ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第四話 ガリバーの冒険

「「「キィィイイイイイイイ!!」」」

「くう………ッ!」

 

ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐は、上空5,000メートル付近で3体のネウロイ―――サーフボードを思わせる長いひし形の板状のボディの上部にV字に翼が生えているネウロイで、3体とも同じ姿―――と交戦していた。

ネウロイは、空気抵抗の少ないボディ故の高速移動でミーナに迫り、連携でビームを放つ。ミーナはシールドを張るが、数発がすり抜けて肩を掠める。

 

「っ………!(何……?いつものように動けない………?)」

 

ミーナは普段以上に動けない事に疑問を持つ。次第に目の焦点が合わなくなり、心拍数が異常なほどに上がっているのが分かった。身体の不調に顔を歪ませていると、ネウロイの一体がミーナに接近する!

 

「ッ!ええい………!」

 

ふらつきながらもネウロイと距離を取るミーナだが3機のネウロイは四方八方から迫る。

ミーナは固有魔法『空間認識』を使い避けるが、原因不明の不調により、すでに限界が近づいていた。

 

(何とか………弾を当てられれば………!!)

 

ミーナは気力を振り絞って狙いを定め、機関銃の引き金を引いて弾丸をありったけ撃ち込む。弾丸はネウロイの一機の装甲をえぐり、V字の翼の中央を破壊すると、そこからコアが露出する。さらに弾丸の1発が命中し、コアがひび割れ始め、やがて砕け散った。

 

「キィィイイイイ―――――!?」

パリィイン

「「キィィイイイイイイイイイーーーーーーーー!!」」

 

仲間が倒されたのを受けて、残りの2機が大きく鳴き声を上げる。ミーナは迎え撃とうとするが、視界が定まらず、飛ぶのがやっとであった。

 

「こ、こんな………とこ、ろで………!!」

 

気を失う寸前になりながらも、銃を構えるミーナ。ネウロイが先端を光らせたその時――――――

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「UNNOWN、一機撃墜。残り二機が少女に向かいます!」

「TEAM LIGHTNING、EXⅡ、UNNOWNとの接触まで4秒!」

 

空のはるか上で、この戦闘を見る者たちがいた。

オペレーターの女性2人の言葉に、落ち着いた雰囲気の男性はメインモニターに映る少女とUNNOWNを見た。

 

「間に合うか………?」

[攻撃開始!]

[ファイター2、了解!]

[ファイター3、了解!]

 

男性が呟いたその時、少女に迫るUNNOWNの一体が爆発し、装甲が破損した。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

ネウロイが先端を光らせたその時、ネウロイの一機の装甲が爆発し、装甲の一部が破損した!

 

「キィィイイイイイイイイイ!!?」

「…………!?」

 

ミーナには何が起こったか分からなかった。耳に聞こえたのは、暴風にも似た轟音。目に入ったのは、銀、青、赤の色をした4機の見た事のない戦闘機だ。

 

「あれ………は………――――――」

 

戦闘機を見上げた所でミーナの意識は途絶え、重力に従って落下を開始する。

 

 

 

 

 

「―――――――――!!」

「………(ガ、イ………ア………?)」

 

 

 

 

 

薄れ行く意識の中、赤い光とともにそう聞こえたような気がした………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第四話 ガリバーの冒険

 

用心棒怪獣 ブラックキング

宇宙戦闘獣 再生コッヴ

異次元怪異 ネウロイ(コード№04、コード№05)

暗殺宇宙人 ナックル星人

光波宇宙人 リフレクト星人

遊牧星人 ガラガラ星人

 

 

 

ウルトラマンガイア

ウルトラマンアグル 登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太平洋上空を、一機の小型機が飛んでいた。

その座席に座る、服装を黒で統一した白髪が数束ある黒い長髪の男性は、正面に座る長い三つ編みを後ろに垂らした男性に話しかけた。

 

「―――まさか、『チーム・リザード』のリーダーである瀬沼さんが、自ら迎えに来てくれるとは思いませんでした。」

「“元”リーダーだ。今は後援だよ、藤宮博士。」

 

瀬沼と呼ばれた男性は、苦笑しつつ答えた。

 

彼の名は『藤宮 博也』、世界各地で『根源的破滅招来体』と呼ばれる存在の調査を行う科学者である。

藤宮は、瀬沼に渡された資料を捲る。資料には、黒い金属の身体を持った異形の写真が載っていた。

 

「このひと月で3体、奇怪な金属生物が日本に出現した。いずれも「ライトニング」と「クロウ」が撃退したが、似たような生物が続けて出現した事から……」

「ヤツラの尖兵、という事か?」

 

瀬沼は頷いた。

 

10年前、地球を破滅させようとした『根源的破滅招来体』が襲撃し、XIG(シグ)やアルケミー・スターズ、藤宮らは地球を守るべく戦った。

 

XIGはeXpanded Interceptive Guardiansの略称であり、若き天才科学者集団の「アルケミー・スターズ」と国連が連動して完成させた、汎地球防衛機構のG.U.A.R.D.(対根源破滅地球防衛連合)のエリート隊員で構成された最前線で根源的破滅招来体と戦う特捜チームで、オペレーションと複数の専門チームからなる尖鋭たちだ。

 

10年前の“最終決戦”において『根源的破滅将来体』の進行は収まり、現在は地球怪獣たちとの共存の道を歩むべく研究を進めているのだが、この3年の間に宇宙怪獣たちによるものと思わしき怪事件が多発、旧XIGメンバーが再集結しこれに対処することとなったのだ。

 

「もしかすると、博士が調査しているものと、何か関係があるのか?」

「現状ではわからん。だが、仮にそうだとしたら―――」

 

藤宮が言いかけた時、彼の右手に付けたブレスレットのクリスタルが、青い光を放った。

 

