ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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少し遅れてしまいましたが、明けましておめでとうございます。


第四十話 不可視の射手

ネウロイ襲撃から十数時間後―――

 

 

 

 

 

「―――ううん………」

 

芳佳が目を覚ますと、そこは医務室のベッドの上であった。起き上がると、それに気づいたリーネが声をかけてきた。

 

「芳佳ちゃん!大丈夫……?」

「あ、うん。ありがとう………」

 

芳佳は腕や足に包帯を巻いた状態であったが、リーネに笑いかけた。そこでふと、気を失う前に起きた出来事を思い出した。

 

「!あ、そうだ!あのネウロイ………どうなったの!?」

「落ち着いて、芳佳ちゃん………」

「芳佳ちゃん、起きたの?」

 

リーネが芳佳を落ち着かせていると、医務室にミライが入って来た。

 

「ミライさん!よかった、無事で………!」

「芳佳ちゃんもね。ミーナ隊長やひかりちゃんも大した怪我もないし、街にもほとんど被害がなかったよ。」

 

芳佳にミライが優しく話しかけた。芳佳がホッとしていると、メモリーディスプレイにリュウから通信が入った。

 

[芳佳、起きてから早速で悪いが、すぐにディレクションルームに来てくれるか?]

「えっ……?はい……」

 

芳佳が返事をするとミライは先に退室し、芳佳は着替えをして医務室を出た。

 

 

 

 

 

第四十話 不可視の射手

 

異次元怪異 ネウロイ(GX‐15・GX‐16)

登場

 

 

 

 

 

「改めてみんな、よく無事だったな………」

 

フェニックスネストで、トリヤマが皆を見渡し笑顔で言った。アスカや我夢、ムサシが頷いた。

 

あの時、メビウスと同様にナースがウルトラマンに拘束されて直ぐに砲弾のようなネウロイが飛んできた。それを察知したダイナたちはそれぞれストロング、スプリーム・ヴァージョン、コロナモードにタイプチェンジをすると力尽くでナースを引きちぎり、砲弾ネウロイに攻撃をした。ネウロイは止まらなかったものの威力は弱まり、着弾をしても被害は出なかった。怪獣たちはその時の衝撃波で気絶をしたため、ナースたちが撤退しいたのを確認してから、元居た場所に返して今は休眠中だ。

 

「キングザウルス三世は芳佳ちゃんの障壁で軌道がずれたネウロイの直撃で絶命したけど、幸いバリアを張っていたおかげで爆発はバリアの内側に止まり、被害は最小限に収まりました。ただ、衝撃波で周辺の建物などはかなりの被害が出ています。

「そうか……だが、不幸中の幸いだ。死者も出ず、街への大きな被害もなかったんだからな……」

 

エリーの報告を聞いたリュウは、モニターに映る背中を大きく抉られたキングザウルス三世の死体を見ながらため息をついた。

 

「宮藤さん、あのネウロイが飛んできたときに、何か気づいた事はありますか?」

「あ、はい。あのネウロイが飛んでくる前に、メビウスに巻き付いていたナースの目がチカチカって点滅していたんです。」

「点滅を?」

「恐らく、あのナースはウルトラマンを拘束して遠くにいる別のネウロイに信号を発信、その信号を狙って砲撃をしてきたのでしょう。」

 

芳佳の話を聞いて我夢が推測をした。

 

「あのナースは怪獣を操ってウルトラマンをおびき出して、砲撃をする別のネウロイが砲撃をするための目印(マーカー)だったのか……。」

「じゃあ、その砲撃をするネウロイを探さないと………」

 

リュウの言葉にひかりが口に出すが、我夢がコンソールを操作して、戦闘記録映像から算出された砲弾ネウロイの全体像が映し出された。

 

