ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第二十八話 芳佳とひかりの一番長い日(前編)

これは、現在よりもほんの少しだけ未来のお話―――

 

ここは、ペテルブルグにある第502統合戦闘航空団『ブレイブウィッチーズ』の基地。雁淵 ひかり、管野 直枝、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン、ヴァルトルート・クルピンスキーは無事に帰還を果たし、グンドュラ・ラル隊長らと再会を果たしていた。

 

「お姉ちゃーーん!!」

「ひかりーーー!!」

 

隊長執務室でひかりは姉の孝美と抱き合い、涙を流しながら無事を喜ぶ。

 

「よかった………ひかりが無事で……本当に………!!」

「えへへ……」

 

妹の無事を確認し安心したのか、笑みを浮かべる孝美。微笑ましい光景に呆れつつも温かい視線を送る一同。そんな中、ラル隊長は4人に話しかけた。

 

「改めて、よく無事で帰ってきてくれたな。」

「はい。」

「501部隊からの報告書も見せてもらったけれど、本当に大変だったようね………」

 

手にした書類をめくりながらアレクサンドラ・イワーノヴナ・ポクルイーシキン(サーシャ)が労うように言う。それに、エディータ・ロスマンも続けた。

 

「所どころ理解が出来ないものも多いけれど、こちらはヴェネツィアの巣が消失してからネウロイの出現がめっきり減り、代わりに世界各地で報告書やあなたたちの話にあった怪獣の目撃情報が増えていたから……」

「やっぱり、怪獣がこの世界にも………!」

「ああ。」

 

ロスマンが報告書に添付されたレッドキングの写真を見る中ラルが頷くと、サーシャも続けた。

 

「宇宙の侵略者に怪獣にロボット、それに異次元の帝王………本当に色々大変だったみたいね………」

「うん、そうだねー」

 

それに、クルピンスキーが相槌を打った。

 

 

 

 

 

「ひかりちゃんが結婚しそうになったのが、一番大変だったかなー?」

 

 

 

 

 

「「「「はぁあッ!!??」」」」

 

クルピンスキーの言葉を聞いた途端、孝美とラル隊長の声が揃う。その声の大きさにひかりたちはビクッと驚き、直枝とニパがクルピンスキーに詰め寄った。

 

「おいお前、色々大変だったけど、真っ先にその話するってどういう神経してんだよ!!」

「そうだよ!もうちょっと空気読んでよね!!」

「あれ?戦いでハラハラする話よりも、こっちの方がいいと思ったんだけど、ダメだった?」

 

怒鳴る2人に首を傾げ惚けるクルピンスキー。そんな中、孝美が3人に詰め寄って来た。

 

「ちょっ!そ、それってどういう事なんですか!?」

「えぇ~っとぉ……」

「詳しく聞かせて下さい!!」

「お、落ち着け孝美………!」

 

血走った目で迫ってくる孝美に気圧され、思わず言葉を失うクルピンスキー。そして、それを見ていたラルとサーシャは孝美を止めてはいるが、その顔には困惑の色がありありと見れた。

 

「あ、ああ………!!」

「ちょ、ひかり大丈夫!?」

 

一方で、話の中心であるひかりは顔を青くさせてガクガクと震えていた。その時の事を思い出してしまったらしい。

 

「な、なんだかトラウマになっているようだけど………?」

「だ、だって……」

 

心配そうに声をかけるサーシャに対し、ひかりは目を潤ませる。直枝たちは顔を見合わせ、観念したようにため息をついた。

 

「わ、分かったよ。話すから落ち着いてくれ………」

 

孝美は申し訳なさそうな表情で謝ると、ソファーに座るひかりの隣に座った。

 

「えーと、あれはボクたちがあっちの世界に来て3日たったころだったかなー………」

 

 

 

 

 

第二十八話 芳佳とひかりの一番長い日(前編)

 

剛腕怪地底獣 ゴメノス(A・B)

