと判断した。

その時、眼帯を外してネウロイの様子を見ていた美緒が声を上げた。

 

「これは!?」

「どうした?」

「あのネウロイ、前後にコアが1つずつある………アイツは2体のネウロイだ!」

「何だと!?」

 

リュウが驚きの声を上げた瞬間、石油を飲み干したらしいネウロイが管を回収すると、パイプの中心から分離して、大きい方の球体が地面に落ちて重低音と砂埃を巻き上げた!

 

「落ちた!?」

「石油の重さで落ちたのか?だとしても………!?」

 

分離したネウロイが地面に落ちたのを見て、どうやって退治すべきか考えていたその時、砂埃の中のネウロイがその姿を変貌させていた。

 

「カァーキャアーーーッ!!」

 

球体の上部から3本指の短い腕が生えて、二足歩行で胴体の下には瞳の無い顔、球体にはずらりと丸い印が赤く光り、パイプは太い尻尾となって地面を叩き、咆哮をあげた!

 

「か、怪獣になった!?」

「まさか、以前のベムスターのように……!?」

 

以前のベムスターの時のように怪獣の姿になったネウロイを見て芳佳が驚きの声を上げる。ネウロイが空になったタンクを尻尾のひと振りで吹き飛ばし、数百m先の建物に激突して破壊された!

 

[隊長、ドキュメントMATに酷似した怪獣を確認しました。]

 

フェニックスネストのエリーから通信が入り、各自のメモリーディスプレイにデータが送信される。データには丸い胴体にタコの吸盤のようなものを持った怪獣の画像が添付されており、確かにネウロイと酷似していた。苦い顔で、シャーリーが聞いた。

 

「な、何だよ、このタコみたいなやつは………?」

[レジストコード、『オイル怪獣 タッコング』。石油を主食とする怪獣です。]

「石油を………それであのネウロイも………!」

 

ネウロイが石油を吸収していた理由をリーネが悟ると、残ったもう1体が動き出して、光線を放ってくる!

 

「キィイイイイイイイイイイイ!!」

「くっ……!」

 

光線を障壁で防御するが、タッコングの方はオリジナルの吸盤にあたる体の赤い発光部から光線を放ち、周囲で爆発が起きる。そのままタッコングは、街に向けてのっしのっしと歩き出した。

 

「カァーキャアーーーッ!!」

「このままじゃあ………!」

「タッコングは俺たちで退治する!美緒と芳佳とリーネ、それにペリーヌはついて来てくれ!ミーナたちは、小さい方を頼む!」

「了解!!」

「「「G.I.G.!!」」」

 

リュウの指示に返答をする一同。分離したネウロイの方にウィッチたちが向かい、芳佳たちとガンマシンでタッコングの方へ向かった。

 

「でも退治って言っても………」

「ネウロイのボディには大量の石油が詰まっている………迂闊に攻撃すれば、あっと言う間に街は火の海ですわ……!」

 

リーネが呟き、ペリーヌも不安をあらわにする。しかし、アイハラ隊長は冷静に判断していた。

 

「芳佳たち、みんなトライガーショットは持ってきているな?」

「あ、はい………あ、もしかして!」

 

リュウに聞かれて腰に下げたトライガーショットを確認しながら答えた芳佳は、リュウの作戦を察した。

 

「これからタッコングを、9時の方角にある広い地点に誘導する。そこでネウロイに向けてスペシウム弾頭弾発射後、着弾の寸前にキャプチャーキューブで閉じ込めて爆発の被害を最小限に抑える!」

「なるほど!」

「そうと決まれば!」

 

リュウの作戦を聞き、ガンローダーとガンブースター、芳佳とペリーヌが先行してタッコングの進行方向の地面に攻撃、爆発を起こした。

 

「カァーキャァアーーーッ!」

 

タッコングは足を止めて、攻撃してきたウィッチ達を確認すると、両目から光線を放ってくる!ウィッチとガンマシンは難なく回避すると再度攻撃を、しかし直接ダメージを与えないように仕掛ける。タッコングは攻撃してきた相手に狙いを定めると、それを追うべく歩き始めた。

 

「カァーキャァアーーーッ!」

「タッコングは追いかけてきます!」

「狙い通りだ!」

 

タッコングが追いかけてくるのを確認すると、目的の地点まで誘導する。すると、タッコングは走りながらジャンプをしたかと思うと、手足と尻尾を引っ込めて球状になり、飛翔してきた!