「計算をしたところ、この砲弾ネウロイの全長はおよそ390㎝、直径は80㎝になります。」

「口径80㎝!?」

「扶桑の戦艦大和の主砲でも、43cmって聞いてるのに………」

「そんな大きさの大砲なんて、あるわけないダロ!」

 

我夢の出した数字の大きさに、全員が驚きの声を上げた。そこに、直枝が口を開いた。

 

「まさか、『グスタフ』か?」

「グスタフ?」

「それって確か、カールスラントの巨大列車砲だったか?」

「ああ、オレ達502がネウロイの巣を破壊するのに導入されたんだけど、ネウロイに壊されちまってな………」

「確かに、アレの口径は80㎝だったけど………」

 

直枝の説明にニパも補足をするように言った。そこにコウジが発言をした。

 

「たしか、前大戦時にドイツでも開発がされていましたね。」

「この世界にも、グスタフがあったのか………」

「仮にあったとしても、旧ドイツ軍の兵器が日本にあるわけないよなー」

 

話を聞いていたアスカがつぶやく。しかし、ふと横を見ると、トリヤマが何故か顔を青くして脂汗をかいていた。

 

「どうしたんだよ、補佐官?」

「………あるのだよ………」

「え?」

「何が?」

 

リュウが聞くと、トリヤマは少し躊躇いながらも答えた。

 

 

 

 

 

「………グスタフの“3()()()”が、日本にあるのだよ!!」

「「「………えええぇーーーッ!!!???」」」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

1975年1月、悪魔の星「ブラックスター」から現れた『円盤生物 シルバーブルーメ』によって防衛チーム『MAC(マック)』が壊滅し、地球の防衛線が無防備となってしまう。特にウルトラマンレオの防衛する日本は円盤生物の被害が大きかった。

 

そこで、当時の防衛軍は世界各地に兵器の提供を依頼し、ドイツからは未完成だったグスタフの3号機を対怪獣用に改修されて提供される事が決定をした。

 

しかし、改修と輸送に手間取ってしまい、ようやく日本に到着した時にはブラックスターはウルトラマンレオによって完全に破壊され、グスタフは無用の長物となってしまった。

 

その後、新たな防衛組織である『UGM』の編成や兵器開発のゴタゴタの間にグスタフは余所に保管され、やがて忘れ去られていたのだ………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「まさか、ヤプールがそれを見つけてネウロイ化させたってのかよ!?」

 

トリヤマの話を聞いたリュウが思わず大きな声を上げた。そこに、ムサシはトリヤマに聞いた。

 

「補佐官、何でそんな事を知っていたんですか?」

「当時、グスタフの輸送任務を指揮していたのは、わしだったんだ………」

「なんと………!!」

 

トリヤマの発言に、皆言葉を失った。

 

「それで、グスタフの保管場所は?」

「それが、当時のゴタゴタで資料のいくつかが紛失してしまって………どこかの山奥という事は覚えているのだが……」

「そうか……」

 

トリヤマの申し訳なさそうな顔で、リュウは肩を落とした。芳佳やひかりもどうしたものかと頭を悩ませていると、サンダーバード基地のディレクションルームのドアが開き、ミサキ女史が入って来た。

 

「失礼します。ミーナ隊長宛に、お届け物が届きました。」

「え?私?」

 

ミーナがキョトンとして、自分に指をさした。

こちらの世界で怪獣やネウロイと戦っている内に、ファンレターなどが届く事があった。芳佳たちはそれを嬉しそうに開けて読んでいたのを覚えている。

ミサキ女史は手にした赤い薔薇の花束をミーナに差し出すと、ミーナは少し戸惑った様子で受け取った。

 

「薔薇の花束とは、情熱的だな………」

 

バルクホルンが少し顔を引きつらせて呟く。何故か芳佳とひかりは冷たい視線を送っていたが。

ミーナは苦笑をしながら受け取った花束を見ると、花束に手紙が添えてあった。

 

「あら、これは……」

 