ハンター・D ドルジュ

サーベル暴君 マグマ星人ヴァルドスキー

異次元宇宙人 イカルス星人ジュリコ

地中怪獣 モグルドン

電撃怪獣 ボルギルス

登場

 

 

 

 

 

「―――という訳で、アスカさんや我夢さんから提供された怪獣や宇宙人のデータは、『ドキュメント・パラレル』としてアーカイブに追加されることが、GUYS総本部で決定いたしました。」

 

ミーティングでミサキ女史が通達をする。ひかりたちは芳佳たちと同様にメモリーディスプレイを受け取り、不慣れながらも操作方法を教わっていた。

 

「これ、結構便利だねー」

「ここまで技術が進歩してるのか~」

 

未知の進歩した技術に感心を見せるクルピンスキーとニパ。ミサキはつづけた。

 

「後で、芳佳さん達にも同様の説明をしますね。」

「あれ、そう言えば今日、宮藤さんたちはどうしたの?ひかりや管野もいないし………」

 

ニパがきょろきょろと見渡しながら聞く。それにミーナが答えた。

 

「今日は、ミライさんやムサシさんと一緒に出掛けるって言ってたわよ。なんでも、ミライさんのご友人が会いたいって。」

「ふーん……」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

その頃、芳佳たちは………

 

「キャッキャッ♪」

「わーーい!!」

「うわぁ、ちょっとぉ!!」

 

………幼稚園児にもみくちゃにされていた。

 

ここは都内にある、とある幼稚園。ミライがかつてのGUYSの仲間に会いに行くと聞いた芳佳やひかり、直枝らは、興味本位でついて来ていた。まさか幼稚園だったとは思っていなかったのだが……

 

「はいはーい、みんなお姉ちゃんたちを困らせないでねー!」

「「「「「はーい!!」」」」」

 

保育士の女性が手を叩き子供たちに言うと、全員が返事をして芳佳たちから離れていく。ようやく解放された芳佳は、その場にへたり込んだ。

 

「び、びっくりしたぁ……」

「わたしも……」

「大丈夫?」

「ありがとうございます………」

 

ひかりもその隣に座り込み、ミライとムサシが気遣って声をかける。すると、先ほどの女性保育士が駆け寄ってきた。

 

「ごめんね、みんな元気すぎて………」

「コノミさん。」

 

話しかけてきた保育士アマガイ・コノミが謝ってくると、ひかりたちも笑顔を浮かべて返した。

 

「いえ、大丈夫ですから………」

 

優しく笑うコノミに対して、ペリーヌは不思議そうにしていた。それに気づいたコノミが、何があったのか聞いてきた。

 

「えーと、どうかした?」

「あ、いえ………コノミさんはミライさん達と一緒にエンペラ星人と戦った『伝説の七人』の一人と聞いていたので……」

「え?私達そんな呼ばれ方してるの………!?」

 

自分が大それた呼び名で呼ばれていることを初めて知ったらしく驚くコノミ。すると、園児が数人駆け寄ってきて話しかけてきた。

 

「コノミせんせい、すごいんだよ!」

「ウルトラマンといっしょに、わるいうちゅうじんをやっつけたんだよ!」

「そ、そうですか………」

 

自分の事のように誇らしげに話す子供に対し、苦笑交じりに返事をするペリーヌ。一方のコノミは間違ってはいないためか、否定もしなかった。

 

「……ん?」

 

その時、ひかりは地面に着いた手に僅かな振動を感知する。何事かと思っている間に振動が大きくなってきたかと思うと、突然地面が大きく盛り上がり、長い蛇のようなものが飛び出した!

 

「な、何!?」

「みんな、こっちに!!」

 

驚いている子供達を庇いながら、コノミはその場から離れる。細長い蛇らしきものは地面から顔を出したまま、ひかりたちの方に向かってきた!

 

「うわあああっ!?」

「きゃああ!!」

 

悲鳴を上げながら逃げる子供たちを庇うコノミとミライ。咄嗟に直枝が蛇に飛びついて、その胴体を掴んだ!

 

「うおお!?」

 

しかし蛇の頭のあたりを掴んだというのに、直枝はその反対方向に引っ張られていく!?