「………また、俺たちが戦うまでだ。」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

エーリカ・ハルトマンは、目覚めた先の湖―――ちらっと見た看板によれば、『竜が森湖』という名前の湖らしい―――の湖畔に立っていた。

 

「………あー、これからどーしよー………?」

 

ストライカーと武器は、自分を助けてくれた青年『トウマ・カイト』が拾ってくれていたものの、見ず知らずの土地に墜落し、通信も通じない。完全に孤立無援であった。

 

「おーい、エーリカちゃん!」

「あ、カイト。」

 

すると、ストライカーと銃をサイドカーに束ねていたカイトが、彼女に駆け寄ってきた。

 

「とりあえず、近くの町まで出てみようか。そこで、何か分かるかもしれないし。」

「………そーだね。」

 

話しによると、このカイトという青年はサイドカーで各地を転々とする流れ者で、偶然にも落下してくるエーリカを見つけ、この「竜が森湖」に来たそうだ。

素性は怪しいが、今は彼に頼る以外の方法が思いつかないため、着いていく事にした。

 

「あのブーツみたいなの、結構重かったね。」

「ストライカーだよ。自分で持つと、確かにかなりの重量あるからねー。」

「所で、何でズボンとか履いてないの?」

「え?履いてるじゃん?」

「えっ?」

「?」

 

驚くカイトに、首を傾げるエーリカ。あまりにもナチュラルな反応に、カイトはこれ以上聞かない事に決めた。

 

 

 

 

 

「………やれやれ、どうやら無事のようだな。さて、あのお嬢さんは―――」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

ミーナが目を覚ますと、最初に消毒液の匂いが鼻孔を刺激した。

起き上ってみると、自分は医務室らしき部屋で寝ていたらしく、濃い緑色の検査着を着せられていた。

 

「ここは………?」

「気が付いたかね?」

 

声をかけられて振り向くと、そこには少しくたびれた白衣を着た、ボサボサな白髪と無精ヒゲの老人がいた。ここの医師だろうか?

 

「ここはどこですか?私は、確かネウロイと戦っていたはず………あのネウロイは!?」

「君は気絶して、ここに連れて来られたのだよ。君が戦っていたあのネウロイの内一体は倒されたが、もう一体は逃げてしまった。ここは何処かと聞いたね。『空の上』、と言ったら、信じてくれるかな?」

「え………?」

 

医師の言葉にミーナが首を傾げると、そこの窓を見てみろと言われた。立ち上がって窓の外を見てみると、何とそこには真っ白な雲海が広がり、そのすき間からは海らしきものが見えたではないか。

 

「……………あの、本当にココ、何処なんですか………!?」

「『エリアルベースⅡ』。G.U.A.R.D.の誇る全長600mの巨大空中母艦基地だよ。」

「空中……母艦基地……?」

 

医師の言葉をオウム返しにするミーナは、頭を抱えて再度ベッドに腰掛ける。丁度その時、医務室のドアが開き、看護師らしき女性が入ってきた。

 

「あら、気が付いたのね。」

「え、ええ、今………」

「待っていて下さいね、今先生が来るから。」

「………え?先生ならここに…?あ、あら?」

 

看護師の言葉にミーナが先ほどの医師の方を見るが、そこには先ほどまでいたはずの医師の姿はなく、丸椅子が一つ残っているだけであった。

 

「どうか、なさいましたか?」

「い、いえ……私にも、何がなんだか………?」

 

混乱するミーナは、頭を抱えるのであった………

 

 

 

 

 

「―――多少の疲労が見られるけれど、だいぶ回復はしているようね。」

「最近、デスクワークが多かったせいかしら………?」

 

数分後、ミーナは精密検査を受けることになり、担当の医師(若い気さくな女性)の診断結果に苦笑しつつも答えた。

 

「うーん、なーんかそれだけとは思えないんだよなー、あなたの症状…」

「はあ………?」

 

首を傾げる医師とミーナ。すると、医務室のドアが開き、色黒で落ち着いた雰囲気の男性が入ってきた。

 

「失礼する。」

「石室コマンダー!」

 

入ってきた男性に医師が立ち上がるが、石室と呼ばれた男性は右手を挙げていい、と制し、ミーナに向き直った。

 

「初めまして、XIG司令官の石室 章雄だ。」

「(シグ?) 501統合戦闘航空団《ストライクウィッチーズ》隊長、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です、司令官殿。」

 

聞きなれない組織名に疑問を持ったが、石室に敬礼をして名乗るミーナ。だが石室は、僅かに顔をしかめる。

 

「よろしく。それで、501とはどこの部隊だろうか?そのような部隊に、聞き覚えがないのだが………」

「え?いや、501は、ネウロイの進行を食い止めるべくロマーニャで活動中で……」

「いや、そんな筈はない。1995年にG.U.A.R.D.が設立してから……」

「1995年!?」

 

石室の説明に、ミーナは思わず大声をあげる。

 

「どうかしたか?」

「………失礼ですが、今は西暦何年でしょうか?」

「2009年だが、それが?」

「………私がヴェネツィアにいた時は、1945年だったんです。」

「何!?」

 

石室は目を見開く。ミーナや医師たちも訳が分からないように困惑していたが、石室は少し考えた後、口を開いた。

 

「………とにかく、詳しい話がしたい。着替えて、私と一緒に司令室まで来てくれ。」

「………はい。」

 

ミーナは頷くと、石室は部屋を出ていく。

 

数分後、着替えたミーナの姿(下が彼女曰く『ズボン』のみ)に石室が困惑したのを、医師と看護師の発信によりエリアルベース内で数日間話題になったのだが、それはまた別の話。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「―――コノ数週間、ねうろいヤ再生怪獣ヲ用イテ収集シタ、『アノ2人』ノでーたデス。」

 

