ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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諸々の事情で遅れてしまいました。


第四十一話 雷竜の舞

列車砲ネウロイの出現する数時間前、ニューヨークGUYS総本部に招かれていた坂本美緒は、サコミズ総監に連れられて総本部の機密書庫を訪れていた。

 

「サコミズ総監、私に見せたいものとは一体……?」

「着きましたよ。」

 

サコミズは『868番書庫』と記された扉の前で立ち止まるとメモリーディスプレイで承認させてからテンキーで暗証番号を入力して開錠、自動ドアを開けて美緒と共に中に入った。

書架が林立する部屋の奥、『315』とナンバリングされた鍵のかかった本棚にカードキーを読み込ませて開錠すると、中に入っていた1冊のファイルを取り出した。

 

「これは、『2009年文書』と呼ばれるファイルだ。後2ヶ月ほどしたら公表予定のものだが、君にはこれを見る権利があると判断して、最高総議長の許可を得てここで見せることにしたんだ。」

 

そう言うとサコミズは美緒にファイルを手渡した。美緒は受け取ったファイルを開いて目を通した。

 

「!?こ、これは………!?」

 

その中身を見た瞬間、美緒の顔色が変わった。

 

そのファイルの内容は―――

 

 

 

 

 

第四十一話 雷竜の舞

 

異次元怪異 ネウロイ(GX‐16)

宇宙怪異竜人 ナースロイド

登場

 

 

 

 

 

「クァアーーー!!」

「キィイーーー!!」

 

2機のナースロイドは金属をこすり合わせたような雄叫びを上げたかと思うと、バイザー状の目から赤い光線『龍眼・ドラゴニックレイ』を放ってきた!しかし、光線はウィッチたちの間に金色の光が飛来してきたかと思うと人型となり、光線を弾いてしまった。

 

「メビウス!!」

 

身を挺して自分たちを守ってくれたメビウスの背中に芳佳が叫ぶ。メビウスは振り返って芳佳たちに小さく頷くと、目の前の列車砲ネウロイと2体のナースロイドに向き直った。その時、メビウスの左右にダイナ、ガイア、コスモスが降り立った。

 

『流石にあの数はメビウス1人じゃあキツイでしょ?』

『すみません………助かります!』

 

ガイアの言葉にメビウスが頷く。すると、ダイナが指をボキボキ鳴らしながら列車砲ネウロイを睨んだ。

 

『俺とメビウス、ウィッチたちは列車砲ネウロイを相手にする。ナースロイドたちの方は任せたぞ!』

『はい!!』

「ガァアーーーァアウ!!」

「クァアーーー!!」

「キィイーーー!!」

 

メビウスが返事をしたその時、列車砲ネウロイとナースロイド2機が咆哮を上げる。

すると、右に立っていたナースロイドが右肩のナースの頭を掴んで引き抜いたかと思うと、それはナースの口から刃が生えたような薙刀『龍牙刀』となり、ナースロイドは大きく振り回して構えを取った。

そして左側のナースロイドは頭にあるナースの頭部にある角を引き抜くとそれは2本の剣『龍角剣』となって両手に収まり、同じように大きく振り回してから構えを取る。

 

「武器を出しただと!?」

「武器を使うネウロイだなんて………!!」

 

武器を構えたナースロイドにバルクホルンたちが驚きの声をあげる。ナースロイドは列車砲ネウロイを守るように立ち塞がり、列車砲ネウロイは砲身に電力をチャージし始めた。

 

「この距離で砲撃する気か!!」

『僕らでナースロイドを足止めする!その間に列車砲ネウロイの方を!』

「分かった!みんな、行くぞ!!」

「了解!」

 

メビウスからのテレパシーにリュウとミーナが返事をすると、ウィッチたちも一斉に動き出した。得物を手にした2体のナースロイドが駆け出すと、それを合図に戦いが始まった。

 

「クァアーーー!!」

『フゥッ、ハァアッ!!』

 