 

「こ、こいつは蛇じゃねえ!尻尾だ!!」

「尻尾!?」

 

直枝の言葉に、ミライ達は驚きつつも振り返る。その時ムサシは、直枝が掴んだ事でその尻尾の形状を詳しく見ることが出来た。

 

「あの尻尾は………!!」

「こんのぉおーーー!!」

 

驚いたムサシはその場から駆け出して、尻尾を引っ張る直枝に向かって叫んだ。

 

「直枝ちゃん!そのまま引っ張って!」

「え?」

 

直枝は驚きながらも、そのまま引っ張り続けた。

 

「引っ張ったら緩めて、再び引く!!」

「お、おう!!」

 

ムサシのアドバイスの通りに直枝は尻尾を一度緩めて引っ張ると、尻尾の根本部分から何かが引きずり出されて地面に落ちた。

 

「「「「「おお~~~!!」」」」」

 

見事に引っ張り出されたのを見て、思わず拍手を送る一同。そこに、ミライが声をかけた。

 

「すごいです、ムサシさん!」

「名人直伝の、怪獣一本釣りです!あ、そうだ………」

 

ムサシは自慢げに言うが、直ぐに引っ張り出された怪獣に駆け寄った。

 

「プィーユ!プィーユ!」

「モグルドン!!」

「も、もぐるどん………?」

 

ムサシが悶える怪獣、イルカやカツオに似た青くツルツルとした肌にモグラに似た顔立ちと手足を持った『地中怪獣 モグルドン』の介抱をしながら名前を呼んだ。それを見た直枝やひかりは呆気に取られていると、芳佳たちはモグルドンの名前と姿に驚いた。

 

「モグルドンって確か………」

「エンペラ軍団に攫われたっていう………!?」

「何でこんなところに………というか、何であんな小さく………?」

 

芳佳たちがモグルドンの出現に驚いていると、モグルドンはムサシと同じ大きさではあるものの再会できた事が嬉しいのか、お腹の顔のような模様を見せながら甘えた鳴き声を上げてすり寄っている。

その一方で、保育士達はモグルドンを遠巻きで見ながら、ひそひそと話していた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

………この様子を、幼稚園の植木の陰から探っている者がいた。

 

(ふふん、これでお前らは、デカくなったその怪獣に踏みつぶされるのさ!!)

 

そう言ってその者、ドルジュは、手にしたライフルの銃口をモグルドンに向けた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「………ん?」

 

その時、芳佳とひかりの視界の隅に動くものを捉える。そちらに目を向けると、そこには植木の陰から大きなライフルが顔を出しており、モグルドンを狙っていた!

 

「危ない!!」

 

咄嵯の出来事だったためか、反射的に飛び出た2人はモグルドンの前に立って両手を伸ばした。その瞬間、銃口から光線が発射され、2人の腕に命中した!

 

「うわっ!?」「きゃあっ!!」

 

着弾した粒子状の光線が、2人の全身を包み込んでいく!

 

「芳佳ちゃん!?」「ひかり!?………え!?」

 

リーネたちは芳佳たちが光線を受けたことに驚くが、直ぐにその顔は唖然としたものに変わっていき、視線が少しずつ上に上にと上がっていく………

 

「………ぅうん………?」

「あれ………?」

 

一瞬痛みとも熱ともとれる感覚が芳佳とひかりを襲い、ぎゅっと目を瞑ってしまう。そして感覚がなくなり、2人は目を開いた。

 

「………え………?」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

同じ頃、フェニックスネスト内にアラート音がけたたましく鳴り響いた。

 

「都内ポイント222に、巨大生物出現!!」

「そこって確か、コノミさんの幼稚園のあたりじゃあ………!?」

 

エリーからの報告に驚くカナタ。サンダーバード基地内でも連絡が来て、一同の気が一気に引き締まった。

 

「映像、出ます!!」

 

そうしてモニターに映った光景に、一同は唖然とした。

 

 

 

 

 