同じ頃、地球の衛星軌道上に滞在する一隻の宇宙船があった。そこで2人の宇宙人が、曲がった角にただれた顔の宇宙人―――かつて、宇宙征服を目論んだ『侵略星人 ガルタン大王』に仕えていた遊牧星人の同種族『ガラガラ星人』の隊長(他と違い、胸に星型のバッジを着けている)から報告を聞いていた。

1人は、黒い頭に赤い角と大きな赤い目を持ち、白い身体にはいくつもの赤い球体、手足や首元には白い毛を生やした『暗殺宇宙人 ナックル星人』。

もう1人は、とげのついた鉄球を思わせる身体に手足と頭を持った『光波宇宙人 リフレクト星人』だ。

 

「ふーむ、『フォトンエッジ』及び『フォトンクラッシャー』の威力は28万度、『クァンタムストリーム』は30万度で、バリアーの強度はおよそ9万………何とも強力だな。」

「ですが、これで奴らの能力はまる裸。このデータを元にブラックキングを強化し、更に私が出向けば、2大ウルトラマンといえども、敵ではないでしょう。」

 

リフレクト星人がそう言うと、ナックル星人はフンと鼻を鳴らした。

 

「当然だ。だが、まず捕まえるのはこの青いウルトラマン、“アグル”の方だという事を忘れるな。」

「しかしあなたも人が悪い。ブルトンに飛ばされそうになったブラックキングを、こっそり回収していたのだから………」

 

ヴェネツィアであの謎のウルトラマン(彼らはまだ、そのウルトラマンの名前が「ダイナ」である事は知らない)やウィッチ、怪獣たちを次元の彼方に飛ばした際、ナックル星人は密かにブルトンにブラックキングを自分の宇宙船に回収させていたのだ。そして彼らはこの世界―――通称『ガイアアース』に存在する「ある技術」を狙い、数週間にも及ぶ計画を進行していたのだ。

 

「所デ、コノ世界ノ防衛部隊ハ、イカガイタシマショウカ?」

 

ガラガラ星人がそう聞くと、2人の宇宙人は急に笑い出した。

 

「アーッハッハッハッハッハ!!たかが人間ごときに何が出来る!?我らにかかれば恐れるに足らぬわ!!」

「あの連中はそんなに危険ではないでしょう。気にする必要はありません。」

 

ガラガラ星人はハア、と返事をする。

 

この判断が正しいのかどうか?

 

それは、今の彼らには問うまでもなかった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ねえ、あの格好、恥ずかしくないのかなあ……?」

「さあ?何も感じていないようダシ、平気何じゃないカナ?」

 

石室コマンダーと話すミーナを見ながら、オペレーターの佐々木 敦子とジョジー・リーランドはヒソヒソと話していた。

 

「………成程、ネウロイにウィッチ、か………」

「整備班があのストライカーユニットとやらを調べた結果、技術そのものは大戦末期のものですが、燃料の貯蔵部がなかったそうです。」

「君の言う、『魔法力』で動く、という事か?」

 

石室と話していた堤 誠一郎行動隊長と千葉 辰巳常任参謀が聞くと、ミーナは頷く。堤チーフが手元の機器を操作し、メインモニターに画像を出す。モニターには、短いY字の胴体とX字の複翼のネウロイ、三角の胴体と両翼の先端に楕円型のパーツを持ったネウロイ、そして二等辺三角形のボディと3枚の翼を持ったネウロイの映像が映し出された。

 

「これは………!」

「君の言う「ネウロイ」が初めて出現したのは1939年との事だが、我々がネウロイを確認したのは、この1ヶ月間だ。」

「なんですって!?」

「他にも、ネウロイと同時に怪獣が確認されている。今、地上のジオベースで関連性を調べている最中だ。」

「どういう事だ?1939年と言えば、第二次世界大戦が始まった年のはずだぞ………?」

 

千葉参謀が疑問の声を上げる。すると、腕を組みながら考えていた石室コマンダーが口を開いた。

 

「パラレル・ワールド………」

「え?」

「傘が、どうかしましたか?」「アッコ、『パラソル』じゃなくて『パラレル』ダヨ。」

 

古典的な聞き間違いギャグを放った敦子に構わず、石室コマンダーは話を続けた。

 

「つまり、我々のいるこの世界とは、まったく別の歴史を歩んだのが、ミーナ中佐の世界という事になる。ネウロイの存在が、その証拠だ。」

「そんな事が………!?」

 

ミーナと千葉参謀は驚愕の表情になる。しばらく沈黙が司令室を包むが、その時ジョジーがああ、と手を叩いた。

 

「そうだ!コマンダー、『アドベンチャー』がありますヨ!」

「アドベンチャー?」

 

ミーナの疑問に、堤チーフが答える。

 

「うちのアナライザーである「高山 我夢」が開発した、時空移動実験機だ。確かに一度、別の平行世界への移動に成功しているが………」

「我夢が、もう少しで2号機が完成するって言っていタヨ!それを使えば、アナタ元の世界に帰れるよ!」

「………何でその、高山さんは、アナライザーなのにそんなスゴイ物を開発出来るんですか?」

「まあ、その辺は後で。とにかく、私も一度我夢と話したい。」

「了解。」

 

堤は答えると、通信機を取って何処かに話し始めた。ミーナが少し不安そうになるが、ふと、先ほどから流れていた映像が目に入る。

映像では、ネウロイに3機編成の戦闘機が苦戦していると、突如、赤い光が降りてきて、それが『赤と銀の巨人』に変わり、ネウロイに向けて構えを取った。

 

「!あの巨人は………!?」

「どうかしたか?」

「………似ているわ……ヴェネツィアに現れた、あの巨人と!」

 

ミーナの言葉に、再度驚く一同。石室コマンダーだけは冷静であり、説明した。

 

