ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ 作:オレの「自動追尾弾」
第三十七話 春の吹雪
「グォオッ!グォオッ!」
深夜のブラジル、コルコバードの丘に低い鳴き声と、「キュイーーーン」と甲高い機械音が響いた。建つ高さ39.6メートルのキリスト像の後ろから現れたのは、頭や両腕、腹等に回転する丸鋸を持った怪獣『八つ切り怪獣 グロンケン』だった。
「グォオッ!グォオッ!」
グロンケンは右手の丸鋸をキリスト像の肩に入れると、そのままガリガリと袈裟懸けに入れていき、1分もしない内に真っ二つに切り裂いてしまった!
キリスト像の上半身が地面に落ちて砕け散ると、グロンケンは腕を上げて勝ち誇るように吠えたかと思うと、光になって消えてしまった。
『フフフ………』
第三十七話 春の吹雪
雪女怪獣 スノーゴン
冷凍怪獣 ギガス
凍結怪獣 ガンダー
冷凍怪獣 ペギラ
冷凍怪人 ブラック星人(RB)
ミニ宇宙人 ポール星人(RB)
一角超獣 バキシム
蛾超獣 ドラゴリー
異次元怪異 ネウロイ(GX-14)
八つ切り怪獣 グロンケン
登場
春も半ばになったある日、関東一帯を季節外れの大寒波を襲った。突然の猛吹雪で交通機関は麻痺し、多くの都市機能がストップしたのだ。
それは、東京郊外にあるCREW GUYSジャパン基地 フェニックスネストも、例外ではなかった。
「うひぃー!とんでもなく寒いなこりゃ………」
ある程度雪が弱くなったのを見計らって基地周囲の雪かきをしていたシャーリーは、防寒しながらも冷たい風に震えていた。そこにバルクホルンも加わる。
「だが、この雪を何とかしておかねば、緊急時に出動できなくなってしまう………今、GUYSの方でこの異常気象の解明に当たっているそうだが、早く原因を突き止めてくれればいいのだが……」
スコップ片手にため息をつくバルクホルン。すると、同じく雪かきをしていたリュウと美緒が近づいてきた。
「おう、すまねえな。」
「アイハラ隊長!」
「隊長自らとは………」
「ま、これくらいはやっておかないとな。」
「ところで、宮藤たちを見なかったか?」
美緒はキョロキョロと周囲を見渡して尋ねた。すると、シャーリーは一方を指さした。
「あっちで、雪合戦してますよ。」
「「「「わーい♪」」」」
指さした先では、芳佳がルッキーニやひかり、ニパと一緒に雪合戦をしていた。
「あいつら………」
「ほっとけ。それより、ミライたちを見なかったか?」
呆れる美緒にリュウが言う。リュウに聞かれたバルクホルンは少し顔を引きつらせながら一方を指さした。
「あっちで、雪合戦してますよ。」
「「わーい♪」」
「連れ戻せ。」
芳佳たちと一緒に雪合戦をするミライとアスカに、リュウは冷たく言い放った。
☆★☆★☆★
「ったく、一緒になって遊んでんじゃねーよ………」
数分後、フェニックスネストに戻って来たリュウは、ミライとアスカに苦言をしめしていた。
「いやー、悪い悪い。ミライが、雪見たの初めてって言うモンだから………」
「すみません、地球の雪って初めてだったから………」
アスカとミライが申し訳なさそうに謝った。すると、隣を歩いていたひかりが興味深そうに聞いてきた。
「え、光の国って、雪が降らないんですか?」
「うーん、雪って言うか、四季そのものがないかな。年中暖かい気候なんだよ。」
「へぇ~」
光の国の文化を聞いて感心するひかり。そうしている内にディレクションルームに到着した。
「エリー、何か分かったか?」
「はい、こちらをご覧ください。」
エリーはコンソールを操作すると関東一帯の地図が表示され、群馬県の山岳地帯の一点から寒波が発生している事が表示されていた。
「結論から言えば、この寒波は自然に発生したものではありません。寒波の発生源は群馬県榛名山です。」
「榛名山に?でもどうしてそんなところに……?」
ミサキ女史の説明に美緒は首を傾げた。エリーは再びコンソールを操作した。
「榛名山の調査をするために発進した、偵察用ドローンからの映像です。」
ディスプレイが切り替わって、吹雪の山中の映像が表示された。そして、吹雪の向こうに巨大な2体の怪獣が姿を現した!