ミーナは手紙を手にして開けて読むと、目を見開いて驚いた。

 

「これは………」

 

手紙には『Ein Zuggeschütz Neuroi lauert in einem Tunnel in der Nähe des Berges Haruna in der Präfektur Gunma.』と書かれており、翻訳すると………

 

「『群馬県榛名山付近のトンネルに、列車砲ネウロイが潜んでいる。』………!?」

「何!?」

 

手紙の内容を聞いた一同が驚きの声を上げる。芳佳がミーナに聞いた。

 

「それって、本当なんですか!?」

「どうやら、そうみたいね……ご丁寧に地図も添えてあるわ………」

「だとしたら、一体だれがこんな物を……?」

 

我夢が疑問を口にするが、答えは出なかった。しかしミーナは、司令官席の一輪挿しと手にした花束を見て、ある人物が思い浮かんだ。

 

(まさか、彼が………?)

「とにかく、その情報が正しいならネウロイを捜索して、列車砲ネウロイを叩くぞ!」

「はい!」「そうだな!」

「……え、ええ。」

 

リュウがそう言うと芳佳やアスカが返事をし、ミーナもはっとしたように返答し、全員が動き始めた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

群馬県榛名山近くの山中、そこの上空にガンブースターを筆頭とした4機の戦闘機とウィッチ14名が到着をした。

 

「この辺りだな………」

 

リュウが目的地に着いたため、皆に指示を送ろうと通信機のスイッチを入れた。しかし、通信機のスピーカーからは耳障りな砂嵐のような音しか聞こえない。

 

「何だ?」

「妨害電波………!?」

 

通信が妨害されている事に気付いて、後部座席のミライが声を上げた。そのことに気付いたらしいウィッチやアスカたちにハンドサインで着陸するように指示を出すと、近くの開けた場所に着陸をして集まり、話し合いを始めた。

 

「通信を妨害されてるって事は、この近くにネウロイが潜伏してるってのは本当らしいな。」

「ああ。ここからは複数班に分かれて山を散策しよう。発見したら、信号弾を発射してくれ。」

「「「G.I.G.!!」」」

 

リュウの指示で一同は3つの班に分かれ、地図に記された地点を中心に捜索を開始した。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「例のポイントには、この辺りが一番近いんだけど………」

 

ミーナを筆頭に芳佳、リーネ、ペリーヌ、ミライが銃を構えながら周囲を散策していた。ミライはメモリーディスプレイにダウンロードされたデータを再度確認していた。

 

「資料によれば、グスタフの全長は47.3m………それだけの物を隠すとしたら、どこかどこか大きな洞窟とかが必要になってくるはずですけど……」

「ウルトラマンと同じくらいの大きさなんですね………」

 

ミライの言葉にリーネが呟く。すると、ペリーヌは我夢が首を傾げている事に気が付いた。

 

「うーん………」

「我夢さん?どうかしましたの?」

「いや、例のネウロイが列車砲を取り込んだとして、あれだけの威力を出せるのかなあって思って………」

「言われてみれば………」

 

我夢の疑問にミライも同意するように考え込んだ。確かに、群馬県榛名山近くから東京や長野、栃木、山梨まで最長約220kmはある。例えネウロイ化で強化されたとして、そこまでの長距離を攻撃できるのだろうか。

そんな事を考えつつ歩いていると、先頭を歩いていたミーナがすぐ近くに高さが20mはある大きなトンネルがあり、4本の線路が敷かれているのを確認した。

 

「このトンネルなら、グスタフを隠すのにちょうどいい大きさだわ。」

「線路もあるし、間違いなさそうだ………」

 

一同は顔を見合わせて頷き合い、トンネルの目の前まで来た。ミーナは使い魔の耳と尻尾を発現させると、『空間認識』の固有魔法を発動をさせた。すると、ミーナは直ぐに声を出した。

 

「気をつけてください。奥に何かいます。」

「何!?」

 