「彼は、『ウルトラマンガイア』。」

「ウルトラマン………?」

「地球がつかわした守護者、といった所だな。もう1人の、」

 

映像が切り替わり、メキシコの砂漠で青い身体に黒のラインが特長のウルトラマンが、涎をだらだら垂らした強暴そうな眼の怪獣『アルゴナ』と戦っている場面になった。

 

「もう1人の青い巨人は『ウルトラマンアグル』、ガイアと共に、地球を守る者だ。」

「ガイアとアグル………ウルトラマン………」

 

2人のウルトラマンの映像を見て、ミーナはそう呟いた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

エリアルベースⅡ内の格納庫。30代くらいの男性がミーナの履いていたストライカー『Bf109K-4』のハッチを開いて、内部構造を調べていた。すると、その男性の背後から若い男性とガタイの良い3人の男たちが近づいてきた。

 

「あの女の子が着けていた飛行ユニットか、“我夢”?」

「梶尾さん、吉田さんたちも。」

 

我夢こと高山 我夢は振り返ると、「チーム・ライトニング」の隊長である梶尾 克美と、その隣の「チーム・ハーキュリーズ」の面々に返事をした。

 

「何かわかったのか?」

「コレの内部構造は、確かに大戦末期の技術ですね。ただ、中の機械は軽傷ですが、外装の損傷が妙に多いです。」

「何故だ?」

「さっき堤チーフからの連絡が本当ならば、彼女は異なる次元を移動した事になります。その際の強い負担がかかった事が、原因と考えられます。」

「では、彼女が戦闘中に意識を失ったのも……?」

「恐らくは。機体の装甲でこれほどなので、生身の彼女はそれ以上のものだったのでしょう。」

 

我夢はそう説明する。するとそこに、堤に連れられ、ミーナが格納庫にやってきた。

 

「我夢、ヴィルケ中佐をお連れした。」

「ああ、堤チーフ。初めまして、ヴィルケ中佐。XIGでアナライザーを務めている高山 我夢です。」

「チーム・ライトニングの梶尾だ。」

「ミーナで結構ですよ、高山博士。」

「あ、じゃあ僕の方も我夢で。」

 

ミーナの差し出した手を、我夢が握って握手をする。吉田や志摩たちはミーナの奇抜な格好(彼女にはその自覚はない)に釘づけになるが、堤がワザとらしく咳払いをすると、慌てて視線をそらした。

 

「それで我夢、先ほど話した件だが……」

「はい。確かに、「アドベンチャー」を使えば、ミーナ中佐を元の次元世界に返す事は可能と思われます。」

 

しかし、と、我夢は言いにくそうな顔になる。

 

「正直、その次元世界と、更に別の世界に飛ばされたであろう中佐の部下の人たちを探し出す事は、非常に困難と思われます。平行世界、パラレル・ワールドというのは、無数に存在するのですから………」

「無数に、ですか……?」

「パラレル・ワールドというは、『もしも』の積み重ねですからね………例えるならば、広大な砂漠の中から、一粒の砂金を探し出すようなものです。以前は、一度訪れた世界だったから、探し出すことが出来ましたが………」

「そんな……!」

 

ミーナの顔が青ざめる。せっかく、皆を探せる手がかりを見つけたというのに、今度は別の問題が発生するなんて………

 

「安心してください。ミーナ中佐が元の世界に戻れるよう、僕たちも尽力します。「アドベンチャー」の完成も間近ですので、まずは先ほどの戦闘があった空域を調査して―――」

 

我夢が言いかけた時、突如として甲高い警報音がエリアルベース内に鳴り響いた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「何事だ?」

「東京タワー上空に、ネウロイ出現!」

「先ほど、LIGHTNINGが逃がした一体と、もう一体、別の大型です!」

 

司令室で、敦子とジョジーが報告をする。映し出された映像には、東京タワーの上空十数メートルに、先ほどのネウロイ(コード№04)と、独楽のようなボディに尾翼のような部位と球体パーツ、アンテナのようなものが上部についた大型ネウロイが浮遊していた。

 

「現場の状況は?」

「突然の出現に、住人に混乱が生じているようです。G.U.A.R.D.の隊員が対応に当たっていますが、終息には時間がかかります!」

「何とか安全に避難をさせろ。ネウロイ殲滅にライトニング、援護にハーキュリーズを向かわせるんだ。」

「「了解!!」」

 

石室が冷静に指令を出す。すると、司令室の通信機が鳴り、我夢の顔が映し出される。見ると、横からミーナが覗き込んでいる。

 

[コマンダー!]

「我夢、ネウロイが出現した。『ピースキャリー』にEXとスティンガーを搭載し、発進してくれ!」

[分かりました。それと………]

 

我夢が返事をすると、ミーナと交替し、石室に進言した。

 

[私も同行させて下さい。ストライカーはまだ動かせませんが、ネウロイとの戦闘について、サポートが出来ます。]

「………いいだろう、ピースキャリーに搭乗させてやれ。」

[ありがとうございます。]

 

返答と共に、通信回線が切れた。

 

 

 

 

 

それから2分後、全長9mの六角柱型のコンテナが3機発進位置に移動、エレベーターが降り、パイロットが搭乗した。

 

「こちらライトニング1、発進準備OK。」

「ライトニング2、OK。」

「ライトニング3、OK。」

「2人とも、2度目の出撃だからって、気を抜くなよ。」

「了解!」「わかっていますよ。」

 

梶尾がそう言うと2人のパイロット、北田と大河原が返答し、操縦桿を強く握りしめた。

 

「チーム・ライトニング、発進!」

 

