ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第二十九話 芳佳とひかりの一番長い日(後編)

第二十九話 芳佳とひかりの一番長い日(後編)

 

剛腕怪地底獣 ゴメノス(A・B)

巨大宮藤軍曹

巨大雁淵軍曹

どくろ怪獣 レッドキング

超古代怪獣 ゴルザ

三面怪人 ダダ・ドルジュ

サーベル暴君 マグマ星人ヴァルドスキー

異次元宇宙人 イカルス星人ジュリコ

地中怪獣 モグルドン

電撃怪獣 ボルギルス

登場

 

 芳佳「ちょっと!何で私たち怪獣みたいな扱いなんですか!?」

ひかり「おかしくないですか!?」

 美緒「オープニングの映像をフリップみたいに持つな………」

 

巨大宮藤軍曹

身長:35m

体重:9000t

 

巨大雁淵軍曹

身長:35m(アホ毛含む)

体重:8500t

 

 芳佳「やめてー!怪獣みたいなプロフィール出さないでー!」

ひかり「体重は!体重は見ないでーーー!!」

 

 

 

 

 

フェニックスネストのディレクションルームに、我夢とムサシが飛び込んできた。

 

「ゴメノスが現れたって!?」

「はい、でも、何だかおかしくってな………」

「おかしい?」

 

先に来ていたアスカやミーナ、ニパが首を傾げながら我夢たちに言う。モニターには先ほどまでのゴメノスが巨大化した芳佳とひかりに倒された後に、甘えるように抱きしめようとする様子が映し出されていた。

 

「何で急にあんな行動を………?」

 

我夢とアスカが小首をかしげるが、ムサシはその行動を見てある事に気が付いた。

 

「これって………?」

「ムサシさん?」

「さっきの所、ゴメノスが芳佳ちゃんたちに体当たりしている所、もう一回再生してくれない?」

「G.I.G.」

 

ムサシに言われてエリーが映像を巻き戻した。ムサシはその様子をもう1度見ると、確信したような顔になった。

 

「やっぱりそうだ………!」

「何かわかったんですか!?」

「あぁ、間違いないよ……」

 

ミーナが聞く中、そう言ってムサシはある仮説を立てた。

 

「僕の世界の怪獣には、自分よりも強い個体を『伴侶』にする習性を持ったものがいるんだ。あのゴメノスの行動は、その怪獣によく似ているんだ。」

「伴侶?」

「うん、つまりゴメノスは今『繁殖期』で、あの突進は『求愛行動』、プロポーズだったんだよ!!」

 

ムサシの話にミーナはなるほど、と頷いてモニターに視線を戻すと、

 

「………プ、プロポーズゥウウ~~~~~!?」

 

数泊おいてその言葉の意味を理解すると、思わず素っ頓狂な声で聴き返してしまった。それに、ニパが付け足すように聞いた。

 

「それってつまり、ひかり達が怪獣を倒したのが、怪獣のプロポーズにOK出しちゃったって事!?」

「そういう事に、なるね………」

「「「えええええええええええええええええええええええ!?」」」

 

ムサシの仮説に、ディレクションルームに絶叫が響き渡った………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「「えええええええええええええええええええええええ!?」」

 

フェニックスネストから連絡を受けて、ゴメノスの行動の理由に思わず声を上げる芳佳とひかり。その下ではミライやリュウ、美緒やシャーリーも驚きの顔をしていた。

 

「そ、そんなぁ!?私、そんな気なかったのに………!!」

「それに、私たち怪獣じゃないのに!?」

「ゴメノスにとっては、種族なんて些細な違いなんだろう……」

 

顔を真っ赤にして慌てる二人に、リュウが冷静に分析する。ふと芳佳は、先日のエイラの占いを思い出した。

 

「もしかして、『人生最大級の恋愛』って、この事ーーー!?」

「確かに最大級だなー、物理的な意味で………」

 

頭を抱える芳佳に対して、シャーリーが呆れた表情を浮かべる。話を理解するのに時間がかかっていたルッキーニは、何とか理解すると、驚きの声を上げた。

 

「ええ!?芳佳、怪獣と結婚しちゃうの!?」

「え?」

「怪獣と………」

「結婚………?」

 

その一言で、一同はイメージした。イメージしてしまった。

 

 

 

 

 

鐘が鳴り響くチャペル、真っ白なウエディングドレス姿の芳佳とひかりが、白いタキシードを着たゴメノスと腕を組み、皆に祝福されながらバージンロードを歩く姿が……

 