 

「飛んだ!?」

「元が飛行するネウロイだから、飛べたのか!?」

 

一同が驚く中、飛行形態となったタッコングは発光部から赤い光線の『トゲ』を発生させて突撃してきた!急旋回して回避をすると、タッコングはUターンをして再度『星球レーザーストライク』を仕掛けた!

 

「カァーキャァアーーーッ!」

「危ない!」「芳佳ちゃん!」

 

その時、タッコングの進行方向に芳佳が背を向けるように飛行しているのを見たリーネとミライが声を上げた。ミライは咄嗟に左腕に『メビウスブレス』を発現させて、変身しようとした。しかし芳佳がその場で急上昇をすると突撃してきたタッコングはその場を通過、左回転をしながら落下した芳佳は、タッコングの背後に付いた!

 

「左捻り込み!!」

「初めて見た………」

 

芳佳の「左捻り込み」を目の当たりにしたペリーヌとカナタが感嘆の声を出した。芳佳はタッコングのトゲに機銃を掃射すると、トゲのいくつかがスパークを起こした。危うく石油に引火するのではないかと一瞬肝が冷えたが、タッコングは目的地点の地面に墜落した。

 

「カァーキャァアーーーッ!」

「今だ!メテオール解禁!!」

「パーミッション・トゥ・シフト!マニューバ!!」

 

運悪く上下反転するように墜落してしまったタッコングがジタバタと藻掻く様を見て、リュウはいち早く指示を飛ばした。ガンウィンガーがマニューバモードに変形すると、美緒たちもトライガーショットを手にするとブルーチェンバーにモードチェンジさせ、タッコングに狙いを定めた。

 

「スペシウム弾頭弾、ファイヤーッ!!」

「キャプチャーキューブ、発射!!」

 

そしてタッコングに向けてスペシウム弾頭弾が発射され、着弾する寸前にキャプチャーキューブがその身を捕らえた。瞬間、バリア内でタッコングは爆発四散するが、爆発の衝撃はバリアで抑えられ、周囲への被害は全くと言っていいほどなかった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

[タッコングタイプ撃破。バリア解除後、消火活動に入る。]

 

「やるな、アイハラ隊長!」

「ええ、ちょっと危ない場面もありましたが、的確な指示でした。」

 

ディレクションルームでモニター越しに様子を見ていたアスカと我夢が、GUYSの戦いを称賛する。そばに立つムサシも、うんうんと頷いていた。そこに、エリーとミサキ女史が口を開いた。

 

「しかし、ビームを『トゲ』にするなんて……これまでのネウロイにない攻撃方法ですね。」

「はい。これはやはり………グア軍団が、ネウロイを『兵器』として研究していると考えるべきかと………」

「グア軍団………あれ、たしかエンペラ軍団も………?」

 

ムサシが疑問を口に出そうとしたその時、モニターの向こう、石油コンビナートで動きがあった。先ほど分離したもう1体が、芳佳たちのいるあたりに飛び込んできたのだ。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

バリアが解除された地点にガンマシンが消火用塩化ナトリウム剤を投下し、無事に消火したその時、目の前を赤い光線が通過した!

 

「うお!?」

「今のは………!!」

「ゴメンナサイ、あのネウロイ妙にすばしっこくて………」

 

ネウロイを追いながらミーナが謝る。ネウロイは高速で飛行し、シャーリーとルッキーニが掃射しながら追ってくるが、ネウロイはユラユラと揺れたり、急な方向転換をしたりする不規則な動きで回避してしまう。

 

「な、なんだよコイツ!?」

「んもー!ゼンゼン当たんないじゃーん!」

「まるでUFOだな………」

 

シャーリーがネウロイの動きに困惑し、ルッキーニが文句を叫ぶ。エーリカのシュトゥムやフリーガーハマーのロケット弾もあっさりと避けられてしまった。

 

「そこダッ!!」

ダンッ

「キィイイイイイイイイイイイ!!」

 

その時、『未来予知』でネウロイの進行方向を読んだエイラが機銃を放つとネウロイに命中!パイプ個所を破損したネウロイはよろけたかと思うと急上昇、上空でピタリと静止した。

 

「何だ?」

「観念したのか………?」

 

静止したネウロイに一同が不振に思っていると、ネウロイはパイプ部分が大きく広がってまるでマントのようにはためいた。

 

「マント!?」

「何か、てるてる坊主みたいな………?」

「あの姿は………!?」

 

変形したネウロイに驚く一同。球体のようなパーツと合わさっててるてる坊主のような見た目となった事で、ミライの脳裏にある怪獣が思い浮かび、そして球体に浮かび上がった赤い『顔』を見て、まさにその姿であると確信した!