………モニターに映っていたのは、30mほどの大きさに巨大化した宮藤 芳佳と雁淵 ひかりの2人だったからだ。

 

 

 

 

 

「「「………………は?」」」

「え?ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」

「なんっっっじゃありゃーーーーー!?」

 

ミーナやクルピンスキー、バルクホルンはそれを見て間の抜けた声を上げ、ニパは叫び、シャーリーが大声を出した………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「えええええええええええ!?ちょ、どうなってるのこれーーーーーー!?」

「な、何コレ!?えええええ!?どういうこと!?」

 

芳佳とひかりは混乱して悲鳴を上げて、慌てて自分の体や周囲を見回す。足元にはさっきまで自分のいたはずの幼稚園があり、周囲の建物や車や人が小さくなっている。

 

「よ、芳佳ちゃん………よしかちゃんが………よしかちゃんが………きゅう。」

「リ、リーネさん!?」

 

あまりの出来事にリーネは卒倒してしまった。一方で、直枝やミライも驚きの表情を浮かべながら、スクール水着に包まれた2人のお尻を見上げていた。

 

「嘘だろ……」

「これって………む!?」

 

その時ミライは、植木の陰で巨大化した芳佳たちを見上げる3人組を見つけた。そのうちの2人はマグマ星人ヴァルドスキーとイカルス星人ジュリコだった。

 

「しまった……あいつらが盾になって光線受けちまったか………!!」

「ど、どうするんスかアネゴ!?」

「ええい落ち着け!早くこのミクロ化機改造ライフル(巨大化機能付き)で………」

 

ドルジュは慌ててライフルの目盛りを操作しようとしたが、直ぐにミライとムサシが走って来てドルジュの腕を掴んだ。

 

「させるか!」

「げげ!?」

「!お前はハンター・D!?」

「あの2人はいつぞやの………!?」

 

ドルジュは驚いてライフルを取り落としてしまい、ムサシは隠れていたのがハンター・Dであることに驚く。ヴァルドスキーとジュリコも驚いて固まってしまっていたが、その時、怒りの表情をした直枝が殴りかかって来た!

 

「テメェ!!よくもひかりをォッ!!」

「うわぁ!?ちょッ!?」

 

咄嗟にミライが飛び退くと、直江の拳はドルジュの顔面に叩き込まれる!その拍子にドルジュは後退し、被っていたターバンとマントが外れて地面に落ち、その素顔が露わとなった。

 

「ダ、ダダ!?」

 

その姿は黒いおかっぱ頭に見える頭部と白黒の幾何学的な縞模様の身体を持った女宇宙人だった。ミライの記憶にある姿に比べれば小顔で吊り上がった目をして何より女性個体であったが、ドルジュの正体は『三面怪人 ダダ』に間違いなかった!

 

「チィ、バレたからってどうって事無いが………!」

「アネゴ!!」

「姐さん!!」

 

ドルジュは舌打ちするが、直枝はそのまま掴みかかった。

 

「おい!さっさと2人を戻しやがれ!!」

「わ、分かってるよ!それにはあのライフルを使うから、手を放しなよ………」

 

ドルジュの言葉を聞いて直枝は舌打ちをしつつ手を放すと、ドルジュは立ち上がって落としたライフルを拾うと目盛りを操作して、銃口を2人に向けて引き金を引いた。

 

「………」

「あれ?」

 

しかし、銃口から光線が全然発射されない。何度か引き金を引くが、うんともすんとも言わない。

 

「あのー、アネゴ?」

「イカがいたしました?」

「………さっき落とした時に、壊れちゃったみたい………」

「「「何ぃい~~~!?」」」

 

申し訳なさそうな顔で振り返るドルジュに、思わず叫ぶ一同であった。

 

「な、何やってんだよお前!?」

「しょ、しょうがないだろ!?こー見えて結構デリケートなメカなんだから………」

「というか、芳佳ちゃんだけじゃなくって、モグルドンも戻してほしいし、ボルギルスの居所も………」

「プィー………」

「「ふぇ~ん………」」

 