コスモスは鳥の翼のように広げる構えを取ると、ナースロイドが振り下ろしてきた龍牙刀を左手のひらで弾いて剃らす。龍牙刀の刀身が地面に叩きつけられた瞬間、コスモスは右手にエネルギーを溜めてナースロイドの腹部目掛けて青白い光弾『ルナストラック』を発射!光弾は見事に命中して、ナースロイドは後方に数百メートル吹き飛んだ。

 

「クァアーーー!!」

 

吹き飛ばされたナースロイドは腹部の損傷を再生させると、龍牙刀を頭上で風車の如く回転させながらコスモスに迫り横薙ぎに振るう。コスモスは空中へ飛び上がって回避すると、ナースロイドの振るった薙刀は宙を切り、その隙にコスモスは上空で赤く光ってコロナモードにチェンジすると同時に、空中に浮遊したまま連続蹴りを放つ「コロナサスペンドキック」をナースロイドの頭部に叩き込む!

 

 

「クァア………!!」

 

ナースロイドは手から龍牙刀を手から離して地面に落とすと、よろめきながら後退る。コスモスはそれを見ると両腕を鳥の翼のように広げた後に腕を伸ばしてエネルギーを溜めて両腕を右側で大きく振りかぶり、振り下ろすと同時に『ネイバスター光線』を発射、直撃を受けたナースロイドは大爆発を起こした。

 

 

 

一方、もう1体のナースロイドと戦うガイア。ナースロイドの振るう龍角剣を『アグルブレード』で受け止めるが、もう片方の剣で切りつけられてしまう!

 

『クッ!』

 

ガイアは咄嗟に後方に飛んで回避をするが、ナースロイドは赤い光線『ドラゴニックレイ』を放って追撃を仕掛けてくる!光線を回避したガイアは体勢を立て直すと、三日月型の光弾『ガイアスラッシュ』を数発連続で放ち反撃する。

 

「キィイーーー!!」

 

ナースロイドは龍角剣を振るって光線を全て弾き飛ばすが、ガイアはその隙に接近をして胴体にキックを叩き込んだ!ナースロイドは両手から龍角剣を取り落として後ろに倒れそうになるが、すぐに態勢を整え直したかと思うと、両手足の甲や膝から龍の爪を思わせる鋲『龍爪拳』が生成されて格闘戦を挑んできた。

 

「キィイーーー!!」

『ハッ!!』

 

ガイアはナースロイドの拳を避けながら額にエネルギーを充填すると、ナースロイドの顔面に目掛けて『フォトンエッジ』を放ち、ナースロイドは顔の前で腕を交差させて防御するも、光線の勢いで後方に大きく後退した。

 

「キィイ………!!」

 

ナースロイドはフォトンエッジのダメージを回復させようとするが、ガイアはその隙を見逃す事なく右手を左側でT字に構え、腕から金色の光を放ちながら右側に回し、腕をL字に構えてクァンタムストリームを放つ!

 

「キィーーー!?」

 

ナースロイドはクァンタムストリームを腹部に受け、そのまま大穴を開けて爆散してしまった。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ガァアーーーァアウ!!」

 

ガイアとコスモスがナースロイドと戦っている間、メビウスとダイナはウィッチたちと共に列車砲ネウロイと戦っていた。

列車砲ネウロイをメビウスとダイナが引き付けている間、周囲をウィッチたちが銃撃で攻撃するが、装甲が厚いのかあまり効果はないようだ。

 

「硬いな、コイツ………!」

 

管野が小さく悪態をついていると、列車砲ネウロイは厚い装甲を砲身にエネルギーを充填(チャージ)し始めていた。

 

「!?マズい、砲撃する気ダゾ!!」

「撃たせる前に叩こうにも、あの装甲じゃあ……!」

 

列車砲ネウロイがチャージしているのを見たエイラとサーニャも焦りの声を上げる。一同が手をこまねいていると、ペリーヌの頭にダイナの声が流れ込んできた。

 

《ペリーヌ!一緒に電撃をアイツに喰らわせてくれ!!》

「え!?」

《アイツは電気を吸収するネウロイだ。その吸収する場所を探すんだ!》

「!分かりましたわ!」

 

ダイナの作戦を聞いたペリーヌは列車砲ネウロイに接近していった。

 

「ここまで近づけば………トネール!!」

バリバリバリバリッ

 

ペリーヌが叫んだ瞬間、列車砲ネウロイに向けて電撃が放たれる!