掛け声と共にアクセルを全開にすると、3機のコンテナはレールに沿って真っ直ぐに発射口へと吸い込まれ、エリアルベースⅡの先端にある射出口から雲海に放たれる。

すると、3機のコンテナは空中で展開し、白いボディに青いラインとX字の翼を持った戦闘機と、同じく白いボディだが、こちらは赤いラインに前から見ると台形に見える翼のフォルムが特徴の戦闘機2機に変形した。XIGが誇る戦闘機、XIGファイターSTとGTが発進した。

 

 

 

[スティンガー、ファイターEXⅡ、搭載完了。ピースキャリー、発進位置へどうぞ。]

「了解。」

 

ファイター3機が発進するころ、エリアルベースⅡ内では、大型輸送機『ピースキャリー』の発進準備が行われていた。ピースキャリー下部の格納庫に2機のコンテナが収容されると、ピースキャリーは発信位置へと移動し、エリアルベース後部のハッチが開き、ピースキャリーが上昇してきた。

 

「ピースキャリー、発進!」

 

パイロットの神山の宣言と共にピースキャリーは垂直離陸する。4機の向かう先は、東京タワーだ。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「こっちです!慌てないで避難してください!」

 

G.U.A.R.D.の隊員が避難を誘導する中、遠くに東京タワー上空に浮遊するネウロイが見える地点に、『KCB』というロゴがプリントされた1台の中継車が停まり、頭に巻いたバンダナが特徴の男性が出てきた。

 

「またアイツかぁ………ここんとこ同じタイプのばかりだなぁ………」

「リンブン、ぼさっとしてないでキャメラ用意しろキャメラ!」

 

後から降りてきた男性が怒鳴る。リンブンと呼ばれた男性は慌ててカメラを担ぐと、どなった男性はキャスターの女性に向き直った。

 

「悪いな玲子、博也君、今日だったのに……」

「………仕方ありませんよ田端さん。さ、気合い入れて伝えますよ!」

 

玲子と呼ばれた女性アナウンサーはそう気合いを入れて車から降りる。彼女が強がっているのは明白であったため、田端はやれやれとため息をついた。

 

ドンッ

「うお!?」「きゃあッ!」

 

その時、避難していたらしい年配の女性が田端にぶつかり、しりもちをついた拍子に手に持っていた包みを落としてしまった。

 

「大丈夫ですか!?」

「ああ、おじいさんの作った芋羊羹が……!」

 

田端が女性を起こそうとするが、女性は落とした包みからこぼれた芋羊羹を慌てて拾おうとする。田端も一緒になって芋羊羹を拾っていると、最後の一個を目の前に立っていた何者かに拾われてしまった。

 

「どうぞ。」

「え?あ、どうも……」

 

拾ったのは、20代前半ほどの青年であった。青年から芋羊羹を受け取った女性は、そそくさと包みなおして、青年と一緒にいた黒い服を着た金髪の少女の脇を通り避難所まで駆けていった。

 

「慌てないでね、おばあちゃん!」

「おい、君たちも早く非難しなさい。」

「ええと、それは、そうなんですが………」

 

青年、トウマ・カイトが苦笑しながら少女、エーリカを見ると、彼女は東京タワー上空に浮かぶネウロイを睨み付けていた。

 

「田端さーん!」

「今行く!それと君、慌てているからって、ズボンくらい履いてから避難しなさい!」

 

田端はそうエーリカに言うと、中継の準備にかかった。

 

「………だからもう履いてるよ?」

「エーリカちゃん、僕たちも早く………」

 

エーリカが小首を傾げていたその時、大きなジェットエンジンの音と共に、3機のファイターとピースキャリーが現場に到着した。

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

[ネウロイを確認!]

「状況は?」

[今の所、2機に動きはありません!]

 

ピースキャリー内で梶尾の通信を聞いて、我夢とミーナは疑問に思った。

 

「動きがない………?」

「どういう事かしら………?」

 

2人が疑問を口に出した瞬間、旋回していた№04がライトニングに向けてビームを放つ!3機は瞬時に散開して回避し、04に向けてレーザービームを撃つ!

 

「ファイターが近づいた途端に!?」

「我々が来るのを待っていたのか!?」

 

04の動きに神山と堤が声を上げる。タワー上空の№05からもビームが放たれ、ピースキャリーのすぐ横を掠めた。

 

「ネウロイがこんな行動を……!」

「攻撃!」

「了解!」

 

堤の宣言でピースキャリー機首から機関砲が放たれ、№05の装甲を剥がすが、当たったそばから再生してしまう。

 

「キィィイイイイイイイ!!」

「ダメか………!?」

「ネウロイには、体内に『コア』である赤い結晶体があります。それを破壊すれば、ネウロイは砕けます!」

「だったら!」

 

ミーナの説明を聞いた我夢はシートから立ち上がると、後部に続く扉を開いた。

 

「EXで近づいて、コアの位置をサーチします!」

「分かった!ハーキュリーズ!EXを援護しろ!!」

[了解!][やっと出番か!]

 

我夢がコックピットから出ると、通信機からハーキュリーズの野太くやる気に満ちた声が響く。

 

「ファイターEX、発進!」

 

ほどなくして、ピースキャリー下部のハッチが開きコンテナが投下されると、空中で展開して銀色の戦闘機、XIGファイターEXⅡが発進した。

 

「スティンガー投下!」

 

宣言と共に別のハッチからコンテナが投下されると、コンテナ前部が後ろにスライドして上に4連の砲身と赤いドーム状のコックピット、下部にキャタピラが出現する。ハーキュリーズの駆る巨大戦車、GBTスティンガーである。

スティンガーは150メートルほど先に停まっていた自転車を数台倒す程の衝撃と共に着地すると、ファイターEXを狙う№05に向けて前進、援護射撃を開始した!

 

「キィィイイイイイイイ!!」

ドドドォオンッ

「この野郎!」「スティンガーを舐めんじゃねー!」「撃て!撃てー!」

[あのー、東京タワーには当てないで下さいよー?]