 

 

 

 

「………それは、ちょっと……」

「てか、結婚って言っても、そうはならないかと………」

 

一様に微妙な顔になる一同。クルピンスキーだけは、そのイメージに物申していたが。

その時、メモリーディスプレイが再び通信を知らせる通知音を鳴らした。

 

[隊長、ゴメノス2体をスキャンした結果、ある事実が判明しました。]

「ある事実?」

 

フェニックスネストのエリーが、神妙な面持ちで報告をする。

 

[ゴメノスは、2匹ともメスです。]

「「「メス?」」」

[はい。女の子です。]

「女の子………」

「………ということは………」

 

その一言で、一同はイメージした。イメージしてしまった。

 

 

 

 

 

雅楽の笛の音が鳴らされる中、白無垢姿のゴメノスと、紋付袴姿の芳佳とひかりが、参列者の前でお辞儀をする姿を………

 

 

 

 

 

「いや、だからそうはならないでしょ!?てか何でさっきは洋式で今度は神前式!?」

 

イメージを両手で払いながらツッコミを入れるクルピンスキー。とんでもない事態の中で、彼女だけは冷静だった。

 

「落ち着けお前ら!まずは両家の顔合わせと結納をして………」

「少佐も落ち着いてよ!?「この人と結婚します」って言って怪獣紹介されたら、親御さん腰ぬかしちゃうでしょ!?」

[美緒!]

 

混乱しているのかとんちんかんな事を言い出す美緒。その時、フェニックスネストにいるミーナが通信を入れてきた。

 

[仲人はトリヤマ補佐官にお願いを………]

「いや、何でミーナさんも坂本さんも、結婚する方向で話進めようとしてるんですか!?」

「どうしよう………飛ばされた異世界で怪獣と結婚するなんて………お姉ちゃんに何て言えば………!?」

 

ミーナもおかしな事を言い出す事態に、芳佳が慌てて止めようとする。その横では、ひかりは頭を抱え涙目で震えていた。その時、メモリーディスプレイが再度鳴り響いて出てみると、コウジからであった。

 

[こちらコウジ。ドルジュの円盤から、ミクロ化機の修理に必要な部品を回収することができました。修理には30分くらいかかるそうです。]

[ひかりが結婚なんて………孝美になんて説明すりゃいいんだ………]

「わ、分かった。」

 

コウジの報告を聞いてリュウが返事をする。後ろでは現状を聞いた直枝が頭を抱えていたが、今はそんな事を気にしている場合ではなかった。

すると、コウジの後ろからジュリコが話しかけてきた。

 

[あのー、ミクロ化機が直っても、直ぐに元のサイズに戻す訳にはイカないと思うのだが?]

「何故だ?」

 

疑問を投げかけるリュウに、ジュリコは答えた。

 

[あの怪獣達は、その2人に惚れてるんだろ?その状況で2人が元のサイズに戻ってその場から消えたら、目覚めたその2匹は消えた恋人を探すために、暴れるんじゃあなイカ?]

「「あっ……!」」

 

その言葉に、全員がハッとなる。確かに、今の状況で芳佳たちが消えれば、ゴメノスたちは愛しの伴侶を探すために街で暴れ、大混乱になるだろう。

 

「そ、それじゃあ、2人を戻す前にあの怪獣をどうにかしないと………!」

「でも、どうすれば………?」

 

頭を悩ませる一同。どうにかしてゴメノス達には芳佳とひかりを諦めてもらわないといけないのだが、その方法がなかなか思いつかない。

だがその時、シャーリーが「あ。」と声を出した。

 

「あの怪獣ってさ、自分より強いヤツと結婚するんだよな?」

「そうだけど………?」

「だったらさあ………」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「それじゃあ、行きますよ!」

「「はい!」」

「おう!」

 

十数分後、現地で合流をしたアスカ、我夢、ムサシとミライは頷き合うと、それぞれリーフラッシャー、エスプレンダー、コスモスプラック、メビウスブレスを掲げると、叫んだ。

 

「ダイナァァアアアアアアアアア!!」

「ガイアァァアアアーーーーーー!!」

「コスモォース!!」

「メビウゥゥウウウウウウウウス!!」

 

4人は光に包まれると、その場にウルトラマンダイナ、ウルトラマンガイア、ウルトラマンコスモス、それにウルトラマンメビウスが現れた!