 

「ガァアーーーァアウッ!!」

 

電気をチャージしていた列車砲ネウロイに電撃が撃ち込まれると、砲身の根元辺りに吸収されてネウロイのエネルギーとされてしまう。

 

『あそこか!!』

 

ダイナは電気の充電地点を確認すると、顔の前で腕を交差させると額のクリスタルを青く光らせてミラクルタイプにチェンジ、右腕を掲げて上空に光線を放った。すると、上空に黒い雲が広がっていき、ゴロゴロと雷が鳴り始めた。

 

「これは………!?」

『ダァアッ!!』

 

急に天候が変わったことにウィッチたちは戸惑う中、ダイナは右腕を列車砲ネウロイに向けて振り下ろすと稲妻が列車砲ネウロイに向けて豪雨のように降り注ぐ!

ダイナの超能力の一つ、『ネイチャーコントロール』だ!

 

「ガァアーーーァアウッ!!」

 

列車砲ネウロイはそれをもチャージしようとしたが、既に相当の電力を蓄積していたせいか容量を大幅に超過、大砲が根元から大爆発を起こしてしまった!

 

「やったぁ!!ペリーヌさん!!」

 

列車砲の撃破を確認した芳佳がペリーヌに振り返ると、彼女は少し恥ずかしそうに笑みを浮かべた。列車砲ネウロイは背中から黒煙を上げながら地面に伏すと、うなじの辺りの装甲が砕けてコアが露出していた。

 

「コアを確認!!」

「列車砲が再生される前にコアを!!」

「「「了解!!」」」

 

ミーナの指示を受けて芳佳たちはネウロイに向けて一斉に突撃していく。先行した数名が機銃を掃射してネウロイの追撃を防ぎ、その隙に残りのメンバーが一気に距離を詰める。その隙を突いて、リーネがコアに向けて狙撃をする!

放たれた弾丸は真っ直ぐにコアに向かって行き命中、コアは粉々になって砕け散る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………ハズだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……!みんな離れロ!!」

「え!?」

 

エイラが咄嗟に叫んだその時、列車砲ネウロイのコアがぐにゃりと蠢いて槍のような形に変わったかと思うと、ウィッチたちに向けて勢いよく飛び出してきた!

 

「きゃあああっ!?」

「!?ニパ!!」

「え?うわあ!?」

 

エイラが慌ててニパに向けて叫ぶも一足遅く、飛んできた物が高速で通過した際に生じた衝撃波を受けてしまい、彼女の体は吹き飛ばされて、地面に向けて落下していった。

 

「ニパさん!!」

 

リーネが思わず叫ぶが、ニパはそのまま森の木々の中に落ちて行った。

 

「そんな……!」

 

ニパの墜落にショックを受けるウィッチたち。咄嗟にペリーヌが向かって行く中、メビウスとダイナが飛んで行ったものを目で追っていくと、黒い槍は空中で更に変形をして赤い単眼と赤い発行体を持った西洋甲冑のような巨人―――アパテー(N)の姿となって地面に着地をした!

 

「アパテー!?」

「列車砲ネウロイの中に潜んでいたのか………!!」

「じゃあ、本物のコアは………!?」

「パオーーーンッ!!」

 

アパテーの出現にメビウスとダイナは驚きの声を上げる。ひかりが疑問を口にするものの、アパテーは隙を与えず右腕を槍に変形させてメビウスとダイナに襲いかかってきた。アパテーの槍による突きを左右に分かれて回避をしている間に、列車砲ネウロイはボディの再生を始めていた。

 

「ガァアーーーァアウ!!」

「列車砲ネウロイの護衛は、ナース以外にもいたという事か………!」

「このままじゃあ、また砲撃をされちまうぞ……!」

『くっ……!!』

 

シャーリーが悪態をついてダイナが小さく歯噛みしていると、アパテーが再び攻撃を仕掛けてくる。咄嗟にダイナが避けるとアパテーは振り返って再度槍を突き刺そうとしてくるが、それをメビウスが背後から羽交い絞めにして動きを封じた。

 

「パオーーーンッ!!」

『ダイナ、今のうちに!』

 

ダイナは頷くと、列車砲ネウロイに向かって行こうとする。しかし、列車砲ネウロイは全身から電撃を放って抵抗をしてきた!