『バオーーーッ!』
『プルップォーーー!!』
1体は全身が白い毛皮で覆われた1本角の怪獣、
もう1体は、カタツムリの触角のように飛び出た両目と、エイかあるいは
「怪獣!?」
「しかも、2匹も………!!」
怪獣の出現に驚く一同。2体の怪獣は殴り合っている様子だったが、一度離れた場面で映像が一時停止され、それぞれスキャンされた全身像が表示された。
「怪獣はそれぞれドキュメントUGとMATに記録がありました。白い毛皮の方はレジストコード『雪女怪獣 スノーゴン』、目が出ている方は『凍結怪獣 ガンダー』、どちらも冷凍能力を持った怪獣です。」
「冷凍怪獣……?」
「この2匹のせいで、寒波が起きてるというのか………!?」
バルクホルンが驚きで声を震わせ、リュウが怒りを込めた声で呟いた。
「現在、2体の怪獣は姿を消しています。そのために吹雪は止んでいますが、また現れれば吹雪が吹く可能性があります。」
「あの2匹は、それぞれ『ポール星人』と『ブラック星人』が操る怪獣です。恐らくは、星人がどこかに隠れていると思われます。」
エリーの報告にミサキ女史が付け加える。その報告を聞いたリュウは拳を強く握りしめた。
「ふざけやがって……何を考えてんだ宇宙人……!」
「だが、怪獣同士で戦っていたのが気になるな…何かあるのか………?」
美緒が訝しんで首を傾げていると、リュウは皆に指示を出した。
「よし、吹雪が止んでいる間に、怪獣を探して迎撃をする。万が一に備えて、コウジとマイはガンブースターと待機を頼む。GUYS, Sally Go!!」
「「「G.I.G.!!」」」
リュウの指示に一同が返事をする。すると、そこにミーナが申し出てきた。
「アイハラ隊長、私たちも今回の作戦に参加させてください。私やサーニャさんなら、怪獣や宇宙人の捜索に役立つと思いますので。」
「そうだな……よし、頼むぜ。」
「「はい!」」
かくして、GUYSとウィッチによる2大冷凍怪獣討伐作戦が開始された。
☆★☆★☆★
同じ頃、次元城の一室にジュダはいた。小さい椅子に腰かけて目を閉じて、切っ先を下に向けた『バッドキャリバー』を握り、瞑想をしているようだった。
『………』
『ジュダよ………』
『ジュダよ………』
目を閉じるジュダの頭の中に声が響く。
『モルド兄上……ギナ姉上………』
『ジュダよ、状況はどうなっている?』
『はい。ウルトラマンや地球人たちとの戦いで力は集まっています。』
頭の中に響く声にジュダが答える。再び声が響いた。
『それで、もう1つの方はどうなっている……?』
『それが………レッドマンの対処に追われていて、まだ……』
『……まぁいいだろう、急ぐ必要はない。時間はいくらでもある。』
ジュダは申し訳なさそうに答えると、声の主である2つの声はあまり気にしないように答えた。
『ジュダよ、我らの使命を必ず果たすのだ………』
『はい必ずや………』
ジュダが小さく答えると、頭の中の声は聞こえなくなった。
『………使命は果たす。だが、その後は………』
2つの意思が完全に消えたのを確認したジュダは小さく呟きながら立ち上がった。
部屋から出たジュダは、場内が騒がしい事に気が付いた。
『……?何かあったのか?』
『グア!?ジュ、ジュダ様!!瞑想のお時間では………!?』
『今終えたところだ。それより、何があったのだ?』
ジュダは近くにいたグア兵に聞いた。グア兵は慌てた様子だったが、ジュダの質問に答えた。
『それが、ヤプール様が無断で超獣とネウロイを出撃させたんですグア!!』
『何だと……?』
☆★☆★☆★
十数分後、榛名山にガンフェニックスとミーナ、芳佳、ひかりが到着した。
「ここのどこかに、宇宙人が隠れているのか………?」
ガンフェニックスの後部座席でカナタがレーダーを睨みつける。ミーナも自身の『空間認識』で辺りを探していると、山の中腹辺りに不審な反応を見つけた。
「あれは……山の雪の中に、大きなものがあります!」
「確かか?」
「はい、間違いありません!」
ミーナは確信を持って返事をした。それを聞いたリュウたちは、機体を操作してその場所に向かうと、サーチをかけた。確かにその場所に、金属の反応があった。
「このサイズは、宇宙船のようだな………」
「吹雪に紛れて、雪の中に隠れていたのか………」
「もう1機も同様に隠れていそうだな………」
「よし、すまないがミーナ、もう1機の捜索を―――」
リュウが指示を出そうとしたその時、ガンフェニックスのコンソールがけたたましいアラート音を発した。
「隊長!ヤプールエネルギーを観測しました!」
「何!?」
リュウが驚く間もなく、空中が割れるように穴が開き、2体の怪獣、いや超獣が現れた!