 

「ギュィイーーーッ!!ギュィイーーーッ!!」

「ノーバ!?」

「こいつも怪獣ネウロイだったのか!!」

 

ネウロイであるために、本来の赤と黒のカラーリングが反転した外見となっているが、その姿は正しく『円盤生物 ノーバ』そのものであった!ノーバに変形したネウロイに一同があっけにとられていると、ノーバはマントを大きく広げて、ウィッチたちを包み込もうとしてきた!

 

「何!?」「これは………!?」

「マズい!!」

「ミライ!?」

 

ノーバの動きを見たミライが叫ぶ。リュウが止める間もなくミライは金色の光の粒子となってウィッチたちのもとへ向かう。その瞬間、ノーバは金色の光もろともウィッチたちをマントで包み込んでしまった!

 

「ギュィイーーーッ!!」

 

ノーバがひと鳴きするとマントを再度広げた。しかし、その下にウィッチたちの姿はなかった!?

 

「何!?」

[芳佳ちゃんたちは……!?]

 

リュウたちが困惑の声を出す。その時、フェニックスネストから通信が入った。

 

[アイハラ隊長、ノーバがみんなを包み込んだ瞬間、強大な次元エネルギーをマントの中に観測しました!]

「次元エネルギーだと!?」

[つまり、みんなはノーバによって、別の場所に転移させられてしまったんです!あのネウロイを倒したら、下手したらみんなが帰還できなくなります!]

「まさか、最初からそれを狙って………!?」

 

エリーと我夢の話を聞いたリュウは、ネウロイの、グア軍団の狙いを知って愕然とする。

目の前で、ノーバの姿となったネウロイはふわふわとたゆたうだけであった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「う………」

「今のは………!?」

 

芳佳とエイラが気づくと、先ほどまでの石油コンビナートではなく、荒廃したビル街が目下に広がっていた。周囲にいる美緒やミーナたちも、突然のことに困惑していた。

 

「あのネウロイのマントに覆われたかと思ったら……」

「また次元転移か!?」

「そんな!?」

 

一同が困惑していると、芳佳は荒廃したビル街の向こうに山のように巨大な城があることに気づいた。

 

「何あれ………お城………?」

「クヮアッ!!」

「ア゛ア゛アッ!!」

 

芳佳が城の存在に気付いたその時、周囲にいつの間にか烏天狗を彷彿とさせる嘴を持った顔とコウモリのような翼をもった宇宙人『暗黒星人 バビラー』が百人近く飛翔して接近してきた!

 

「何!?」

「落ちろ、地球人ども!!」

「きゃあッ!!」

「リーネちゃん!」「サーニャ!!」

 

バビラーたちはウィッチたちに襲い掛かってきた!突然の襲撃にリーネやサーニャは碌に対処できず地面に向けて落ちていき、バルクホルンやシャーリーは抵抗するものの数に押されて次々に落ちていった。助けに行きたくとも、バビラーたちがそれを阻んだ。

 

「みんな!!」

「クヮアッ!!」

「キャアッ!!」

「宮藤!!」

 

芳佳が叫んだ瞬間、バビラーの1体が接近して掴みかかり、そのまま地面に落とそうとしてくる!咄嗟に美緒がバビラーの背中を切り裂いて引きはがすが、芳佳は上昇が間に合わず地面に向かっていく!

 

「宮藤!!」

 

きりもみ回転をしながら落下していく芳佳が美緒が向かうが、間に合わない!

 

がしっ

「………え?」

 

しかし芳佳は、地面にたどり着くよりも前に何者かに抱きかかえられて墜落を免れた。誰かと思い見上げてみれば、そこには見知った銀色の瞳があった。

 

「え!?」

「メビウス………いつもより小さい…?」

 

地球人サイズのメビウスは頷くと、芳佳を抱えたまま(思いっきりお姫様だっこである)地面に降り立つ。美緒も近くに降り立つと、周囲に飛んでいたバビラーたちが浮足立ったようにざわつき始めた。

 

「ウ、ウルトラマンだ!」

「なんでウルトラマンが………連れ込まれたのは、ウィッチという地球人だけではないのか!?」

「コウメイ様、ウルトラマンです!地球人と一緒にウルトラマンメビウスが!!」

 