 

『グァアッ……!!』

「ガァアーーーァアウ!!」

 

ダイナが電撃にたじろいで足を止めてしまう。電撃はメビウスの方にまで降り注ぎ、アパテーの拘束を解いてしまう。アパテーはメビウスから離れると単眼から赤い光線を放ち、ダイナの背中で爆発が起きた!

 

『グアアアッ……!!』

「ダイナ!!」

 

光線を受けたダイナは膝をつくとシャーリーが思わず声を上げる。ナースロイドを倒したガイアとコスモスが駆けつけるが、駆け寄ろうにも列車砲ネウロイの電撃で足を止めてしまう。

その隙にアパテーは8本の槍に分離・変形をすると上空に飛び上がり、ウルトラマンの周囲を囲むように地面に突き刺さると、ウルトラマンに向けて電撃を放ち始めた!

 

『ゥアアッ!!』

『グァアッ!!』

「ウルトラマンが……!!」

 

ウルトラマンが攻撃を受けて動けないのを見た芳佳が思わず声を上げる。その時、背中の砲身を再生させた列車砲ネウロイが、アパテーに動きを封じられたウルトラマン達に狙いを定めた!

 

「!?ウルトラマンに砲撃するつもり……!?」

 

ペリーヌがアパテーとネウロイの狙いに気付いて愕然とする。砲撃を阻止しようにも、周囲への電撃は未だ続いており迂闊に近づくことができない。

そして、列車砲ネウロイがチャージを終えて、砲弾を発射せんとした―――

 

 

 

 

 

ジャギキキキィインッ

 

『!?』

「!?」

「え……!?」

 

 

 

 

 

その時、上空から何かが飛んできたかと思うと、ウルトラマン達を拘束していたアパテーの槍を全て切り裂いて破壊してしまった! 地面にアパテーの槍がバラバラと落ちると、メビウスたちは一瞬何が起こったか分からずにいたが、すぐにアパテーの包囲から飛んで逃れたその瞬間に列車砲から砲弾が放たれるものの、それは空を切って地面へと着弾した!

 

「今のは……?」

 

ウルトラマン達が着地をした中、何が起こったのかわからないひかりが思わず呟いた。飛んできた物は上空に飛んで行くと、それは上空で静止していた者の手に収まり、頭頂部に装着をした。

 

「!あれは………」

「ウルトラマン……!!」

「援軍か………?」

 

胸の中央に青く光る『パワータイマー』を備えた白金色の胸当てを持ったその赤い巨人、ウルトラマンの姿を見て、ひかりと直枝、クルピンスキーが驚きの声を上げた。しかし、それ以外の者は喜びの声を上げる。

 

「ウルトラマンマックス!!」

「カイト!!」

「え?」

「知り合いなの……?」

 

ミーナやエーリカの反応を見て、ひかりと直枝が首を傾げる。マックスはメビウスたちの近くに降り立つと、メビウスたちは彼に駆け寄った。

 

『大丈夫か、メビウス!』

『ああ!マックス、どうして地球に?』

『再試験を終えて無事に宇宙警備隊に入隊したんだけど、早速エンペラ軍団の動きを調査指令が出ていたんだ。ちょうど地球に向かうルートにいたんでね。それで援護に来たんだ。』

『そうだったのか……』

「パオーーーンッ!!」

「ガァアーーーァアウ!!」

 

メビウスが納得して頷く。芳佳やリュウがウルトラマン達の無事を見てホッとしていた時、切り裂かれたアパテーが再び1つに戻って人型に戻ると、両腕を槍の形状に変形させ、列車砲ネウロイは再度大砲に電気をチャージし始めた。

 

「感動の再会は後ダナ!」

『アパテーは僕たちが引き受ける!メビウス、君は列車砲を!』

『分かった!』

「みんな、行くわよ!」

「「「了解!!」」」

 

ガイアとコスモス、マックスがアパテーに向かって行き、メビウスとダイナはウィッチたちと共に列車砲ネウロイへと向かって行く。アパテーは両腕の槍をウルトラマンに向けると、ミサイルの如く射出!ガイアとコスモスに迫って来た!

