ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第二十六話 帝王の復活宣言

第二十六話 帝王の復活宣言

 

怪異合成機獣 グランギラス

幻影宇宙帝王 ジュダ・スペクター

グア軍団七星将

登場

 

 

 

 

 

「ギキャァギィイイイイイイイイッ!!」

 

ジュダによってネウロイとロボット怪獣の残骸が合体し『怪異合成奇獣 グランギラス』が誕生、7人のウルトラマンと15人のウィッチに迫っていた。

 

『さあ、グランギラスよ!奴らを血祭りに上げろ!!』

「ギキャァギィイイイイイイイイッ!!」

 

グランギラスは甲高い声を上げると翼を広げ、いくつもある赤い発光部を光らせて無数の光線を放った!

 

「何!?」

「くっ………!!」

 

ウィッチたちは咄嗟にシールドを張ってウルトラマン達も何とか防御、回避をするが、そこにグランギラスは左腕を伸ばして攻撃してきた!

 

「うわぁ!?」

「きゃあっ!」

 

伸ばした腕がウィッチたちの傍を掠め、その衝撃で吹き飛ばされてしまう。そのままハサミは防御していたダイナの腹部に直撃して吹き飛ばされる!

 

『グアアッ!?」

「ダイナッ!?」

 

更にグランギラスはそのまま長い尻尾を振るい、近くにいたメビウスとコスモスを吹き飛ばす!

 

『ウワァア!』

『グウッ……』

「このぉおお!!」

 

吹っ飛んだ2人を見て、直枝が手にした機銃を放つ!弾丸は右目に直撃して、火花と共に大きく破損した!

 

「どうだ!ざまあみろ!!」

 

直枝は自身の手応えを感じながら勝ち誇ったが、グランギラスの目は瞬時に修復された。

 

「何!?」

「あの再生速度は………!?」

 

異常なほどの再生速度に直枝とニパが驚きの声を上げているが、その時、リーネが両肩を見てある事実に気が付く。

 

「まさか……インペライザーの再生機能がネウロイ化で!?」

 

そう、グランギラスの両肩にはインペライザーの砲身が一体化しており、それによって得た再生機能がネウロイ化により強化されていたのだ。

 

「ギキャァギィイイイイイイイイッ!!」

 

グランギラスは再度ビームを放ち、メビウスたちを攻撃する。メビウスたちもすぐに態勢を立て直すが、それでもグランギラスの攻撃は止まらない!

 

「ぐぅお……!!」

『このままじゃまずいぞ……!!』

「ギキャァギィイイイイイイイイッ!!」

 

グランギラスの猛攻にウルトラマンやウィッチたちは焦りを覚える。メビウスは『メビュームスラッシュ』、ダイナの『ビームスライサー』を放ちグランギラスの翼を攻撃、破壊をするが、直ぐに再生をしてしまう。

 

「何だよあのデタラメな再生速度は!?」

「ウルトラマンの攻撃でもダメなんて………!?」

「これじゃあ手の打ち様がないぞ!!」

 

グランギラスの再生速度にシャーリーやペリーヌ、直枝が苦言を示す。観客席で見ていたシャドー星人たちも、手に汗を握っていた。進撃してくるグランギラスにバルクホルンとニパが機関銃で対処をしていると、そこに、ガンウィンガー内のリュウが通信を入れた。

 

「方法があるとすればただ一つ。ヤツのコアだ。」

「え?」

「ヤツもネウロイである以上、コアを破壊すれば砕け散るハズだ。コアのある箇所に、再生速度が追い付かない程の攻撃を与えるんだ。」

「そ、そうか………!!」

 

あの巨体と姿に気圧されていたが、グランギラスは『ネウロイ』に区分される以上はコアが存在する。そこを狙えば倒すことが可能だ。

 

「………ただ、スペシウム弾頭弾はさっきのタッコングに使い切っているし、ウィッチたちの今の装備にそこまでの威力はない………」

「火力が足りないか………」

 

