ウルトラマンメビウス&ストライクウィッチーズ   作:オレの「自動追尾弾」

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第九話 強き太陽の勇者

 

コスモスの放った「ルナエキストラクト」により、ベムスターを従わせていたネウロイを吐き出す事に成功した。しかし、ネウロイはイカルス星人ジュリコの円盤と融合して、ベムスターの姿を模した形態へと変貌してしまった。

 

ベムスターを庇うコスモスに、スチール星人バトラーとネウロイが迫る。その時、金色の光と共に、ウルトラマンメビウスが舞い降りた!

 

ベムスターを巡る戦いは今、最後の局面を迎えようとしていた………

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ミライさん………」

 

金色の光と化して戦場へと赴いたとミライを送り届け、メビウスを見上げる芳佳。その時、芳佳の背後の方でエンジン音が聞こえた。振り返った芳佳の目の前で、アンテナや銃器がゴテゴテと装備された独特なシルエットの赤いジープが、ドリフト気味に急停止した。

 

「おお、ここにいたか、嬢ちゃん!」

「あ、アライソさん!?」

 

車から降りてきたのは、アライソ整備班長だった。ストライカーユニットの整備の為、芳佳は美緒と共に何度か会っていた。リュウによると、世界で最初に設立した防衛チーム『科学特捜隊』からメカニックに携わり、『ジェットビートル』を始め『ウルトラホーク1号』、『マットアロー』などの歴代防衛チームの航空メカを整備してきたのだという。

芳佳が驚いている間に、アライソはジープのハンドルに付いたスイッチを押しこむと、後部がスライドして開き、中から芳佳の「J7W1震電」が出てきた。

 

「あ、私のストライカー……!」

「こんな事もあろうかと、整備の合間にマックロディーのレストア車両を、ストライカーユニット搭載可能に改造しておいてよかったな。まあ、スペースの問題で1機しか載せられないが。」

 

飛び出した「震電」に驚く芳佳に、アライソは口角を上げて言う。

「こんな事もあろうかと」、メカニックなら一度は言ってみたいセリフである。

 

「最高の状態に整備しといてやったぞ。コイツでウルトラマン達を助けてきな!」

「え?………はい!」

 

突然現れたアライソと車から飛び出したストライカーに戸惑っていた芳佳であったが、アライソの言葉にはっとし、大声で返答をするとマックロディーの後部に手をかけるとひらりと飛び越えて、ストライカーに乗り込む。

瞬間、芳佳の使い魔である豆柴の耳と尻尾が出現し、足元に眩い光を放つ魔法陣が展開された。そして、車両後部横の銃器収容スペースに納められていた自身の機関銃を手に持った。

 

「行きますッ!!」

 

芳佳はコスモスに迫るベムスター型ネウロイを睨むと、宣言と共に飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――「その力を 多くの人を守るために」、か………一郎よぉ、お前さんの娘は、立派に育ってるぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第九話 強き太陽の勇者

 

変形怪異獣 ネウロイ(GX‐04β)

宇宙超人 スチール星人バトラー

宇宙大怪獣 ベムスター

要塞ロボット ビームミサイルキング

登場

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『メビウス………』

『現れたな、ウルトラマンメビウス!』

「クァアアアキイイイーーー!!」

 

金色の光と共に現れたメビウスを見て、バトラーとネウロイは敵意を向ける。メビウスはベムスターを庇うコスモスの傍に立膝を付いた。

 

『コスモス、今、エネルギーを分けるぞ。』

 

そう言ってメビウスブレスを構えると、ブレスから金色のエネルギーが放たれ、コスモスのカラータイマーへと吸い込まれた。しばらくエネルギーを補充していると、赤く点滅していたカラータイマーが青い輝きへと変わった。全開の状態ではないが、コスモスのエネルギーは回復された。

 

『すまない………』

『ありがとう、メビウス。』

『バカめ、隙だらけだ!!』

「クァアアアキイイイーーー!!」

 

コスモスとムサシがメビウスに礼を言ったその時、バトラーが頭部の円盤から、ネウロイが頭頂のレイホーンを思わせる角から光線を放つ!