 

『ハッ!!』

 

2人は身体を捻って回避をすると、両手を上げて飛び上がって旋回する2機を追いかける。アパテーの槍は方向転換をしてダイナとコスモスを狙うが、2人は腕を振るって光弾を放つと槍は正面から光弾に直撃をして爆発を起こした。

 

『デャァアアッ!!』

「パオーーーンッ!!」

 

頭上で爆発が起きるその下で、マックスとアパテーは互いに走り出して拳をぶつけ合うと、そこから激しく格闘戦を展開していた。マックスとアパテーは手を組み合って互いに押し合っていると、アパテーは単眼を光らせて至近距離から光線を発射、だがマックスは腕を組んだまま上半身を反らして回避すると同時に、サマーソルトキックをアパテーの顎にお見舞いして吹っ飛ばした!

 

「パオーーーンッ!?」

 

アパテーは地面に倒れ込むと、マックスは距離を取ってマックススパークを装着した左腕を高く掲げると、虹色のエネルギーが左腕に蓄積され、金色の翼のイメージが一瞬現れる。そして、マックスが左腕を縦、右腕をその肘に当てた『逆L字』になるように構えると、左腕から金色の必殺光線「マクシウムカノン」が放たれた!

 

「パオーー………!!」

 

マクシウムカノンの直撃を受けたアパテーは短く悲鳴を上げながら藻掻きながら仰向けに倒れて爆発四散した!

 

「ガァアーーーァアウ!!」

 

一方、メビウスやダイナと共に列車砲ネウロイと対峙するウィッチたち。列車砲ネウロイは電気攻撃を停止させると、ウルトラマンを近づけまいと砲身を振り回して攻撃してくる。

 

「くそ!近づけねぇ………!!」

 

直枝が悪態をついて舌打ちをする。その時、列車砲ネウロイの砲身がメビウスとダイナの方に向くと、短く電気を溜めて3発の砲弾を連続で放った!

 

「危ない!!」

『『!!』』

 

思わず芳佳が叫ぶが2人のウルトラマンは1発の砲弾を回避すると、メビウスは両手で受け止めて、ダイナはフラッシュタイプにチェンジすると『ビームスライサー』を放って空中で撃ち落とした。チャージが少なかった事が幸いしてか、威力が低かったために回避と防御が可能なのだった。

 

「よ、よかった………?ん?」

 

メビウスが受け止めた砲弾を横に放り投げた時、ミーナはある事に気が付いた。

 

「……クルピンスキー少尉、着いてきてくれるかしら?」

「む?」

 

ミーナがクルピンスキーと共に別の方向に向かう。列車砲ネウロイは再度電気をチャージし始めるのを見たメビウスは何か思いついたのか腰の前で腕を交差させると、金色の光になってその場から消えてしまった。

 

「メビウスが消えた!?」

 

メビウスの消失に驚く一同。何が起こったのか困惑をしていると、リーネの頭にミライの声が響いた。

 

《リーネちゃん、あの砲口を狙い撃ってほしいんだ!》

「え?」

《合図を送ったら、正面から撃って!頼む!?》

「は、はい……!」

 

突然の指示にリーネは驚くが、言われた通りに列車砲ネウロイの砲口に狙いを定める。

 

「リーネちゃん?」

「今、ミライさんから指示があったんです!砲口を狙えって!」

「ミライさんから?」

「よくわからんが、ミライに何か考えがあるんだろう………リーネを援護しろ!」

「了解!」

 

リュウの指示を聞いて、芳佳やひかりが守るように前に出る。列車砲ネウロイはチャージが完了したのか、再び砲撃を行おうとしていた。

 

「ガァアーーーァアウ!!」

《今だ!!》

「行きます!!」

ドォオンッ

 

「ガッ……!?」

 

リーネが引き金を引くと、対戦車ライフルの銃口から弾丸が放たれた、はずであった。しかしライフルから放たれたのは、何と―――

 

「あっ!?」

 

弾丸とほぼ同じサイズに小さくなったウルトラマンメビウスであった!ライフルから放たれたメビウスは勢いをそのままに加速と巨大化をしていき、列車砲ネウロイの砲門に突っ込んで行った!