だが、次いでリュウが言った言葉に肩を落とす美緒。そこに、話を聞いていたらしいゼアスとナイスが顔を見合わせて、メビウスに話しかけた。

 

『メビウス、『スペースQ』だ!』

『!?スペースQ!?』

『あの技なら、ネウロイのコアを破壊する事が出来るはずだ。僕たちがヤツの動きを止めている間に、準備を頼む!』

『わ、分かった!!』

 

ゼアスとナイスの提案を聞いたメビウスは、彼らの意図を理解して即座に承諾した。話を聞いていた美緒たちも頷くと、すぐに行動を開始する。

 

「よし、我々はヤツを足止めしつつコアの位置を探るぞ!」

「「「「「了解!!」」」」」

『みんな、集まって!説明します!』

 

美緒の指示にウィッチたちが応答し、グランギラスに向かって行く。一方でメビウスはダイナたちを呼び集めて、作戦を説明した。

 

『スペースQというのは1人のウルトラマンにエネルギーを集めて放つ、エース兄さんの技です。』

『なるほど、1人のエネルギーでダメでも、みんなのエネルギーを集めて放てばグランギラスを倒せるという訳か!!』

 

ダイナが納得したように言う。コスモスも頷くと、ガイアが作戦に補足した。

 

『よし、エネルギーはメビウスのメビウスブレスに集めよう。』

『僕の?』

『ああ、君のブレスに光エネルギーを溜めて増幅させれば、強力な一撃になる筈だ。』

『分かりました!』

 

作戦が決まったところで、ゴライアンがグランギラスと戦うウィッチたちに目を向けた。

 

『よしお前ら、チャンスは1回だ。嬢ちゃんたちがコアの位置を見つけるまでエネルギーを温存しとけ。』

『『『『はい!!』』』』

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ギキャァギィイイイイイイイイッ!!」

 

ウルトラマンたちの作戦会議中、ウィッチとゼアス、ナイスがグランギラスを牽制していた。ウィッチたちやガンウィンガーの銃撃をグランギラスは全身に浴びるが、傷ついた所から瞬時に再生してしまうため、一向にダメージを与えていない。

ゼアスとナイスがパンチを喰らわせようとするが、グランギラスの目の前に障壁が張られてしまい、逆に左腕の一撃を頭に喰らってしまう!

 

『グァアッ!?』

『ナァアッ!?』

「あれは、メカギラスのバリアか!!」

 

先ほどのインペライザーの再生機能と同様にメカギラスのバリアも保有していたのだ。グランギラスは右腕の右腕のレーザーガトリング『デスバルカン』をウィッチたちに向けてレーザーを放った!

 

「ギキャァギィイイイイイイイイッ!!」

ズガガガガガガガガガガガッ

「きゃぁああっ!?」

 

回避する間もなく、シールドに直撃を受けて吹き飛ばされるウィッチたち。さらにグランギラスは胸から稲妻状の『ガメロレーザー』と両肩の突起をミサイルとして発射する『ギラスボマー』を、ゼアスとナイスに向けて放った!

 

『グァア………!?』

『ナァア………!?』

 

2人はミサイルとレーザーによって起きた爆炎に晒されて膝を付く。

 

「こ、こいつ………!!」

「アイツ1匹で、ネウロイ何体分だよ………あんなの怪獣の形した要塞じゃねーか!?」

「これでは、コアを探る事も………!!」

 

あまりにも規格外の強さにクルピンスキーと直枝が冷や汗を流す。他のウィッチたちもグランギラスの圧倒的な強さに歯噛みをしていた。眼帯を外して魔眼でコアを探ろうとしていた美緒も、その猛攻にうまく探ることが出来ないでいた。

 

(クソッ……!!一体どうすれば……)

「私が行きます!!」

 

美緒が焦っているその時、グランギラスの光線が降り注ぐ中、ひかりが宣言をするとグランギラスに向けて突っ込んで行った!