 

ビームを放つネウロイ05に対して、暑苦しいハーキュリーズの叫びと共に砲撃をするスティンガー。我夢が思わず忠告するも、それが聞こえているのかはかなり怪しい。

 

[04はライトニングが引き受ける。我夢、05は任せたぞ!]

「了解!」

 

梶尾に対し我夢は返答すると、スティンガーにつきっきりのネウロイ05の真上を旋回し、内部をサーチしコアを探る。

 

「これは………!?」

[我夢さん?]

 

だが、内部を探った我夢は、驚きの声を上げる。ネウロイの内部には、『非常に高い生命反応があった』のだ!しかも、この熱量から推測するに―――

 

「ネウロイの内部に、怪獣がいる!」

[なんだと!?]

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ふん、地球人の雑魚どもがわらわらと。」

「ヤツを出して、一掃しましょう。」

「そうしろ。」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

我夢が報告した瞬間、ネウロイ№05の円錐状の下半分が花弁の如く開き、中に入っていた巨大な怪獣が投下された!

 

 

 

「ギャァァアアアアアアン!ピューーールルルルル!」

 

 

 

「何!?」

「コッヴだと!?」

 

尖った口に金色の角、胸に青い発行体を持ち両手が鎌になった怪獣―――『宇宙戦闘獣 コッヴ』の出現に、梶尾と北田が声を上げる。

コッヴは特徴的な鳴き声を上げると、額から金色の光線を発し、ファイターSTの翼を掠めた。2機のネウロイはここぞとばかりにビームを発射、大河原機の左翼に命中し、爆発を起こした!

 

「しまった!」

「大河原!脱出しろ!!」

「了解ーーー!」

 

煙を上げながら降下するGTから大河原が脱出すると、戦闘機は地面に激突し爆発した。コッヴと2体のネウロイは雄叫びをあげると、街を破壊し始めた。

 

「ギャァァアアアアアン!!ピューーールルルルル!」

「何と言う事だ………まさかコッヴまで現れるなんて!」

「なんて巨大な怪獣………!」

 

ネウロイを含めた3大怪獣の猛攻に焦りの表情を見せる堤とミーナ。神山がネウロイ04のビームを間一髪で避けたが、その時、コッヴが上空の自分たちに気付き、額にエネルギーを溜め始めた!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

コッヴが街を破壊する様子を見た我夢は、意を決し、コクピット脇のスイッチを入れた。

 

「“PAL(パル)”、後は頼んだよ。」

《了解シマシタ、我夢。気ヲツケテ。》

 

我夢は、人工知能『PAL』の返事に頷くと、「逆三角形の手甲のような物」を右手に持ち、それを一度左肩に乗せた後、前に突き出し、叫んだ。

 

 

 

 

 

「ガイアァァアアアーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

コッヴが光線をピースキャリーに放とうとしたその時、コッヴとピースキャリーの間に割って入るように、『赤い光』が飛来してきた!

 

「あれは………!?」

 

離れた場にいたエーリカがその光を見て声を上げる。赤い光は見る見るうちに人型となり、ズドンッ、と土煙を上げて着地をした!

 

 

 

 

 

「ウルトラマン………!!」

 

 

 

 

 

見つめていたカイトが、その名を呼ぶ。

 

『ジュア!』

 

銀色の体に赤いラインを走らせ、中央に青く光る『ライフゲージ』のついた金と黒のプロテクターを纏った巨人―――『ウルトラマンガイアV2(ヴァージョン2)』が降り立った!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

[ガイアです!怪獣たちが蹂躙する街に、ウルトラマンガイアが来てくれました!!]

「我夢………!」

「東京は大変な事になっていますね………」

 

同じ頃、空港についた藤宮と瀬沼は、テレビで流れる映像を見ていた。映像ではアナウンサーの玲子が興奮した様子でコッヴと戦うガイアを中継していた。

 

「俺も行こう。車は?」

「表に用意してあるはずだ。すぐに―――?」

 

2人が外に出ようとした時、藤宮たちを囲むように11人の男が立ちふさがった。

全員、揃いのコートとつばの広い帽子を被り同じ短い髪型で、ガラガラと不気味な音を発していた。

 

「何だ、君たちは?」

「………藤宮博也博士、イヤ、うるとらまんあぐる、ダナ。」

 

男たちの1人が言う。藤宮は眉をしかめると、男たちを睨みつけた。

 

「我々ト一緒ニ来テモラオウ。断ル権利ハナイ。」

「貴様ら、何者だ!?」

 

瀬沼が怒鳴ると、男は右手を上げる。すると、空港の外で空間が歪みだし、そこに巨大な影が現れた。

 

「グオオオオオオオオ!!」

 

現れたのは、蛇腹状の黒い体表と金色の角と全身に生えたトゲを持った怪獣、『用心棒怪獣 ブラックキング』であった!

 

「怪獣!?」

「モシ断ルノデアレバ、ぶらっくきんぐガコノ辺リ一帯ヲ破壊スルゾ。」

「何だと!?」

 

ブラックキングが雄叫びを上げ、空港の人々が逃げ惑う中、藤宮はブラックキングを睨みつけた。

 

「その前に、俺が叩く!」

「藤宮博士!」

 

藤宮は男たちを押しのけると、右手を下に伸ばす。すると、右手に装着したブレスレット―――『アグレイター』の翼部分が開き、中央の青いクリスタルが点滅してエネルギーの高まりを示す音が響く。そして藤宮は右手を肩の方まで曲げるとブレスレットが反転し、翼の部分にエネルギーの柱が生まれ、彼を青い光が包み込んだ!

 

 

 

「アグルゥゥウウウウウウウウ!!」

 

 

 

藤宮が光りに包まれると、その光を握った両手で突き破るように青い身体に銀のラインを走らせ、胸に青く光る「ライフゲージ」を持った青い巨人―――『ウルトラマンアグルV2(ヴァージョン2)』が飛びだした!