ミーナがそう言うと、ミライたちは警戒しながらも手にしたライトをつけた。そして、ライトに照らされたのは……

 

「………ひっ………!?」

「これは………!?」

 

そこには、鼻先に1本、頭に2本の角を持った大きな口の怪獣の姿があった。光を当てられても目を閉じているその怪獣の様子を見たミライは、その怪獣が既に息絶えていることを確認した。

 

「死んでる………」

「この怪獣は一体………!?」

 

怪獣の死体を目の前に困惑する一同だったが、ミライが死体を調べようとするが、ふと、背後に気配を感じて振り返った。そこには、白いスーツの男の姿があった。

 

「!?あなたは………」

「やあ、皆さん。」

 

その男、ディオールの姿を見たミーナと芳佳が驚いた顔になった。

 

「どうして、貴方がここに……?」

「いえ、私の提供した情報が役に立っているのか、気になりましてね……」

「やはり、あれはあなたが………」

 

ミーナは予想通り情報を提供したのがディオールと知って納得の顔になる。一方の我夢は、ディオールが例の宇宙人だと理解をした。ディオールは右手の薔薇で、トンネルの中の怪獣を指した。

 

「その怪獣は、地球で『ネロンガ』と呼ばれていた。姿を消す『透明怪獣』にして、電気を喰らう『電気怪獣』だそうだ。」

「ネロンガ………」

「私が見たところだと、腹部の傷が死因のようだ。大きく抉り取られていたよ………」

 

ディオールはネロンガの説明をすると、手にした薔薇の香りを嗅いだ。我夢とミライはディオールの説明を聞いて、ある可能性に気が付いた。

 

「透明怪獣………?」

「まさか……!?」

「え?」

 

芳佳とペリーヌはキョトンとしていたが、ミライは考えを口に出した。

 

「列車砲ネウロイが、ネロンガの遺伝子を吸収した怪獣ネウロイなら………」

「透明化して、この辺りに隠れている、ってことですか!?」

「恐らくは……それに電気怪獣なら、今起きている妨害電波も説明が付く!」

 

我夢の仮説を聞いた芳佳が声を上げると、ディオールはつづけた。

 

「ついでに言うと、数日前の吹雪の時の妨害電波もそのネウロイの仕業だ。私も当初はブラック星人とポール星人の仕業かと思っていたが、どうやら違っていたらしいな。」

「そうだったのか………」

「ヤプールはあの宇宙人を倒したいのと同時に、この列車砲ネウロイを隠すのが目的だったのか………」

「そう考えると辻妻が合うわね……」

 

ミライとミーナがそう推測する。ディオールは笑みを浮かべると、踵を返した。

 

「私から話せるのは以上だ。後は君たちに任せよう。」

「待ってくれ!君は一体………!!」

 

ミライが立ち去ろうとするディオールに声を掛ける。すると、ディオールは振り返らずに答えた。

 

「私はただ愛する人のために情報を提供しただけにすぎない。」

「は……?」

 

ミライはディオールの言った言葉の意味が分からず首を傾げた。ディオールは振り返ってミーナに向けてウインクをした。

 

「な………!?」

 

ミーナは顔を真っ赤にして頬に手を当てる。リーネは妙にはしゃいだ様子を見せていたが、我夢は呆れた顔になっていた。

 

「それでは、失礼。」

 

そう言って、ディオールは姿を消した。その様子を見た一同は唖然としていたが、その時、地響きと共に森の中で土煙が上がり、大きな鳴き声が聞こえてきた。

 

「ガァアーーーァアウ!!」

「!?」

「怪獣の鳴き声………列車砲ネウロイか!!」

 

ミライたちは直ぐに臨戦態勢になるが、直後に信号弾が上がったのを確認した。

 

「信号弾!?」

「まずい、誰かがネウロイの近くにいるのか!!」

「急ごう!!」

 