 

「危ない!」

「ミライさん!!」

バシィイッ

『『!?』』

「キィイ!?」

『何!?』

 

だが、2体の攻撃は間に入ったウィッチたちの障壁によって阻まれた!

 

「宮藤!」

「ミライさん!ムサシさん!私も戦います!みんなを守りたいから!」

『………!』

 

メビウスは芳佳の言葉に頷き、コスモスと目を合わせ立ち上がった。

 

『ネウロイ!私は、お前を許さない!!』

 

コスモスはネウロイに向けて叫ぶと、右腕を高く掲げた。すると、コスモスの周囲に赤いエネルギーが集まり、コスモスは強く、赤く変わる!

 

「あれは………!?」

「コスモスが………変わる………!」

 

皆が驚く中、コスモスは燃え上がる陽炎のような左右非対称の赤い姿となり、額のクリスタルも縦長のオレンジ色のものに変わっていた。

 

ウルトラマンコスモス コロナモード

 

『慈愛』を体現する青い「ルナモード」とは対象に、『強さ』を体現した姿である。

 

「コスモスは、ヴェネツィアに現れたウルトラマンと同じで、姿と能力を変えることが出来るのか………!」

『フゥッ、ダァアッ!!』

 

美緒が驚く中、コスモスはネウロイに向けて拳を突き出すと、咆哮を上げるネウロイに向けて駆け出した。

 

「宮藤とペリーヌは私と共にネウロイを、サーニャたちはベムスターを頼む!」

『了解!!』

「俺たちはスチール星人を叩く!」

[G.I.G.!]

 

美緒とリュウの指示に各々が返答し、戦闘が再開された。

 

『お前は僕が相手だ!』

『望む所!!』

 

バトラーが突きを放つと、メビウスはパンチで軌道をずらして回避、お返しにローキックを喰らわせて怯んだ所で、3機のガンマシンが攻撃を行う!

 

「ウィングレッドブラスター!」

「バリアブルパルサー!」

「ガトリングデトネイター!」

ズガガガガガッ

『ぐあ!?オノレエ………!』

『セヤアッ!!』

 

ガンマシンの集中攻撃にバトラーが悪態をつく。メビウスは左腕のブレスにエネルギーをためると、左拳を突き出して金色のプラズマ光線「ライトニングカウンター」を放ち、バトラーを吹き飛ばした!

 

「クァアアアキイイイーーー!!」

『フゥッ!ハァアッ!!』

 

一方、ネウロイと対峙するコスモス。

攻撃を受け流していたルナモードの時とは打って変わり、握り締めた拳をネウロイに叩きつけ、回し蹴りで蹴り飛ばす。

 

「クァアアアキイイイーーー!!」

「何という激しい攻撃………!」

 

咆哮を上げるネウロイに対し、鷹を思わせるポーズから流れるような動きで拳を構えるコスモス。ネウロイは怒っているかのようにがむしゃらに突っ込んでくるが、コスモスは右手に気を集中させると、両の拳をネウロイに叩きつける!コスモスコロナモードの技の一つ、「サンメラリーパンチ」だ!

パンチの衝撃で後退したネウロイに、今度は正面から首筋を狙った手刀『ソーラーチョップ』をお見舞いし、装甲の一部を破壊した!

 

「クァアアアキイイイーーー!!」

 

だが、ネウロイは怒りの咆哮と共に装甲を再生させると、背中の赤い発光部分から光線のエネルギーを角に収束、巨大なエネルギーを溜めると一気に解き放ち、コスモスに血のように赤い「収束レイホーンバースト」を放つ!