困った顔で言うムサシとモグルドン。直枝に詰め寄られて肩身の狭そうなドルジュ。そして卒倒したままのリーネを介抱するペリーヌと、巨大化したまま涙目になる芳佳とひかり……もはやカオスである。ミライも流石に、困惑していた。

 

「ま、待て!修理にはアタシの円盤に行く必要がある!それまで待つんだ!」

「本当だろうな!?」

「も、もちろんだ………さすがにこの状況で嘘はつかねーよ………」

 

ドルジュは困り顔で弁解をする。直枝は訝しんでいたが、今は信じるしかない。ちょうどその時にガンマシンとウィッチたちがやって来たのが見えた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

一方その頃、山中に隠してあるドルジュの円盤内では、ミクロ化された状態でカプセルに捕らえられたボルギルスが目を覚まし、周囲を見渡すと、カプセル内から口から火球を放って脱出を図った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「―――なるほど、事情は分かった。とりあえずダダの円盤を隠してある場所にはコウジや直枝たちが3人を連れて行ってもらってる。修理が出来次第、芳佳たちや怪獣を戻そう。」

 

近隣住民が避難した後、近くのビルの屋上に陣取ったリュウがミライたちから話を聞いて納得したように言った。

その場にはミライたちの他にカナタに美緒とシャーリーにルッキーニ、バルクホルン、クルピンスキーがいた。ペリーヌとムサシは倒れたリーネとモグルドンを連れて基地に帰還していた。

 

「うえーん、坂本さーん………!」

「気持ちは分かるが泣くな宮藤ー!」

「ウルトラマンの目線って、こんな感じなんですかねー………」

 

さめざめと泣く芳佳をメガホン片手に慰める美緒。一方のひかりは体育座りをして、現実逃避をしていた。

 

「しっかし、人間を巨大化させるなんてなー………」

「まあ、ウルトラマンが人間になれるくらいだからね………」

 

シャーリーとクルピンスキーが手すりに寄りかかりながら、呑気に話していた。ルッキーニも同じく手すりに寄りかかって芳佳たちを見ていると、ふと、ある事に気が付いたのか目を輝かせた。

 

「ひかりー!ちょっとこっち来て!」

「え?うん………?」

 

ひかりはルッキーニに言われた通り、皆のいるビルの所まで歩み寄った。

 

「そのまましゃがんで。後、少し背中反って!」

「えーと……こう?」

「そう、そんな感じ!!」

 

言われた通りにしゃがんで上半身をそらせるひかり、ルッキーニはそれを確認すると、

 

「しゅわーっち!!」

「!?」

 

手すりに足をかけてひかりに向けて跳び出したではないか!!ルッキーニは満面の笑みでひかりに向かって行くが、そこで芳佳が横から手を伸ばしてナイスキャッチした。

 

「あ、危なかったぁ………」

「ルッキーニちゃん!危ないじゃない!何やってるの!?」

 

ホッと胸をなでおろした芳佳がルッキーニに言うが、起き上がったルッキーニは芳佳に文句を言ってきた。

 

「何すんのさ芳佳!せっかくおっきなおっぱいに飛び込もうとしてたのにー!!」

「ええ!?」

 

何とも頭の痛くなるようなルッキーニの発言に困惑する芳佳。それを聞いて美緒やシャーリーは呆れていたが、

 

「彼女は天才か!?」

「いやバカだろ!!お前も!!」

 

クルピンスキーは感心をしていたため、バルクホルンはスパコンッと後頭部を引っ叩いた。

芳佳がルッキーニを屋上に下ろすと、ルッキーニは不満そうな顔をしていた。

 

「ぶー、せっかくのおっぱいなのにー!」

「そんなにがっかりしないでよ。」

 

そんなルッキーニの肩をクルピンスキーが叩き、サムズアップで笑いかけた。

 

「後でニパくんのおっぱいでやればいいじゃないか!!」

「そっか!!」

「おいルッキーニ。」

「アイハラ隊長、あいつら殴っていいですか?」

「お前に任せる。」

 