「ゴガァーッ!ゴガァーッ!」
「ギュウュロロロロ!ギュウュロロロロ!」
1体は青い芋虫のような腹や手足とオレンジ色の結晶体のような頭と背中、尻尾を持ち、レーダーのような生物感のない目と頭頂部には銀色の1本角が生えた『一角超獣 バキシム』、
もう1体は、緑色の蛾の羽のようなザラザラした体表に大きな複眼と牙の生えた口、手や腰には虫の羽のようなものを持った『蛾超獣 ドラゴリー』だ!
「バキシムにドラゴリー!?」
「超獣が2体も………!?」
超獣が一度に2体も現れた事に驚いていると、バキシムは山に向けて両手を向けてその間から火炎放射を放ち、ドラゴリーも別の方向に向けて口から火炎放射を放って山を焼き始めた!
「アイツら、何をする気だ!?」
超獣の不可解な行動に一同が困惑していると、山の中から2機の円盤が飛び出してきた!
「あ、円盤が出てきた!!」
「ヤプールもあの宇宙人を探していたのか?だが、何のために………?」
「ゴガァーッ!」
「ギュウュロロロロ!」
困惑する一同を余所に、超獣たちは上空の円盤に標的を定めた。バキシムは両手の先からバルカン砲を放ち、ドラゴリーも両手からミサイルを連射して攻撃をしてきた!
円盤はジグザグに動きながら攻撃を回避すると、超獣たちから距離を取った。その時、円盤からそれぞれ小さな光が飛び出したかと思うと、地面で巨大化して地響きと共に怪獣の姿となった!
「ギゴオーーーッ!!」
「ギュイーーーッ!!」
「怪獣が!?」
「やっぱりあの円盤が………でも、さっきの2匹とは違う………?」
1体は白い体毛を持ったゴリラのような怪獣、もう1体はコウモリのような翼と角の生えたアザラシのような顔を持った怪獣だった。カナタが直ぐにアーカイブから怪獣のデータを検索すると、ドキュメントSSSPと、防衛チームが存在しない時期に出現した怪獣や宇宙人が記録された『アウト・オブ・ドキュメント』にそれぞれ記録が確認された。
「ゴリラみたいな方は「ギガス」、コウモリみたいな方は「ペギラ」!どっちも冷凍怪獣です!」
「別の冷凍怪獣!?」
「ギゴオーーーッ!!」
「ギュイーーーッ!!」
「ゴガァーッ!!」
「ギュウュロロロロ!」
ギガスとペギラはバキシムとドラゴリーとにらみ合うと、同時に駆け出してぶつかり合った!
「ギゴオーーーッ!!」
「ギュウュロロロロ!」
ギガスはドラゴリーに殴り掛かると、ドラゴリーはその拳を受け止めた。そのままドラゴリーは片腕だけで倒そうとするが、ギガスは全く動じず、逆に押し勝って転倒させるとその顔面にパンチを打ち込んだ!