 

「コスモス!」

『!!』

 

コスモスは背後の美緒たちに気付き、正面にバリアを張って防御する。光線の勢いで背後に押されてしまうが、踏ん張ってバリアを固定、飛び越えて飛び蹴りを喰らわせた!

 

「クァアアアキイイイーーー!!」

「今だ!奴に集中砲火だ!」

「「はい!」」

 

キックに怯んだネウロイを見て好機と見た美緒が叫び、芳佳とペリーヌが機銃を浴びせる。ネウロイの体表に命中して、火花と共に装甲をはぎ取るが、致命傷には至らない。

 

『どの攻撃も、決定打には至らないのか………!』

「あのネウロイのコアを探しているが………体内で高エネルギーが渦巻いていて、分かりづらいな………いくらベムスターの姿を模しているとは言え、ネウロイである以上はコアを破壊すれば一瞬で砕けるハズなのだが………」

 

コスモスと一体化したムサシの声が聞こえたのか、眼帯をずらして魔眼を発動させた美緒がつぶやく。恐らくはイカルス星の円盤と融合した影響なのだろう。惑星間を移動する程のエネルギーが、ネウロイの体内で渦巻いていた。

そんな時、ネウロイが爪を振るってペリーヌに攻撃を仕掛けようとする!咄嗟にコスモスは手先から『ハンドドラフト』を発射して爪を破壊するが、それにより黒き怪異はコスモスに標的を変えてしまう。

 

「少佐!?させませんわ!トネールッ!!」

バリバリバリッ

「クァアアーーー!」

 

その時、ペリーヌの体に雷光が光り、固有魔法の「電撃」をネウロイに浴びせる!ネウロイは一瞬驚いた素振りを見せたが、すぐに腹部の器官でベムスターと同様に吸収してしまった!

 

「ああ!」

「やはり、ベムスターの能力を………!」

 

電撃を吸収するネウロイに落胆する美緒と芳佳。このままではこのネウロイを倒せないと思ったその時―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキィッ

 

 

 

 

 

 

「「「!?」」」『『!?』』

「キイイイーーー!?!?」

 

何と、ネウロイの脇腹や背中が裂けたかと思うと、内部から稲妻がスパークしたではないか!

 

「き、効いてる………!?」

 

自分でもまさか効果があるとは思わなかったのか、驚きを隠せないペリーヌ。予想だにしなかったダメージに混乱するネウロイを見て、ムサシはある仮説に行きついた。

 

『もしや、あのネウロイはベムスターの能力を完全にはコピー出来ていないんじゃないのか?』

「何!?」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ネウロイは、ベムスターを完璧にコピー出来てない!?」

 

スチール星人バトラーと対峙するメビウスを援護していたリュウは、美緒からの通信を聞いて思わず聞き返した。

 

[はい。ですが、ペリーヌの電撃でも、コアまで攻撃が通らなかった事を考えると、破壊するにはより強力なエネルギーを吸収させる必要があるかと………]

「より強力なエネルギーか………」

『リュウさん!』

 

美緒の言う「より強力なエネルギー」に、リュウは一つ心当たりがあった。そして、バトラーの赤い光線を避けるその「心当たり」から、テレパシーが届いた。

 

『僕とコスモスの光線を合わせれば、もしかしたら!』

「俺も同じこと考えていたぜ!ガンローダー!メテオール解禁!!」

[G.I.G.!!バーミッション・トゥ・シフト、マニューバ!!]

 

リュウの解禁命令を聞き、ガンローダーはマニューバモードに変形、金色の粒子をまき散らしながら上昇すると、左右のファンが唸りを上げる。

 

「ブリンガーファン、ターンオン!!」

ゴォオオオッ

『うおおおおおおおおおおおお!?!??』

 

ブリンガーファンの荷電粒子ハリケーンを受けて、バトラーは吹き飛ばされた!