我夢とミライの言葉に全員が走り出す。ディオールはそれを見送ると、森の中に消えて行った。

 

「電気怪獣……?まさか、あのネウロイは………!!」

 

走りながら、我夢の脳裏にある考えが浮かんだ。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

信号弾が上がる数分前、リュウとアスカはエイラとサーニャ、ニパらと共に森の中を捜索していた。

 

「本当にこっちか?」

「はい、こっちの方に怪獣くらいの大きさのものの反応があります。」

 

使い魔とレーダー針を出現させたサーニャがリュウに答えた。リュウは前方を見据えていると、急に大きく開けた場所に出た。

 

「あれ?何だここ?」

「何だか不自然に開けているナ………」

「!?目の前に、大きな影が……?」

「何!?」

 

サーニャが叫ぶが、目の前には開けた場所があるだけで怪獣の影も形もない。レーダーの反応を見ていたサーニャ自身も不思議そうにしていたが、その時、目の前の広場が不自然に歪んで何かが動いているように見えた。

 

「何だ?」

 

その光景を見た瞬間、アスカが首を傾げた。何だろうと思っていると、目の前に黒い金属のような装甲が現れて行き、段々とその姿が露わとなった!

 

「ガァアーーーァアウ!!」

 

全長50mほどはあり、怪魚めいた尖った顔の鼻先に1本角、サメのようなギザギザの歯を持った口の四足歩行怪獣のような見た目を持ち、背中には30m以上はある巨大な大砲を持った怪獣ネウロイが、大きく咆哮を上げた!

 

「こいつが列車砲ネウロイか!?」

「透明になって、姿を隠していたのか………!!」

 

リュウが驚きの声を上げ、アスカは冷静に分析をする。ネウロイはリュウたちに気付いていない様子だったが、リュウは指示を飛ばした。

 

「信号弾を撃て。」

「でも、それじゃあネウロイに気付かれるんじゃあ………!?」

「ネウロイは多分、信号弾に目を向ける。その隙にガンブースターとストライカーユニットの方に向かうぞ!!」

「あ、そうか!」

「了解!!」

 

リュウの指示を聞いて、ニパが信号弾を上空に向けて発射する。するとネウロイは打ち上げられた信号弾に反応をして視線を上に向けた。その隙に、5人はストライカーとガンブースターのところまで走る。

 

「アイハラ隊長!!」

「無事だったか!」

 

5人が着陸したポイントまで来ると、既にミライたちも来ており、我夢も心配そうな顔で待っていた。

 

「皆さん、ご無事でしたか……!?」

「ああ、何とかな……」

 

リュウが短く返事をすると、我夢が少し慌てた様子で話しかけてきた。

 

「隊長、あのネウロイはグスタフだけではなく、『透明怪獣 ネロンガ』の遺伝子も取り込んでいます。」

「透明怪獣?だからさっき………」

「ネロンガ………確か、エレキミクラスを生み出すのにデータが使われていたな………」

 

リュウが思い出したように呟くと、我夢は続けた。

 

「ネロンガは電気怪獣でもある事を考えると、透明化と妨害電波は副産物と言えます!あの砲身に電流を流すことで電磁気を生じさせて、『レールガン』にしている可能性があります!」

「レールガン……!?」

「それって確か、電磁力で弾丸を高速で撃ち出す兵器だよな!?」

「そうか、それであれだけの射程距離を出せたのか!!」

 

我夢の説明を聞いたムサシも納得する。一同が列車砲ネウロイの脅威に戦慄している中、エイラが声を上げる。

 

「おい!あいつまた動き出したゾ!?」

「ガァアーーーァアウ!!」

 

列車砲ネウロイは再び鳴き声を上げると鼻先の角を光らせて電撃を放ち、周囲に爆発を起こした!