「ギュウュロロロロ!?」
「ギゴオーーーッ!!」
ドラゴリーが悲鳴を上げながらも立ち上がるが、ギガスは容赦なくボディブローを叩き込んでドラゴリーを吹き飛ばした!
「ゴガァーッ!!」
「ギュイーーーッ!!」
一方のバキシムは両手の先端と鼻先からバルカン砲を放ってペギラに攻撃をするが、ペギラは翼を羽搏かせて飛翔して回避、そのまま飛び続けて回避するペギラをバキシムは追撃するが、ペギラはひらひらと避けながらバキシムに接近、その口から冷凍光線を放った!
「ゴガァーッ!?」
バキシムはそれを回避するものの、その瞬間、バキシムは弾かれるように宙を舞い、地面に墜落をした!
ペギラの武器である冷凍光線は、放射されると反重力現象が周囲に起こり、あらゆる物体が巻き上がるのだ。一説によれば、ペンギンの突然変異体であるペギラが空を飛べるのは、この能力に起因しているとされている。(民明書房刊『飛べない鳥が飛んだ!』より)
「すごい戦い………立ち入る隙がない………!」
「でも、おかしくないですか?超獣は怪獣よりも強いはずなのに………?」
「たしかに……一体どうなっているんだ?」
怪獣と超獣の戦いに圧倒されたカナタが呟く中、ふと、芳佳が疑問を漏らした。
確かに、怪獣と超獣では戦力差が大きいはずだ。しかし、目の前では怪獣相手に超獣は手も足も出せていないではないか。何が起こっているのか疑問に思っていると、バキシムとドラゴリーが地面に倒れて地響きを起こした。
「ゴガァ………!」
「ギュウ………!」
「ギゴオーーーッ!!」
「ギュイーーーッ!!」
倒れた2匹を前にギガスとペギラが雄叫びを上げた。そのまま2匹は超獣に近づいていくが、その時、上空から赤い光線が降り注ぎ、周囲で爆発が起こった!
「な、なんだ!?」
「今のは……?」
2人が上空を見上げると、そこには先端が尖った戦闘機のようなボディに先端が垂直に曲がった短い翼と後部に球体を持ったネウロイの姿があった!
「キィィイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーー!」
「ネウロイまで……!?」
更にネウロイまで出現した事に驚く一同だったが、ネウロイは怪獣への攻撃を続け、周囲に爆発が巻き起る!
「ギゴオーーーッ!?」
「ギュイーーーッ!?」
「キィィイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーー!」
「ネウロイまで出てくるなんて………!?」
ギガスとペギラが爆発にたじろいでいると、バキシムとドラゴリーが立ち上がって反撃をしようと向かって行った!
『ヤプールめ、調子にのるなよ!!』
「!?今のは………」
「あの円盤からか!」
突然聞こえてきた声にカナタたちが戸惑うと、円盤から小さな光が飛び出して2体の怪獣、スノーゴンとガンダーに姿を変えた!
「バオーーーッ!」
「ギゴオーーーッ!!」
「プルップォーーー!!」
「ギュイーーーッ!!」
「あの怪獣は…!!」
「やっぱり、あの円盤に怪獣を操る宇宙人が!!」
現れた2体を見てカナタと美緒は驚きの声を上げる。4体の冷凍怪獣の揃い踏みに超獣たちは一切の動揺もないのか、ネウロイと共にひと鳴きをして戦闘を開始した!
「キィィイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーー!」
「ギュイーーーッ!!」
飛び上がったペギラがネウロイに向かって行く。ペギラはネウロイの攻撃を回避すると、口から冷凍光線を直撃させてネウロイを氷漬けにしてしまった!
「キィイーー………」
氷漬けになったネウロイはフラフラと地面に向かって落下、そのまま地面に激突すると、砕け散った。
「バオーーーッ!」
「ギゴオーーーッ!!」
「ギュウュロロロロ!」
ドラゴリーはギガスとスノーゴンを相手取っていた。ドラゴリーは口から火炎を放ってきたが、ギガスは口から冷凍光線を放って相殺、爆発で発生した衝撃波に双方が動きを止めた瞬間を狙ってスノーゴンがドラゴリーに接近して殴り掛かった!