 

「ひかりちゃん!?」

「あのバカまさか!?」

 

直枝はひかりの考えに気付いた。

ひかりの固有魔法『接触魔眼』は、直接触れたネウロイを透視するものだ。グランギラスのコアを探るには今まさに猛攻を続けるグランギラスに触らなければならない。危険すぎる賭けだった。

 

「無茶よ!いくらなんでも危ないわ!」

 

ミーナが止めようとするが、ひかりは構わずグランギラスへと向かって行く。しかし、グランギラスは両肩のキャノン砲を向けるとビームを発射してきた。

 

「うわっ!?」

 

間一髪で避けるひかりだったが、放たれた光弾『インペリアルブラスト』はUターンをしてひかりの後ろに迫ってくる!

 

「ひかりちゃん!!」

ドォンッ

「あっ!?」

 

しかし、そこに芳佳がひかりの後ろに飛来し、シールドを張って光弾を防いだ!

 

「宮藤さん!」

「あの怪獣の所まで行くよ!一緒に!!」

「はい!!」

 

ひかりと芳佳は、グランギラスに向けて飛んで行く。こちらに接近してくる2人に気付いたグランギラスは尻尾の先端の丸鋸『ドラゴソーサー』を回転させると、2人に向けて尻尾を振るい攻撃してきた。

 

「ギキャァギィイイイイイイイイ!!」

「うわあ!?」

 

迫り来る巨大な回転刃を何とか回避をするが、なんと『ドラゴソーサー』は尻尾から分離して、2人を追尾してきた!

 

「分離した!?」

「なんじゃそりゃ!?」

「そんな機能があるのか!?」

 

驚くウィッチたちを他所に、分離をした『ドラゴソーサー』は凄まじい勢いで旋回しながら2人に襲い掛かる!

 

『させるか!!』

 

しかし立ち上がったナイスが『ミレニアムショット』を放って撃ち落とす!回転刃はボディの一部だったせいか破壊されて再生しても尻尾の先に戻ったため、その隙にひかりと芳佳は武装の少ないグランギラスの腹まで接近した。

 

「よし、ここなら……!!」

 

そう言ってひかりは右手でグランギラスに触れると接触魔眼を発動させて、グランギラスの体内にあるコアを探し始めた。

だが、グランギラスの装甲は厚く、なかなかコアを見つける事が出来ない。グランギラスは再度『ドラゴソーサー』を発射しようとしたが、それを阻止しようとバルクホルンとペリーヌ、そして直枝の3人が攻撃を繰り出していた。

 

「やらせませんわ!!」

「喰らえぇえ!!」

「くそったれ!!」

「ギキャァギィイイイイイイイイ!!」

 

3人の連携攻撃を受けたグランギラスは、再び後ろによろめく。その時、グランギラスを探っていたひかりが目を開いて叫んだ。

 

「見つけた!胸の真ん中です!!」

 

ひかりの言葉を聞いたウルトラマン達が頷き合い、メビウスの周りを囲む陣形を取った。そしてダイナ、ガイア、コスモス、ゴライアンがカラータイマーの左右に握りこぶしをあてがう構えを取ると、メビウスが掲げたメビウスブレスに向けてエネルギーが照射された。

 

「2人とも、離れて!」

「「はい!!」」

 

ミーナの号令に芳佳たちがグランギラスから離れる間に、メビウスブレス内で増幅された5人分のエネルギーが虹色に光り、輝きが段々と増していく。

 

『あれはマズそうだな………グランギラス!!」

「ギキャァギィイイイイイイイイ!!」

 

ジュダはメビウスブレスで増幅されるエネルギーに危機感を抱きグランギラスもそれに気付くと大きくひと鳴きする。そして頭部の角が2段階で伸びると、その間に赤黒いエネルギーを蓄積し始めた。

 

「あれは………!?」

「あんなモノ撃たれたら、一たまりもないぞ!?」

 

グランギラスがチャージする様子に気付いたウィッチたちは顔を青ざめた。メビウスはまだかと目線を移すが、エネルギーの安定に手間取っているようだった。

 

『メビウス、早くしないと………!!」

『分かってるけど、もう少しなんだ!』

 

焦りながら言うメビウス。しかしグランギラスの方がエネルギーのチャージが早く、グランギラスは必殺の収束ビーム『ギラスキャノン』が放たれた!