 

「今だ!ここは俺たちが引き受けるぜ!」

『ハイ!!』

 

メビウスは答えると、ネウロイと戦うコスモスの元へ駆け寄る。コスモスの隣にメビウスが並び立つと、2人のウルトラマンは目を合わせて頷き合うと、ネウロイに向けて拳を構えた。

 

『セヤァッ!』

『デヤァッ!』

「ウルトラマンに続け!!」

「「了解!!」」

 

メビウスとコスモスが駆け出すのを見た美緒の号令の元、芳佳とペリーヌたちもネウロイへと向かう。

 

「クァアアアキイイイーーー!!」

『セヤァアッ!』

 

ようやく電撃のダメージから再生したネウロイは、爪を長く鋭利に変形させて2人に斬りかかる。メビウスはブレスから『メビュームブレード』を伸ばして爪をいなすと、すかさずコスモスが横っ面にパンチをお見舞いする。ひるんだ隙にウィッチ2人の機関銃が火を噴き、右の爪と肩を砕く!

 

「クァアアアキイイイーーー!!」

「そこだぁあッ!!」

斬ッ!!

 

更に、美緒が烈風丸を振るうと、必殺の烈風斬がネウロイの左の爪を切り裂いた!

 

「今だッ!!」

 

美緒が叫ぶと、メビウスはメビウスブレスに手を当てて中央のクリスタルサークルを回転させるように手を左右に伸ばす。

コスモスは手を鳥の翼を思わせる形で広げると、伸ばした手の先で円を描くように回し、気を集中させる。

 

「クァアアアキイイイーーー!!」

 

だが、ネウロイは頭頂の一本角に赤黒いエネルギーを溜め、「収束レイホーンバースト」の発射体制に入ってしまった!

 

「マズい!」

「くそう!烈風―――」

『させるか!!』

 

美緒が烈風斬を放とうとしたその時、突如飛んできた赤い光線によって阻まれてしまう。3機のガンマシンを振り切ったバトラーの攻撃だ。一瞬の隙を許してしまい、ネウロイの必殺光線が2人の巨人に向けて放たれてしまった!

 

「いかん!」

「ミライさん―――」

 

 

 

 

 

ぐんん

 

 

 

 

 

「!?」

『ナニィイ!?』

 

だが、ウルトラマン達に直撃すると思われた光線は、2人のおよそ100m手前で急に『曲がり』、2人から遠ざかっていく!

驚く一同が、ビームの行く先を見ると、その終着点は――――――

 

 

 

 

 

「ピヤァアアーーー!」

 

起き上がったベムスターの腹部、『吸収アトラクタースパウト』だ!

体力を消耗していたベムスターは、最後の力を振り絞って立ち上がり、ネウロイの光線を吸い込んでいるのだ!

 

「ベムスターが、ウルトラマンを守った………!?」

「コイツ……急に起き上がったかと思えば………!!」

「ミライさん!ベムスターが吸い込んでいる内に!!」

 

ベムスターの思わぬ行動に全員が、ネウロイですら驚く中、芳佳は叫んだ。宇宙大怪獣ベムスター自身が、そういっているように思えたのだ。

 

メビウスは金色のエネルギーを蓄積させながら伸ばした手を頭上に回すと手を十字に組んで―――

 

コスモスは球体状の気を突き出して―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『セヤァアアアアアアーーー!!』

 

『デヤァアアアアアアーーー!!』

 

ドウッ!!

 

ウルトラマンメビウスの金色の破壊光線『メビュームシュート』とウルトラマンコスモス コロナモードの赤い炎の圧縮波動『ブレージングウェーブ』がネウロイの腹部に叩き込まれた!