 

「うわ、すごい………!」

 

自分の傍に立ったウルトラマン4人に、芳佳とひかりは同じスケールになったというのに、その大きさに圧巻していた。

ウルトラマン達は顔を見合わせると、ダイナとガイアはそれぞれゴメノスA・Bを重量挙げのように持ち上げ、メビウスは芳佳を、コスモスはひかりを抱きかかえた。ちなみにお姫様だっこである。

 

「うわっ」

「ひゃっ」

 

芳佳とひかりが、ウルトラマンとはいえ異性に抱きかかえられて恥ずかしそうにしている(芳佳は2回目だが)と、4人のウルトラマンは空高く飛び立った。

 

「これより、ウルトラマンと共に作戦を続行する。」

[G.I.G.!]

「「「「「了解!!」」」」」

 

ガンフェニックスに乗ったリュウとカナタに、ウィッチたちがストライカーを履いてウルトラマンを追う形で飛び立っていった。

 

「目指すは多々良島だ!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「うわぁ………」

 

コスモスに抱きかかえられたまま、ひかりは自分に吹く風や空を見回す。ストライカーで飛ぶ感覚とは違う、独特の浮遊感。そして、見下ろす大地から海原へと変わる風景。

現在、怪獣に迫られている身だなんてことを一瞬忘れるくらい、綺麗な光景が広がっていた。

 

「すごい……こんな景色………はじめて……」

『ああ。』

 

思わずつぶやく言葉に、コスモスが反応する。その声色はとても優しくて、自分の中にあった不安や恐怖が少しだけ和らいだ気がした。

 

そのまましばらく飛んでいると、海岸が見えてきた。多々良島に到着したようだ。

 

ウルトラマンたちは芳佳とひかり、そしてゴメノスを地面に下ろすと、そそくさとその場から離れた。そして制限時間が終わって人間態に戻り、追ってきたリュウたちと合流した。

 

「じゃあ、作戦通りいくぞ。」

「G.I.G.!」

 

ミライたちはそう言うと、手にした発煙筒をゴメノスに向けて投擲、煙に燻されたゴメノスが目を覚まして起き上がると、煙に気付いたこの島の怪獣、レッドキングとゴルザがやってきた。この2匹、今ではすっかり仲良くなっていた。

 

「ピギャァァアアアアアアアアアアアオッ!」

「グォオオオオオオオオオオオオ!!」

「ギギュゥウィー!!」

「ギギュゥウィーーー!!」

「来た!」

 

レッドキングとゴルザが現れたのを見たミライが声を上げる。ゴメノスA・Bは2大怪獣の見て驚きの声を上げた。

 

「いまだよ、2人とも!」

「は、はい!」

「行きます!!」

 

ミライに合図を受けた芳佳とひかりは、顔を見合わせてレッドキングとゴルザに向けて走り出した。

 

「ええいっ!」

「やぁあああっ!」

 

気合を入れて、2人はレッドキングとゴルザにドロップキックを放つ!2体は不意打ちで攻撃を受けるが、数歩下がっただけでダメージはなく、飛び蹴りを放った2人は逆に弾かれて地面に仰向けに倒れた。

 

「あいたっ!!」

「グゥウ……!?」

「ガウゥウ……!?」

 

レッドキングとゴルザが驚いている間に、芳佳とひかりは立ち上がる。ゴメノスたちは戦いの行く末を見つめる中、芳佳とひかりは立ち上がり、レッドキングとゴルザは拳を握った。

 

「「………!!」」

 

芳佳とひかりは2大怪獣に向き直るとゴクリと唾を飲み込み………

 

 

 

 

 

「「………う、うわ~!や~ら~れ~た~~~!!」」

ドテ~ン

「「!?」」

「「!?」」

 

 

 

 

 

芳佳とひかりは、すっごい棒読みの悲鳴を上げると、その場に倒れて動かなくなった。

突然の事にレッドキングとゴルザは呆気に取られて目をパチクリ瞬きすると、顔を見合わせて首を傾げる。

 

「グォ………?」

「グゥ………?」

 

訳が分からない様子のレッドキングとゴルザだが、その時、自分たちに熱い視線が向けられている事に気が付いた。見てみると、そこにはこちらを見つめるゴメノスA・Bの姿があった。

 

「「………」」

 

見つめられていた事にギョッと驚く2匹だが、ゴメノスは2匹を見つめ続けていた。そして、

 

「「……キュゥウ~ン♡」」

「「!?」」

 

目を『♡』にして、甘えた声を出してきた。そして倒れた芳佳たちに目もくれず、レッドキングとゴルザに向かって駆け出し、そのまま抱き着いた!