 

「ギキャァギィイイイイイイイイ!!」

ドォオオンッ

「マズい!?」

「ミライさん!?」

「え?」

 

ギラスキャノンの巨大なエネルギーの奔流が、メビウスに迫る!しかし止めようにもダイナたちはエネルギー切れ寸前で動けず、ウィッチたちも間に合わない。

誰もが終わりだと思った次の瞬間、メビウスたちの前にゼアスとナイスが現れ、ナイスは胸に右手を当てた後に両手を大きく回しX字に構え、ゼアスは伸ばした手の先で球を描き、胸の前に手を持っていくと、腕を左側で十字に組んだ。

 

『シュワッ!!』

『ナァアッ!!』

 

ゼアスのスペシュッシュラ光線とナイスのミレニアムクロスが放たれ、ギラスキャノンと正面からぶつかり合う!

 

「相殺する気か!!」

「頑張ってーナイスー!ゼアスー!!」

「いけー!!」

 

2つの技は拮抗していたが、2人もエネルギー切れ間近であったためか、徐々にギラスキャノンが押し始める。

 

『ヌゥウウ………!!』

『嘗めるなよぉお!これでもアウラ支部隊長に死ぬほどしごかれたんだ!!』

『ゼアス!ナイス!』

『メビウス!今のうちに早く、スペースQの準備を………!!』

『!はい!!』

 

メビウスは頷くと、ブレス内で増幅するエネルギーを安定させようと尽力する。ゼアスとナイスも顔を合わせると、最後の力を振り絞った。

 

『ヌゥウ………シュワッチ!!』

「!?」

 

ゼアスは()()()()()叫ぶと、十字に組んでいた腕をX字に組み替えると威力を強化した『クロススペシュッシュラ光線』となり、ナイスのミレニアムクロスと合わさってギラスキャノンを相殺して爆発が起きた!

 

「きゃあっ!?」

「ぐぅう………む?」

『相殺されただと!?』

 

爆発の衝撃波にウィッチたちがたじろぐ中、ジュダはギラスキャノンが相殺されたことに面喰ってしまう。

 

『見たかぁ!『ミレニアムクロススペシュッシュラスパーク』!!』

『いや、長いし言いづらいよ!?武装(アームド)現象(フェノメノン)じゃないんだから………』

 

カラータイマーが激しく点滅し膝を付きながらも、今の光線に名前を付けるナイスにゼアスがツッコミを入れる。しかし、爆発の衝撃波によってグランギラスは動きを止めていた。

調度その時、メビウスブレスの虹色の光が今までで一番強く光り輝いた。エネルギーが十分に増幅し安定したのだ。

 

「今です!!」

 

芳佳の言葉にメビウスは頷くと、両手を大きく広げて手の間に虹色のエネルギー球を精製した。

 

『あれは『スペースQ』………いや、さしずめ『メビュームQ』というところか………!!』

 

メビウスのやろうとしている事を察知したヤプールが、冷や汗を流しながら呟き身構える。そしてグランギラスが我に返って動く前に、メビウスは砲丸投げの要領でメビュームQを投擲しようとする!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォンッ

『ゥアアッ!?』

「「「「「!?」」」」」

『『『『『!?』』』』』

 

しかし、メビュームQが投げられようとしたまさにその瞬間、メビウスの足元の地面が爆ぜて飛び出してきたものがメビウスに直撃、メビュームQは明後日の方向に飛んで行ってしまった!

