ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第三十三話 砂丘の支配者

第三十三話 砂丘の支配者

 

磁力怪異獣 アントラー(N)

忍者超獣 ゲニンガマス

登場

 

 

 

 

 

「キュコォーォウ!!」

「アントラーだって……?」

 

アントラーの姿となったネウロイが、大あごを振り回しながら大きくひと鳴きをする。全員がアントラーに警戒をしていると、エリーから再度連絡が入った。

 

[隊長!―――ラーにうか――――づかないで――さい!アン―――の磁りょ―――――に囚わ―――]

「エリーさん!?」

「通信状況が急に悪くなった………?」

 

ノイズ交じりで途切れ途切れになり、通信が切れてしまって困惑する芳佳たち。そこにリュウが通信を入れた。

 

「さっきもあのネウロイの磁力で機体に異常が出ていた………あいつの発する磁力で、通信に障害が出ているんだ!」

「何だって!?」

「キュコォーォウ!!」

 

美緒が驚きの声を上げたその時、アントラーは頭を高く上げると口から虹色の光線を上空に向けて放った。その瞬間、ウィッチたちの銃器とストライカー、そしてガンマシンが、アントラーに引き寄せられ始めた!アントラー必殺の『磁力光線』だ!

 

「きゃあ!?」

「こ、これがアントラーの……ぐっ!?」

 

アントラーの放った強い磁力に引き寄せられまいとは懸命に耐える。しかしストライカーユニットにも異常が発生して出力が上がらず、機体はどんどん引き寄せられる。

 

「くそっ……なんて力なんだ!?」

「いやぁあ!?」

 

リュウが悪態をつくが、その時、ひかりが悲鳴を上げながらアントラーに向かって行ってしまう!ガンマシンに比べて軽量なうえに、魔法力が少ないひかりは簡単に引き寄せられてしまったのだ!

 

「ひかりちゃん!?」

「待て宮藤!お前まであの怪獣に!!」

 

芳佳がひかりに向かって叫ぶが、バルクホルンがそれを止める。ひかりはアントラーに引き寄せられたのを見たメビウスは、咄嗟にアントラーの背中に向けてメビュームスラッシュを放った!

 

ドォンッ

「キュコォーォウ!?」

 

アントラーの背中で爆発が起き、衝撃で磁力光線が途切れた。磁力から解放されたガンマシンとウィッチたちはすぐにその場から距離を取った。

 

「なるべくアントラーから離れろ!またヤツの磁力に捕まったら今度こそおしまいだぞ!」

「G.I.G.!」「了解です!」

 

リュウの指示に従い、全員アントラーから離れる。アントラーはメビウスと向き合うと、頭頂部の短い角から赤い光線を放つ!メビウスはそれを身体を捻らせて避けると、メビウスブレスに手をかざして中央のクリスタルを回転させて、両腕に金色のエネルギーを溜めて『メビュームシュート』を放った!

 

『セヤァッ!!』

バシュッ

「キュコォーォウ!!」

 

アントラーはそれを回避することなくその体表で受け止めるが、光線はアントラーの体表で霧散してしまい、全くダメージを負わせることはできなかった。

 

「光線が効かない!?」

 

アントラーから離れたバルクホルンが驚く。

初代ウルトラマンが中東の街・バラージで戦った『磁力怪獣 アントラー』は、その固い外骨格でウルトラマンの必殺技スペシウム光線を防いでしまった強敵であった。アントラーの能力を有したこの怪獣ネウロイも、同様に固い装甲を持っていたのだ!

 

「キュコォーォウ!!」

 

今度はアントラーが、その大あごでメビウスを挟まんと迫ってくるが、メビウスはそれを両手で掴み止めた。

 

『グッ……!』

「キュコォーゥ!!」

 

アントラーは大あごに力を入れるが、メビウスは必死に抵抗する。だがアントラーの力は強く、互いの力が均衡して膠着状態になってしまった。

 

「メビウスを援護だ!!」

「「「はい!!」」」

 

美緒は芳佳たちに命ずると、ウィッチたちはアントラーに狙いを定めた。

 

「キュコォーォウ!!」

 

しかしその時、アントラーはメビウスに掴みかかったまま頭部と胴体を分離、そして胴体は回れ右をしてウィッチたちに向き直ると、手の甲から赤い光線を放ってきた!