 

「ピギャァァアアアアアアアアアアアオッ!」

「グォオオオオオオオオオオオオ!!」

 

2大怪獣はゴメノスに抱きつかれて困惑するがどこかまんざらでもないように見えなくもない。

 

「ギギュゥウィーー!!」

「ギギュゥウィーーー!!」

 

そんな事はお構いなしと言った感じで2体のゴメノスはじゃれ合い始める。レッドキングとゴルザは無理やり引きはがすと後退りして距離を取るが、しかしゴメノスはじりじりと2体に近づいていき、レッドキングとゴルザはついに背を向けて逃げ出してしまい、ゴメノスはそれを追いかけていった。

 

「………うまくいったね。」

「そうですね………」

 

倒れたふりをしていた芳佳とひかりが起き上がってそう言うと、ミライたちも作戦成功にガッツポーズをとっていた。

 

シャーリーの立てた作戦は、実にシンプルなものだった。

ゴメノスは自分よりも強い者を伴侶にする。ならば、「自分よりも強い者よりも、更に強い者」が現れれば、そちらに靡くという算段だった。

そこでミライたちは多々良島のレッドキングとゴルザに芳佳とひかりが挑み、わざと負けてゴメノスを押し付けようと企んだのだ。

結果として、ゴメノスは目論見通りレッドキングとゴルザに夢中になり、芳佳たちは眼中にない様子だった。

 

「………でもこれ、勝手に惚れられたと思ったら勝手に振られたから、わりと複雑な感じが………」

「……ま、まぁいいじゃないですか。これで一件落着です!」

 

ひかりの言葉を受けて、芳佳はうんと大きくうなずく。

 

「まあ、あいつらが結婚する時は、せめてご祝儀くらいは送ってやろうぜ。」

「怪獣の結婚、かぁ………」

 

その一言で、一同はイメージした。イメージしてしまった。

 

 

 

 

 

花弁が降り注ぐ中、タキシードを着たレッドキングとウエディングドレス姿のゴメノスA、紋付袴姿のゴルザと白無垢姿のゴメノスBが、皆に祝福されて照れている姿を………

 

 

 

 

 

「………そうはならないと思うけど、合ってるっちゃ合ってるな。」

 

アスカの一言に、一同は微妙な表情ながらもうんうんと頷いた。

その時、遠くの方からジェットエンジンの音が聞こえて来た。振り返ってみれば、そこにはガンブースターがこちらに飛んでくるのが見え、搭乗しているコウジが通信を入れてきた。

 

「隊長ーーー!ミクロ化機直りましたよー!」

「本当か!!」

 

リュウが嬉しそうに声を弾ませ、芳佳とひかりもホッとした顔になった。その後、ガンブースターに同乗していたドルジュがミクロ化機を芳佳とひかりを狙い引き金を引くと、放たれた光線が2人を包み込み、みるみるうちに元のサイズに戻った。

 

「「も、戻ったぁあ~~~~~!!」」

「「よかったぁあ~~~~~!!」」

 

芳佳とひかりはお互いの無事を確かめるように抱き合うと、感極まって涙を流した。そこに直枝やバルクホルンも後ろから抱きしめると、同じく涙を流して喜ぶのであった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「芳佳ちゃ~~~ん!良かったよぉ~~~!!」

「リーネちゃ~~~ん!!」

 

十数分後、無事に基地に戻った芳佳たちを出迎えたリーネは、涙を流しながら芳佳を抱きしめた。その隣ではペリーヌが呆れてため息を吐きながらも、笑いかけていた。

 

「全く、心配させて………」

「ごめんなさい……」

 

苦笑しながら言ったペリーヌの一言に、芳佳は申し訳なさそうな表情を浮かべる。

 

あの後、同じく元のサイズに戻ったモグルドンとボルギルスも多々良島に運び、今頃はリドリアスと再会している事だろう。

ゴメノスたちはレッドキングとゴルザに夢中であるため、このまま放置しても問題はない。一応、念のため監視用のカメラ等を設置済みである。

 

そして、今回の騒動の元凶であるドルジュ、ジュリコ、ヴァルドスキーの3名はというと………

 

「………で、何でこいつら着いてきてんだ?」

 

直枝が、後ろにいるドルジュ一味を見ながら指摘をした。ドルジュが口を開いた。

 