バビラーの一人が腕に巻いた通信機でどこかに報告をする。しかし通信先は全く慌てた様子もなく返答をした。

 

[問題はないわ。あなたたちはウィッチを地面に落としたら、そこから撤収しなさい。]

「しかし………」

[もうそろそろ、『試験』が始まるわ。それに、そのあたりには、まだ『連中』がいるはずだし。]

「!?しょ、招致いたしました………!」

 

バビラーはそれを聞くと、周囲のバビラーたちもその場から離れ始める。

 

「行ったか………」

「まだ上空を旋回しているな…あれでは碌に飛ぶこともできない………」

『みんなともはぐれちゃったし………』

「ていうか、ウルトラマンって大きさ変えられるのか……?」

『え、はい。あまりやらないんですけどね……』

 

美緒が芳佳を下したメビウスに聞くと、メビウスは頬を書きながら答えた。その時、周囲に不気味な気配を察知して、緊張が走った。警戒をしていると、周囲の物陰からナメクジのような2mほどの異形と昆虫を思わせる2足歩行の化け物数匹が現れた!

 

「キィイィイーーー」

「キィイィイィーーー」

「ギュシャァアア………」

 

「コイツらは!?」

『スペースビースト!?こんなところに何で…!?』

 

周囲から現れた不気味な異形―――『ブロブタイプビースト ペドレオン(クライン)』と『インセクトタイプビースト バグバズンブルード』を見たメビウスが思わず声を上げた。

 

「スペースビースト?」

『かなり凶悪な宇宙怪獣です!2人とも僕から離れないで!』

「は、はい!」

「ギュシャァアア!!」

 

メビウスが簡単に説明をすると、バグバズンブルードが2匹飛びかかってくる!メビウスは咄嗟にメビュームブレードを伸ばすと横一文字に切り裂くと2匹は仰向けに倒れ、そこにメビウスはメビュームスラッシュを放って焼却した。

次にペドレオン(クライン)が触手を伸ばして襲い掛かるが、美緒がそれを切り捨てるとペドレオン(クライン)はそれに怯み、その隙をメビウスは見逃さず、メビュームシュートを放ってその身を焼き尽くした!

 

「キィイィイィ………!!」

『ありがとうございます。』

「いや……というか、ちょっと念を入れすぎな気が………」

 

倒したバグバズンとペドレオンに念入りに光線を放ったメビウスの様子に美緒が聞く。メビウスはメビウスブレスを構えると、ミライの姿に変わると、説明をした。

 

「……スペースビーストは、細胞の1片でも残っていれば、再生が可能なんです。だから、完全に細胞を焼却しないと、短時間で再生してしまいます。」

「そうだったのか………!」

「以前、ダークザギという邪悪な魔神によって光の国の周辺に出現したときも、この特性ゆえに多くの犠牲が出ました。異次元から来たノアというウルトラマンが来てくれなければ、大変な事になっていました。」

 

スペースビーストの特性を聞いて戦慄する芳佳たち。その時、物陰からバグバズンブルードが1匹飛び出して来た!

 

「ギュシャァアアーーーッ!!」

「!?」

「しまった……!!」

 

ミライが気付いた時には、バグバズンブルードは芳佳に向かってその爪を振り下ろしてくる!

 

ガガガガガッ

「ギュシャァアア………!?」

「「!?」」

「え………!?」

 

しかし、その場に銃声が響くと、バグバズンブルードが被弾して倒れてしまう。何事かと思い周囲を見ると、紺色のセーラー服の少女が硝煙の燻る機関銃を構えていた。

 

「あの娘は……!?」

「大丈夫ですか!?」

 

ミライは少女の姿―――セーラー服の下にはスクール水着―――を見て、彼女がウィッチであると感づいた。美緒が少女に問いかけた。

 

「君は、ウィッチか?どこの所属だ?」

「あ、はい!第502統合戦闘航空団「ブレイブウィッチーズ」所属、雁淵 ひかり軍曹です!」

「雁淵………?もしや、孝美の?」

「はい、妹です!」

 

美緒が雁淵 ひかりと話していると、芳佳とミライは不思議そうにしていた。

 

「え?坂本さんの知り合いですか?」

「いや、姉が教え子でな……ほら、前に宮藤に佐世保まで治療を頼んだ…」

「ああ、あの時の!」

「え!?お姉ちゃんを!?」

 