 

「うわあ!?」

「キャアッ!?」

 

光線を咄嗟に障壁で防御をするが、威力が強く、ウィッチたちは後方に吹き飛ばされてしまう。更にアントラーの胴体は指を伸ばすと、左右合わせて6本の指がミサイル『ホーミングスティンガー』として発射された!

 

「クッ、散開!!」

 

美緒が咄嗟に師事を出すと、ウィッチたちは素早く左右に分散するが、ホーミングスティンガーはそれぞれ方向転換をしてウィッチたちを追尾してくる!

 

「追って来た………!?」

 

シャーリーがホーミングスティンガーが追って来た事に驚愕するが、その時、急に減速をしてしまう。

 

「こ、これは………!?」

 

彼女は気付いた。あのミサイルは「自分を追ってきている」のではなく、「自分を引き寄せてきている」のだ。引き寄せられているので、減速をしてしまったのだ。

 

「くっ………!!」

 

芳佳たちも同様にホーミングスティンガーに狙われていた。彼女達はその誘導弾から逃れようと懸命に飛びながら銃口を向けて撃墜を試みるが、ホーミングスティンガーの磁力によって狙いが定まらない。そして遂に、ホーミングスティンガーが直撃しそうになったその時だった!

 

『デェア!!』

ドガァアン

「!?」

「え!?」

 

突然、上空から飛んできた光線を受けて、ホーミングスティンガーは全て破壊された。

 

「今のは!?」

 

驚いた一同が見上げた見上げると、そこには中に浮かぶダイナ、ガイア、コスモスの姿があった!

 

「みんな!」

『大丈夫か!!』

『遅くなってごめん!』

『流石にメビウスも、エネルギーが少ないし、あの怪獣ネウロイの能力だと、ウィッチのみんなは相性が悪いみたいだからね。』

 

ダイナたちは地上に降り立つと、ガイアが直ぐにアントラーの頭部に阻まれたメビウスに向かう。胴体がそれを止めようとするが、逆にコスモスとダイナに阻まれてしまう。そうしてガイアは後ろからアントラーの頭部を掴むと、そのまま肘を叩きつけてアントラーの頭部を引き離し、両手で掴むと後方に向けて放り投げた!

 

「キュコォーォウ!?」

『ありがとうございます!』

 

地面に激突した頭部が悲鳴を上げているのを横目に、メビウスは礼を言う。アントラーの胴体は頭部の元へ慌てて駆け寄ると、指を再生させて拾い上げた。

アントラーが頭を拾っている間に、ダイナとコスモスがメビウスの元へ駆け寄って来た。

 

『厄介な双体型で磁力と装甲を持っているが、倒せない相手ではないはずだ。』

『よし、ウィッチたちを援護しつつ、頭と胴体で分担しよう。』

『ああ!』『はい!』

「俺たちも行くぞ。磁力にとあのミサイルには気をつけろ!」

「G.I.G.!」『了解!!』

 

ガイアの助言を聞いたコスモスが返事をし、ダイナとメビウスもそれに同意する。リュウも指示を出して、頭を拾い再度合体をしたアントラーに向かおうとする。

 

 

 

 

 

ボンッ

『!?』

ボボンッ

『デャッ!?』

ボボボンッ

『グゥッ!?』

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

しかしその時、足元の砂が爆ぜたかと思うと、その中から飛び出してきた鎖分銅がダイナ、ガイア、コスモスの腕や胴に巻き付いて動きを封じてしまった!

 

「何だと!?」

 

突然の事態に美緒たちが驚く中、地中から3体の巨大な生物が出現した。

 

「ガガガッ!」

「ガガガガガガッ!」

「ガガガガガガッ!!」

 

赤く光る目に嘴を持った頭、背中には半月型の翼を生やした青っぽい緑色の怪獣達は、水かきを持った手で鎖分銅を手にしていた!