ネウロイは光線の発射を中断して吸収しようとするが、2つの強力な光線を吸収しきることが出来ず、所々から火花を散らしだし………

 

 

 

 

 

「クァアアア………」

 

 

 

 

 

パキィイイン

 

 

 

 

 

限界を迎え、ネウロイは最後の一声と共に砕け散ってしまった………

 

 

 

 

 

『そ、そんな………!!』

「やったーーー!!」

 

バトラーが呆然とする中、ウィッチ達は喜びの歓声を上げ、ベムスターも嬉しそうに手を振る。どうやら、先ほどネウロイの光線を吸い込んだことで回復したようだ。

 

『ま、まだだ!まだ私がいるぞ!!』

「スチール星人!」

『ウルトラマン共のエネルギーも、もう残り少ない!今なら勝ち目が―――』

『見苦しいぞ、バトラー!』

 

バトラーが立ち向かおうとしたその時、突如空中から赤い影が飛来してきた!

 

「あれは!?」

 

降りてきたのは、赤い色の全体的に四角い印象を受けるロボットであった。顔面には黒く大きなバツ印が刻まれ、吊り上がった目が睨みつけるように輝いている。背中に搭載された大きなミサイルポッドと両腕のビーム砲を装備しており、ロボットの火力を物語っていた。

 

「ロボット!?」

『貴様、ボルターか!?邪魔をするなら貴様とて……』

『引き際をわきまえろと言っている。この状況では、貴様の敗北は確実だ。』

 

バトラーにそう言い放つのは、このロボットの操縦士だろうか。まだ若い印象のその声に、バトラーはたじろいだ。

ロボットはウルトラマンやウィッチ達に向き直ると、操縦士の声が外部スピーカーから聞こえてきた。

 

『初めまして地球人の諸君、そしてウルトラマンよ。オレはエンペラ軍団「ロボット騎兵軍」提督のボルターだ!』

「エンペラ軍団だと!?」

「それって、ミライさん達が倒した宇宙人の………!?」

『今回の所は引いてやるが、今度出会うことがあるならば、』

 

ボルターはそう言うと、ロボットが両手のビーム砲を構えた。

 

『この「ビームミサイルキング」で塵にしてくれる!』

 

そう言い放つとロボット―――ビームミサイルキングは両腕のビーム砲を地面に撃ち、爆炎がロボットと宇宙人の姿を隠す。煙が晴れた時には、1人と1機の姿は無かった………

 

「逃げたか………」

「やはり、エンペラ星人の配下の宇宙人が動いていたか………」

 

立ち去った2体の宇宙人に方の力を抜いたリュウがつぶやく。カラータイマーが赤く点滅を開始する中、コスモスは青い『ルナモード』に変わると、ベムスターの傍に寄り頭を撫でた。

 

「キュ~」

「アイツ、随分と律儀な奴ダナー」

「コスモスが優しく接した事で、心を開いたのかもしれないわね。」

「優しさの青と強さの赤………コスモスは、その2つを併せ持つウルトラマンなのか………」

 

ベムスターは気持ちよさそうな声を上げると、コスモスと共に頷いて飛び上がる。メビウスもそれに付き添うように飛び上がったのを見て、リュウは通信を入れた。

 

「GUYSスペーシー、こちらGUYSジャパンのアイハラだ。今から、ウルトラマン2人が怪獣を宇宙に還す。撃ち落さないでくれよ!」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

「ふーむ………やはり、調整が不十分でしたか………」

 

数時間後、どこかの廃ビルの一室で、カウントとバトラー、ボルターの3人が話し合っていた。

 

「だが、お陰でコスモスの戦力を調べる事が出来た。カウント、お前の『大怪獣戦団』がグルータスで使い物にならなくなり、『宇宙人遊撃衆』が動けない以上、我が『ロボット騎兵軍』の戦力で地球を一気に攻め込ませてもらうぞ。」

「………ふん、『豪将様』直属の親衛部隊長であった貴様らしい、単純な作戦だな。」

「『謀将殿』の配下は、策を練りすぎるから動くまでが遅くていけねえなあ。」

「何を………!」

「よしなさい、バトラー。」

 