 

「愚カナ………」

 

「グオオオオオオオオ!!」

『ジュワッ!』

 

男が嘲笑う中、アグルの姿を見たブラックキングは大きく鳴き声を上げ、アグルは握った拳をブラックキングに構える。アグルは腕から光弾『アグルスラッシュ』を放つが、ブラックキングは口から赤い光線を放って相殺してしまう。ならばと、アグルは接近してパンチを連続で放つが、ブラックキングの黒い体表はそれを全く受け付けず、逆にアグルの頭部に重い一撃を放った。

 

『グゥウ………!』

「グオオオオオオオオ!!」

 

ブラックキングの予想以上の攻撃にアグルは頭を押さえるが、頭を振って右手を握り手に細い刀身の光の剣『アグルブレード』を発生させ、ブラックキングに斬りかかる。

 

「グオオオオオオオオ!!」

ガブッ

『!?』

「し、白“歯”取り!?」

 

だが、何とブラックキングはその刃先に噛みついて、受け止めてしまったではないか!アグルは必死になって引き抜こうとするが、強靭なあごの力で押さえつけられておりなかなか抜けず、ブラックキングはそのままアグルブレードを噛み砕いてしまい、よろけたアグルの腹に尻尾を叩きつけた!

 

『グウ………!(コイツ、俺の動きを………!)』

 

アグルは、ブラックキングが自分の動きを読んでいる事に気が付いた。恐らくは自分と、いや、自分たちと戦うために訓練されているのだろう。

そう推測したその時、ブラックキングの赤い光線がアグルの胸に直撃し、火花を散らした。

 

『グアア!』

「藤宮博士!!」

「無駄ダ。うるとらまんハぶらっくきんぐニ勝テナイ!」

 

瀬沼の叫びに男は自身満々に言い放つ。その時、アグルのライフゲージが赤く点滅を始め、立ち上がるアグルも足がふらついている。ブラックキングは勝ち誇ったように胸を叩き、アグルを蹴り倒した。アグルはフラフラになりながらも胸の前でエネルギーをためて球状にすると、ブラックキングに向けて撃ちだした。アグルの必殺技の一つ、『リキデイター』だ。

 

「グオオオオオオ!」

バキッ

『ジュウ!?』

 

だが、ブラックキングはそれを受け止めると真上に放り投げ、直後に大ジャンプをすると打ち上げたリキデイターをまるでバレーボールのスパイクのように打ち返してしまった!

 

ドォオン

『グアアアア!!』

 

打ち返されたリキデイターの直撃を受けて、今度こそ倒れ込んでしまうアグル。ブラックキングはアグルの近くに着地すると、その首根っこを掴み持ち上げた。すると再び空間が歪み、X字のボードを鎖でぶら下げた2隻の宇宙船が出現し、X字のボードにアグルを磔にしてしまった!

 

「藤宮博士!

「うるとらまんあぐるハ捕エタ!此処ニモウ用ハナイ!」

 

11人の男たちはそう言い残すと、ガラガラという音を残し、宇宙船とブラックキング、そしてアグルと共に消え去ってしまった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「キィィイイイイイイイイイ!!」

「ギャァァアアアアアン!!ピューーールルルルル!」

『ジュアッ!!』

 

その頃、東京タワーで2大ネウロイに加えコッヴと戦うXIGとガイアたち。ガイアはコッヴの鎌による攻撃を受け止めると蹴りで距離を取り、三日月型の光弾『ガイアスラッシュ』を数発連続で放ち、コッヴにダメージを与えていく!

 

一方のネウロイ04と戦うライトニング2機は、STを駆る梶尾が後ろから追い、それを北田が上から攻撃する「十文字作戦」で攻撃し、装甲を剥いで行く。

 

05と戦うハーキュリーズはゆっくり漂うように動く05に苦戦するものの、強力なスーパーナパームの威力でその身を削るも、着弾した地点から次々に再生していってしまう。

 

「クソ~!」「これじゃあキリがないぞ!」

 

ネウロイのビームに耐えながら、コンソールに拳を打ち付けて悔しがるハーキュリーズの

3人。すると、ピースキャリーから通信が入り、頭に灰色狼の耳を生やしたミーナが映り

こんだ。

 

[ハーキュリーズの皆さん!]

「嬢ちゃん………何だその耳?」

[そんな事より、ネウロイ05の中心部を、集中的に攻撃してください!その付近に、コアがあると思われます!]

「何故だ!?」

 

疑問に思う吉田に、ミーナが説明する。

 

「私たちウィッチは、それぞれ「固有魔法」を持っています。私の固有魔法は「空間把握」といって、遠くの声や気配を立体的に認識できるんです。先程の我夢さんからのデータと併用して、コアの大体の位置が確認できました。」

[なるほど、分かったぜ嬢ちゃん!][そうと決まれば撃ちまくるぞぉ!][[おおう!!]]

 

何とも暑苦しい3人の反応にミーナが苦笑していると、スティンガーの4連砲が火を吹き、ネウロイ05の中心近くを攻撃していく!

 

(それにしても………)

 

スティンガーの猛攻が続く中、ミーナはある事が気になっていた。先程、空間把握の魔法を使った際、ある事実に気が付いたのだ。

 

(間違いでなければ、今あの戦闘機には―――)

 

[こちらライトニング1、ネウロイ04を撃破!]

「了解、ハーキュリーズと合流し、ネウロイ05を叩いてくれ!」

[[了解!!]]

 

ライトニング2機が返答すると、ファイターをネウロイ05に向ける。

 

「ギャァァアアアアアン!!ピューーールルルルル!」

『ジュアッ!!』

 

一方のガイアは、コッヴの額から放たれる散弾のような光線をバリアーで防ぐと、そのバリアーを飛び越えてコッヴの頭に飛び蹴りを食らわせる!