納得したように手を叩く芳佳に、ひかりは自分の姉を治療してくれたのか芳佳だと知って驚いたかと思うと、頭を深く下げた。

 

「あの、お姉ちゃんを助けてくれてありがとうございましたッ!!」

「あ、いえ……それほどのことは………」

 

急に頭を下げ始めるひかりに芳佳は畏まる。美緒とミライはその様子を笑ってみていたが、ミライははたと気づき、バグバズンブルードの死体のもとに向かってトライガーショットのレッドチェンバーに変形させて焼却させた。

 

「ところで、ひかり一人か?他に誰かいないのか?」

「あ、そうだった!私と、あと2人います。」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

[はあ!?ニパたちもいんのカヨ!?]

「は、はい……今、調度合流しました……」

 

ひかりに案内されてとある廃ビルの2階で菅野 直枝とニッカ・エドワーディン・カタヤイネン(ニパ)の2人と合流すると、芳佳たちと離れた場所にサーニャと共に不時着したエイラが、芳佳からの通信を聞いて思わず声を上げた。美緒とミライは現在、ひかりと直枝、ニパに現状の説明をしていた。

 

「……よーするに、オレたちはそのグア軍団とかいう連中の侵略計画に巻き込まれたってのか?はた迷惑な話だぜ!」

「まったくだね………そいつらがネウロイ利用してるのもトンデモないけど………」

「とりあえず、ここから出られる可能性が出てきましたね………」

「お前たち、よく5日間耐えたな。」

 

話を聞いた直枝、ニパ、ひかりは話のスケールの大きさ故かいまいちピンときていない様子であったが、同じ世界の味方と出会えてほっとしていることが分かった。美緒はそんな3人を労った。

 

「しかし、ネウロイだけではなくスペースビーストまで配下に置いているとは………ジュダは恐ろしく力をつけているということか………?」

「ん?外が騒がしいような……?」

 

ミライがグア軍団の戦力について考えていると、美緒が外の様子を窓からこっそりと覗いた。そして、すぐにその顔が驚きのものに変わった。

 

「!?なっ……あれは………!?」

「どうしました?」

 

美緒の声に気付いて、芳佳たちも窓から外を見て、驚愕した。

外の道路には、ターバンのようなもので顔を覆った二本角の『グア兵』に先導されて、数十人の宇宙人たちが団体でぞろぞろと歩いていたのだ!

 

「な、なんだアイツらは………!?」

 

直枝が小さく驚いていると、一団の中で十数名いるシャドー星人のリーダーらしき男が、レキューム人とムザン星人の後ろからグア兵に声をかけた。

 

『おい、いつまで歩かせるんだ!?』

『グア!もうこの班のスタート地点グア!開始時間まで待つグア!』

 

グア兵はそう答えると、宇宙人の一団は立ち止った。

 

「シャドー星人にザンパ星人………アトランタ星人、ボーグ星人とカーン星人に………あれはザタン星人か………見たこともない宇宙人もいる………」

 

ミライが一団の宇宙人の名前を呟く。レキューム人とムザン星人の他にもガルト星人にナターン星人、黒いロングコートと十字架の描かれたとんがり頭巾で顔を隠した宇宙人がおり、何やら殺気立っていた。

すると、宇宙人の集団の目の前の空間にモニターが映し出された。

 

[―――あー、あー、マイクテス、マイクテス………あ、OK?オホン、諸君、わしがグア軍団首領、宇宙の帝王ジュダ・スペクターである!!]

「!?ジュダ………!?」

「あれが……!?」

 

モニターに映った、金色の鎧を身に纏い、不気味な笑みを浮かべた顔と2本角を持った宇宙人・『幻影宇宙帝王 ジュダ・スペクター』にミライたちは驚く。まさか、このような形で敵の首領にお目にかかれるとは思ってもみなかった。

 

[今諸君がいるのは、我が『次元城』の周囲に6つあるエリアの1つ『第2エリア:廃墟ゾーン』だ。ここは主に、軍団員の訓練に使用されるエリアだ。]

 

ジュダは『次元城』と呼ぶこの場所の地図を表示させて説明する。

 

[さて、まずは、これを見てくれたまえ。]

 

そういうとジュダは、モニターの映像を切り替えた。そこにはなんと、芳佳たちウィッチ14人の顔写真がずらりと並んでいるではないか!