 

「怪獣!?」

「しかも三体も……!!」

「いつの間に砂に潜んでやがった………!?」

 

現れた怪獣達に芳佳たちが驚いていると、上空の方でガラスが割れるような「パリーン」という音が響き、空間に開いた穴からヤプールが顔を出した!

 

『フハハハハハ!その程度は読んでいた!』

「ヤプール!!」

『さすがのアントラーでも、複数のウルトラマン相手では分が悪いのでな。砂の中に超獣ゲニンガマスを潜ませておいたのだ!』

「ゲニンガマス………!?」

 

ヤプールが『ゲニンガマス』と呼んだ怪獣、もとい超獣を睨むリュウ。カナタはメモリーディスプレイでデータを検索すると、目の前の超獣に比べると体色の薄い緑色の超獣『忍者超獣 ガマス』のデータが呼び出された。

 

『かつてのガマスは写真に入り込む能力を持っていたが、最近は携帯電話にカメラが搭載されているからな。いちいち探したり、作戦の変更をするのは手間だ。ゲニンガマスはそれをオミットして分身能力に特化させたタイプだ。』

「あいつらも超獣なのか………!」

 

ヤプールの説明にリュウが歯噛みをする。ダイナたちは鎖から抜け出そうもするも、振りほどくことが出来ない。

 

「キュコォーォウ!!」

 

メビウスもほどこうとするが、その時、頭を拾って再度合体をしたアントラーがひと鳴きをする。そして頭の角と手の甲から赤い光線を発射する!

 

ドォンッ

『グァアッ………!?』

「メビウス!?」

 

光線を受けたメビウスは吹き飛ばされて地面に倒れてしまう。ちょうどそのタイミングで、カラータイマーが赤く点滅を始めてエネルギーの限界が来ていた。

 

「このままじゃあ………!?」

「ガガガッ!」

「ガガガガガガッ!」

「ガガガガガガッ!!」

 

メビウスのカラータイマーが鳴り始めたのを見て危機感を露わにする一同。しかしゲニンガマスたちは口を開くと、口内の2連装吹き矢を放ちダイナたちの背中に着弾した吹き矢が爆発を起こした!

 

『『『ウアァッ!!』』』

「「きゃぁっ!?」」

 

爆発で鎖分銅が外れ倒れるダイナたち。ガマスたちは鎖分銅を手元に戻すと、両刃剣をどこからともなく取り出して構えると、そのまま地面を蹴って斬りかかった!!

 

『クッ!』

 

ダイナは咄嵯に体を転がして回避し、ダイナとコスモスもしゃがみ込んで攻撃をかわす。

 

『デュァアッ』

 

ガイアは右手に『アグルブレード』を出現させると、ガマスの剣を受け流し、ダイナは両手で掴んで阻む。コスモスは直ぐにコロナモードに変身すると、ガマスの剣を避けて殴りかかった。

 

「キュコォーォウ!!」

 

メビウスも立ち上がって対抗をしようとしたが、その時、アントラーがひと鳴きをした。するとガマスたちはウルトラマン達から離れ距離を取ると、剣をどこかにしまった。

 

「何をする気だ!?」

「キュコォーォウ!!」

 

バルクホルンがアントラー達の動きに疑問を抱くが、アントラーは再び磁力光線を放つ!それと同時に、ガマスは全く同じタイミングで手裏剣をウルトラマンに向けて投擲!ダイナたちは手裏剣を撃ち落とそうとしたが、手裏剣は磁力によって加速され、ウルトラマン達の身体を切り裂いた!

 

『グアァ………ッ!?』

『グゥッ………!?』

「みんな!?」

 

悲痛な声を上げ膝をつくウルトラマン達を見た芳佳たちが叫ぶ。ガマス達はそれを確認すると、再び剣を出現させた。

 

「ガガッ!!」

「ガガガガガッ!!」

「このままじゃマズいぞ!!」

「磁力がどうのこうの言ってる場合じゃない!!」

 

ゲニンガマスが迫る中、シャーリーが焦ったように叫び、芳佳たちも頷いて向かおうとした。しかし、メビウスは手でそれを制すると、フラフラながらも立ち上がってアントラーを見ると、高くジャンプをした!