 

「ギュウウ………」

 

ひるんだコッヴを見て好機と見たガイアは、交差させた腕で顔を隠し、その額に赤いエネルギーを蓄積する。そして、ガイアが腕を広げ、顔を上げた瞬間、溜まったエネルギーは鞭のようにしなりながら天を突き、ガイアが狙いをコッヴに向けた瞬間、赤い光の刃がコッヴに突き刺さった!

ガイアの必殺技の一つ、『フォトンエッジ』である!

 

「ギャアアア―――」

ドォォオオオンッ

 

コッヴは断末魔に一声上げると、着弾した腹部から閃光を放ちながら倒れこみ爆発四散した!

 

「コッヴの撃破を確認!」

「残るは、ネウロイ05………!」

 

爆散したコッヴをピースキャリー内で確認する堤たち3人。これで残るは、今現在ライトニングとハーキュリーズの攻撃をよけ続け、着弾してもすぐに再生しているネウロイ05のみだ。

ガイアもそちらに攻撃を仕掛けようと手を左側でT字に構え、腕から金色の光を放ちながら右側に回し始めたその時、

 

 

 

『そこまでですよ。』

 

 

 

『!?』

「何だ!?」

 

突然、戦闘の繰り広げられる東京タワー周辺に声が響いたかと思うと、ネウロイ05の頭上に2隻の戦艦が現れ、そこから垂れ下がった鎖の先端にはX字のプレートに磔にされた青い巨人―――ウルトラマンアグルの姿があった!

 

「アグル!?」

「博也さん………!?」

 

磔にされ、ライフゲージの点滅も弱々しいアグルの姿に、梶尾と玲子が声を漏らす。すると、ガイアの目の前にとげのついた鉄球に手足が生えたような宇宙人が現れた。

 

『ふっふっふっ………』

『お前は何者だ!?』

『私はリフレクト星人。別次元の宇宙からやってきました。』

「リフレクト星人………?」「別次元から来たって………」

 

リフレクト星人と名乗る宇宙人の登場にたじろぐガイアだが、すぐに構えを取って臨戦体制となる。

 

『おっと、今攻撃したら、アグルの命はありませんよ?』

『グゥ………』

 

アグルに向けて手の甲から刃を伸ばし突きつけながら、リフレクト星人はガイアに忠告した。

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「藤宮君が人質に!?」

 

一方、上空のエリアルベースⅡのコマンドルームでは、瀬沼からの通信を受けた千葉参謀が驚きの声を上げていた。

 

[すみません、私が付いていながら………]

「いや、今は自分を責めている場合ではない。」

「東京タワー上空に出現した宇宙戦艦は、現在アグルを捉えたまま静止中です!」

 

石室コマンダーは、瀬沼の映像と並んで映されたアグルの映像を見た。

 

「あの宇宙人は、いったい何が目的なのだ……!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

『アグルの命が惜しいのでしたら、XIGに所属する高山我夢氏に、異次元移動装置『アドベンチャー』とその研究の全てを持ってこさせなさい!』

『!?』

「なんですって!?」

 

リフレクト星人の要求に、一同は声を上げた。リフレクト星人は切っ先をガイアののど元に突きつけると、せせら笑うように告げた。

 

『場所はこの場所、東京タワーです。今からきっかり24時間後に持ってくるよう、お願いいたします。ふっふっふっ………』

 

余裕の笑い声を上げながら、リフレクト星人はネウロイ05と宇宙戦艦と共に四次元の向こうへと消えてしまい、ガイアは悔しげに地面を叩いた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「な、何か大変な事に………!」

「博也さん………」「藤宮博士………なんて事だ!」

 

リフレクト星人の消えた虚空を見つめながら、エーリカは慌て、怜子はショックに口が開いたままであった。

 

「………エーリカ・ハルトマン君、それに、トウマ・カイト君だね?」

「え?」

 

その時、エーリカたち2人を呼ぶ声があった。振り返ると、そこには少しくたびれた白衣を着た、ボサボサな白髪と無精ヒゲの老人がいた。

 

「あの、あなたは………?」

「ウルトラマンアグルを助けるには、君たち2人の力が必要だ。」

「私たちの力って………ていうか、おじいちゃん誰?」

 

突然現れたこの老人に、カイトたちは戸惑うが、老人はそれに構わずカイトに近寄った。

 

「引き受けてくれるな、カイト君、いや―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウルトラマンマックスよ。」

「あなたは、まさか………!?」

 

 

 

 

 

カイトの右手には、いつの間にか金色に光るスティックが握られていた。

 

 

 

 

 

つづく




第四話、そして『ガイア篇』前編です。サブタイトルはガイア&平行世界繋がりで、映画『超時空の大決戦』に由来。

今回のネウロイのモデルは、コード№04が「ウルトラマンティガ」よりガッツウィング1号の待機形態、№05は「レオ」のMACステーション。コードナンバーはガンQに準じたもの。
以前に出現した3体はそれぞれ「ゼアス」のスカイフィッシュ、「ダイナ」のコネリー07、「ウルトラマン」の小型ビートル。4体目なのは、某未確認生命体が関係しているのかも?

再び現れたコッヴとアルゴナ。ナックル星人繋がりでシーゴラス(地球怪獣で、尚且つ倒されていない)とベムスター(宇宙怪獣)を意識して選出。

G.U.A.R.D.の設立が1995年となっているのは、藤宮がクリシスで根源的破滅招来体の出現を予測したのが本編(1998年)の4年前だったからその1年後に、という事で。後、パラソルと自転車はお約束。

カイトが手を貸した女性と変装したガラガラ星人には、実は元ネタがありますw

では、また次回。
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