「いや、アタシの円盤壊れて地球から出れなくなっちゃったから………」

「修理するにも金がかかるから、どうにかして金を稼がないといけないからなぁ………」

「という訳で、働き口を紹介してくれなイカな~、と思って………」

「図々しいなお前ら!!帰れ!!」

「いや、帰りたくても帰れなイカら………」

 

ドルジュたちに対して直枝は怒鳴るが、彼らはどこ吹く風と言った様子だった。すると、ため息をついたリュウが話に入って来た。

 

「分かった、フェニックスネストで働けないか、総監に聞いてみよう。」

「本当か!?」

「ありがたイカ~~~!!」

「アイハラ隊長!?」

「何を考えて………」

 

リュウの言葉に美緒やバルクホルンが反論をしようとするが、リュウはただし、と付け加えた。

 

「ただし、条件がある。お前らには、エンペラ軍団、またはグア軍団について知っている事を、全部話してもらうぞ?」

「あ、そう言う事………」

「なるほどな……」

 

リュウの説明を聞いて、シャーリーとクルピンスキーが納得したような顔になる。リュウからすればドルジュ一味は貴重な情報源だ。逃す手はなかった。

 

「………ま、背に腹は代えられないわな。」

「バレて小切手が無効にならなイカ心配だけど………仕方なイカ。」

「まぁ、なるようになるってな。」

 

三者三様に言いながら、ドルジュ一行は渋々といった形で承諾をするのであった。

こうしてドルジュ一味は情報を渡す代わりに、フェニックスネスト内で清掃員と食堂の店員として働く事になるのであった。

 

 

 

 

 

「ねえ、エイラ………」

「どうした、サーニャ?」

「これってもしかして、私とミーナ隊長も相手が怪獣になると思うんだけど、大丈夫かな………?」

「………ど、ドーナンダロ………?」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「―――とまあ、事の経緯はこんな感じだね。」

「それは、災難でしたね………」

「結婚しそうになったって、そう言う意味か………」

「大変でしたね………」

 

話し終えたクルピンスキー。ラルやサーシャ、ロスマンは、話を聞いて呆れた顔をしていた。一方の孝美は、ひかりが巨大化した辺りで青い顔をしていたが、無事に戻ったと聞いてほっと胸をなでおろしていた。

 

「しかし、作戦とはいえ生身で怪獣に飛び蹴りするなんて………」

「はい、でもあの時は必至だったから………ゴルザ意外と堅かった。」

「体幹いいよな、アイツ。」

 

ロスマンが無茶な作戦に呆れていると、何故かゴルザを評価する直枝。それを聞いたラルはふっと笑った。

 

「まあ、それもまたブレイブ、というものだな。」

「え?」

「何ですかそれ?」

「いや、何でもないよ。」

「?」

 

笑うラルに対して首を傾げる直枝。ひかり達も不思議そうにしていたが、サーシャとロスマンは顔を合わせて笑っていた。すると、執務室のドアが開いてジョーゼット・ルマール(ジョゼ)が入って来た。

 

「失礼します。サーシャさん、物資が届きました。」

「分かりました。」

 

ジョゼに返答をすると、サーシャは執務室から出て行った。

 

「何の話をしてたの?」

「うん、向こうの世界で起きた事をね。」

「そうなんだ………」

「あれ?下原さんは……?」

「ああ、定ちゃん、あの子にメロメロで………」

 

ジョゼが呆れたように言っている中、ラルは窓から見える空を見上げていた。

 

 

 

 

 

つづく




第二十九話です。

・初っ端からメタい発言をする芳佳とひかり。名前は『巨大フジ隊員』のオマージュです。

・ゴメノスの生態は今作オリジナル。この展開にしてからは『コスモス』の「地球生まれの宇宙怪獣」を意識しました。ミーナの反応とか、完全にヒウラキャップまんまだし。ゴメノスとの結婚式のイメージはウルトラゾーンというか浦沢脚本っぽいw

・コスモスに抱かれたひかりのシーンはお姫様だっこをしたシーン書いた時にふと思いついて、急遽追加しました。

・久々のレッドキングとゴルザ。いつの間にか仲良くなっていたけど、イメージとしてはジョジョの仗助と億泰。で、リドリアスは康一君。でもゴメノス押し付けられてちょっと不憫かも。

・ドルジュ一味、まさかの準レギュラー化。今後は背景なんかでちょいちょい姿を見せたりするかと思います。

・ラル隊長の「ブレイブ」発言の理由は、いずれ判明するかもしれません。

・次回からは通常の時系列で進行します。

では、また次回。
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