 

『セヤァアアアアアアアアアアアア!!』

「キュコォーォウ!!」

 

メビウスはアントラーの脳天に向けて飛び蹴りをお見舞いするが、アントラーはその厚い装甲で受け止めてしまう。

 

「止められた………!?」

 

しかし、メビウスは足をアントラーの脳天に押し当てたまま、高速できりもみ回転!摩擦熱で炎が発生し、アントラーの脳天を貫通した!

かつて、リフレクト星人を破った『メビウスピンキック』だ!

 

「キュコォー………」

『そう来たか………』

「メビウスピンキック!!」

「あの装甲を貫いた………!?」

 

アントラーの頭が爆発で吹き飛んだのを見たウィッチたちは驚くが、ヤプールは感心したようにしていた。メビウスは着地をしてアントラーに振り返るが、頭と胴体の一部を失ったとはいえ、アントラーは健在であった。

 

『やはり、片方のコアを破壊しても………』

『いや、メビウスは多分………』

『皆さん、今のうちにガマスを………!!』

 

アントラーの再生が始まる中、メビウスはエネルギー切れ間近になりながらもダイナたちに進言をする。ダイナたちは頷くと、アントラーの破壊に戸惑うゲニンガマスたちに向かって走り、手にしていた剣を奪い、その胸に深く突き刺した!

 

「ガガ………ッ!?」

「ギャッ………!?」

「ギャガ………!?」

 

3体のゲニンガマスは短く断末魔を漏らすと仰向けに倒れ、そのまま爆発四散をしてしまった!

 

「キュコォーォウ………!!」

 

ゲニンガマスを倒したものの、アントラーは再生をして、ひと鳴きした。まだ終わっていないと身構えるが、アントラーはその場にしゃがむと、地面の砂を両手で掘り始めたではないか!

 

「何!?」

「逃げる気か………!?」

 

逃走をし始めたアントラーを見て困惑したが、ふと、リュウは我夢の言っていた事を思い出した。

 

『いくら修復できるとはいえ、何度もコアを破壊されればエネルギーを消耗すると―――』

「そうか、メビウスは倒せずともアントラーのエネルギーを消耗させて撤退を………!!」

「そう言う事か………!」

 

リュウの言葉に、バルクホルンも納得をした。そうしている間にアントラーは地中に潜り込んでしまい、やがてその姿は見えなくなってしまった。

 

『考えたなメビウス。今はダメージで動けない以上、アントラーの動きを止めて撤退する作戦か………』

「ヤプール………!!」

『今日の所は『痛み分け』と言うところだろう。だが、次はこうはいかんぞ!!』

 

ヤプールはそう言ってその場から消えると、メビウスたちウルトラマンは膝をつき、その場から消えてしまった………

 

「ミライさん!みんな!!」

「大丈夫か!?」

 

ウルトラマン達の消えたあたりに飛んで行くと、そこには変身を解いたミライたちがおり、皆ボロボロになっていたが、命に別状はないようだ。

 

「はい、何とか………」

「ナイス判断だぞミライ……あのまま戦っていたら、こっちが危なかった………」

 

リュウがミライを起こしながら話すと、他の面々も安堵のため息を吐いた。

 

「現状はまだ、アントラーを倒すことはできない………今はエネルギー切れで少なくとも1日の猶予が出来た………」

「そうだな……」

「一度基地に戻って、アントラーの対策を練るぞ。」

「G.I.G.!」「「「了解!」」」

 

こうして、GUYSとウィッチたちは一旦基地に戻ることにした………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「―――アントラーは現在、地中で活動を停止しています。昨日のGX-11と同様です。」

 

フェニックスネストに帰還をした一同は、傷の治療やマシンの修復をしながらアントラーの対抗策を話し合っていた。

 

「アントラー……恐ろしい怪獣だ………」

「ああ、武装やストライカーユニットが磁力で引き寄せられては、なす術がない……」

 