 

「なっ………!?」

『惜しかったなぁ~……実に惜しかった。』

 

バルクホルンやシャーリーが絶句していると、ジュダが嘲笑った。地面から飛び出したもの―――『ドラゴソーサー』がグランギラスの尻尾に戻ると、その尻尾の先端の地面に大きな穴が見えた。

 

「あの穴は………!?」

『前に貴様らが開けた穴を利用させてもらったぞ。ギラスキャノンを撃つ直前にドラゴソーサーを放ち、穴を掘ってメビウスの足元まで到達させたのだ。』

「そんな……!」

 

愕然とする一同に、ジュダは愉快そうに笑う。メビウスはダメージとエネルギー切れで立っているのが精一杯だった。

 

『ここまでよく頑張ったが、もう動けまい。せめてもの情けだ、一思いに殺してくれよう!』

 

ジュダの命を受けてゆっくりと迫ってくるグランギラス。ゼアスやダイナが立ち上がろうとするが、エネルギー切れ間近で身体が動かなかった。

 

『ここまでか………!!』

『すみません、みなさん………』

『謝るなよボウズ………向こうが一枚上手だったんだ………』

 

謝罪するメビウスにゴライアンが答えると、他の者も同じ気持ちなのか俯いていた。

しかしコスモスがメビウスの方を見ると、謝罪をしたはずなのにメビウスは不敵な笑みを浮かべているように見えた。

 

『作戦、勝手に変えちゃいました………』

『………え?』

 

どういう事かとウルトラマン達が問うよりも早く、コウメイが声を上げた。

 

「ジュ、ジュダ様!あれを!!」

『なに?』

 

何事かと思って全員が上空を見上げると、そこには………

 

「ぐっ、ぐぅうううううう………!!」

「なっ!?」

「さ、坂本さん!?」

 

巨大な虹色のエネルギーを纏った烈風丸を両手で持ち、歯を食い縛っている美緒の姿があった!

 

『ま、まさか貴様!メビウス!チャージしたエネルギーをあのウィッチに!?』

 

メビウスの作戦を察したジュダが声を荒げた。

実はメビウスはグランギラスのドラゴソーサーが射出されていたことに気が付いており、咄嗟に美緒にテレパシーを送っていたのだ。そしてダメージで放り投げてしまったように見せかけて、メビュームQのエネルギーを烈風丸に受け渡したのだ。

 

『ま、マズい!グランギラス!はやくその小娘を―――』

「ぐぅううあああああああああああっ!!」

 

ジュダが命じようとしたその直後、裂帛の気合いと共に烈風丸が振り下ろされて虹色の竜巻のような光線が放たれてグランギラスに直撃!そのまま勢いは止まらずに背後にいるジュダ達にまで迫った!

 

『チィイッ!!』

『ジュダ様!?』

 

ジュダは七星将を押しのけると、剣を振るい光線を受け止めた!

 

「ギキャァギィイイイ―――」

 

光線を直撃したグランギラスはコアを破壊され、断末魔と共に爆炎の中に消えた。

 

「やった……!」

「すごい………!!」

 

光線が晴れて、焼け焦げえぐれた地面と黒煙を見て芳佳とひかりが歓声を上げる。バルクホルンや直枝はその威力に味方ながら戦慄していると、汗でずぶ濡れになった美緒が肩で息をして烈風丸を振り下ろした姿勢のまま飛んでいた。

 

「ハァッ…………ハアッ…………」

「坂本少佐、大丈夫ですか!?」

「ああ、なんとかな……」

 

駆けつけたペリーヌに肩を借りながら、美緒は返した。

 

「もう、ミライさんったら美緒にこんな無茶させて!」

『す、すみません………』

「え、あの………ミライさんって………?」

 

ミーナに叱られて頭を下げるメビウスの声を聞いて、ひかりが首を傾げる。

 

『ヌゥウウウウウウウ…………!!』

『!!』

 

その時、黒い塊となって立ち込めていた煙の中からジュダが現れた。両腕が光線に焼かれて赤くなっておりマントもボロボロで、左の肩に大きな傷を作っていた。

 

『ジュダ様!!』

『ヌウウ…………不覚………ッ!!」

 

ジュダは怒りの目をウルトラマン達に向けていたが、心配するヅウォーカァ将軍とワロガをよそに右足を地面にダンダンと打ち始めた。

 

『不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚不覚ゥウーーーーーーーーーーーーーーーッ!!』

『ジュ、ジュダ様………』

 