先程の事を根に持っているのか、拳を握るバトラーをカウントが諌める。

 

「良いでしょうボルターさん。作戦の指揮権をあなたに移します。」

「ふ、感謝するぞ、『カウント提督』よ。先ずは、あのロボットと怪獣どもでおびき寄せるとしよう。後は任せてくれ。」

 

ふ、ふ、ふ、という笑いを残して、ボルターはその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

翌日 GUYS基地

 

 

「GUYSスペーシー月面基地より連絡がありました。ベムスターは、無事に月軌道を抜けてかに座方面へ飛んで行ったそうです。」

「ネウロイの元となった円盤に乗っていたであろう、イカルス星人ジュリコとマグマ星人ヴァルドスキーの行方は、未だ知れていません。」

 

朝礼の席で、ミサキ代行とエリーの報告をリュウ達は頷きながら聞いていた。

あの後、無事にベムスターを宇宙に送り届けた2人のウルトラマンは、GUYSやウィッチ達の元に帰ってきた。ミライとムサシは美緒や芳佳たちにウルトラマンであったことを改めて告白し、6人はそれを受け入れたのであった。

 

「生きているとしたら、まだ地球に居るんだろうな。アウトローつってたし、あの円盤も地球を脱出しようとしてた事から、エンペラ軍団とは手を切ったのか?」

「恐らくは。でも、また襲ってこないとは言えませんが………」

「ま、あの程度の連中なら、大丈夫だろ。」

 

楽天的な事を言うリュウだが、そうだろうと全員が思った。

ふと、リュウはウィッチ達を見渡した。サーニャとエイラがZATとMACのユニフォームを着ているのは勿論であるが、今日は芳佳と美緒はオレンジ色の科特隊、ペリーヌはグレーと白のウルトラ警備隊、リーネは濃いオレンジに銀のラインが入ったUGMのユニフォームを、それぞれ着ていた。

 

「お前ら、結局着てるんだな………」

「あははー、でも、かっこよくないですか?」

「まあ、気に入っているなら、別にいいけど………」

 

ユニフォームの袖を伸ばしながら、見せるように回る芳佳に苦笑するリュウとカナタ。

しかし、と、不意にトリヤマが口を開く。

 

「改めてみると、ずいぶんと華やかになったのぉ~」

「でも、これでやっと半分の6人ですからねえ。他のみなさんも、早く見つかると良いのですが。」

「いえ、もうすぐ、あと3人来ますよ。」

 

え?

 

ミライからの突然の発言に、一同の意識はミライに集中する。

 

「実は、ベムスターを大気圏外まで連れて行ったとき、80(エイティ)兄さんからのウルトラサインが届いたんです。」

「ウルトラ、サイン………?」

 

ウルトラサインとは、ウルトラマンにのみ知覚可能な通信手段である。上空に輝く文字を描き、遠くにいるウルトラ戦士にメッセージを送ることが出来るのだ。

 

「それによると、ゲルトルート・バルクホルンさん、シャーロット・E・イェーガーさん、フランチェスカ・ルッキーニさんが、地球から約300光年離れた惑星グルータスで見つかって、今、タロウ兄さん達と地球に向かっているそうです。」

「バルクホルンたちが!?」

「ルッキーニちゃんとシャーリーさんも!良かった~」

 

3人の安否を知り、喜びの声を上げる芳佳達。ふと、ペリーヌは気になる事があった。

 

「あの、ヒビノさん、今、『タロウ兄さん「達」』と言いましたわよね?タロウさんはウルトラマンでしょうけれど、他にもウルトラマンが一緒なんですの?」

 

ペリーヌの言葉に、一同も気づく。ミライは肯定の意味で頷いた。

 

「はい。今地球に向かっているのは、タロウ兄さんともう1人………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴェネツィアに現れたウルトラマン、………『ダイナ』も一緒です。」

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

地球時間で3日ほど前―――

 