 

「ガァアーーーァアウ!?」

 

列車砲ネウロイが気付いた時には、既に大砲を発射した瞬間であった。そして内部でメビウスと砲弾が真正面から激突する!

 

「!?マズい!大砲が誘爆するぞ!」

 

バルクホルンが叫ぶが、爆発までもう時間がない。そう判断したダイナはガイアたちを呼ぶと、4人のウルトラマンはウィッチたちの前に出て両手を伸ばし、バリアを展開する。

 

「ガァアーーーァア―――」

ドゴォオオオン

 

瞬間、列車砲ネウロイが内部から大爆発して、周囲に衝撃波と黒煙、熱波が吹き荒れる!4人のウルトラマンは後ろのウィッチたちを守るべく必死に踏ん張って耐える。

 

やがて爆発が収まると、カラータイマーを赤く点滅させたダイナたちはバリアを解除する。爆発の中心を見てみれば、そこにはしゃがんだ姿勢のメビウスの姿があった。メビウスも、カラータイマーが赤く点滅し、ふらつきながらも立ち上がった。

 

「メビウス……!!」

「ったく、無茶しやがって!!」

 

立ち上がったメビウスを見て芳佳やリュウが安堵する中、ダイナとマックスがメビウスの元に駆け寄る。

 

『大丈夫か、メビウス!』

『ああ、何とかね……』

「でも、なんて無茶なことを………」

 

メビウスが返事をすると、ひかりが思わず呟く。

列車砲ネウロイは列車砲へのチャージをするときは放電攻撃を出来ないと踏んだメビウスは、発射寸前の隙を突くのが最適であると判断をした。そこで、かつてウルトラセブンから話を聞いていた『ロボット怪獣 クレージーゴン』を倒した際に使用した『ステップショット戦法』で、発射される砲弾を誘爆させる作戦に出たのだ。

 

「でも、これであの列車砲ネウロイを倒せたね!」

『……いや、妙なんだ。手ごたえがないというか……』

「どういうことだ?」

 

メビウスが首を傾げると、ダイナが聞き返す。その時、背後に気配を感じたかと思うと、吹き飛んだネウロイの破片が徐々に集まっていき、再生を始めていた。

 

「何だと!?」

「コアは無事だったってのかよ……!!」

「ガァアーーーァアウ!!」

 

一同が困惑をする中、再生途中の列車砲ネウロイが大きく咆哮を上げた!

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

戦闘地点から数百m離れた地点、森の中を4m程の大きさの黒い金属の塊が移動をしていた。6本の短い節足を忙しなく動かし、逃げるように移動していたが、その背に数発の銃弾が撃ち込まれると、火花を上げて爆ぜた!

 

「キィィイイイイイイイイイ!!」

 

爆発の勢いで動きを止める黒い塊―――列車砲ネウロイから放たれた砲弾ネウロイ。その頭上にはミーナとクルピンスキーが、見下ろしていた。

 

「考えたわね。砲弾にコアを移して、遠くに飛ばして逃げるなんて……」

「ミーナ隊長が、メビウス達が回避した砲弾が動いている事に気付いていなかったら列車砲ネウロイ倒すのに躍起になって、逃してしまうところだったよ。」

 

ミーナとクルピンスキーが呆れと感心の混じったため息をつくと、再生を始める砲弾ネウロイに再度銃口を向けた。

 

「さて、見たところあまり装甲は厚くないみたいだね。」

「ええ。とっとと終わらせましょう!!」

 

2人は容赦なく引き金を引いた。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ガァアーーーァアウ………!!」

 

列車砲ネウロイは大きく咆哮を上げたかと思うと、粉々に砕け散ってしまった。

 

「え!?」

「何が起きた……!?」

[こちらミーナ。ネウロイのコアを持った砲弾を撃破しました。]

「ミーナ隊長!」

 