ストライカーユニットの整備をしながらシャーリーが呟くと、バルクホルンも同意するように言った。芳佳とリーネに傷の手当てをしてもらいながら、ミライも口を開いた。

 

「あの装甲に光線は効かないし、さっきみたいに接近戦でも勝てるかどうか……」

「それに、あのゲニンガマスが厄介だね………アイツらが援護をしてくるとなると、ちょっと厳しいかも……」

「そうだな……」

 

ミライとムサシが話していると、そこにフジサワ博士が話に入ってきた。

 

「いや、次はそれだけじゃあ済まないと思うわ。」

「え?」

「私がヤプールなら、次はウルトラマン達をアントラーに近づけさせもしない。恐らくは複数の都市に超獣を同時多発させて、ウルトラマンやGUYSを分散させるはずよ。」

「確かに………」

 

フジサワ博士の予測に、美緒は考え込むように腕を組んだ。するとフジサワ博士は、オーバーに肩をすくめた。

 

「あー、こまったわねー。ウルトラマンなしで、アントラーは倒せないかもねー。」

「………」

 

わざとらしい博士の言動に、ミライたちは呆れたような顔になった。

 

「フジサワ博士………」

「何か策があるんですね?言いたくて仕方がないんですね?」

「あ、バレた?隠す気なかったけど。」

 

博士はイタズラっぽく笑うと、会議室に隊員やウィッチたちを会議室に集めた。

 

「先ずは、これを見てちょうだい。」

 

そう言うと、ある映像を見せた。そこには、先端に磁石をくっつけたアルミ製の細い板を、バーナーで熱している実験映像だった。しばらく熱していると、先端の磁石が音を立てて実験をしている机の上に落ちてしまった。

 

「あ、落ちた。」

「見ての通り、磁石にはある温度になると内部で一方向に揃っていた磁力がばらばらになって、磁力を失ってしまうの。発見をしたピエール・キュリー氏から、これを『キュリー温度(キュリー点とも)』って言うの。」

 

フジサワ博士はそう言うと、映像を停止させた。映像に感心をしていた芳佳とひかり、ミライに対して、リュウは博士の作戦を察した。

 

「なるほど、アントラーも磁力を武器にしている以上、このキュリー温度があるって訳か!」

「つまり、アントラーも同じように熱してしまえば、磁力を失うという事ね。」

 

ミーナも納得して頷くと、博士は映像を切り替えた。映像にはCGで再現されたアントラーが映っていた。

 

「作戦はこうよ。アントラーを、マケット怪獣ファイヤーウインダムの火炎で熱する。」

 

説明をしながらPCを操作すると、アントラーの目の前にトサカが赤く、左腕に赤い獣が装備された『ファイヤーウインダム』が現れ、炎でアントラーを攻撃する姿が映し出されていた。

 

「そして熱せられ磁力を失ったアントラーに接近して、2つのコアを破壊する。名付けて『火あぶり作戦』!」

「なるほど………」

 

リュウがうなずくと、博士は微笑みながら言った。

 

「それじゃあ、みんなは明日に備えて休んでちょうだい。私たちは引き続き、GX-11の調査をするわ。」

「はい!」

 

ミライたちやウィッチたちは返事をすると、解散した。

 

「………アイハラ隊長、ミーナ隊長、ちょっと。」

「え?」

「はい?」

 

しかし、フジサワ博士は会議室から出るとリュウとミーナを呼び止めて別室に連れて行った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

『―――なるほど、火あぶり作戦か………』

 

次元城の大広間に集まったジュダと七星将が会議中、コウメイから報告を受けたジュダが呟いた。

 

『ヤプール、アントラーの件は問題ないか?』

『はい。あの女(フジサワ)には見抜かれていたが、鳥取砂丘以外に北海道、東京、大阪、熊本の4ヶ所にゲニンガマスを数体ずつ差し向けて戦力を分散、ウルトラマン達が出現したのを確認した後に、アントラーを出現させて市街地に向かわせます。そしてアントラーの援護には、別の超獣を向かわせます。』

『なるほどな………』

 