数分後、頭にタンコブを作ったルッキーニとクルピンスキーが屋上で正座をしていた。

その首にはそれぞれ『Ho cercato di abusare della tecnologia degli alieni.』、『Ich habe versucht, die Technologie von Außerirdischen zu missbrauchen.』と書かれた札を下げられていた。

意味は、『私は宇宙人の技術を悪用しようとしました。』である。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

一方、円盤に向かうドルジュ一味とGUYS一同。

 

「まだか?」

「もう少しだ。この先の広い場所に停めてあるから………」

 

コウジが聞くとドルジュが答える。ヴァルドスキーとジュリコは肩を落として、すっかり落ち込んでいた。そして円盤を止めた場所に着いたのだが、そこには半壊した円盤が黒い煙を上げていた………

 

「なぁ!?ア、アタシの円盤がぁああああああああああああああ!?」

「これって………!?」

「ギュウィーーー!!」

 

絶叫を上げるドルジュと驚くコウジたち。すると破壊された円盤の陰から、全身が赤くゴツゴツした体表を持った四足歩行の怪獣『電撃怪獣 ボルギルス』が顔を出した。

 

「ギュウィーーー!!」

「あ!あの怪獣、たしかボルギルス………!!」

「アイツ!内部で破壊しやがったな!!」

「せ、せっかく帰れると思ったのにぃ………!!」

 

少しおびえた様子のボルギルスに対して、膝から崩れ落ちるドルジュ一味。一方の直枝は、円盤の近くの地面に大きな穴が開いている事に気が付いた。

 

「この穴は………?」

「あ、そう言えばこいつらの他に後2匹………」

「何!?」

 

ドルジュが思い出して口に出したことに直枝が思わず声を上げた。すぐにコウジがメモリーディスプレイに通信を入れた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「何!?他にも怪獣が!?」

 

コウジからの通信を聞いたリュウが聞き返す。驚く一同であったが、その時、地面が大きく揺れたかと思うと、数百m先の地面が大きく爆ぜて巨大な怪獣が2匹出現した!

 

「ギギュゥウィー!!」

「ギギュゥウィーー!!」

 

現れたのは、丸みを帯びた頑丈そうな体表に大きな口、三本指の太い腕を持った同型の2匹の怪獣で、片方は額に切り傷を持っていた。

咄嗟にシャーリーはメモリーディスプレイのカメラを怪獣に向けるとアーカイブドキュメントから怪獣のデータを検索した。

 

「あった!ドキュメント・パラレル、XIGの項目に記録確認!レジストコード『剛腕怪地底獣 ゴメノス』!!」

「我夢さんの世界の怪獣か!!」

 

ゴメノスの情報を聞いたリュウはトライガーショットを抜こうとしたが、それよりも早くゴメノスは、目の前にいる芳佳たちに向かって突進をしてきた!

 

「ギギュゥウィー!!」

「ギギュゥウィーー!!」

「ええ!?」

「きゃあっ!?」

 

驚いた芳佳たちは慌てて障壁を張ると、ゴメノス達はそのまま突っ込んできて衝突、衝撃で倒れそうになった!

 

「宮藤!!」

「ひかり!!」

 

倒れる前に何とか踏みとどまったが、ゴメノスは土俵際まで相手を追い詰めた力士のように更に力を入れてくる!

 

「こんっ、のぉおおお!!」

「でぇええええいッ!!」

 

しかし2人は、渾身の力を込めるとゴメノスを押し返し、2匹の怪地底獣は仰向けに倒れた!