「ギュウュロロロロ!!」
ドラゴリーが数歩後退をすると、ギガスがスノーゴンの共に接近してパンチを打ち込むが、ドラゴリーはそれを受け止めた。しかし、2匹の怪獣はそのままドラゴリーを押し返して地面に叩き付ける!
『超獣をカチンカチンにしてしまえ!!』
「バオーーーッ!!」
「ギゴオーーーッ!!」
円盤から星人の指示が飛び、スノーゴンは両手を合わせるとその指先と口から「凍結スノーフリーザー」を放ち、ギガスも冷凍光線を放った!
「ギュウュロロロロ~~……!!」
ドラゴリーは全身に冷凍ガスと冷凍光線を受けて凍り付く。スノーゴンは凍り付いたドラゴリーに近づくと馬乗りになり何度も殴りつけると、凍って脆くなったドラゴリーの手足や頭を文字通り千切っては投げ千切っては投げて解体してしまった!
「ひいっ………!!」
「流石に惨いな………!!」
ドラゴリーの惨状にひかりとリュウが顔を歪める。
「ゴガァーッ!」
「プルップォーーー!!」
一方、ガンダーと対峙していたバキシムは、両手からの火炎で応戦するも、ガンダーは口から強力な冷気を放ってそれを防ぐ。その隙を突いてペギラが後ろから飛び蹴りを頭部に喰らわせて転倒させた。
「ゴガァー……!?」
「プルップォーーー!!」
ガンダーは追撃でペギラと共に冷気と冷凍光線を放とうとするが、バキシムは咄嗟にガンダーに頭を向けると頭頂の一本角をミサイルのように発射した!
「プルップォーーー!?」
ドォンッ
ミサイルはガンダーに直撃をして、爆炎が舞い上がる。バキシムは立ち上がると飛び上がり、空中に割れるように開いた穴に飛び込んで穴を閉じてしまった。
「逃げたのか………」
「プルップォーーー!!」
バキシムが逃走したのを見てリュウが呟くと、爆炎の中から大してダメージを受けていない様子のガンダーが現れてひと鳴きをした。ペギラやスノーゴン、ギガスが集まってくると、円盤から声が響いた。
『見たか!我らの怪獣で、超獣を追い返したぞ!』
『その通りだ!我らレイオニクスの力を持ってすれば、超獣など恐るに足らず!』
「レイオニクス………?」
円盤から聞こえる声にカナタは首を傾げる。その時、円盤の上部からホログラムが現れて、尖った顔から直接手足が生えたような『ミニ宇宙人 ポール星人』と、血走った大きな目と角を生やし中央に赤い発行体を持った『冷凍怪人 ブラック星人』の姿が映し出された。
『我々のレイオニクスバトルの邪魔は、何人たりとも許さない!そのために吹雪を起こしたが、まさかウルトラマン達だけではなく超獣までも引き寄せてしまうとはな………』
「まさか、怪獣同士で戦わせるのに吹雪を………!?」
ブラック星人とポール星人の目的が怪獣同士の戦闘と聞いて、リュウが静かに怒りと不快感を露わにする。その時、凍り付いて地上に墜落したネウロイのボディの一部が赤く光ったかと思うと、その身を再生させて再び空へと浮上をした!
「コアは無事だったのか!?」
「キィィイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーー!」
ネウロイは大きくひと鳴きをすると、周囲に赤い光線を放ってきた!