ヤプールの作戦を聞いたジュダが頷く。ヤプールは続けた。

 

『ウルトラマンどもには、ゲニンガマスを倒した次の瞬間には更なる戦力を投下、GUYSやウィッチの元へ向かわせません。』

『用意周到だな。流石だ。』

『お褒めに預かり光栄です。』

 

ジュダが軽く笑うと、ヤプールは口元を歪ませた。すると、ジュダが他の七星将に目を向けた。

 

『ではその『戦力』に、怪獣軍団、再生怪獣軍団、エージェント宇宙人軍団、バルタン軍団、スペースビースト軍団を向かわせろ。』

『え?』

『なに、お前はこの前コウメイに『手柄』のチャンスをもらっただろう?他の者にも与えてやらんわけにもいかないだろう?』

『は、はあ………』

 

ヤプールは少し戸惑ったが、すぐに表情を引き締めて承諾をした。

 

「では、ちょうど暴れたいって子がいるから、その子に声をかけてくるわ。」

「最近なかなか強い怪獣を見つけてな。ソイツを向かわせるとするか。」

『ウオオオオオ!!』

『私のバルタン星人は、コウメイの方に向かわせよう。』

『怪獣、選出してくる。』

 

コウメイをはじめとした七星将は口々に言うと、大広間から出て行った。残ったヤプールに、ヅウォーカァ将軍が声をかけた。

 

『あー………俺は手伝えないけど、頑張れよ。』

『あ、ああ………』

 

少し引き気味のヤプールは、大広間から出て行った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「フェニックスネストにスパイが………!?」

 

同じ頃、フジサワ博士にサンダーバード基地の格納庫へ連れられたリュウとミーナは、そこで衝撃的な事実を聞かされた。

 

「そう……先日のヤメタランス・レディオアクティビティの件がグア軍団にバレたのは、恐らくスパイが入り込んでいたからと推測できるわ………」

「そんな………!!」

 

ミーナとリュウが驚いていると、博士は手にしたノートPCを操作して、その画面を見せてきた。

 

「このサンダーバード基地はフェニックスネストとシステムは切り離されているから、この会話を盗聴される心配はない。だから、安心して話せるわ。」

 

画面には、あるメテオールの設計図が表示されていた。

 

「今回のほんとの作戦、『裁きの雷』の事は、あなたたち2人に話しておかないとね。」

「『裁きの雷』………?」

 

リュウが首を傾げると、博士は説明を始めた………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

翌日、フェニックスネストにアラート音が響き渡った。

 

「北海道、東京、大阪、熊本の4ヶ所に、ゲニンガマスが出現しました!」

 

エリーが叫ぶように報告する。画面に表示された映像には、北海道の草原や東京の山中、大阪湾、熊本の阿蘇山付近に、ゲニンガマスが出現した姿が映し出されていた。

 

「博士の予測通りね………!」

「市街地に向かう前に叩くぞ!ウィッチたちはアントラーに備えて待機していてくれ!GUYS, SALLY GO!!」

「「「G.I.G.!!」」」

 

アイハラ隊長の号令とともに、ガンウィンガーは熊本へ、ガンローダーとガッツイーグルαスペリオルは北海道、ガンブースターとXIGファイターEXⅡは大阪、ガンスピンドラーとテックスピナー1号は東京に向けて飛んで行った。

 

 

 

 

 

つづく




第三十三話です。

・アントラーネウロイは、磁力光線とビーム、それに分離機であることを活かした戦法が得意。『ホーミングスティンガー』の逆転の発想は割と好き。

・ゲニンガマス登場。今の世の中カメラ付き携帯は当たり前なので、それによって作戦変更等をしないように&巨大戦闘員ポジションが欲しいと思い登場させたデチューン版です。こういう武器を使い分ける戦闘員って、個人的に意外に好きなんですよね。

・割と強いアントラーをウルトラマンなしで倒す作戦。「夫人じゃない方のキュリー」って、絶望先生でもネタにされてましたね。

・ヤプールによる戦力分散作戦。アントラー編はあと1~2回くらいを予定しています。

では、また次回。
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