 

「危ない!!」

「きゃあっ!?」

 

リュウの叫びに咄嵯に回避行動を取ったため直撃は免れたが、爆風で吹き飛ばされて地面に叩きつけられる。

 

「うっ……みんな大丈夫か?」

「何とか………」

 

すぐに立ち上がったリュウが全員の安否を確認する。幸いにも全員が軽傷程度で済んでいた。だが、ネウロイの攻撃はまだ終わっていなかった。

 

「ガァアーーーァアウ!!」

 

ネウロイは再び角から電撃を放ってくるが、今度は全員が散開して攻撃を回避、ウィッチたちは何とかストライカーユニットの元に辿り着くと装着をして上空に発進をした。

 

「みんな、ネウロイの電撃と砲撃に警戒して、あまり近づかないように攻撃をして!」

「「「はい!!」」」

 

ミーナの指示にウィッチたちが返事をすると、ネウロイは上空に向けて電撃を放ってくる!ウィッチたちは回避や障壁で防御をすると左右に展開、銃弾をネウロイに浴びせる。列車砲ネウロイの装甲の表面に火花が散り、数ヶ所に小さな傷が出来たが、大したダメージにはなっていないようだった。

 

「意外と堅いナ………!」

「でも、ダメージが通らない訳じゃない!」

「このまま銃撃を続けましょう!」

 

バルクホルンの言葉に芳佳が答える。皆は攻撃を続けようとするが、その時、山の陰から9機の円盤型ネウロイが現れると、ナースの姿に変形してウィッチたちに迫ってきた!

 

「「「クァーキャアーキャァアーーー!!」」」

「「「クァーキャアーキャァアーーー!!」」」

「「「クァーキャアーキャァアーーー!!」」」

「ナースタイプか!!」

「こいつらまで!?」

 

突然のネウロイの出現に驚くが、直ぐに迎撃態勢に入る。しかし、ナースの群れは一斉に両目からビームを発射してきた!

 

「きゃあ!?」

「くぅ!?」

 

ビームから回避や防御をするものの、攻撃によって陣形が崩れて散り散りにされてしまう。すぐに体制を戻そうとするが、そこに列車砲ネウロイが電撃を放ってきた!

 

「ガァアーーーァアウ!!」

バリバリバリッ

「「「きゃあああ!?」」」

「くぅッ………!?」

 

電撃とビームの掃射にウィッチたちは防御に徹するが、ネウロイは更に追撃を加えようとしてくる。

 

「スパイラル・ウォール!!」

 

だが、金色の粒子を纏ったガンブースターが割って入ると機体を回転させ、金色のバリアで電撃とビームを弾き返した!

 

「アイハラ隊長!」

「待たせたな!!喰らえ、ガトリングデトネイター!」

 

リュウはガンブースターから6門のビーム砲で列車砲ネウロイに狙いを定めると、一斉掃射をする!光線を受けて列車砲ネウロイは頭部と右腕を破損させたが、背中の列車砲への損傷はあまり見られなかった。

 

「ガァアーー………!!」

「まだ足りないか……!!」

《Return to Cruise.》

 

列車砲ネウロイがいまだ健在な事にリュウが悔しそうにしていると、ガンブースターはクルーズモードに戻ってしまう。列車砲ネウロイは動きを止めて再生を始めていたが、その速度は遅いようだった。

 

「再生が遅い……?」

「多分、さっきの電撃を放っていたせいでエネルギーを消耗したのかと………」

「今の内に……!!」

 

列車砲ネウロイが動きを止めて再生に専念をした隙に、ウィッチたちは周囲のナースへの攻撃を開始する。だがその時、ナースの光線がひかりの背後から迫ってくるが、ミーナが間に入って障壁で防御をした。

 

「大丈夫!?」

「す、すみません!!」

「クァーキャアーキャァアーーー!!」

 

ひかりが大声で礼を言うと、ミーナはこちらに鳴き声を上げるナースの眉間を撃ち抜く。すると、破損したナースの眉間の下からコアが露出、さらにミーナが放った弾丸を受けてコアが破壊されると、ナースは粉々に砕け散ってしまった!