「くっ………!」
「ガンフェニックス、スプリット!」
ネウロイは上空のガンフェニックスとウィッチたちに狙いを定めて攻撃を仕掛けながら突っ込んで来た。ガンフェニックスは分離をしてガンウィンガーとガンローダーがネウロイを迎撃するも、ネウロイはビームを放ち続けて攻撃の手を緩めない。しかし、ウィッチたちはその隙にネウロイの上に回り込んだ。
「攻撃開始!」
「「了解!!」」
ミーナの号令で芳佳とひかりが銃撃を浴びせる!ネウロイの装甲が少しずつ剥がれ落ちていくと、ネウロイは上部から光線を放ってきた!咄嗟にシールドを展開させて防御をするが、ネウロイの攻撃は続く。
「キィィイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーー!」
「くっ……!意外に強い………!」
ネウロイの猛攻に苦戦をしていながらも、どうにか反撃の機会を狙っていると、その時
「バオーーーッ!」
「ギゴオーーーッ!!」
「プルップォーーー!!」
「ギュイーーーッ!!」
「!?」
「何だ!?」
突然、4代冷凍怪獣の咆哮が山間に響いた。何をするかと思っていると、怪獣たちの口から冷気や冷凍光線を放ちながら回転をし始めると、次第に天候が悪化していき、大吹雪となって辺り一面を覆い尽くした!
「うおぉーーーっ!!?」
「きゃああ!?」
「キィィイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーー!」
上空のウィッチたちとガンマシン、ネウロイは猛吹雪で飛行が難しくなっていき、ついに強風に流されて地面に向かって墜落をしてしまった!
『ふん、地球人共諸共吹っ飛ばされたか………』
『怪獣達は休息が必要だな………時間をおいて仕切り直すとしよう。』
円盤内のブラック星人とポール星人はそう取り決めると、怪獣たちは光になって円盤に回収されていった。円盤は山の斜面に着陸をして雪の中に消えるが、吹雪は病む様子がなかった………
☆★☆★☆★
「ぅう………」
雪の上に墜落をしたミーナは、冷たい感覚に目を覚ました。起き上がって周囲を見ると、自分と同じように墜落した芳佳とひかりの姿があった。
「ふ、2人とも………!」
ミーナは何とか2人の元に向かい、抱きかかえた。2人とも気絶をしているようだが、傷はあまりないようであった。
「こちらミーナ、アイハラ隊長、応答願います。」
ミーナはインカムに通信をするが、ノイズが聞こえるだけで返答がない。墜落の衝撃で壊れたのか、宇宙人たちの妨害化は不明だが、連絡が取れない状況にあった。
「何とか、吹雪を凌げる場所でもあれば………」
周囲を見渡すが、見渡せる範囲には木々しか見えず、洞窟のような場所は見当たらない。どうするべきかを悩んでいると、その時、サク、という音が手元で聞こえた。何かと思ってみてみると、それは雪の上に赤い薔薇が一輪刺さっていた。
何故薔薇が?と疑問を思うが、よく見ると少し離れた場所にも同じように薔薇が、等間隔で雪の上に刺さっていた。まるで道標のようだと思い目で追うと、そこには大きなかまくらのようなものが見えた。
「いつの間に………」
先ほどまでなかったはずのものを見つけて何かの罠かもしれないと思ったが、今は悩んでいる暇はない。ミーナは芳佳とひかりを抱えると、赤い薔薇を辿るようにかまくらに向かって歩き始めた。
「失礼します………」
かまくらに到着したミーナが入り口から中をのぞきながら声をかけた。かまくらは意外に広く中央にはストーブらしきものがパチパチと燃えていた。15㎡くらいはあるのではないだろううか。その中央に、こちらに背を向ける白いスーツにソフト帽を被った男性の姿があった。
「ああ、ようこそ、美しい
「は………?」
こちらに振り返った男性は赤い薔薇を右手に持ち、眼鏡をかけた顔で笑いかけてきた。
つづく
第三十七話です。今回から新章です。
・冒頭の罰当たりどころか宗教問題不可避のグロンケンは、今回のレイオニクス編のキーになる予定。
・今回は冷凍怪獣祭り。序盤の雪合戦の件はお気に入り。
・瞑想するジュダ。モルドとギナの意思が実は残っていて、ある企みをしていました。
・超獣対怪獣対ネウロイ。怪獣側はレイオニクスのバフかかっているため超獣すら圧倒しています。ヤプールがレイブラッド星人を恐れる理由を、自分なりに表現してみました。
ネウロイのモチーフはマッキー3号。
・何回か登場した謎のレイオニクス本格登場。今回のキーマンとなります。
・ところで、ガンダーが裃着たように見えるのは自分だけかな?
では、次回もお楽しみに。