 

眼を覚ましたゲルトルート・バルクホルンは、異様に日の光が強いように感じた。

 

「………あ、れ?」

「お、起きたか、バルクホルン。」

「い、イェーガー………?」

 

起き上がって見渡すと、ここはどこかの森の中らしく、近くに小川が流れており、シャーロット・E・イェーガーが手を着けていた。

 

「今、ルッキーニ達が、周囲を見に行っている。取りあえず、この水は飲んでも大丈夫だ。」

「ああ。だが、ここはどこだ?私たちは、ヴェネツィア上空にいた筈だが………?」

 

立ち上がり、小川に歩きながらシャーリーにそう聞く。シャーリーは頬をかきながら、

 

「分からないが、とりあえず地球ではない事は確かだ。」

「何だと?冗談を言うな!何故そう言い切れる?」

 

バルクホルンはシャーリーに食って掛かる。寝起きで妙な事を言われ、若干気が立っているようであった。

 

「いや、でもさ、あれ見てみ?」

「何?」

 

シャーリー自身も若干困惑しているのか、顔を引きつらせながら上空を指差した。バルクホルンが見上げてみると、丁度木々の隙間が空いた所から青い空が見え―――

 

 

 

 

 

「………なあイェーガー、私は寝ぼけているのだろうか?太陽が2つあるように見えるのだが…?」

「いや、寝ぼけていない私でも見えるから、現実だ。」

「マジか。」

「マジだ。」

 

太陽が2つあった。

 

ついでに言うと、月らしき衛星も3つくらい浮かんでいた。

 

「………うそ、だろう………まさか、本当に………?」

「ああ、ウソじゃあない。」

 

突然、背後から声を掛けられる。振り返ると、フランチェスカ・ルッキーニと共に、ヴェネツィアで発見したあの金髪の男性がいた。その手には、紫とオレンジのマーブル模様のやたらトゲトゲした果物が数個抱えられていた。

 

「あなたは、あの時の………?」

「オレはアスカ・シン。ただの流れ者だ。」

「おお、戻ったかルッキーニ!」

「これ、食べれそうだったよー!」

 

アスカと名乗ったその男性は、ルッキーニと一緒に果物を大きめの葉っぱの上に置いた。

 

「ここがどこかは分からないが、俺たちはあの怪獣の能力で、この場所に飛ばされてしまったことは確かだ。」

「あの時の、あの光か………」

 

バルクホルンは思い返した。あの時、あのよくわからない生物(ブルトンの事である)が発した光に引きずり込まれ、気を失っていたのだと。

ふと、気を失う寸前、自分はあの時の銀色の巨人が手を伸ばすのを見たような気がした。

 

「そうだ、あの巨人!あの銀色の巨人は!?」

「ダイナだ。」

「え?」

 

バルクホルンが思い出して口に出した言葉に、アスカが口をはさんだ。

 

 

 

「あの巨人の名前は、『ウルトラマンダイナ』だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




第九話、『コスモス篇』の後編です。

マックロディー改(仮)登場。小説版に倣ってラビットパンダでもよかったのですが、マックロディーの方がストライカーユニットの搭載ができるスペースがあると思いまして。

ベムスター化ネウロイの弱点は割と分かりやすい物にしてみました。合体光線と怪獣の協力は、個人的に結構燃えます。

ボルターはロボット騎兵軍、カウントは大怪獣戦団の提督。今作のエンペラ軍団はこれに「宇宙人遊撃衆」を加えた三大兵力があって、それぞれがグローザム、デスレム、メフィラスの配下となっております。
ビームミサイルキングはボルターの愛機。今後はもっと活躍する予定です。

ウィッチ達の歴代防衛チームコスプレはそれぞれ合うと思うものを選んでいます。残りの5人の物も現在検討中。

次回は、満を持しての『ダイナ篇』です。お楽しみに。

では、また次回。
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