 

「やっぱり……先日砲弾が着弾後に頭部のみが逃亡したから、もしかしてと思ったら……!」

「皆さん、コアはナースの眉間です!!」

 

ひかりが皆に向けて叫ぶと、他のナースと戦うウィッチたちは、残った8体のナースの眉間を睨みつけて攻撃を開始、2体の破壊に成功した。

 

「残り6体!!」

 

ウィッチたちは残った6体を睨むと、ナースたちに向けて突撃していく。列車砲ネウロイは再生にまだ時間がかかっているが、あまり時間はかけられないだろう

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

『ウーム、意外と梃子摺るな………』

 

戦いの様子を見ていたヤプールは、左手で顎を撫でながら呟く。

 

『少し時期が早いが、あれを出すか………』

 

ヤプールは右手を翳すと、ナースたちに指示を飛ばした。

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「「「クァーキャアーキャァアーーー!!」」」

「「「クァーキャアーキャァアーーー!!」」」

 

6体のナースは甲高い鳴き声を上げると頭を空に向けると、ボディをうねらせながら上昇を開始した。

 

「何だ?」

「何をする気だ……?」

 

ナースの不可解な動きにウィッチたちが困惑していると、上空でナースは3体ずつ集まると、それぞれ2つに折れるように変形して合体し人型になり、地面に2体の人型ネウロイが降り立った!

 

「クァアー………」

「キィイイ………」

 

スマートな人型を持ち、ボディの各所を『雷紋』のような渦巻き模様とラインで赤く発光させ、両肩と頭頂にナースの頭部を持ちナースの尻尾を垂らし、3本指の手をコキコキ鳴らしながら曲げ伸ばしをすると、唸るように鳴き声を上げてバイザー状の赤い目を光らせた。

 

「合体した………!?」

 

合体したナースの姿に芳佳が息を飲み、他のメンバーたちも驚いている。2体の合体ナースは列車砲ネウロイを守るように立ち塞がり、さながら中国拳法めいた構えを取った。

 

『ふん、なかなかやると誉めてやろう。』

「!?」

「この声、ヤプール!!」

 

その時、その場に何者かの声が響いた。ミライたちはそれがヤプールの声であるとすぐに分かった。ヤプールは姿を見せないまま話を続けた。

 

『だが、合体したこの『宇宙怪異竜人 ナースロイド』は、ウィッチの力のみでは倒せんぞ?』

「ナースロイド………!!」

 

ヤプールが『ナースロイド』と呼ぶ2体の合体ネウロイは顔の前で両腕を交差させて大きく開くと、バイザー上の目から強力な光線を放った!

 

 

 

 

 

つづく




第四十話です。

・キングザウルス三世死亡。完全に犠牲になってしまいましたが、今回は黒幕の列車砲ネウロイの話。

・気付いた方がいるかは分かりませんが、今回の話は『勇者王ガオガイガー』の第16話から着想しました。日本にグスタフ持ち込む理由で円盤生物対策って思いつきました。

・列車砲ネウロイのモチーフは『ウルトラマンタロウ』の潜水艦アイアンフィッシュ。機体の上部に付いた背びれみたいなパーツが光線銃のように見えたのでチョイス。それを列車砲の砲身にして、ネロンガの手足と角を着けてみました。
 前回、バラゴン改造怪獣の中でネロンガが出てこなかったのはこのため。

・ナースロイド登場。ネウロイ化ナースは当初クレージーゴンの左腕に合体して「ナースゴン」とか考えていたけどなんか違うと思いながら「帰ってきたハネジロー」を見てた時にワンゼットを見て、スマートな格闘タイプにしようと思いつきました。変形は所謂『龍星王方式』を少し意識していたりします。

では、また次回。
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