激しく地団太を踏みながら悔しさを露わにするジュダの姿に、さすがの七星将らも呆然としていた。ジュダはひとしきり叫んだかと思うと、ぜいぜいと息を切らしながら左肩の傷に触れると、ウルトラマンとウィッチを睨んだ。

 

『この傷はッ………ワシの『落ち度』だ!『メビュームQ』のエネルギーを阻止した時点で慢心し、ウィッチに目もくれなかったワシの責任!!あの光線、我がバットキャリバーの一撃でも完全には防ぎきれなかった!この敗北、潔く受け入れてやろう!!』

 

ジュダは叫ぶと、手にしたバットキャリバーを構えた。既にウルトラマンたちはエネルギーがわずかしかなく、ウィッチたちも疲労が見えている。ここでジュダと戦えば敗北は必須だろう。

だがジュダは、バットキャリバーを天にかざすと、切っ先の空間に大きな穴が開いた。穴の先には、先ほどまでGUYSが戦っていた石油コンビナートが見えた。

 

『あれは………!?』

『あの先は地球に繋がっている………帰還するエネルギーくらいは残っているだろう?』

「何!?」

『ワシに一杯食わせた褒美だ。今日の所は見逃してやろう。弱ったヤツを倒しても何の価値もないしな………』

 

驚くミーナに向かってそう言うと、ジュダはバットキャリバーを肩に担いだ。

 

『だが覚えておけ。次に会った時は、必ず貴様らを葬ってくれるぞ……!!』

 

ジュダが睨みを利かせると芳佳たちは慄くが、顔を見合わせてワームホールに向かって飛んで行った。

ウィッチとガンウィンガーが飛び去る姿を確認した後、ウルトラマンもそれに続いて飛翔した。

 

『ゾフィーやケン…ウルトラの父に伝えておけ!帝王ジュダが、グア軍団が復活したとな!!フハハハハハハハハハハ!!』

 

飛んで行くウルトラマン達の背中に、ジュダの高笑いが聞こえた………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

ノーバ型ネウロイを監視して6時間、現地で動きがあった。

ネウロイの内部で大きな次元エネルギーの発生が観測され、GUYS隊員は臨戦態勢に入った。

 

「ノーバのヤツ、何をする気だ………!?」

 

ガンローダーのコックピットでカナタがつぶやいていると、ノーバはマントを大きく開き、ゲートを作り出した。すると、そのゲートから芳佳たちウィッチとガンウィンガー、そしてウルトラマン達が次々に出てきた。

 

「!!隊長!!」

「芳佳ちゃんたちも………あれ、なんか増えてない?」

 

ウィッチやウルトラマンの姿を見て思わず笑みをこぼす3人。マイはウルトラマンやウィッチが増えている事に驚いていたが、直ぐに笑って各所に連絡を入れ始めた。そして、最後にゴライアンがゲートから出てくるとゲートからエネルギーが消えた。

 

「ギュィイーーーッ!!」

 

全員が地上に降り立ったその時、ノーバの全身から火花が噴き出したかと思うと、突然爆散してしまった!

 

「ノーバが!?」

「あっちにはもう行けない、ってか、来るんじゃねえって事なんだろうナ………」

「ショーコインメツー!」

「隊長ーーー!」

 

ノーバが自爆したのを見届けたエイラが呟きルッキーニがウンザリした顔になっていると、カナタたちがこちらに駆け寄ってきた。すると、背後にいたウルトラマン達がその場から煙のように消えてしまい、その足元にはミライたち7人が倒れていた。

 

「ミライさん!みんなも大丈夫ですか!?」

「うん……何とかね………」

「みんなは、大丈夫か………?」

 

芳佳に支えられながら上体を起こすミライを見て、カナタは胸を撫で下ろした。

 

「何があったんですか、隊長?」

 

カナタがリュウに聞く。リュウが説明をしようと思ったその時、「グゥ~~~」という大きな音がいくつも聞こえてきた。

 

「あっ………」

 

音のした方を見てみると、顔を真っ赤にしたひかり、直枝、ニパ、クルピンスキーの姿があった。

 