 

「え!?」

[こいつらは、『ウィッチ』と呼ばれる特殊な能力を持った地球人だ。情けない、信じられないなんて声も上がるかもしれないが、既にこのウィッチどもに我が軍団やエンペラ軍団の宇宙人や怪獣、ロボットが倒されている。非常に油断ならん連中だ。]

『なんだと!?』

『こんな地球人の小娘どもが……!?』

 

ジュダの告げたウィッチの実力にザワつく宇宙人たち。ジュダはつづけた。

 

[こんな小娘たちが、今諸君のいる第2エリアに隠れている。というわけで、グア軍団に入団を希望する君たちに、最終選考の内容を伝えよう。なに、簡単なことだ。]

 

 

 

 

 

[このウィッチたちを、1人でも多く殺すのだ!!]

 

 

 

 

 

「!?」

「何だと!?」

 

ジュダの告げた内容に血の気が引く芳佳とひかり。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

[獲物を奪い合うもよし、協力して狩るもよし、各々の好きにしてくれたまえ。]

 

「何てことを………!」

「私たちをハンティングの獲物にしようというのか、ふざけおって!!」

 

同じく宇宙人の集団から隠れたミーナとバルクホルンが憤慨する。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

[制限時間は無制限としておく。なお、ウィッチどもの反撃を受けて死傷したとしても、当方は一切責任を負わないものとする。]

 

「反撃していいってこと?」

「だな。なめやがって………!」

「返討ちにしてやろーか!」

 

シャーリーとエーリカ、ルッキーニが、銃を構えて不敵に笑う。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

[1人でも多く殺した者には、我がグア軍団の一員として迎え入れてやろう。入団後は思う存分その力を使い戦果を挙げれば、全宇宙侵略後は絶対の地位を約束しようではないか!]

『おお!』『さすがジュダ様だ!』

 

「そんな………!?」

「なんてことを……!?」

 

リーネとペリーヌが息を呑む。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

[先ほども言ったように、ウィッチの実力は計り知れない。油断せずに狩りに勤しんでくれたまえ。]

『ふん、異能といえど所詮は地球人だ。』『軽ーく狩ってやろうぜ!』

 

「これはマズいナ………」

「早く、芳佳ちゃんたちと合流しないと………」

 

自身の得物を手に嗤う宇宙人たちを陰で見ながら、エイラとサーニャが冷や汗を垂らしていた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

[それでは………グア軍団入団試験最終科目『魔女狩り』を、開始するッ!!]

ジャァア~~~ン

『『『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』』』

 

モニターの中でジュダの宣言と共に銅鑼が鳴り響くが、宇宙人たちの雄叫びがそれをかき消してしまった。その様子を隠れて見ていた芳佳とひかりは怯え、直枝は怒りのこもった目で宇宙人たちを見ていた。

 

「何考えてんだアイツ………!」

「私たちは、このために連れ込まれたのか………!!」

「ジュダ………ッ!!」

 

美緒はジュダの企みを知り、唇を噛んだ。ミライは、モニターで高笑いするジュダをキッと睨んだ。

 

 

 

 

 

つづく




第二十二話です。

・発進シーンは『タロウ』や『レオ』のOPを見ながら書きました。回転しながらリフト上昇とか、まんまですね。

・ネウロイが分離してタッコングとノーバに変形。カンパネラを画像で見た時に、分離してタッコングになったら面白いと思い、今回出してみました。
 ノーバは今回、ジュダの根城に連れ去るべく登場させました。

・前半はウルトラマンがいなくても防衛チームで怪獣退治ができるという描写。リュウさんも隊長として立派にやっています。

・『ザ☆ウルトラマン』よりバビラー登場。ウィッチたちに空中戦できる宇宙人をと探したところ、バビラーが調度いいと思いまして。好きな宇宙人だしかっこいいデザインなんだけど、マイナーなのが残念。
 あと、何気にメビウスは等身大で戦うのは初めてですね。

・グア軍団の根城・次元城。城を中心にいくつかのエリアがあるのは、64の『爆ボンバーマン』のステージがイメージ元。

・感想でも性格が変だと言われていたジュダ様ですが、『アンドロメロス』版のノリがいい性格をベースに『ノリがいいけど冷酷』っていう、『ワンピース』に一人はいるタイプのボスになりました。イメージとしては金獅子のシキですね。今作のジュダもある意味境遇似ていますね。

・『魔女狩り』の標的にされてしまったウィッチたち。次回、宇宙人軍団との戦いになります。

では、また次回。
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