突然砕けた列車砲ネウロイに驚いていたが、通信機に入って来たミーナの報告に皆の顔が明るくなる。一同がホッとしている中、ふと、ひかりは視界の端で何かが動いたような気がした。

 

「ん?」

「どーしたひかり?」

「いえ、今何か………?」

 

ひかりは首をかしげていたが、その時、芳佳が思い出したように大声を上げた。

 

「ああ!そう言えば、ニパさんは……!!」

「あー、ニパなら大丈夫ダロ。」

「何を言ってるんですかエイラさん!!」

 

慌てる芳佳に対して呑気に答えるエイラ。直枝とひかりもあまり心配していないようだったが、調度その時、通信機にペリーヌからの通信が入った。

 

[こちらペリーヌ、ニパさんを回収しました。]

[みんなー、心配させてゴメンねー。]

 

若干疲れたような声のペリーヌに次いで、元気そうなニパの声が聞こえてきた。声を聴いた芳佳が、慌てたようにニパに話しかける。

 

「だ、大丈夫なんですか?怪我とかは!?」

[うん。服とか破けちゃったけど、私の固有魔法って自己回復だから。そういえば、宮藤さんたちにはちゃんと説明してなかったねー。]

[まったく、血まみれで腕や足が変な方向に曲がったニパさんを見つけた時は、驚いて口から心臓が飛び出すかと思いましたわよ………]

[ゴメンゴメン………]

「よかったぁ~……」

 

軽く謝罪をするニパに、ホッと胸をなでおろす芳佳。メビウス達も安心したように頷くと、マックスに向き直った。

 

『マックス、改めてありがとう。』

『礼には及ばないさ。それより、ヒカリから伝言を預かって……』

 

マックスが言いかけたその時、

 

『?』

『何だ………!?』

 

突然地響きがしたかと思うと、一同のいる場所から数百m離れた場所の地面が盛り上がり、その下から金属製のドームのようなものが現れた!

 

「ありゃ何だ!?」

 

驚くウィッチたちの目の前でドームが三方向に展開をすると、その中から黒い風船のような球体がみるみるうちに膨らみ始めた。

 

『……!!』

 

メビウスたちが警戒をしていると、球体の内部でバチバチとスパークが光った瞬間に爆発!爆発の衝撃に一同が思わず顔を伏せると、爆炎の向こうから、巨大生物があらわれた!

 

 

 

 

 

「ゼットーン………ピポポポポポポ」

 

 

 

 

 

「怪獣!?」

「ま、まさか………!!」

 

その怪獣には、手足があった。

 

頭があって、黒く固い体表を持ち、銀色の角を生やし、両胸に赤い発光体を持っていた。

 

しかし、その頭に『顔』はなかった。あるのはフジツボめいた2つの突起と、顔の中央で不気味に光る、赤い発光部分のみだった。

 

「ゼットーン………ピポポポポポポ」

 

その怪獣が放つ声は、生物とは到底思えない電子音と不気味な声であった。

 

『ゼ、………ゼットン………!!』

 

その怪獣―――『宇宙恐竜 ゼットン』は、生物でありながら無機質であった………

 

 

 

 

 

つづく




第四十一話です。

・冒頭はもっさんとサコミズ総監の会話。今後の展開に関わってくるかと思います。ちなみに書庫と本棚の番号は某コンサルタントの電話番号が元ネタ

・ナースロイドの武器は『るろうに剣心』の四神の武器が元ネタ。勿論後2つ残っているので、再登場する予定。

・列車砲ネウロイに潜んでいたアパテー(N)。槍をミサイルにしたり目からビーム放ったり、何気に色々パワーアップしてます。
 ニパの墜落ネタはどっかで入れたいなと考えていたので、今回入れてみました。

・マックス再び地球へ。けっこうおいしいところ持って行きましたね。

・決め手はステップショット戦法。列車砲ネウロイどうやって倒そうか考えて、これに行きつきました。が、書いている内に砲弾でコアだけ逃げる作戦思いついたので、取り入れてます。砲弾ネウロイは、『ガイア』のバイソンのイメージ。

・息つく暇もなく、まさかのゼットン登場。よく読むと違和感があると思いますが、詳細は次回という事で。

では、また次回。
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