「あ、安心したら、お腹が………」

「よく考えたらオレ達、5日くらいロクなもの食べてなかった………」

 

お腹を押さえて恥ずかしそうに笑うニパ達。ミライたちも暖かい目で見守っていると、リュウが切り出した。

 

「……報告の前に、メシだな。」

「そうみたいですね………」

「あ、出来たらシャワーとかも借りられるかな?」

「まずは基地に戻りましょう。詳しい話はそれからです。」

「だな。」

 

そう言ってリュウたちはフェニックスネストへ帰還しようとした。ふと、美緒が芳佳に声をかけた。

 

「ところで宮藤、先ほどの技に『無限烈風波』と名付けようと思うのだが、どうだろうか?」

「え?あー………いいんじゃ、ないですか………?」

 

芳佳は少し困ったように答えると、ミライが話に入ってきた。

 

「あー、さっきは咄嗟に思いついたんですけれど、あれは烈風丸が魔力を込めて放つことが出来る刀だから出来たんです。それに流石に何度も使うわけにはいかないから、もう使うことはないと思いますよ。」

「むう、分かった………」

 

ミライの話を聞いて、美緒は少し残念そうにしていた。その時、背後で大きな音と地響きがした。振り返ると、そこにはウルトラマンゴライアンが立っていた。

 

「ゴライアンさん!?」

『悪いが、俺はナイスとゼアスを連れて、光の国に帰る。』

「ええ!?」

『コイツらは消耗が激しいからな。地球よりも光の国の方が、治療がしやすい。』

 

ゴライアンはそう言うと、手の中で目覚めない勝人と銀河をバリアで包み、飛び立とうとする。そこに、ミライが声をかけた。

 

「ゴライアンさん、また会えますか………?」

『………さあな。』

 

ゴライアンは短く答えると飛び立ち、あっという間に空の彼方で光になってしまった。すると今度は、ヴァジュラリンにシャドー星人、ヴァイロ星人の姿に気が付いた。

 

「宇宙人!?」

「待て、コイツらは大丈夫だ。

「君たちも、こっちに来ていたのか………」

 

警戒するカナタたちにリュウが止めると、我夢がシャドー星人に聞いた。

 

『ああ………試験は失格になったし故郷に帰る事にするよ………』

『我々もだ。グア軍団とも地球とも、関わらないと誓うよ……』

 

フォードやナエフは疲れ切ったように言った。しかし、ヴァジュラリンは美緒に睨みを利かせながら言い放った。

 

『ワチキらはまた来るヴァヴァ!』

『ミオとの決着は、まだついていないジュラ!』

『腕を磨いて、必ず地球に戻ってくるリン!』

 

ヴァジュラリンはそう言うと、光に包まれて飛んで行った。

 

「アイツ、諦めないなー………名前覚えられてるし………」

『あ、自分らは母星から宇宙船来るんで。』

「あ、はい………」

 

シャドー星人とヴァイロ星人は一緒に歩いてその場を去って行った。

 

「………さあ、帰りましょうか。」

「はい。」

「じゃあ、案内してもらおうかな。ボクたちも、聞きたいことがあるし………」

 

ミーナの一言で、今度こそ帰路に就いた。

 

 

 

 

 

つづく




第二十六話です。

・グランギラスは歩く要塞かつ超再生能力持ち。武装名とか戦術とか考えるのめっちゃ楽しかったですw

・必勝の策はスペースQ。厳密にいえばスペースQとは別なんだけど、ゼアスたちが少し勘違いしていたって事で。『メビュームQ』の命名は『メビュームダイナマイト』が元ネタ。

・ゼアスとナイスの合体光線『ミレニアムクロススペシュッシュラスパーク』。長いし言いづらいけど、2人とも最強技の名前にクロスが付くつながりで思いつきました。

・とどめがまさかのもっさんの一撃。終盤でミライが言ったようにもう使う事はないでしょうが、ウルトラマンと地球人の共闘は燃える展開。

では、次回をお楽しみに。
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