 

「うおっと!?」

「やるじゃねーか!!」

 

倒れた際の地響きによろけるも、肩で息をする芳佳たちを褒めるリュウ。

 

「ギュウュウュ~………」

 

しかし、一足先に額に傷を持ったゴメノスAが起き上がると、自分を押し倒してきた芳佳を睨みつけた。

 

「ひっ……!!」

 

同じくらいのスケールとはいえ、怪獣に睨まれて固まる芳佳。同じく起き上がったゴメノスBも、ひかりを睨みつけてきた。

 

「あの怪獣、2人と戦う気か!!」

 

リュウはトライガーショットをゴメノスA・Bに向けるが、ミライはゴメノスを見てリュウを止めた。

 

「待ってください、様子が変です。」

「何?」

 

リュウたちもゴメノスを見ると、ゴメノス達はジッと芳佳とひかりを見つめていた。

 

「え………?」

「な、何………?」

 

ゴメノスに見つめられて、恐怖から困惑に変わる芳佳たち。すると、ゴメノス達は数回瞬きをしたかと思うと、

 

「「……キュゥウ~ン♡」」

 

目を潤ませて甘えた声を出して、身体をくねらせてきた。

 

「え………?」

「は………?」

 

突然態度を変えてきた2大怪獣に呆気に取られていると、ゴメノスは両手を広げて芳佳たちに向けて走ってきた!

 

「わあああああまた来たぁ~~~!?」

「ひゃあああ!!」

 

2人とも悲鳴を上げて飛び退くが、ゴメノスA・Bはなおも迫ってくる。

 

「ギギュゥウィーー♪」

「ギギュゥウィーー♪」

「ひぇえ~~~!?」

「な、なんかあの怪獣たち、おかしくないか……?」

「確かに………まるで甘えてくる子犬だぞ……?」

 

ゴメノス達の変わりように戸惑っていると、ゴメノス達は再び抱きつこうとするかのように両腕を広げた。芳佳たちはゴメノスに抱き着かれそうになると障壁で防ぐが、目が『(ハート)』になっているように見えるゴメノスA・Bは、障壁に顔を擦りつけて来た。

 

「ちょ、ちょっとやめて!!」

「ギギュゥウィーー♡」

「ギギュゥウィーーー♡」

「何!?何なの!?」

 

ゴメノスの行動の意味がわからず混乱し涙目になる芳佳とひかり。ゴメノス達が攻撃の意思がないと見たアイハラ隊長は、ゴメノスの背後にまで来たカナタの駆るガンローダーに通信を入れた。

 

「カナタ、怪獣用麻酔弾の使用を許可する!」

『G.I.G.!』

 

ガンローダーは機体の下部から麻酔弾の入ったミサイル弾が顔を出すと、ゴメノスA・Bに狙いを定めて発射した!

 

「ギギュゥ………?」

「ギュ~~………?」

 

麻酔弾の針が刺さるとゴメノスA・Bは力なく倒れ込み、眠りについた。

 

「た、助かったぁ………?」

「怖かったぁ……」

 

安堵してその場にへたり込む芳佳たちを他所に、アイハラ隊長はゴメノス達を観察した。

 

「一体なぜ急にあんな風に………?」

 

 

 

 

 

つづく




第二十八話です。

・ずっとバトル展開だったので、ウルトラシリーズらいギャグ回を入れようと思いました。

・他のブレイブウィッチーズメンバー出したいと思ったけど、今の展開だと最終決戦辺りまで出番はないため、思いついたのが「未来の時系列で現在の話を過去回想という形式で語られる話」という、変化球どころか消える魔球みたいな話にw
 ちなみにロスマン先生がレッドキングの写真見ていたのは中の人ネタw

・モグルドンの一本釣りのアドバイスは原作の通りですね。あれも結構好きな話。

・芳佳とひかりの巨大化。これ思いついた時はかなりのギャグだなあって思ってにやけちゃいましたw

・ドルジュの正体はダダでした。色々とそれらしい所は出していましたが、小顔なのは『大怪獣ラッシュ』の影響ですね。
 ハンター・Dの由来は『ダダ』と『ドルジュ』、それに『ダダ第4の顔』のトリプルミーニング。

・書いている内に、ルッキーニなら巨大化したウィッチのおっぱいに飛びつくだろうと思いましたwそしてそれに乗っかる伯爵と反省の正座w

・ゴメノス登場。ガイアの怪獣ではミズノエノリュウに並ぶくらい好きな怪獣です。突然の豹変はまた次回。

では、また次回。
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